曜日の感覚がねぇでやんす [日々聴く音楽]

Script for A Jester's Tear / MARILLION / 1983
Script For A Jester's Tear

Script For A Jester's Tear

  • アーティスト: Marillion
  • 出版社/メーカー: Rhino / Parlophone
  • 発売日: 2020/04/17
  • メディア: Blu-ray Audio

言わずと知れたデビュー作。'20年リイシュー版は4CD+Blu-rayのセット。
'17年に〝Misplaced Childhood”、翌'18年に〝Clutching at Straws”が
同仕様でリリースされたのに続いてFish期3作目の再発。
そしてやっぱり取り残された〝Fugazi”('12年12月20日エントリー参照)w

…いやー、ビックリしたなもう。
何にって、今般リミックスのド迫力でございますよ。
これはねぇ、これは是非とも聴くべきかと。

MARILLIONがEMIに所属した時期の諸作は'90年代の終盤に
オマケ付2枚組でリマスターされました。
これ等は実に秀逸な再発でしたが、なんつってももう20年以上前だもんな。
で、かなり間が空いて今回の一連となる訳です。
僕はFish期のものしか聴いていませんが、
概ね未発表ライブが目玉であって
本編はサッと聴き流してお終いというのが大概かと。
-だがしかぁし!!
これについては断然本編が一番の聴きどころですわよ。

僕にとっては相当聴き慣れた1枚の筈なのに
耳に飛び込んでくるサウンドは物凄く新鮮で、
ちょっと訳が分からなくなるくらいの興奮状態に陥ってしまいました。
オリジナルに比して生っぽさを前面に、
そして勿論今様のオーディオダイナミクスに合わせた素晴らしいミキシング。
加えて部分的には別トラックを充てた様子も伺えますが、
飽くまでオリジナルから逸脱しない範囲に収まっているのがまたとても良いのだ。
〝Misplaced Childhood”や〝Clutching at Straws”には
ここまで大胆な聴感上の違いは無かった
(とても良いリマスターですね、って感じ)ので余計に驚いちゃったのです。

本セットの2枚目はデビューEP〝Market Square Heroes”に1曲足したものですが、
これもアルバム本編と同様のリミックスが施されています。勿論大変良いです。
ただ、表題曲はいわゆるBattle Priestバージョンになっていて
これはやっぱり元のAntichrist版が良かったかなぁ。

なにしろこのセットは界隈でもう少し話題になって然るべきだと思うのですが、
きっとそんなことにはならないのでしょうね。まぁ、いいんだけどね。



一方こちらはドイツから。

Weltklang / POLIS / 2020
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これはまたなかなか興味深いバンドです。
本作は3枚目だそうですが、勿論僕は初めて聴いたのです。



↑ アルバム冒頭、ふいに爆発するギターリフに目を剥いた僕です。
なんだコレは、これプログレか?
と思ったものの、なんだかどこかで聴いた気がするな、と。
で、思い出したのが同郷の大先輩、JANEであります。
ややサイケデリックなハードロックをベースとしつつもそこはかとなくプログレ、
という佇まいは紛れもなくあのJANEのスタイルじゃありませんか。
うーん、実に、狙い目としては悪くないぞこりゃ。

そしてアルバムを聴き進めるにつれメロディのメランコリーは増し、
静謐なパートの印象が俄然耳に残るようになります。
映像が無かったので上掲を選びましたが、
僕としては7曲目〝Steig Herab”が本作の白眉です。

全8曲40分、息つく間もなく聴き終わるのは
こちらの集中力がキープされているからに相違ありますまい。
しかしこういう音は…受けないよなやっぱり今時の我が国では。
勿体ないなぁ。これかなりいいバンドですよ。



なんか、どっちも作文終わりが愚痴っぽくていかんね(苦笑)。
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実は僕、「海底二万マイル」読んでない [日々聴く音楽]

Sapiens- chapitre 1/3 : Exordium / JPL / 2020
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むむぅ、JPLがこうなるとは予想していませんでした。
いやぁ参ったな。このアルバム凄く良いです。

