トースト専用ブラックサンダーをそのまま… [日々聴く音楽]

食ってみた。口溶けが良くて、これはこれでアリ。



前回作文はちょっと暗い感じだったので今回は弾けるようなヤツから。

もはやmetal blade Recordsの看板(のひとつ)
と言っても過言ではない(?)Midnight。
3月予定の新譜から先行で公開されたのは…


※年齢制限の警告は初めて見ましたな。まぁこれYouTubeで見てください。

なにしろ最初のドーン!で両手中指をガッツリおっ立てますからw
しかしこの曲に込められているメッセージは
世間からハミ出した者の祈りにも似た叫びに相違なく、
しかもF.O.A.D.を更に突き詰めた先に出てくる言葉が
F.O.A.L.という発想はちょっと凄いよな。

そしてライブではヘルプを仰いでバンド編成なのに
スタジオ録音は相変わらず全部一人でやるというw

まぁなんだ、これは今から超楽しみな1枚ですよ。



あー…今日も小ネタでいいかなぁ…。



Petofi Felho Projekt / YESTERDAYS / 2024
ystdysep.jpg

昨年ライブ盤“A Moonlit Night in Budapest”を
リリースしたYESTERDAYSですが、
その後間髪入れずに3曲のライブ録音を公開しています(フィジカル無し)。
前者が'07年と、ちょっと古いライブであったのに較べて
こちらは“Saint-Exupery alma”('22)からの選曲もあり、
最新の実況録音だと思われます。

-で、年が明けてつい先日、今度は5曲のスタジオ録音をEPとして
(こちらもノーフィジカルで)公開しました。実に精力的ですな。



2023年は19世紀ハンガリー革命のキーパーソンであり
詩人でもあったPetofi Sandorの生誕200周年だったのだそうで、
その功績を若い世代に今一度認知させるために
Petofi Sandorの詩に基づいてポップソング化するという
コンテストが行われたのですと。

YESTERDAYSはそのコンテストのために4曲を録音して
そのうち3曲が入賞したんだってさ。
プログレバンドが書いたポップソングであるからして、という理由で
正規作とは一線を隔すためにEPでデジタルリリースしたってことみたいですが
いやこれは、我が国専門店のためにも盤出せばいいのに…
と思っちゃうくらいに出来は良いです。
コメント(0) 
共通テーマ:音楽

シリーズ 盤無き好作 その2 [シリーズ作文]

ロシアがウクライナに攻め入ってもうすぐ2年。
未だ終結の気配すら感じられない中この国ではあまり報道もされなくなり、
実際のところどうなってんだ?
という疑問と不安はありつつも
やはり我がこととして捉え続ける難しさはあるよなぁ、と。

普段こういう話からは意図的に距離を置く僕が
なんでこんな話を書き始めたのかと言えば

Polemosophy / LA HORSA BIANCA / 2024
lhrsbanc.jpg

ウクライナのバンドで、'18年頃から活動しているようです。
本作は「戦時下における(一時的な)空想による逃避」のための
組曲とのことで、僕はコレをどういう気持ちで聴いたらいいのか
分からなくてちょっと困ったのです。
まぁでも、結局単純に音楽として面白がれるかどうかしかないんだよね。



まどろむようなサイケデリアは
徐々に凶悪な歪みサウンドに取って代わられ、
その狂騒も突如元の静けさに飲み込まれてしまう。
うーん、これ、やっぱり気軽に聴けるもんじゃないなぁ…
と、冒頭から僕の脳味噌は色々考えちゃうのだけれど
音楽そのものへの没入度は高く、なかなかの混乱状態に陥ります。
しかしこのふわふわとした落ち着かなさ、
腰の据わらない気持ちの悪さこそが本作の肝であり
バンドの創作意図に沿ったアウトプットなのだな。

他の幾つかの曲ではバンドのかつての姿
(スラヴの薫り漂う快活なプログレサウンド)を垣間見せつつも
やはりどこか閉塞した感覚があって
過去作とは一線を隔しているように思うのです。
しかしなにしろ聴くのを止められないのは
この緊張と弛緩の繰り返し(のサイクル)に
底知れない魅力を感じているからなのでしょうねぇ。



