残暑厳しき…ってレベルじゃない [泡沫盤]

もう8月も終わるってのにさ。
でも、夕暮れの早さと夜風には
季節の変わり目がほのかに感じられますな。



EMIが'85年に配給したポンプロックの青田買いオムニバス盤
“Fire in Harmony”についてはここで過去何度かその名前を挙げており、
具体的にはQUASAR絡みの作文とかね。
これの再発についてはもうすっかり諦めの境地って感じで
中古レコ盤を気長に探している訳ですが、
これまた国内では全然モノが出て来ないですねぇ。
まぁこれ、過日PALLASの7"を貸してくれた僕の友人が
所蔵していた気もするので今度聞いてみようっと。

などとつらつら考えておりましたら
収録されていたバンドのひとつがポロっと蔵出しをしました。


The Goldust Tapes / TRILOGY
trilogytgdt.jpg

“Fire in Harmony”の
A面4曲目に“Hidden Mysteries”という曲を提供したバンド。
エセックスで結成されたトリオは
イーストロンドンで活発なライブ活動を続けましたが
結局チャンスを掴むことなく時代の狭間に飲み込まれていきました。

本作は1982年、ロンドン南東部ブロムリーにある
The Goldust Studioで録音されたデモテープ(3曲入り)をレストアしたもの。
サウンドクオリティについてはまぁ推して知るべしって感じではありますが
リマスタリングの効果もあって普通に聴けるレベルではあります。
バンド名はEL&Pですが中身はと言えばRUSHに強い影響を受けたトリオが
ポンプロックをやっっている感じ…身も蓋もない言い方で些か失礼かと思いつつ
これが一番分かり易い説明になっちゃうんだもん。

本作リリースの後ベーシストが交替しており
翌'83年にも4曲入りデモテープをリリース、
そしてそのメンバーのまま“Fire in Harmony”に参加したという流れ。
せっかくなら全音源まとめて一気に出して欲しかったけど
まぁまぁまぁそれは仕方あるまい。



なんとバンドの公式チャンネルがあって色々見聞きできるのです。
どうも'21年頃に'83年時のメンバーが再集結しているようで
今年7月にオックスフォードで開催された
Neil Peartのトリビュートコンサートで演奏したみたい。
要するに現役ですよ、と(びっくり)。

まぁよっぽどのポンプロックマニアでもなければ全く興味も湧かんのでしょうが
僕のような聴き手のノスタルジーに訴えるには充分なのだな。
フィジカルについては(手売りの)CDがあります。
僕は…3曲入りCDの送料をケチってデジタルDLで済ませちゃったけど。



CD発送と言えば先日書いたWEIDORJEの発掘ライブ盤は案の定全然音沙汰がない。
発送通知は勿論、モノの生産状況もなんにも伝わってきません。
まぁそんなもんだよねー(苦笑)って感じで気長に待ちますが
なんつーかこの、ナニだよねぇ。
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ヤンボー マーボー 健忘 [泡沫盤]

2月の末から暇を見てコツコツとデジタル音源を整理整頓しています。
最初はアナログから取り込んだデータに曲情報を追加するだけのつもりが
結局CD等のリッピングデータも全て見直すという狂気の沙汰に。
ジャケットの画像データをなるべく奇麗なものに加工して差し替えたり
ボーナストラックや2in1タイトルを本来の個別アルバムに分割したり。
名前順に作業して先週末「U」が終わるところまで漕ぎ着けました。

WALKMANに転送する関係上ソニーのMusic Center for PCを使っていますが
相変わらずアプリ自体の評判は良くないみたいですねぇ。
僕はこの使い勝手に慣れちゃったので特に困ることはないですけれども。
ただ、現状かなり動作が重くて使ってる最中度々落ちるんだよね。
まぁでもこれはバカみたいな曲数で狂ったような容量を背負わせている
僕が悪いので、仕方がないと諦めています。

-で、その作業中に
あぁ、こんなんあったねぇ、って呟きながら
超泡沫なタイトルを聴き直したりして。



Michael Moorcock由来のバンド名となれば
普通はどうしたってサイケなスペースロックや
エピックメタルを想像しちゃうってものでしょう。

Runestaff / RUNESTAFF / 1985
runestaff.jpg

英国はイプスウィッチ出身6人編成バンドの、これが唯一作。
「イプスウィッチ」なんて言われると
今度はLovecraftがパッと頭に浮かんだりもして、
なんともイマジネイティブなバンドでありますが実のところは


