ヘヴィメタルいまむかし [日々聴く音楽]

メタルのインディレーベルで今一番熱いのは
BAD OMEN RECORDSということでまず間違いないと思います。
先日もスプリットの7"レコードを2タイトル同時にリリース、これが

Ride On / WYTCH HAZEL
Palantiri / PHANTOM SPELL
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A Waxing Moon Over Babylon / SPELL
Fall To Ruin / POLTERGEIST
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という最高にいかしたラインナップによる新録音で、
もうね、こんなの絶対好きに決まってるじゃん。
バンドのマッチングも物凄く絶妙で、
BAD OMENってばホントに良いバンドを抱えてるよな。

WYTCH HAZELの、ゆったり目のシャッフルはもはや堂々たる貫禄すら感じさせ
PHANTOM SPELLはこれまたどえらい名曲を叩きつけてきました。
轟々たる風琴(オルガンって書くよりも風琴って感じなのよ)も素晴らしく
いやー、新しいのを出す度にどんどん良くなるもんな。



SPELLについては他と些か趣向が変わっていて、
オランダのカルトなオカルト ロックバンドTHE DEVIL'S BLOODのカバーです。
物凄いマニアックなところを突いてきたものですな。
そしてPOLTERGEISTは…これは実は僕、初めて聴きました。
カナダのトリオで
自称ポストパンク+トラディショナルメタル+シューゲイザーだそうですが
本作収録曲を聴く限りシューゲイザー要素はほぼ無いかなぁ。
ほんのりと現代型(北欧)暗黒スタイル
Per WibergとかHenrik Palmとか)も薫りつつ、
まぁでもこれはほぼポストパンクそのものです。
同郷SPELLとスプリットするのに申し分のない相性で、
んー、これは遡らないと駄目かも知れん。

後者はともかくWYTCH HAZELとPHANTOM SPELLについては
(毎度作文する度に書いているけれど)
我が国における注目度の低さに呆れるばかりでございますよ。



-話変わって。

いつもの如く実家自室をガサゴソしていたら

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こんなのが出て来ました。

…時は遡って1990年。
Marqueeの向こうを張ろうとしたのかどうかは定かでありませんが
(UK)EdisonがGermという雑誌を発行したのです。
Marqueeとは違う切り口を模索している様子が微笑ましく、
一部にメタル頁を設けてある日和見感もまぁ、ねぇw
上掲写真はGermの別冊として刊行されたNWOBHMのディスクガイドです。
奥付を見ると'92年4月15日の日付が確認できます。

表紙にある通りシングル240タイトル、
アルバム180タイトル(一部重複アリ)が掲載されており
今さらなメジャータイトルから結構マニアックなものまで
NWOBHMの全体像を俯瞰できる作りになっています。
G-FORCE(Gary Moore)やGILLAN、RAGE辺りが含まれちゃう辺りは
いかにも当時の大らかな解釈ということで全然許せちゃいます。
それよりも今になってこれを見返してみて驚くのは
掲載されているアルバムの九分九厘がCD化再発されていることで、
未だに再発が叶わないのはやはり権利関係のややこしいオムニバス盤か
需要が殆ど無いと思われるタイトル(Jess Coxの“Third Step”とかw)くらいで、
いやー、こんな未来が来るなんて当時は全く予想出来ませんでしたな。
巻末には伊藤政則が寄稿していますが
やっぱり恨み節の側面が強くてちょっと悲しくなります。

挟まっていたコピー紙のチラシには
                                                                                                 
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(UK)Edisonが主体となってCD再発をしていく旨が告知されていますが
これは結局実現されていません。
ただ、この企画自体を引き継いだという訳でもないのでしょうが
CANYON INTERNATIONAL(ポニキャンの洋楽部門)が
同じ'92年からDEMONやGASKIN等NWOBHMモノの再発をスタートさせています。

そもそもGermという雑誌自体どれくらい続いたのかが分かりません。
'92年から地方のEdison各店が続々閉店し
翌'93年には本丸の新宿Edisonも無くなっちゃったので、
恐らく本巻の後すぐに休刊しちゃったのだと思われます。
逆に断末魔の苦しみの中よくこんなものを発行したよなぁ。