安易に安寧へ向かうことなく徹底的にもがきながら
それでもどこか出口に向かおうとする姿勢を
アルバムの最後に示したのは非常に現実的で、
バンドが本作を「空想による逃避」としつつも
「厳然たるリアル」から逃げない(逃げられない)様子が伺えます。
これはまさに時代と並走する音楽であり、
そこから聴き手が何を思考するのかが試されているような気がします。

僕は…この人達には過去作のような曲をまたやって欲しいと、
そんなことを思ったりした訳ですが本作を入り口としたことについて
なんら後悔はなく、およそ優れたミュージシャンってのは
いかなる状況下にあっても優れた音楽をやるものですね。

コメント(0) 
共通テーマ:音楽

メタルの変なカバー 後編 [日々聴く音楽]

前回の作文には思いがけずも(懐かしい知己より)コメントがついたので
続きを書かざるを得ない感じになってしまいましたw
…しかぁし。
2000年以降、メタルの変なカバーって何があったっけ?
と我が灰色の脳味噌を回転させてみるものの全然思い出せねぇのです。
なんか俺、21世紀になってから
あんまりメタルを聴いていないってことなのかな?
いやそんな馬鹿な!なんて思い悩みつつ作文にはちょっと苦労しました。



まずは'01年、CLAWFINGER(スウェーデン)の



このアルバムについては随分前に作文していますね。
いやお前前編でDan Reedを外しておきながらこっちはOKなのか、
というご意見については
せめてYouTubeでCLAWFINGERのライブ見てから文句言ってくれ、
と軽くいなしておきましてw
アルバム本編の最後を飾るULTRAVOX。これ超カッコ良くね?

続きましては'08年、
元W.A.S.P.の発煙ギタリストRandy PiperがANIMALというバンドでやった



これはなんとも、実に見事にメタル化したもんだよな。
パッと聴いた感じ、元が鬱々とした反戦歌
(CRANBERRIESが'94年にリリースしたヒット曲)だとは思えませんもの。
あぁ、これも俺、以前に書いてるじゃん。すっかり忘れてたな。

-うむ、そうか。
新しめのヤツはこのブログを始めてからこっち、
既に書いちゃっているパターンも結構あるのだな。



で、これも前に書いているのですがその際は元曲を貼ったのに
肝腎のカバーを貼らないという意地悪をしていました(苦笑)。



トルコの重鎮PENTAGRAMが'17年に演奏したのは
同郷アナトリアの吟遊詩人Asik Veyselの“Gunduz Gece”(「昼と夜」)。
サズをつま弾きながら起伏に乏しいメロディを唸るオリジナルに対して
こちらはアコギをジャカつかせて今様の聴き易さがありますね。
うん、これも相当カッコイイよな。



-そして。
最後をこれで締めるのはちょっと…いやかなり悩んだのですが
変なカバーと言うお題では最新、最右翼だもんで仕方がないのだ。
本人達は至って真面目にやっている訳で
僕も別にオチを付けてやろうとか、そういう気持ちは全然無いのです。

VOI VOD、'22年リリースのEPは



Denis Belangerの日本語発音は全然違和感がなく、
まぁこれ本当に好きなんですねぇ。
2番の仏語詞は、カナダではこれで放映されていたのでしょうか?
上掲途中でブチ切れますが冬木透の劇伴BGM「勝利」の完コピを挟んで
3番は英語詞(アメリカのTV版に準じているっぽい)で
全編1曲と捉えたいところです。



…んー、やっぱり最後はちょっとアレだったかな…。
コメント(0) 
共通テーマ:音楽

メタルの変なカバー [日々聴く音楽]

同じジャンルの先達をカバーするってのも勿論面白いのですが
全然畑違いの曲を唐突に突っ込んでくる方が僕は好きです。

んー、古いのから順番に並べていこうかな。



OSMONDSなんて今の若い人は知らないのだろうけれど…
いや、正直僕だって殆ど知らないってのよ。
ただ、幼少期にテレビで見ていたカルピスのコマーシャルで
「カルピスのうた」を歌っていたのがオズモンド ブラザーズであり、
それが改名してOSMONDSになったのは知っていたので
このカバーは相当面食らいましたよね。
えっ!オズモンズなんかやってるの!?ってなもんで。