※お尻がブチ切れます。

これだもの。
元々はもっとプログレっぽいことをやっていたようなのですが
女性ボーカリスト加入後に方向性を徐々にシフトしたのだそうで。
で、これまた良くなかったのは
本作がHEAVY METAL RECORDSからのリリースだったってことです。
このアウトプットなら親レーベルのFM-REVOLVERから出すのが
どう考えても正解だと思うのですが、なにか事情があったのかなぁ。

まぁなんだ、いかにもイギリス式って感じで結構好きなんですけれども
本作リリース後に鍵盤奏者が亡くなってしまい
それに伴ってバンドも消滅したようです。
他メンバーのその後も全く情報が出て来ないのでこれっきりってことみたい
…って、凄く前にちょっとだけ書いてるじゃん。全然忘れていた(汗)。
この手の重複は僕の加齢、健忘のせいで今後増えていきそうだなー(苦笑)。

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カステラに羊羹が挟まっているのは…ありゃシベリアか [泡沫盤]

'10年10月25日、'13年2月11日に続いて三たびALASKA。
Bernie?と問われればすかさずTormeっ!と答える僕にとって
Marsdenの方はそれほど思い入れのあるミュージシャンでは
ない筈なのですが。

盆休みのある日、iTunes Storeをつらつら検索していたのです。
なんかHEAVY METAL RECORDSとかの
埋もれた珍盤が出て来ないかなぁ、なんて思いながら。
そしたらですね、

Anthology 1 / ALASKA / 2003
alskatg1.jpg

こっここ、これは(今はなき)Majestic Rock Recordsが
リリースしたものの結局続編には繋がらなかった
デモ音源のアーカイブじゃないですか。
僕は今まで聴いたことがなくて、ずっとフィジカルを探していたのです。
うひょひょ、とか言いながら
早速ポチってDLしたのは言うまでもなし。

-で、ですね。
いきなり眉間に皺が寄るのは頭3曲、
コレどう聴いてもボーカルがRobert Hawthornじゃない。
然るに1stアルバム収録の〝Need Your Love”をやっている。
一体なんなんだ!?と調べてみたところ
'82年の頭(Bernie MarsdenがWHITESNAKEを脱けてすぐ)に
Tommy Jacksonと録音したデモなのだそうで、
てぇことはこれ、ALASKAになる前の
BERNIE MARSDEN'S SOSの演奏じゃん。
うーん、結構とんでもない発掘音源だと思うのですが
全然話題にならなかったのは、まぁ、しょうがないか(苦笑)。

蛇足ながらTommy(Tom)Jacksonと言えば…
Bernie Shaw(またBernieが出て来ちゃったな)に
取って代わられる前('80年のデビューアルバムリリース後)、
一瞬だけPRAYNG MANTISに居た人という印象しかなく
それとてよっぽどのマニアじゃないと出て来ない名前。
こちらのキャリアを見てみるととにかく繋ぎに使われて
いざレコーディングとなるといつの間にか他の人に
その座を奪われているという誠に不遇なボーカリストで、
それはもうちょっと気の毒になるくらい。

アルバム1枚キチンと残っているのは、



なんでドイツのバンド?という疑問はありつつ、
これ('86)の前はフランスのNIGHTMARE(音源は残せず)にも
居たらしく、相当あちらこちら流転していたみたいです。
あ、因みにこちらのZENITH、結構イイ感じなので
これはこれでどこか再発してくんねぇかな。

話を戻してBERNIE MARSDEN'S SOSの3曲。
いずれもWHITESNAKEからそう遠くないブルースハードロックで、
実は4曲目以降(ボーカルは全てRobert Hawthorn)の
アルバム未収録曲もそこそこの割合でそっち寄りだったりします。
ざっくりデータ面を記せば
4~8曲目が'82年、9~12も同年録音の別デモ、
そして13曲目が'84年録音とのこと。
詰まり13曲目(〝Heart of the Storm”のリレコ)以外の
キーボードは全部Richard Baileyによる演奏な訳で、
僕は音源DLですからフィジカルのブックレットについては
ネット検索でしか確認出来ませんが
Don Aireyがどーんと前面に出ているようなのは、
それはちょっと違うんじゃないかと思ったりして。

