絶望的な暗さ [新譜]

ちょっと懐かしい名前ではありますが
メタル方面も果敢に新譜で攻めてみます。

Ominous / LAKE OF TEARS / 2021
Ominous -Bonus Tr-

Ominous -Bonus Tr-

  • アーティスト: Lake of Tears
  • 出版社/メーカー: Soulfood
  • 発売日: 2021/02/19
  • メディア: CD


スタジオアルバムとしては実に10年振り、
'14年のライブ盤からしても7年経ってるっつうのよ。
もうこのバンドは無くなっちゃったと思っていたわいな。
調べてみるとバンドの中心人物、Daniel Brennareは昨年になって
自らが長く白血病に苦しんでいたことを公表したそうで、
そうか、なんだか大変だったんだなぁ。
そんなことを露ほども知らなかった僕は
前のスタジオ盤〝Illwill”('11)について
割と厳しい感想を書いていますが('11年5月20日)、
今にして思えばもう少し書きようがあったとも思います。

というのもこのバンド、うらぶれたゴシックメタルをベースとしつつ
アルバム毎に味付けが結構異なるので
聴感上の印象が結構バラけるのです。
〝Illwill”については
それ迄になかったエクストリーム風味を効かせたってだけで
たまたま僕の嗜好からは少し遠かったという話。

-と、そんなことを思ったのは、本作のアウトプットが
サイケ/スペースロック寄りのテイストを押し出しているからで



これは前々作の〝Moons and Mushrooms”
('07-'10年5月28日エントリー)に近い。
あ、コレは幾らか揺り戻したねぇ…そう言えばこのバンドって
昔から結構そういうことあったよなぁ、と思い出したのです。
一方〝Moons and Mushrooms”が
単曲をまとめたアルバムだったのに対して
本作はコンセプトアルバムになっていて、
これはDaniel Brennareが以前から好む手法であります。
まぁしかし、そのテーマの不気味で暗澹たることよ。

で、Daniel Brennareのヨレた歌はこのスタイルと相性が良い。
元々歌メロのバリエーションが少なく、常にビブラート気味の声は
なんだか呪術の詠唱みたいで妙にツボにハマるのです。
曲調によってはなんだか咽び泣いているようにも聴こえて、
なんというか独特のうらぶれ感があるんだよね。

なんにせよ望外だった新譜を聴けたことはとても嬉しく
願わくば健康を取り戻してもらって次はもう少し早く聴きたいものです。
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