TANKはこの後もモータウン(“Chain of Fools”)をやったりして、
これはきっとAlgy Wardの趣味なのでしょうねぇ。

TANKの系列(?)ではこんなのもありました ↓



完全にリアルタイム('84年)のヒット曲を
即座にやるという厚かましさが大変清々しい。しかしこの焼け糞感w



今も現役バリバリのSAXONは近年カバーアルバムを2枚も出していますが
それ以外にもちょこちょこ人の曲をやっていますな。
その中でもひと際風変りだったのが'88年リリースの



よりにもよってChristopher Crossですよ。
これを聴いて当時盛大にひっくり返った僕でしたが、今聴くと案外イイよね。
アレンジでなんとかメタルに寄せようとしている辺り実に真面目だよな。
まぁバンドとしてはとんでもない迷走期でしたが。

この頃のカバーではGary Mooreが'87年にやった “Friday On My Mind”もありますね。



'91年にDAN REED NETWORKがやった
PINK FLOYDの“Money”も思いついたのですが、
Dan Reedをメタルに括っていいのかどうか悩んだ末貼るのはやめました。

'93年の3rdアルバム“The Spectral Sorrows”において
MANOWARをやっていた時点で僕の注目度は既に高かったのですが
翌'94年にリリースされたEP“Until Eternity Ends”に収録された



これが決定打となって僕はDan Swanoという人に入れ込んでいったのです。
我が国では専らメロディック デス メタルの嚆矢(の一つ)として
認識されているEDGE OF SANITYですが、
Dan Swanoの嗜好する音楽は狭小なジャンルの壁など
いとも簡単に飛び越えて行くのです。

同じTHE POLICEをやるにしても



こういうのならまだ幾らか分かり易いじゃないですか。
然るにDan Swanoは“Ghost in the Machine”('81)から選曲するのだ。
マジ最高だよな。



'96年にSACRED REICHがやったのは
OINGO BOINGOが'83年にリリースしたアルバム“Good for Your Soul”の冒頭曲。



いやー、渋過ぎだろ。
元曲については'83年USフェスティバル出演時の演奏を
TVK(テレビ神奈川ね)が流していたのを見た記憶が有るような無いような。
なんにせよ僕はこのカバーきっかけでDanny Elfmanの名前を意識し、
うわー、映画「ミッドナイト・ラン」の劇伴はこの人なのか!
と大いに興奮したのです。



まだ2000年に至る前なのに
6曲も貼ってしまったのでここらでいっぺん終わります。
この作文がそれなりに読まれるようなら続きを書くかも知れません。
…ねぇだろうなぁw

コメント(2) 
共通テーマ:音楽

小ネタ小ネタ小ネタ [日々聴く音楽]



カナダのTRAVELERがギリシャのno remorse Recordsに移籍、
2月の終わりに3枚目のアルバムをリリースとのこと。
好事家向け再発盤屋だったno remorseも今や立派な新譜配給レコ社よな。
TRAVELERは'20年の2ndアルバム以降殆ど音沙汰がなく、
'22年に



↑ これを発表したのみだったので
新譜のニュースに触れて大いに安心したワタクシであります。



SEAORMの3枚目がCD生産ラインの不備によって短期間ながら延期の憂き目。
手持無沙汰になったAngel Ontalvaは
'23年12月26日から年明け1月7日までの間
毎日1曲録音すると決めたらしく、
しかし段々曲に凝り始めてしまい結果8曲が完成したのですと。

Twelve Days of Winter / ANGEL ONTALVA / 2024
anglontlv.jpg

bandcampの公開が1月8日なので完全なる録って出し。
しかしこれがかなり不思議な質感のアウトプットでとても面白いのだ。
本職であるギターとアンサンブルのためのベース、
そしてメロディのメインはキーボードなのですが
これを全てメロトロンの音色で賄っています。