また話がちょっとズレた。
えーと、Bernie MarsdenがALASKAで目指したのは
間違いなく売れ線の産業ロックでした。
それは正式リリースされた2枚のアルバムを聴けば明らかです。
しかし根っこにあるベタなブルースロックを
最後まで拭い去れなかったのもまた事実で、
それは本アーカイブを聴いてもやはり同じ印象でした。
この振れ幅こそがALASKAの個性であり、
そのどっちつかずの個性ゆえ
商業的な成功を得ることが叶わなかったのです。
なんともこう、実に歯痒いバンドでしたねぇ。



代表曲ってことだとやっぱりこれになるのかなぁ。
本アーカイブ収録版と1stアルバム版の聴き較べもまた楽し。
上掲映像はライブ(放送用っぽいけどね)なので
また全く別の音源ですが。

まぁ、なんだ。
今どきALASKAについてこんな作文したところでどうにもならんわ、
などと思いつつだらだら書いちゃいました。
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ひさびさ? [泡沫盤]

つるっと白状いたしますれば、僕まだOzzyの新譜買ってないの。
だってさぁ、だってねぇ…。



なな、なんだこりゃ。

Mantis / MANTIS / 1973
Mantis

Mantis

  • アーティスト: Mantis
  • 出版社/メーカー: Progaor
  • 発売日: 2020/03/13
  • メディア: CD

カナダ産。バンドは男女ツインボーカル(男性はハーモニカ兼務)を含む6人編成。
唯一作である本アルバムには管楽器奏者が2名客演。
そのうちの一人がMoe Koffmanという人で、
僕は寡聞にして存じ上げませんでしたが
名の通ったジャズミュージシャンみたいですね。



これって以前国内で紹介されたことありますかね?
少なくとも僕は初めて見(聴き)ました。
おとなし目に跳ねるリズムや
当時の英国からはやや遅れたサイケ風味を含みつつ、
鍵盤とゲストの管が醸し出すクラシック感によって
一部の楽曲についてはプログレと呼んでも差支えないかと。
総尺40分に満たないアルバムですが
聴き手の集中力を持続させる力に乏しいのがいかにもB級といった感じ。

…んー、そうだなぁ。
なんとなくで言えばIAN LLOYD AND STORIESの
〝Traveling Underground”('73-'13年5月9日エントリー)に
近い感じがあるのですけれど、どっちかって言われたら
そりゃ断然STORIESの方を推すよ僕ぁ。

PROGAOR(アメリカのASIAとか初期HELIXとか
そんなんばっかり再発している会社)は目の付け所が実に泡沫で、
MANTISの次はMAMA'S BOYSの自主盤1stだってよ…えぇっマジ!?

んーこの超泡沫な感じ、こりゃ久し振りかも知れん。
作文としては短いけれどこれは単体でアップしましょう。
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再発しないかな、とはちょっと違う [泡沫盤]

どうもここのところのネタは
連想ゲームから重箱の隅を突くパターンが多く、
今日もその類いでござる(ござる?)。

前回作文を書いた後、
CHERRY REDがKILLERに続いてMAUSOLEUMの何を出したら
嬉しいかなぁ…と考えて僕の脳味噌が捻り出したのが



おおっ、コレがあったじゃん!
GMTの“War Games”('91)です。
元々'85年に“One by One”というタイトルの
4曲入り12"EPとしてリリースされたものに
1曲足してCD化したヤツです。
G→Glen,Chris
M→McAuley,Robin
T→Taylor,Phil
ということで、Philthy Animal関連の珍作として
一部ではつとに有名(?)ですね。

  ※20年後には
   Robin Guy、John McCoy、Bernie Tormeの3人が
   同じくGMTを名乗りますが、こちらについてはまた、
   いつか機会があれば。

このGMT、本を正せば
GRAND PRIX('16年8月31日エントリー)の後を継ぐべく
結成されたバンドで初期メンバーには
Michael O'DonoghueとPhil Lanzonが名を連ね、
実際アルバムに収録された全曲が
この2人+Robin McAuleyによって書かれています。
上掲お聴きの通り良く出来た産業ロックで、
何故ここにPhilthy Animalが??という大いなる謎。
もはや真相は闇の中でありますが。