あー、そういやNEMOの新しいのが出ないなぁ…って思っていたのですが
なんならJean Pierre Louvetonは
NEMOじゃなくてこっちメインでやって行くつもりなのかしら?
それほどにバッツリ1本筋の通ったアルバムで、
実に堂々たるシンフォプログレの快作だぞこりゃ。

器用にベクトルを拡散させつつも
根っ子の部分で王道のロックスタイルを貫くギタリストですし、
また音的にエコーデッドなサウンドプロダクションを好む人なので
聴感では剛直な印象が先行しますが、
各曲のアレンジやアルバム全体の構成は相当細やかに練り込まれています。
そして適所に配された演奏陣にはNEMOの2人も名を連ねており、
これにはなんだか妙にホッとしたりして。



早弾きで耳を惹かずとも、グイグイ聴き手を引っ張るギターソロ導入部。
実にエゴイスティックでカッコイイじゃないですか。

本作のタイトルには〝1/3”とありますからきっと3部作なんでしょう。
まぁこれ、続きが楽しみですね。



さて一方のNEMOでありますが全く何もしていなかっという訳ではなく、
'18年に2ndアルバム〝Presages”('03)の再録音盤を出しています。
そして同年、〝Presages 2018”の少し前に

Pieces de Collection / NEMO
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こんなのがデータオンリーで出ています。
まぁ言うても基本過去曲の寄せ集めでありますが
結構面白いのが幾つか混じっております。

1.La Machine a Remonter le Temps
2....et la vie Continue
'10年にリリースされた編集(ベスト?)盤に収録された当時の新曲。
2曲目のインストゥルメンタルが相当僕好みなのです。

3.Touche-Coule
'06年シングル〝Les Enfants Rois”にカップリングされたアルバム未収録曲。
因みに表題曲は翌'07年発表のアルバム〝Si Partie II”からの先行カット。

4.Diary of a Madman
これも3.と同じくシングル〝Les Enfants Rois”より。
ご存じOzzy Osbourneのアレ。まぁ、大概意外ですよね。
このバンドのカバーは選曲の癖が強くて正直良く分からい感がありますw

5.Strawberry Fields Forever
'04年に出たEP〝Eve et le Genie du Mal”に収録。
残念ながらメロトロンは鳴りませぬ。
えーと、本作4.~8.迄はカバーセクションです。

6.Incident at Neshabur
僕はSantanaとかあんまり(殆ど)聴かないからなぁ。
あ、〝Abraxas”('70)は一応聴いたことありますよ。
聴いたことはある、程度ですが(苦笑)。
-で、これは完全新規お目見(耳聴こ)えだと思われます。

7.Rat Bat Blue
DEEP PURPLEでこれを演るってのは
玄人好みな感じを出したかったのでしょうかね?
僕が子供の頃はこの辺、あんまり面白いと思わなかったので
未だにその印象のままなのです。

8.Ten Years Gone
そして僕はLED ZEPPELINについて何かを語ることが出来ません。
下手なこと書くとマニアが怖いし。あ、DEEP PURPLEもか。

9.Six Pieds Sous Terre
10.Entre Deux Eaux
11.Sans Voix
MUSEA RECORDSが企画したオムニバス盤〝Divine Comedy”の
Part 1.から3.にそれぞれ収録された曲。
〝Rat Bat Blue”以下の5曲は
'15年にリリースされたアルバム〝Coma”のボーナスディスクと同内容です。

と、細かいヤツがまとめて聴けるので結構便利なアーカイブ集であります。
んー、そこはかとない尻切れ感。
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ぼちぼち感漂う [日々聴く音楽]

前回の作文がミニマル(?)だったのは
Brian EnoやJon Hassellばかり聴いていたからで、
ここ最近なんだか音楽が頭に入ってこなかったのですよ。
まぁ気持ちの問題ですかねぇ。
いやー、幾らか良くなってきました、お蔭様で。



Flashes from the Archives of Oblivion (A Collection of Antiques and Curios) /
CELESTE
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MELLOWレーベルがbandcampに新しいアーカイブ集をアップしたよ、
という報せを受けた時は、え~、なんか胡散臭ぇな~と思ったのです。
去年の新譜をヤマにしてCELESTE関連はやや頻発気味でしたから
この上一体何を出すっていうのサ、と。