貼れるのが無いのでアレなのですが、
メロトロンで環境音楽(的なもの)をやるという発想はかなり特異で、
実に怪異な音楽が出来上がったものだと感心します。

起伏はやや乏しいものの不穏なメロディにはちゃんと表情があって
途中から楽曲に凝り始めたというのが
この辺りに現れているのだろうと推測します。
後半の曲では堪えきれずにギターでインプロヴァイズしちゃうしw

多作な人なのでSEAORM以外は全てを追いかけている訳ではありませんが、
たまたま聴いたこれは相当面白かったです。



前々回作文時、まだMAGNUMの新譜は我が家に届いていなかったのですが
先行して公開されていた曲がMAGNUMの曲としては
なかなか評価しにくい感じだったので正直不安はあったのです。



もう、全然ちゃんとしたMAGNUMでした。
SPVというレコ社の(先行公開)曲を選ぶセンスが絶望的ってことなのか?
それともバンドが決めたのか?よく分かりませんけれども
聴き手の望む曲を出し惜しみしちゃ駄目だよな。
コメント(0) 
共通テーマ:音楽

今日もイタリア2タイトル [新譜]

Stranger Skies / ELLESMERE / 2024
elsmr4.jpg

こりゃ年初から物凄ぇのが出たな。
4枚目にして飛躍的ブレイクスルーを果たした傑作だと思います。

Roberto Vitelli(ベースとキーボード)が書いた曲を
多数の客演によって具現化するスタイルは'15年のデビューから変わらないものの、
1stアルバムはやや茫洋とした雰囲気モノの域にあって僕の耳の反応は鈍かったのだ。
なんか、超薄味のASTURIASみたいだなぁって思った記憶が…。

まぁでも2枚目、3枚目も買って聴いてはいたのです。
作を重ねる毎に楽曲の輪郭はクッキリと際立つようになり
ロックのダイナミズムも感じられるようになりました。
特に3枚目からMattias Olssonをドラムに迎えたのは大きかったと思います。
リズムのバリエーションが格段に増え、
剛直な質感がアウトプットされるようになったのは前向きな変化でした。
インストゥルメンタルメインから、徐々にボーカル曲が増えていったのも
「ロックバンド感」の創出に一役買ったところでしょう。
ただ、何度も繰り返して聴くようなアレでもなかったんだよね。
常に平均点はクリアしつつ、ちょっと典型的過ぎてあんまり面白くないイメージが…。

-で、本作です。
イントロダクション、オケ(疑似)の高揚感でいきなりん゛っ!と力が入ります。
間髪を入れずの7拍子は、なるほどRoberto VitelliがRUSHの名前を挙げるのも頷けます。
そしてなにより驚いたのはいきなりのボーカル曲だということ。
その歌声は実にPhil Collinsっぽくて、あ、やっぱりGENESISにも言及してるのねw
てかこれ歌ってるのJohn Wilkinsonじゃねぇの?
…調べてみたらやっぱりその通りでした。
なんとアルバム全6曲中、インストゥルメンタルは1曲のみで
残りは全てJohn Wilkinsonのボーカルが響き渡ります。
SWAN CHORUSに続いてここでも大活躍だ。

僕が気に入ったのは2曲目 ↓



ちょっと往年のポンプロック風味が薫るのが嬉しい。
アルバム終盤(共に10分超え)の2曲も素晴らしく、
いやこの2連発はうるさ型のプログレファンも舌を巻く完成度だと思います。

実際、やっていることは前作とそんなに変わらなかったりするんだよな。
なのになんなんだろう、この一皮剥けた感じ。
先達の模倣を突き詰めて突き詰めて、その果てに獲得した清々しさ、かなぁ。
多分本作を聴いてアレとコレの真似、っていう人はもはや居ないと思います。
ただただ良く出来たアルバムですよコレは。



前々回Andrea Orlandoの作文でちょっと悪く書きましたが
ams1月のリリースはELLESMEREと並んでこちらもなかなか。

Guardate Com'e Rossa La Sua Bocca / FABIO CINTI & ALESSANDRO RUSSO / 2024
fbcntalrs.jpg

ピアノをバックに訥々と歌われるのは
イタリアの大御所カンタウトーレAngelo Branduardiの楽曲群。
プログレ的にはどうしてもFranco Battiatoの陰に隠れがちで
正直僕も殆ど聴いてこなかったのですが、
良いメロディを書く人なんですねぇ。



