無理から帳尻を合わせてみる [新譜]

Placebo / AKTOR / 2020
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デビューアルバムについては'15年9月3日の作文に記しました。
これは確実に売れないって書いていますね、僕(笑)。
米国/フィンランドの遠隔プロジェクトバンドということもあって
まさか2枚目が出るとは思わず、
去る2月に出ていたという事実を知って物凄く慌てたのです。
なにせどこの店も全然入荷をアナウンスしてねぇんだもん。
前作がHIGH ROLLERとEktro Recordsの共同配給だったのに比して
今作はEktroの単独リリース。そのEktroはフィンランドの小さな会社ゆえ
(日本への)流通が弱いというのが一つ。
そしてやっぱりこの人達の奇異な音楽は
メタル専門店では取り扱いにくかったというのがあると思うのですが、
それにしたってChris Black関連の新譜だぜぇ!?

…あ、因みにEktro Recordsは
JESTERS OF DESTINY(関連の作文あり)も出しているところで、
実に僕好みのレコ社であります。



アルバム冒頭からゴリゴリに性急かつキャッチー。
前作のベクトルを確実に前進させた好作であります。
そしてProfessor Black名義の3連作('18年12月6日エントリー)辺りから
Chris Blackのヘタウマボーカルが
なんだかヘタじゃなくなってきた気がするのです。

僕にとっては俄然注目作なのですが、まぁ…
やっぱり人気にゃならんでしょうねぇ。



で、プログレ方面、これがどうにもあんまり書きたいのが無くて、うーん。

The Orchestral Estate / CLIVE MITTEN
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4月の上旬頃に公開されたClive Miten個人名義での単曲。
まぁ単曲とは言ってもがっつり27分の長尺です。
タイトル通りオーケストラアレンジでTHE C:LIVE COLLECTIVEの
〝The Fifth Estate”を再構成したもので
やや冗長かも、と思うところはあれそれでも聴き応えは充分。

Clive Mitenは現在TWELFTH NIGHTの曲を幾つかリワーク中で
まとまり次第発表する意向だそうです。
名前の挙がっている曲を見ると〝The Ceiling Speaks”や
〝East of Eden”とあって、これ等も勿論楽しみですが
大幅に拡大されるという〝World Without End”がとても興味深いところです。

今般の事情に鑑みるといつになるとは言えないけど、と
しっかりエクスキューズされていましたが
そんなもんこっちものんびり待ってりゃいいってことですよ。
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いやいやいやもう5月終わっちゃうって [新譜]

-ちょっとサボりが過ぎましたかね。



ふと目に留まった水戸華之介を物凄く久しぶりに買って聴いたのは
この人の から元気を僕の耳が欲したからです。
和嶋慎治と一緒にやった曲も入っているっていうし。
然るに僕の期待した水戸節は
昔日のように猪突猛進する勢いでは吐き出されず
世情とはやや距離を置いた奥ゆかしい諦観に
内包されてしまったように感じました。
そして糞ほどシリアスになっちゃった空手バカボンのような
「石狩挽歌」のカバーに凝縮された
とても誠実なルサンチマンはまるでブラックホールの如く、
全てを飲み込んで否応ない終末を指し示すのです。
いや僕が聴きたかったのはこういうのじゃないんだけど(苦笑)…と思いつつ
しかしこれは実に凄いなぁ、と感心してしまいました。

ノーマルポジション / 水戸華之介 / 2020
(仮)ノーマルポジション

(仮)ノーマルポジション

  • アーティスト: 水戸華之介
  • 出版社/メーカー: テイチクエンタテインメント
  • 発売日: 2020/05/20
  • メディア: CD






一方、古式ゆかしい英国産メタルの新譜が立て続けに出ておりまして。



前作〝Unbroken”('18)でAlan Marshが復帰するという驚愕の人事を果たした
(まぁ狂喜したのは年寄りばかりでしょうが)TYOKYO BLADE。
全く同じ面子で新しいアルバムをリリースしました。
〝Unbroken”にはまだ微かに残っていた
迷走期のアメリカンな陽気さは完全に排され
徹頭徹尾ブリティッシュハードロックを貫きましたが、
却って起伏に乏しくなっちゃった感もあって、
うーん、なかなか難しいものですねぇ。