―で、さぁ。
EPレコードのタイトルにもなった
“One by One”という曲はその後、
実にひょんなところで再演されているのです。



あろうことかあの「天国への階段」を産業ロック化して
オールドファンの度肝を抜いたFAR CORPORATION、
その活動終盤('87)に幻の2nd.アルバム“Advantage”の
リーダートラックとしてシングルカットされたのよ。
結局“Advantage”はお蔵入りし、
Robin McAuleyはMichael Schenkerとの活動に
完全移行したのです。
いやしかし、
TOTOの面子を絡めてコレやっちゃうのは卑怯だよなw
こんなのイイに決まってるじゃん。

あー、思い出したのでついでにもう1曲。



GMTの後にソロ名義で出した、これもシングル('86)です。
なんでPAUL & BARRY RYANのカバーなんでしょうね?
当時の話で言えばほぼ同じタイミングで
THE DAMNEDが同曲をやっていて、
そっちの印象が強過ぎてこっちはあんまり…
って感じでした。
いやぁ、そもそも僕は
そんなにRobin McAuleyが好きって訳ではないのだった。



さてー、じゃこれからMICHAEL SCHENKER FESTの
新しいのでも聴きますかねぇ。
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オチが酷い [泡沫盤]

前回SI Musicと書き記したこと、
加えて去年のCHANDELIER再発が繋がって
僕の脳味噌があるバンドの名前を閃かせたのです。



ドイツで'90年代にポンプロックを継いだ人達と言えば
CHANDELIERよりもこのEVERONの方が馴染み深いよなぁ、と。
…なんか偉そうに書いてはみたものの実際僕このバンドは
3枚目迄しか聴いていなかったりするのですが。

'93年にSI MUSICから
上掲曲を含むデビュー作“Paradoxes”をリリース。
同作はやや遅れて翌'94年に
ゼロ・コーポレーションから国内盤も出ましたね。
続く2枚目はROADRUNNERのディストリビュートで
より広く流通しました。この配給の関係で
国内盤はアポロン・インターナショナルから。
…ああ、前回書き漏らしたけれどアポロンも
Magna Carta('17年1月11日エントリーに関連記述)を
持っていたからこの手のリリースは割とあったんだよなぁ。
'96年にはSI MUSICが閉鎖されバンドはMASCOT RECORDSと契約。
以降'08年の7枚目(現状の最新作)迄
全て同社からアルバムを出しています。
因みに3,4枚目はアヴァロンが国内盤を出していました。
5枚目以降のドメスティックリリースはありません。
しかしころころと会社を変えつつも国内盤が出たことで
バンドの認知にかなり大きなメリットはあったと思われ、
うん、僕、正直CHANDELIERは
Inside Outから出た3枚目('97)しか知らなかったもの。

このバンドのアウトプットに対しては一言で「ややヌル」。
演奏技巧に頼ることをせず
メロディを丁寧に連ねて楽曲を構成するタイプですが、
些か冗長で緊張感に欠けるところがあって
その点どうしてもショボく感じてしまうのです。
しかし実は作を重ねる毎にこの点は改善されており
(今聴くと3枚目の時点で既に大分良くなっています)、
バンドの熱心なファン(居る?)には叱られそうですが
どうにも1st.の印象が強いもので。

時代はDREAM THEATER(うへぇ…)が
爆発的人気を博していた頃で
この辺りのバンド群を無理からプログレメタルめかして
売ろうとしたレコ社の思惑は分からんでもないけれど、
やっぱり出自の違いは如何ともし難かったわねぇ。

―最後に。
EVERONはeve+ron(ロンってナンだ?麻雀の上りか!?)
ではなくever+onだと思われ、
然るにエヴェロンと仮名を振っちゃった
ゼロ・コーポレーション、
そしてその表記に一縷の疑問も持たなかった
アポロン、アヴァロン両社には一言もの申したい気もしつつ
今やアヴァロンしか残っていないという悲しい現実。
バンドも長い間活動休止状態(解散しちゃった?)だし。
まぁなんだ、エヴェロンにアヴァロンで
ややこしくてどうもスミマセン。
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泡沫者の細っけぇ愉しみ [泡沫盤]