というお馴染みの昔話で、ほんとすんません(悪いと思っていない)。
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彼岸を過ぎてもちょと寒い [買い直し盤]

俺はとんでもないおマヌケちゃんだった…。
こんなことを書くよりも前、今年の頭には

Anno Domini:1989-1995 / BLACK SABBATH
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これのリリースが決まっていたんじゃないか。

“Headless Cross”('89)
“Tyr”('90)
“Cross Purposes”('94)
“Forbidden”('95)
の4枚セット。わぉ、こりゃ素晴らしい。

いわゆるTony Martin期をまとめたものですが、
“The Eternal Idol”('87)が漏れたのはレコ社が違うからで
“Dehumanizer”('92)が含まれないのは歌い手が違う
(両者既にリマスター再発済みだしね)からだと思われます。

'95年の“Cross Purposes Live”は入っていないのか?
とか細かいことを言い出すとキリがないのですが、
“Cross Purposes”の日本盤ボーナストラックは
ちゃんと収録されているみたいなのでまぁ、
最低限はおさえてあるとうことで。
なによりリマスターによって音量改善さえされていれば僕は満足なのだ。

そして“Forbidden”のTony Iommi自身によるリミックス、
これは非常に興味のあるところです。
オリジナルはBODY COUNTのErnie Cによるプロデュースってのが
ひとつの売りだったのですが…
まぁSABBATHに憧れていたのかも知れませんがお門違いも甚だしいよな。
Ozzy期に揺り戻そうという意図は分からんでもないのだけれど、
それはTony Martinには圧倒的に合わないんだって。
終いにアルバム冒頭曲の途中でIce-Tがラップを披露するに至っては
おいこら調子のんな、ふざけんのもいい加減にしろ!
と僕の怒りを買った訳です。
いや、これは僕だけでなく怒った人は相当多かったと思います。
そんな問題作をTony Iommiがどう弄るのか、
これは結構重要なポイントなんじゃないかと。

GW明けリリース予定。まぁ絶対要るわな。



因みに上掲はアルバム“Tyr”から。
リズムセクションはCozy PowellとNeil Murrayです。
そしてやっぱり、Tony Martinが歌うSABBATHのアレンジの肝は
Geoff Nichollsの鍵盤だと思うのだよね僕は。
“Forbidden”の頓珍漢さってのは
これをあまりに軽視したからってのも間違いなく大きな一因だよな。



盤無き…用のタイトルはぼちぼち順調に積みあがっています。
合間々々で作文を上げていければと思っています。
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かなり無理矢理書いている [日々聴く音楽]

雑誌、MARQUEE MOON付録のソノシートについては
以前ほんの一言触れましたが、それ以降もこつこつと蒐集を続け
国内ミュージシャンを収録した盤は一通り揃えることが出来ました。
しかし結局のところ元々持っていたVol.5~Vol.7の3枚が圧倒的に面白く、
中でも特にカッコ良いのはやはりプログレ時代のPHAIDIAで
これの鍵盤奏者が今やアヴァン系評論家の坂本理だというのはかなりの驚きです。
PHAIDIAはその後メンバーを入れ替えてゴシックロック
(…ポジティブパンクってのはもはや死語でしょ?)化する訳ですが、
吉田達也が加わる前の方がプログレだったというのもまた
なんとも言えない不思議な話ですな。

同等に印象深いのはPNEUMA。
だいぶ後になってリリースされたCD

Psychabuse / PNEUMA / 1995
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に収録されているのは'79年~'85年に録音されたものですから
ソノシート('82年)と同じ時期の楽曲ということになります。
しかしそれらを並べて聴いてみても
ソノシート収録曲「滅びの塔」は飛び抜けて面白い。
これには多分幾つかの理由があって、
ひとつは7"レコードというメディアの制約によって曲(の尺)が
比較的コンパクト(それでも約7分ありますが)であること。
CD収録曲は一番短くても10分弱なので結構違います。
そして客演で参加しているボーカルの存在。
特段のクレジットはありませんが、いかにも前衛演劇的かつ修辞学的な詠唱は
この曲を古き善き昭和アングラの逸品に押し上げていると思います。
完全インストゥルメンタルだとあまりにもKlaus Schulzeそのままなので
ちょっと差別化が苦しいのです。