…畜生、まだこんなの持ってやがったのか!
全20曲中9曲は'10年に再発された4枚組セットの3枚目に被る
(更に前、単体の〝II”、〝II Plus”とは3曲が同じ)ものの残りは未発表曲。
それらは概ねジャズや前衛っぽくてインストゥルメンタル主体なので
新譜を聴いて感激した向きにはちょっと(かなり)退屈かもしれません。
しかしそんな中〝Guardando in Fondo a Noi”という、
雰囲気がやや「青い影」っぽい歌モノがかなり良くて
これは聴いておいてもいいかも知れません。

これ、日本でどこかが物理盤化するのかな?
いや、それより先にMELLOWが近々出すか?
まぁどっちでもいいか。



んー、じゃあついでに、関連の1枚。

Planets / Ciro Perrino / 2019
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'70年代末期に録音されたものの手直し蔵出しということですが、
一部の楽曲はCiro Perrinoの初ソロ作〝Solare”('80)に収録されています。
結構印象は違いますけれど。

こちらはいわゆる、懐かしのシンセサイザーミュージック。
滂沱のごときアープサウンドはなんかどこかで聴いたことがあるような気が…
ふと東海林修の名前が思い浮かんだりして。
9曲43分というのもジャストレコードサイズでダレずに聴けるギリギリのライン。
僕のような古い耳には、こりゃ心地良いねぇ。

あ、因みにこっちはフィジカルがあります。
僕は〝Solare”と一緒にデータDLで済ませましたが。


※こちらは〝Solare”版の〝Venere”。
 〝Planets”には〝Venus”として収録されています。
 本文にも書きましたが両者の印象はそこそこ違います。
 僕はねぇ…どっちも好き(なんかキモイ)。



カナダ産のメタルで新しいのが2タイトル
(TRAVELERとWARNING SIGN)あるのですが、
あんまり聴けていないので作文でけん。
特にWARNING SIGNは暫く振りの登場で
すっかり一皮剥けた感じなので何か書きたいとは思うのですが。
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ミニマル風作文 [故人を悼む]

要するに手抜きでござるよ(ござる?)。



-4月14日。
嗚呼、Peter Steeleが亡くなってからもう10年も経つのか。
TYPE O NEGATIVEって、本当にいいバンドでしたよね。
轟々と歪む弦楽器に寒々しい音色のキーボード。
そしてPeter Steeleの、他の何者にも替え難い歌声。



うーん、CARNIVOREからここへ至ったのは
ある種必然だったのかも知れません。
最初に聴いたときはだいぶ面食らったのですが、
実にニューヨークのバンドらしい捻くれ加減です。
全くもって、大変な変態。



-4月14日。
嗚呼、Peter Steeleが亡くなってからもう10年も経つのか。
TYPE O NEGATIVEって、本当にいいバンドでしたよね。
轟々と歪む弦楽器に寒々しい音色のキーボード。
そしてPeter Steeleの、他の何者にも替え難い歌声。



誰の曲だとかはもはや意味をなさず、全てが完全に
TYPE O NEGATIVE独自のアウトプットとして吐き出されます。
瀟洒にして猥雑。究極の闇鍋ロック。
僕はただただひれ伏すのみでありました。
全くもって、大変な変態。



-4月14日。
嗚呼、Peter Steeleが亡くなってからもう10年も経つのか。
TYPE O NEGATIVEって、本当にいいバンドでしたよね。
轟々と歪む弦楽器に寒々しい音色のキーボード。
そしてPeter Steeleの、他の何者にも替え難い歌声。



アルバムど頭がコレで、
えぇっ、売れる気まんまん?って驚愕したのですが
全体を通して聴くとそうでもなかったりして。
けれど実際凄く売れたんだよね。
全くもって、大変な変態。



-4月14日。
嗚呼、Peter Steeleが亡くなってからもう10年も経つのか。
TYPE O NEGATIVEって、本当にいいバンドでしたよね。
轟々と歪む弦楽器に寒々しい音色のキーボード。
そしてPeter Steeleの、他の何者にも替え難い歌声。