今月マジ全然書けてねぇこれちょっとやべぇレベル。
てな訳で前回Lea Hart地獄の補遺でお茶を濁します。

Lea Hartの関連作は日本盤がオリジナルで
その後海外でリリースされるケースが多く、
その際アルバムタイトルやジャケットが変更されたり
微妙に中身が入れ変わったりするので
ディスコグラフィの取っ散らかり方が半端じゃない。
なので諸々比較検証するに当たっては
基準となる定盤を決めないといけないのですが、
僕はWest Coast Productions(WCP)なるところが
'95年に3枚組で出した“True Brits”としました。
従前リリースされた“True Brits”、“True Brits 2”に
1枚プラスしてセット売りしたものです。
因みに現在iTunes等ではPeacock Recordsが
ROCK LEGENDS名義で同タイトルをばら売りしています
(フィジカル盤“TRUE BRITS”はVARIOUS ARTISTS表記)。
このセットだと曲数が多く被りもなく、
概観をほぼカバー出来るのでかなり便利なのです。

で、そこから各曲の出所や流用先を
ちくちく攻めていくのですが、
例えば前回貼ったヤツを調べると
最初はFASTWAY…ではありませんでした!
サクっと訂正します。
FASTWAYに先んじること4年、
実になんとも言えないヤツが初出でしたねぇ。



↑ うひょ!?って感じでしょ。
僕は基本国産モノの音源は貼らない方針ですが、
本人(もしくはその周辺)がアップしているようなので今回は例外的に。
Steffanieの2枚目“Pink Noise”('86)が最初でありました。
いわゆるビーイング系ですな。
お馴染みのギタリスト達(面倒だから名前は書きません)に
加えて青山純とか伊藤広規、中村哲のクレジットもあります。
随分豪華ですね。
しかし僕は肝心のSteffanieさんの野太い声がどうにも苦手で
当時からあからさまに敬遠しておりました。

えーと、どうやらこの頃Lea Hartは
アンルイスのバックをやっていたようで
要するに日本に居たってこと?
更に遡るとこの人、元々はROLL UPSってアイドルポップグループ出身で
その頃からちょいちょい我が国に長期滞在していたみたいです。
国内盤がやたらとリリースされるのも納得ですわ。
実に、諸々色々と縁は深かったようですが
日本のメタルメディア(Burrn!界隈)は
そういう芸能界的なノリを毛嫌いする傾向にあって
完全に黙殺されたということですね。
まったくもって気の毒な話よねぇ。

話を戻して、このSteffanie版については
単に楽曲提供ということで演奏には関わっていないようです。
この時点での曲名はシンプルに“Miles Away”となっています。

次がFASTWAYですね。



Lea Hartが加わって2作目となる
“Bad Bad Girls”('90)に収録。
Lea Hartの歌声にはなんの特徴も無く(失礼)、
しかしEddie Clarkeのリードギターは
珍しくメタルっぽいフラッシーさがあって聴き応えがあります。

恐らく多くの方は(いや、そんなに多く居る筈がないw)
次が前回エントリーに貼った
Paul Di'Anno版だと思われるでしょうが実はその前に



'92年、ENGLISH STEEL名義の
“Start 'Em Young”というアルバムで
Dennis Strattonが歌っています。
ギターはLea HartとDave Senczakなる人で、
何故かDennis Strattonは弾いていませんね。
ここで曲名が“I'll Be Miles Away”に変更されています。

で、最後がPaul Di'Anno版('94年)です。
これは“True Brits 2”でお披露目されていますが、
一般には(だからそんなに広く聴かれていないってw)翌'95年、
PAUL DI'ANNO & DENNIS STRATTON名義の
“The Original Iron Men”で
聴いたというパターンが主流と思われます。
比較し易いように再度貼っておきます。



このバージョンのリードギターDennis Stratton。
ソロパートは勿論、アウトロが抜群にカッコイイのだ。

―と、都合4種類。
曲毎にこんなんいちいち調べて聴き較べてるもんで
そりゃあいつまで経っても終わらんて。
しかし前回も書きましたが
これが楽しくて止められないという(苦笑)。
勿論自分でも頭おかしいと思っていますです、ハイ。
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耳の裏がぬるっと… [泡沫盤]

季節柄空気が乾燥していることによる肌荒れだと思っていたのは間違いで、
カビ(真菌)を原因とする皮膚病でした…ガックシ。
いやー、しかし医者の薬はやっぱり効くねぇ。