…枕のつもりが中途半端に長くなるいつもの良くないパターンw



なんでぇ?ってくらい唐突にWOLFSBANE('94まで)を聴き直しています。
僕はIRON MAIDENの“The X Factor”('95)や
“Virtual XI”('98)だって割と好きなのですけれど
Bruce Dickinsonが歌う“Sign of The Cross”を聴いちゃうと
やっぱり断然そっちの方がイイ訳で、
ホントにBlaze Bayleyってのは不憫な歌い手だよな。

WOLFSBANEってのは英国のバンドとしてはちょっと特殊で、
なんせデビューアルバムはDef Americanからのリリースですから。
まぁこれRick Rubinの慧眼によるのですが、
アメリカ受けするタイプとはやはりどこかが違ったようで。
“Down Fall The Good Guys”('91)辺りは
だいぶ寄せに行っている感じですが
同じ年にNIRVANAの“Nevermind”が出ちゃってるので、
うん、そりゃ厳しかったでしょうね。

なんというか、出てくるのがちょっと遅かったのかなぁ。
いいバンドなのですけどねぇ。

再結成以降は全く聴いていませんが
初期のカタログは全てリマスターして再発してもいいと思うのだよ僕は。
SONYはまずやらないでしょうけどね(溜息)。
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本格的に目が痒い…僕は目薬よりアイボン派 [シリーズ作文]

前回MIDNIGHTとPROFESSOR BLACKの名前を並べたのは、別に



これに誘導したかったからではありません。
'18年リリースの7"シングル。
B面はMOTORHEAD“No Class”のカバー…とか書くからダメなんだよな。



ってな話から本題へ。

シリーズ作文 盤無き好作 その5

Out of Exile / NOTION BLUE / 2024
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米国コネチカット州から、トリオ編成のバンドによる2作目です。
BarbiとChaseという2組の兄弟が高校時代
一緒にライブをやっていたというのが大元だそうで、
しかし当時はパーマネントなバンドではなかったのだと。
で、'18年にBarbiブラザーズの一人が亡くなってしまったのを機に
残った3人がその死を悼んで結成したのがNOTION BLUEで、
最初のアルバム“The Son, The Liar, and The Victor”('20)は
亡くなった兄弟へのトリビュート作だったとのこと。

6年振りの発表となった本作は旧約聖書に題を採った9曲なんだって。
正直個人的には聖書とかはちょっと、いい加減勘弁してぇ…
なんて思ったりもするのですが、聴く前から分かっていれば
ハナから歌詞に注目しないという選択が出来るのでまぁ、それはそれで。
こういう時外国語だといいよね。
無意識にメッセージが脳に届いちゃうということがないから。

全般に硬派なロック成分はLuke Chaseのギターに拠るところが大きく、
曲によってはもっと古臭いブルースやカントリー的な要素が混じる
(ボトルネックギターが出てきてギョっとしたりします)辺り
実にアメリカっぽい感じです。
多分Luke Chaseって人はプログレメタルも有りで、
Max Barbi(キーボード)はあんまり…って感じなのではないかと。
しかしなにしろ総じてこれをプログレとして聴くことに抵抗は少なく、



うむ、これは全然アリな訳です。
レコーディングではギターとベースが兼務となっています。
これ、もしライブやったらもっとロッキンなノリになるんだろうな。



アコギのドライなトーンもやっぱり
なんとなくアメリカって感じよね(偏見)。
しかし3声のコーラスワークを含めて
プログレ的アレンジをよく分かっている人達という印象で、
多少他の要素が混じっても
そんなにブレている感じがしないのはさすがだと思います。

これもまた良く出来ているのは間違いのないところですわ。

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もう彼岸かいな [日々聴く音楽]

今年もあっと言う間に月日が流れます。

盤無き…がもうひとネタあるのですが3連続はさすがにどうかと思い。
ちょっと間を空けたく別の話で作文したかったのですけれども
それはそれでなかなか書けずと、もぅ、なんだかねぇ。