ボーカルのFabio Cintiは
どうやらFranco Battiatoの人脈から出て来た人のようで、
それがなんでAngelo Branduardiなのかはちょっとよく分かりませんが。

良く晴れた冬の午後、暖房の効いた部屋でぼんやり聴くのにとてもイイ1枚。
コメント(0) 
共通テーマ:音楽

さて、Bob Catleyはどうするのだろう [故人を悼む]

Tony Clarkinが亡くなったそうで…
と書いている今日(2024年1月12日)こそが
MAGNUM2年振りの新譜リリース日だったりするのです。
なんというか、なんとも言えないですな。

-まぁ、なんだ。
恐らくTony Clarkinの訃報に際して我が国で語られるMAGNUMは
3~5枚目の頃のことが殆どで、'07年以降がそれに続く感じでしょうか。
後はAOR方面が6~8枚目辺りをお浚いするのかしないのか。
なので僕はMAGNUM最初の解散('95年)から
HARD RAINを名乗った時期、
そして再結成後の2枚迄を集中的に聴いてみました(相変わらずの天邪鬼)。

で、思った訳ですよ。非常に特殊な立ち位置にあるものの

When The Good Times Come / HARD RAIN / 1999
hrdrin2.jpg

これは聴きどころの多い良いアルバムだなぁ、と。

HARD RAINの、セルフタイトルの1枚目('97)は
あれはあれで良いアルバムだった訳ですが
特段MAGNUMの名前を捨てる意味はなかったんじゃないのか?
という気持ちを聴き手に抱かせたのも事実でした。
それに比してこの2ndアルバムは楽曲のバリエーションをかなり広角化、
冒頭いきなりヘヴィなソウルで幕を開けるのでちょっとギョっとします。

続く2曲目が僕のお気に入り。



Tony Clarkinのギターは結構クラシカルなハードロックなのだけれど
Paul HodsonのキーボードがぐっとAOR側に寄せているのね。
このバランスが実に絶妙で良いのだな。

そしてこのアルバムにおいては
前作でコーラスを務めたSue McCloskeyを
第2のボーカルとして正式メンバー化、
あろうことかBob Catleyから1曲リードボーカルを奪うという
ちょっとした事件もありました。



Bob Catleyはこれで良かったんか?という疑問は当然ですが
この時期Bob CatleyはTEN(Gary HughesとVinny Burns)の後ろ盾を得て
丸っきり(古き良き頃の)MAGNUM風味のソロ活動が大成功していたので、
うん、特に文句は無かったんだろうな。
こっちは色々楽しく歌えればいいや、と。



ホント、器用になんでも歌いこなすもんだよな。

結果ちょっと拡散し過ぎて焦点はボケましたよね、このアルバム。
散々MAGNUMは時代遅れだなんだって言われて辞めたのに
Bob Catleyのソロは好評だし、一体何なんだ!?と。
そりゃまぁ、諸々不信は募るでしょうねぇ。

結局Tony ClarkinはMAGNUMの再結成を決断、
“Breath of Life”('02)と“Brand New Morning”('04)の2枚を
ある種リハビリテーション的なアルバムとして制作した後
“Princess Alice and the Broken Arrow”('07)で
バンドのキャリアを再び確立したという訳です。

てなことで毎度低迷期、過渡期の1枚を選んで作文しましたが
ソングライターとしてのTony Clarkinの多才さを知るには
このアルバムが一番適しているんじゃないかと思うんだよね。
まぁ国内盤のリリースも無かったし、
全然注目(耳)されないのも当然っちゃ当然なのですが。

-故人の冥福を祈って、合掌。

コメント(0) 
共通テーマ:音楽

新春プログレ(去年出てたヤツ) [日々聴く音楽]