一方母の入所している施設では流行性感冒の罹患者が。
幸いうちの母は元気なものの(ワクチン接種済、タミフルの処方も許可)、
当面の間面会が全面禁止されちゃったのはちょと面倒です。
目薬が切れたってんで差し入れたいのだけれど、
受付けに預かってもらうよう手配しなきゃいけないなぁ。



えーと、ここ数日VANDENBERGとか
そんなんばかり聴いてしまうので正直ネタが無く-



The Complete Collection / M-80
m80tcc.jpg



VENDETTAなるローカルバンド(アルバム1枚アリ)で活動していたギタリスト、
Niki Buzzがカリフォルニアで新たに立ち上げたのがこのM-80。

Ozzy Osbourneのツアーを2週間弱でクビになったベーシスト、
Don Costa(楽器のボディ裏にチーズ用のおろし金を張り付け、
血だらけになって演奏するという相当アレな人)と
2人並んで写るジャケットが印象的な6曲入りの“M-80”('84)と
Chris Aylmer、Ian Robertsとのトリオ編成で
ROADRUNNER RECORDSからリリースされたアルバム“Maniac's Revenge”('85)、
更に3曲のオマケを足して'07年にRetrospect Recordsから
再発されたM-80の全曲集(?)が本作です。

“M-80”はDon Costa唯一のレコード音源でもあり、
まぁ音だけ聴いている分には極普通なんですけどね。
オーソドックスなハードロックをベースにNiki Buzzが弾き捲る
というのがトータルの基本路線ですがコレ!という決め曲が無いので
右から左へサラッと流れていっちゃうのは些か勿体ない感じ。
モータウンヒットのカバー(“Stop in the Name of Love”)が
一番のトピックになっちゃうってのは…ねぇ。

しかし全くの同路線ながら一方の“Maniac's Revenge”は
国内盤レコード(アポロン/FEMSから)も出ていたという。
果たして当時誰が買ったのかは定かではありませんが。
さすがに僕も当時これが欲しいとは思わなかったなぁ。
この国内盤の解説によるとドラマーはL.A. SECRETS
(Laurence Archerのバンドのことだと思われます)の
Sam Mannとされていますが、実際はIan Robertsが正解です。
Sam Mannは未クレジットながら“M-80”で演奏していたようで、
その情報が更新されなかったというのが真相でしょう。
Ian Robertsは後年Steve Harrisのソロアルバム“British Lion”('12)に
同名のクレジットがありますが、これは同一人物なのでしょうか?



今聴くぶんには
あぁ、これはもっとBernie Torme的な受け方をしても良かったよね
なんて思うのですが、なにしろリアルタイムで
がっつりスルーしちゃったからねぇ(苦笑)。

で、Niki Buzzはその後



やっぱりこうなっちゃったようで、
まぁこれはもう宿命みたいなものなのでしょう。
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そうか、衣鉢を継いだのはこの人だったのか [泡沫盤]

Dark Emerald Highway / PAT MCMANUS Band / 2013
pmdehw.jpg



アルバムを全部揃えている訳ではないけれど
勿論CELTUSだって嫌いじゃなかったですよ、僕。
ただ、Pat McManusをギタリストとして捉えた場合に
やや物足りない感じがしたのはやっぱり、そりゃ、ねぇ。
で、そのCELTUSが消滅して以降の
Pat McManusの消息について僕は殆ど追いかけていなかったのです。
弟はLOUD PARK 07にひょっこり来日して僕を慌てさせましたが
('18年1月12日エントリー…って書いただけじゃ分からないか。
 FASTWAYの一員としてJohn McManusがやってきたのですよ。
 後のスタジオ盤には不参加でしたが。)、
お兄ちゃんの方はさっぱり。

トリオのバンドを組んでライブをメイン(?)に
ずっと活動を継続していたことはなんとなく知りつつ、
それなりの枚数出ているアルバムにはイマイチ手が伸びなかったのです。
近年物理盤のリリースに消極的だったようなのも一因ではありますが。

ところが、ふとした切っ掛けで上掲アルバム収録曲に触れ、
速攻iTunesストアへ雪崩れ込んだのであります。
スタジオアルバムとしては'16年の
“Blues Train to Irish Town”の一つ前ってことになるみたい。
この“Blues Train to ...”が全然見つからない
(iTunesストアにも見当たらない)ので往生しているのだ。
…いや、先ずは“Dark Emerald Highway”の話からですわな。