MIDNIGHTの新譜は予想の遥か上を行くカッコ良さでしたが
きっと他で話題にするところもあろうかと思われるので…

Whitespade / WHITESPADE / 2022
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ちょっと古いけれどこっちについて。
Midnightの別プロジェクトですね。
ロゴを見れば一目瞭然、MOTORHEADなりきりスタイルの1枚。
曰く本作は“Bomber”('79)と“Ace of Spades”('80)の間に
Bronze Recordsがリリースを拒否したレコードの可能性があるんだってw
うーん、“Overkill”('79)じゃなくて“Bomber”なのねw

おひとり様でMOTORHEADになりきるパターンとしては
PROFESSOR BLACKの“I am the Rock”('18)なんてのもありましたが
あちらは黄金トリオ崩壊以降のサウンドを意識したと思われる、
整合性の高いカッチリしたアンサンブルが特徴的でした。

然るにこちらWHITESPADEは上記の通り黄金トリオの黄金期を
徹底的に追及しているのでパッと聴いただけでも全然違います。



他、もっと腰の据わったミドルテンポのブギーもかなりの再現度で、
いやこれレベル高いわー。
黄金トリオらしさってのは詰まるところ、
如何にPhilthy Animalっぽくドラムを叩くかで決まるのだな。

実に楽しく聴ける1枚で、
MIDNIGHTと同じくmetal blade Recordsから出ていたら
もっと話題になっていたと思います。
まぁでも自主盤で出すことに拘りがあったのでしょう、きっと。



前回Robert John Godfreyの名前を書いちゃった後
勿論THE ENIDをお浚いしました。ENIDについては基本、
頭2枚を聴けばいい的な評価が支配的かと思われますが
僕のような捻くれ者は“Something Wicked This Way Comes”('83)以降の
'80年代ENID(と、その関連作)が好きだったりして、
結局その辺を突き詰めていくと

The Seed and The Sower / Godfrey* & Stewart / 1988
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これが終着点ってことになっちゃうのかなぁ、と。
Stephen Stewartと共に製作した最後のアルバムは
ある種ニューエイジミュージック(死語?)的な響きを内包しつつ、
その実割とゴリゴリのシンフォニックロックだったりするのです。



ギタリストとしては勿論、サウンドエンジニアリングという点においても
Stephen Stewartの果たした役割は相当に大きいと思うのですよ僕は。
いかにもクラシック的な、グルグルと廻るような残響を
ロックの世界に違和感なく持ち込んだのは画期的だよな。
お陰でRobert John Godfreyの歌も
それなりに聴こえるし(あ、ちょっとイヤミっぽいかもw)。

-まぁ、なんだ。
デジタルシンセやサンプラーといったデバイスの進歩が
ENIDのような指向を持つミュージシャン達から
個性を奪ってしまったというのはなかなかに皮肉と言うか、
ちょっとした悲劇ではありましたよね。

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お尻に付けた小ネタは蛇足 [シリーズ作文]

本題は前回に引き続きの2連発です。

シリーズ作文 盤無き好作 その4

Subliminal messages / FOUETTE / 2024
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フィンランド北部の町、ケンペレ出身。これがデビュー作です。
Timo Vuoppolaが詩、曲を書き全ての楽器を演奏しています。
歌のみKimmo Blomが担当していますが、
“RIP”表記があるので録音後に亡くなったってことなのでしょうかね。
ちょっとよく分かりませんが。

前回書いたAPENHEARTより全然普通にプログレなのでその点安心(?)です。
各種キーボードの音色は勿論、
リバーブ深めの歪みギターサウンドが実に'80年代で嬉しくなっちゃいます。
しかし曲の作りはポンプというよりは更にもう少しビンテージな趣で、
そうかと思えばポストロック的な疎密感のあるパートがひょいと出てきたり。
要するに'70年代~現在までの(音響)スタイルを
バランスよくブレンドしているってことで、これは何気に凄いことかも知れん。



