剛直さの欠片もない(だが、それがいい) [泡沫盤]

En Regardant Passer Le Temps / CARPE DIEM / 1975
En Regardant Passer Le Temps

En Regardant Passer Le Temps

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Musea Records France
  • 発売日: 2002/10/29
  • メディア: CD


あ、ろーんぐろんぐたいまごー…
たかみひろし(敢えて平仮名表記)がキングレコードで
ユーロピアン・ロック・コレクションを展開するに当たり、
宣材として「ユーロロック・ハンドブック」という小冊子を作りました。
都合4、5冊(もっと?)出したんじゃなかったかと記憶しています。
基本的には同シリーズのカタログの役割を担うものでありましたが、
なにしろ他に有用なガイドなんぞ殆ど存在しない時代でしたから
これを入口として深淵の暗き穴に落ちていった聴き手は
数知れないのではないでしょうか?

その「ユーロロック・ハンドブック」、
Vol.1の表紙を飾ったのが他ならぬ本作のジャケットだったんですね。
まぁなんとも良い絵を選んだものです。

しかし、結局Cryptoレーベルの権利が取れなかったのか
本作が同シリーズにラインナップされることはありませんでした。
今、下北沢Yellow Popの店主をやってる旧友が
馬鹿高い輸入盤を買ってきて
仲間内で回し聴きできたのはもっけの幸いでしたね。
僕はこのアルバム、相当気に入って聴き込みましたから。

CARPE DIEMはフランスの5人組。
ほぼインスト主体ではありますが、
したり顔で小難しい演奏をひけらかす類とは一線を隔す
摩訶不思議なジャズロックを聴かせるバンドです。

主旋律のおいしいところは概ねソプラノサックスが持って行くんですが、
それに絡むキーボードが音域を拮抗させて
ちょっと独特なユニゾンやハーモニーを聴かせるのです。
音域の高低による振れ幅は当然狭くなり
全体としては線の細い印象になりますが、
仄暗い曲調には良く合っています。
パタパタと軽いドラムサウンドも迫力に欠けますが、
バンドのデリケートさを押し出すという点では
これで良かったのだと思います。

なんというか、
ジャケットからイメージされるそのまんまの音が聴こえてくる感じで
根暗(死語)なガキだった僕の琴線をおおいに震わせた訳ですな。

本作はその後'93年に仏MUSEAがCD化。
以後marquee/BELLE ANTIQUEが国内配給を行ったりして
何度か再発されましたが、
'07年に漸く紙ジャケでのリリースが叶いました。

未だ年に2回くらい、急に聴きたくなるアルバムです。
昨晩が今年の2回目だったので
ついでに作文してみましたよっと。



11日に書いた「届かない1枚」は、出荷が遅れていてまだ来ないんです。
なんかここのところamazonの配送はバタつくケースが多いなぁ。
出荷遅れます → あ、揃いました! → やっぱまた遅れます…
みたいなメールがばらばら届きます。
分かったからもう少し落ち着け、と(苦笑)。
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