前回作文の通り
正月休みの間は落ち着いて音楽を聴く気分になれず、
この3連休もいまいち落ち着かない感じだったのですが…



La Scienza delle Stagioni / ANDREA ORLANDO / 2023
adraorld2.jpg

LA COSCIENZA DI ZENO他、
多数のイタリアンプログレバンドでバッテリーを務める
Andrea Orlandoの、2枚目のソロアルバム。
'23年10月に出ていたようです。ふむ、これは気付かんかったな。
まぁ前作はamsからのリリースでしたが本作は自家盤なんだよね。
しかし中身は前作よりこっちの方がかなり良くて、
いやぁamsなんでこれ配給しないの?
そもそも前作はジャケット(夕刻の工場写真)と内容が
あまりにミスマッチですんなり耳に入ってこなかったのよ。
それに比して本作はもう、紛うかたなき抒情派イタリアンプログレが
ジャケットからして芬々と匂い立つじゃありませんかw

演奏陣はAndrea Orlandoの豊富な人脈を最大限活用した豪華な顔ぶれで、
現代イタリアンプログレの主だったところは
概ね網羅されちゃっている感じです。
一方前作ではAlessandro CorvagliaとSimona Angioloniの2人に歌わせましたが
本作ではMeghi Moschinoという無名の女性ボーカルが全編で歌っており、
これがまたなかなか良いんだな。

個人的には2曲目、7曲目に配されたイングリッシュホルンが
大変効果的で素敵だと思いました。
特に7曲目(アルバム終曲)は15分の長尺で
チェロ、ヴィオラ、バイオリンも加えてゴリゴリのシンフォプログレを
これでもかと叩きつけてきます。勿論メロトロンだってだだ漏れです。
Andrea Orlandoって凄くいい曲書くんだな、と、改めて感心したりして。



これはさぁ、手売りとは言え盤があるのだから
各専門店は仕入れないと駄目なんじゃないかと思う1枚であります。



後は…

Messages A Christmas Selection Box From Pallas
pallas xmas23.jpg

3年振りのクリスマスコンピレーション(デジタルDLのみ)。
ほぼ既発曲が占めるギブアウェイ(DLしたければ幾らか入れてね式)ですが
新譜のデモ(歌ナシ)が幾つか含まれているので、そりゃもう、ねぇ。

集中して、というよりはダラっと聴き流すのに丁度いい感じだったので
結構繰り返し再生していました。



短文ですが今回はこれで失礼しちゃおうかな。

コメント(0) 
共通テーマ:音楽

疲れ正月 [徒然な話]

母の調子が悪い、と施設から連絡あったのが大晦日の14時過ぎ。
実家のすぐ近所、病院併設の施設なのだけれど
正月だもんでちゃんとした検査が出来ず、
車で15分ほど離れた別の病院へ救急搬送するとのこと。

…うへぇ。

搬送先の病院が交通の便悪く、向かうのが結構しんどい。
しかしそんなことも言ってられんので取り急ぎ準備して出かける。
病院着が16時ちょっと前。
搬送に付き添ってくれた施設の看護師さんから引き継いで
処置室前で1時間半くらい待ちましたかねぇ。
他にも患者さん引っ切り無しで、
なんかホント、大変な仕事だよなぁ、医療って。

その後医者から状態の説明を受けるも
やたらとテクニカルタームを使う人でちょっとイラついてしまった。
素人にゃ全然分からんつーの。
まぁ要するに肺炎であると。
年齢が年齢なので油断は出来ない、ということで即入院です。
そうした説明を受けている横で酸素マスクを着けた本人は
あんた今日休みかい?とかトイレ行きたいなんて話しかけてきて、
まぁ呑気なもんです。

さて。お薬手帳やらなんやら…
あぁ、さっき看護師さんが持って帰っちゃったのか。
ということで施設まで取りに行ってついでに年末のご挨拶をして、
待たせていたタクシーでトンボ帰り。
しかし病院も正月営業なので受付にほぼ人が居らず、
入院手続きが全て終わったのが19時30分。

-結局帰宅は21時。
もう、なんもやる気しねぇ。
元日、2日はただただボーっとしてたら終わった感じ。
あ、おせちは美味かったです。
ここ数年お取り寄せしたうちでも一番だったと思います。