えーと、ズバリこれ ↓



こんなん衒いもなしにやられたら敵わんわー。
偉大なるアイリッシュロックの正統は
トラディショナルやブルースを呑み込んで渾然と吐き出される訳ですが
まさか今時ここまでティピカルなヤツにお目(耳)通りが叶うなんて
思いもよらなかったもの。

アルバムトータルの印象としては
ちょっとRik Emmettの“Res 9”('16-16年11月29日エントリー)っぽい
感じもあり、要するにオールドスクールなロックということで
まぁ若い聴き手にはなかなか刺さりにくいだろうなぁ。



こんなんとかね。僕ぁ辛抱堪らんけどね。

うーん、もっと身も蓋もない言い方をすれば
ハードロックへの回帰について、
その道半ばで亡くなってしまったGary Mooreに対する
聴き手のないものねだりに答えられるのは
実はこのPat Mcmanusだったんじゃないかと。

このアルバムはそうした淡い期待に対して
ほんのりとした満足感を与えてくれる1枚で、
勿論ガチなハードロックではないのですけれど
ベタなブルースと呼ぶには余りにもロックの要素が大きく
Gary Mooreが生きていたらこんなのをやっていたんじゃないかと、
そんなことを想像させるに充分なアウトプットが満載なんだよね。

MAMA'S BOYS時代から腰の据わった(やけに大人びた)
ブルースハードロックを得意とする人でしたから
ここに至ったのは当然の帰結であったのかも知れませんが、
いや、これは本当に嬉しい驚きでありました。
我が国のおっさん達はこぞってこれを持ち上げるべきなんじゃないかと、
相変わらずネットの端っこの方から主張しておきます。

そんで、“Blues Train to Irish Town”なんですけどね。



この曲のスタジオ録音版がどうしても聴きたいのですよ。
なんたって“Iona Sunset”だぜ?
曲名からしてもう、痺れるほどに素晴らしいじゃん。



ーついでに。
MAMA'S BOYSの“Turn It Up”('83)をどこか出してくれまいか。
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バンド名がなぜ「潜水艦」なのかは全然分かりません [泡沫盤]

誰も表立っては言わないけれど
もはや地球という惑星がポンコツ化してしまったのは
ほぼ間違いのない事実であって、
遠い未来の世代に対しては本当に申し訳ないが
別に僕だけが悪いって訳でもないし
どうしようもないので普通に暮らすしかないのであった。
…と、あんまり暑いのでちょっとおかしなことを書いてしまいました。



Vesi-Ja Lintumusiikkia / SUKELLUSVENE / 1979
sensuikanvjl.jpg



これ、なぜ今の今まで埋もれたままだったんだろう?
今般初めてCD化されたとのことですが、オリジナルレコードの時点でも
我が国にはちゃんと紹介されていなかったと思います。
やっぱりマイナーな欧州盤は物流やらなんやら
昔は色々と難しい事情があったのでしょうが、
もしリアルタイムに聴かれていたら結構話題になったんじゃないかなぁ。
それほどに完成度は高いです。

フィンランド産、非常に素晴らしいジャズロックを聴かせる1枚。
各楽器の演奏はやや技巧に走りがち(実際上手い)で
いわゆるMAHAVISHNU ORCHESTRA直系の楽曲も繰り出されますが
ピアノを含めたキーボードの冷ややかなサウンドは実に北欧らしく、
そのメロディがバンドの叙情面を浮き立たせています。
アルバム冒頭、ピアノの独奏が3分(楽曲はトータル9分)というのは
なかなか大胆な幕開けですが僕はこの導入を大変気に入りました。

管楽器奏者がソプラノサックスやクラリネットを使用する場面では
ちょっとCARPE DIEMっぽい雰囲気もあり、
その他曲によっては典型的な4ビートも普通に出てきますが
アルバムの流れの中ではそれ程違和感が無いので
割とすんなり聴けてしまいます。

ギター2人に管楽器奏者も抱える6人編成の大所帯、
この人達のライブが相当凄かったであろうことは想像に難くありません。
バンドは'71年から活動していたようですが
本作がデビューアルバム(ラストアルバムでもあります)ということで、
きっとありがちな不遇を囲ったということなのでしょう。残念。

うすぼんやりとした、しかしとても綺麗なジャケットに惹かれて
なんとなく手にしたCDですが
これはなかなかの当たりでございましたな。
こういう、さり気ない好盤っていいよね。
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