〝Love You to Death”なんか貼らないよw
これはPeter Steele流の色即是空空即是色。
僕はこの曲に物凄い詫び寂びを感じるのです。
多分、僕のTONベスト。
全くもって、大変な変態。



-4月14日。
嗚呼、Peter Steeleが亡くなってからもう10年も経つのか。
TYPE O NEGATIVEって、本当にいいバンドでしたよね。
轟々と歪む弦楽器に寒々しい音色のキーボード。
そしてPeter Steeleの、他の何者にも替え難い歌声。



ほんのりサイケデリックの薫りすら漂います。
Kenny Hickeyとボーカルを分ける手法もこのバンドならでは。
初期の頃に較べると録音が段違いに良くなりました。
でも僕、実はこのアルバムあんまり好きじゃないんだよね。
全くもって、大変な変態。



-4月14日。
嗚呼、Peter Steeleが亡くなってからもう10年も経つのか。
TYPE O NEGATIVEって、本当にいいバンドでしたよね。
轟々と歪む弦楽器に寒々しい音色のキーボード。
そしてPeter Steeleの、他の何者にも替え難い歌声。



捻じ曲がったラブソングを延々と歌い続けて、
そして一周回って辿り着いた先が「感電死」ってことでしょうか。
ちょっとベタな気がしなくもないけれど、
いやー、この曲はマジでビリビリ来るよね。
全くもって、大変な変態。



-4月14日。
嗚呼、Peter Steeleが亡くなってからもう10年も経つのか。
TYPE O NEGATIVEって、本当にいいバンドでしたよね。
轟々と歪む弦楽器に寒々しい音色のキーボード。
そしてPeter Steeleの、他の何者にも替え難い歌声。



最後に救いはあったのだろうか?
ふとそんなことを考えたくなります。
そしてもしPeter Steeleがまだ生きていたら?
そんなことは考えても無駄だよ。
全くもって、大変な変態。



Peter SteeleことPeter Thomas Ratajczyk。
2010年4月14日、大動脈瘤によって死去。
TYPE O NEGATIVEは後任を迎えることを良しとせず即日解散。
-合掌。
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短信ではありますが [日々聴く音楽]

Lauryn Hillの〝The Miseducation of Lauryn Hill”('98)が
紙ジャケで再発されるそうで、それは要る要るぅ。
ロロロ、ローリンヒルぅ?毎度のことながらこいつナニ言ってんだ!?
という声が方々から聴こえてきそうですな(笑)。

いやー、このアルバムに収録されている
〝Every Ghetto, Every City”と
〝Nothing Even Matters”の2曲で
Francis Dunneryがギター弾いているんだよね。
実際は(特に前者)殆どギターが聴こえないのだけれど、
それでも後者の、ワウとロングトーンを効かせた演奏は
IT BITES以降Francis Dunneryが標榜したベクトルの
一つの到達点であり、これを踏まえてソロ名義の諸作を聴くと
またぞろ印象が違ってくる訳ですよ。



これとか単体で聴いたらホント、訳分かんないもんな。
えー、なんでこうなっちゃうの?と。

Lauryn Hillについては一世を風靡した現代R&Bの大傑作でありますから
聴いておいてもいいんじゃない?とは思いつつお薦めもしません。
トピックをFrancis Dunneryに絞ったとしても…ねぇ。
大体偉そうに書いている僕だって当時は
ナニやってんだコイツぁ、プログレをやれプログレを!
と大いに憤っていたもの(苦笑)。



Signs to the Far Side / LIFE IN DIGITAL / 2019
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凄いですねこれ。
いや、だってあまりにも〝90125”(というよりは〝Big Generator”か)っぽくて、
然るに上掲曲は実は23分弱の長尺だったりして
正直目指している所が良く分からない。

だけれどもこれ案外狙い目としては悪くないんじゃないか、
とも思うのですが実際はどうなんでしょう。
あ、僕は結構好きです。
映像を見て慌てて買ったくらいには、ね。
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