3日病院に電話。抗生物質が効いて熱は下がったそうで一安心。
本人暇らしく車いすでちょこちょこ動いているらしいw
4日の通常診療再開に伴ってようやく正式な担当医師が決まるらしく、
方針説明はそれ以降になります、と。
僕は退院後、施設へ戻す算段を考え始めていたところで、
まぁ少しゆっくり入院してもらうのもアリかなぁ、なんて。
インフルエンザの流行で面会制限が厳しいのをいいことに
こちらも適当にサボりつつ、ってことで。

車が無いとこういう時不便だなぁ、と実感するも
もう15年くらい運転していないのでレンタカーやサブスクも…ねぇ。

世間では大きな地震(勿論うちも揺れたけど)や航空機事故もあって、
なんというか、落ち着かない正月ですこと。



新年はこれ ↑の再発について書こうかな、なんて思っていたけれど
それどころじゃなかったです。
しかしRik Emmettは勿論、やっぱりDave Dunlopは只者じゃないよな。

んー、今年も宜しくお願いします。
コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

年末小ネタひねり出し [日々聴く音楽]

↓ 某店がいつまで経っても入荷しねぇから聴くのが遅くなっちゃった。



えっ、国内仕様盤が出てるの!?
そういやMARQUEE / BELLE ANTIQUEはTRAPEZEも紙ジャケで再発してたっけ。
まぁしかし大概訳分かんねぇチョイスだよな。

僕はGlenn Hughesという人に微塵も思い入れが無いのでアレなのですが、
Robin Georgeとのセッションについては
'08年に“Sweet Revenge”というタイトルで
KRESCENDO RECORDSがリリースしており
今般のHNE盤ってのは実は2度目のお目見えなんだよね。
KRESCENDO RECORDSだからカウントしないってのは…
それはさすがにちょっと無理あるよな。

KRESCENDO盤の10曲は
HNE盤に全曲引き継がれていますが(HNE盤は全13曲収録)
幾つかの曲についてはバージョンが違っていて、
これは単なるテイク違いか後編集なのか定かではありませんが
やっぱりマニアは両方聴かないとアカンと思うのです。

このセッションは'89年に行われたもので、
元々はRobin Georgeが自身のアルバムとして出そうとしていたみたい。
そこに当時薬物禍にあって行く宛てのなかったGlenn Hughesを参加させて
上手いことレコード契約を…という目論見が加わったって感じでしょうか。
結局本作はお蔵入りし、Robin GeorgeはSean Harris
NOTORIOUSで勝負に出ることになる訳です。

本作収録曲については如何にもGlenn Hughesに似合う
跳ねたリズムのハードロックが聴き処ということになるのでしょうが
僕のようなRobin Georgeファンからすると上掲のような、
完全にRobin Georgeのボーカルを想定して書かれた曲が染みるのです。
実際何曲かは後にRobin Georgeが再録音しており、それを聴いて
そうそう、これこれー!
と大いに盛り上がったのは言うまでもありません。



誰がなんと言おうと僕ぁこっちのが好きなの!



-話変わって。

The Birthday Party / MOTORHEAD / 1990
mtrhad bdpt.jpg

'85年、バンドの10周年を記念する
ロンドンはハマースミスオデオンでの実況録音盤。
全般に物凄い勢いで突っ走るライブですがなんか急に聴きたくなったので。
'85年なのでカルテット期の演奏ですな。
ギター2本の“Ace of Spades”とか、結構カッコイイんだよね。

で、最後の“Motorhead”にはPhilthy Animalを始め
元メンバー他たくさんのゲストが登場するのですが、
ここでもLemmyがPhil Lynottのことをやっぱり「ふぃる りのっと」
紹介していることに気づいたのです。

なぁ、ホントに「らいのっと」の方が正しいのけ?
と、相変わらず小さな抵抗を続けるおっさんが独り。



ーついでに。

んー、なんだか全然勘違いしてましたが(老化)、
正月の干支シリーズ(一発出オチネタ)は別に毎年やってた訳じゃなかったのか。
調べてみたら'20年の子今年(卯)の2つしかありませんでした。
全然覚えていないという、なんというか、この。
で、やっぱり辰は難しいよね…だって実在しないし。
メタル関連ならDragon絡みなんて幾らでもあるけれどどれもあんまり面白くないし。
なので来年はナシの方向でひとつ(無責任)。
コメント(1) 
共通テーマ:音楽