アルバム冒頭曲は14分の長尺でめくるめく展開が聴き手を唸らせます。
些か強引な導入部からよく練られたアレンジで曲の長さを感じさせません。
Gary Mooreが'80年代にCOLOSSEUM IIを続けていたらこんな感じ?
というギターソロが個人的なツボで、
これはアルバム全編を通して僕の耳を惹き捲りました。

-しかしまぁ
トータルとしてはシンフォプログレということで間違いないと思います。
1分ちょいの小曲から20分に近いタイトル曲まで全8曲、
聴き手は意識を変えることなく一貫してシンフォプログレを
楽しむモードで全然問題ありません。
実際本作が好きな人は相当多いんじゃないかと考えます。

クレジット等のインフォメーションが少ないので
バックグラウンドについて書けることがあまり無く、
結果として作文が短くなっちゃうのですが…もう1曲貼っておきましょうか。



これはデビュー作として相当完成度が高いよな。



-引き続きと言えば、
Bernie Tormeを聴き込むのが止まらなくなっております。
ブートのライブを…とはあまり大っぴらに言えないのですが
'82年Reading Festival出演時の演奏(BBC Friday Rock Showの放送用音源)は
翌年アルバム“Electric Gypsies”を録音する面子と同様、
具体的にはEverton Williams(ベース)とFrank Noon(ドラム)です。

そして客演としてオルガンを弾いているのが
なんとTHE ENIDのRobert John Godfreyなんだよね。
上記アルバムでも“Presences”と言う曲に参加していますが、
このライブでは“Wild Thing”のカバー(アンコール)で
ボーカルをBernie Tormeから奪うという大暴挙w
同時期にはENID(THE STAND)のライブでも“Wild Thing”をやっていた訳で、
なんかおかしなところで繋がってるなぁ…と妙に感心したりして。

しかし“Wild Thing”って曲は
例の野球映画に使われて以降おかしなことになったもんよな。

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シリーズ 盤無き好作 その3 [シリーズ作文]

その2、LA HORSA BIANCAとほぼ同時期に聴いていたのですが
こちらについて書くかどうかはちょっと迷うところがありました。

Realizer / APENHEART / 2024
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APENHEARTの頭のA、正確にはリング符号が付いているので
まぁこれ「おーぷんはーと」って読ませたいのでしょう。
米国オレゴン州(ポートランドではなくユージーンみたいです)の
マルチミュージシャンEric Robinsonによるデビュー作。
歌から楽器演奏まで全部を独りでやっています。
管(トランペット)も、ってのはちょっと珍しいかも知れません。

そのアウトプットは本人曰く
'90年代オルタナティブの現代型アップデートだそうで、
この点において僕は作文に迷った訳です。
まぁしかし、僕の個人的感想としては今どきのサウンドスタイルで
プログレ的なものを再構築しているように聴こえ、
それが非常に優れていると感じたので
やっぱりちょっと書いておきたいかな、と。



僕が、こりゃ白眉!と思ったのは6曲目“Not a Human Face”や
8曲目“Rightest Rights”なのですが
この作文を書いている時点でYouTubeには
アルバム前半の4曲しかあがっていないので
ミュートトランペットが印象的に響く2曲目を貼っておきます。

他曲、全般には穏やかなメロディが支配的ですが
何気ない瞬間にマイナーコードを潜ませるのがとても上手いので
生温い感じは全くありません。
これを単純に言えば捻りの効いた曲が凄くイイのだな。
アルバム全10曲(うち短いインストゥルメンタルが2曲)、
トータル約45分をダレずに聴かせる力量は
既に持っているミュージシャンということで間違いありません。

ただ、僕はこれをプログレとして聴くことに全く抵抗ありませんが
そうではない人も居るかも知れませんのでそこは注記しておきます。
これ、フィジカルがあったとして専門店は取り扱うのか否か?
なんて考えるとちょっと興味ありますね。
まぁしかしKYROSの新譜を普通に売っている事実に照らしたら
コレなんか全然プログレだよな。
KYROSはねぇ、近年稀に見る(聴く)問題作ですよありゃ。
好き嫌いで言ったら圧倒的に好きなんだけどさw

本作は1月からbandcampで全編が先行公開、頒布されていますが
4月下旬には他の音楽サブスクリプション/DLサービスにも
載っかるみたいです。
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