米国で独自の発展を遂げ
今も特異なシーンを形成するいわゆるエピックメタル。
かたやイギリスでそれらしいことをやったのって
このバンド(≒Lee Payne)くらいじゃないですかね。
斯様に物凄く特殊な立ち位置なので、
(幾度かの躓きを経つつも)いまだ現役というのは
ある種驚異的なことだと思うのです。
なんかアルバムが出ると気になっちゃって結局聴いてしまうのだ。
そんな、凄ぇ好き、ってバンドではないのですけれど。





CLOVEN HOOFに似た薫りもほのかに漂わせつつ、
こちらはもっとIRON MAIDENに寄せた感じなので全然聴きやすいです。
上掲2つに較べれば相当若いバンド、と言いつつ
それでももう20年近い活動歴になるのかぁ。
僕が初めて聴いたのは'09年のデビューアルバムですが
それにしたって10年以上前だもんな。
2ndアルバム以降、配給をCruz del Sur Musicに固定出来ているのが
案外大きいのかも知れません。
極度にマイナーだけれど良いレコ社ですよね、Cruz del Sur。



と、今日はこんな感じですかね。
なにせ作文のしかたを忘れちゃったみたいで全然頭が働かないのです。
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ごごご、五月ってか!? [買い直し盤]

去る5月1日、bandcampが「ミュージシャン応援!中抜きしませんデー」を開催し、
それに合わせて新規登録するバンドが結構な数あったのです。
おNewな音源アップもたくさんあってとても楽しかったのだ。
-で、TWELFTH NIGHTもご新規さんとして幾つか懐かしいのを頒布し始めました。
僕はご祝儀がてらGeoff Mannのソロ2枚と、
そういえばこれCDから取り込んでなかったな…ってんで

Collector's Item / TWELFTH NIGHT
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ベスト盤であります。ジャケ絵は勿論Geoff Mannの手によるものです。
最初はバンドの解散後、1991年にFood For Thought Recordsから出たのですが
レコード2枚組全11曲に対してCDは1枚8曲という体たらくで、
しかし当時TWELFTH NIGHTをCDで聴くにはこれしか無かったのです。
〝The Collector”というそれまで未発表だった大曲と
〝Love Song”の再録音版は非常に素晴らしく、僕にとっては思い出深い1枚です。
10年後の'01年にはCyclops Recordsが再発しましたが、
この時幾つか曲の入れ替えがされていて2曲の重要なトラックが収録されました。
〝The Ceiling Speaks”のスタジオ録音版と未発表曲〝Deep in the Heartland”で、
これは'91年リリース時のレコードには収録されてたらしいのですが、
僕はこの時初めて聴いたのです。

今般のデジタルデータ版は
都合3フォーマットの全曲を網羅した13曲入りとの触れ込みで、
まぁ、うん、他と重複する曲もたくさんあるけれどいいかなぁ、と。
…しかし!しかしですよ!!
〝Take a Look”
〝Last Song”
〝Blondon Fair”
の3曲は明らかに従来収録されたものと音源が違う。
お気付きの方も勿論おられるでしょうが、
この3曲はバンド最終作にして唯一のメジャーリリース盤
〝Twelfth Night”('86)の曲(〝Blondon Fair”はアルバム未収録)
でありまして、なんかやっぱり権利関係のアレなんでしょうかね。
デモにしてはそこそこキチンと作り込まれていますが
アルバム版に比してはやはりラフな感じのプロダクションは新鮮で、
これは面白いのを出してきましたねぇ。
暢気に油断していたら思いの外聴きどころが多くて、これは良かったなぁ。

…ここのところこの手の重箱の隅を突くような作文が多くて
分からない人にはさっぱり分からないでしょうから
大変申し訳ないとは思いつつ、
なんらかの形で整理しておかないと
自分でも訳が分からなくなっちゃうのでホント、すみませんねぇ。
しかも単発で短いのは自分でもあまり納得いってないのですが。



あー、そう言えばソニーネットワークコミュニケーションズが
ブログ事業をシーサーに譲渡するんですって。
6月以降、なんか細かい部分で変わるところとかあるかも知れません。、
うーん、ちょっと先行き不安になっちゃいますなぁ。
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