日々聴く音楽 ブログトップ
前の10件 | -

久し振り(?)にいつもの感じ [日々聴く音楽]

不定期的にYouTubeのおすすめにあがってくる
外人の「はじめて○○聴いてみた」。
昨夜は何故かLYNYRD SKYNYRDの“Free Bird”で、
あぁ、どうせ若造共が曲の背景も分からず「染みる顔」して聴くんだろ、
と、老害の嫌味丸出しで映像を見た訳です。
…なんだよこいつ等もバンド名ちゃんと読めないんじゃん。
「りーにゃーどすきにゃーど」だの「らいないどすかいないど」だの、
自分が小僧だった頃と同じで急に親近感が湧いたりしてw

で、なんだか僕もLYNYRD SKYNYRDを聴きたくなっちゃって

Second Helping / LYNYRD SKYNYRD / 1974
lynsknd sh.jpg

しかしアルバムとしては1stではなくて
断然こっちってことになっちゃいますねぇ。
しかも僕的キラーチューンは“Sweet Home Alabama”でも
“Swamp Music”でもなく、



ベトナム戦争に敗北し、それと同時にヒッピームーブメントが
急速に萎んだ後のアメリカにおいて
今更針とスプーンって感じでもないだろ、
クスリなんかとっととやめちまえ
と歌うこの曲の、シニカル且つ切実な姿勢に痺れるのだ。

同年録音され翌年リリースの3rdアルバムに収録された
“Saturday Night Special”では明確に銃社会を批判していますし、
およそサザンロックのイメージとはかけ離れた主張をしているのが
非常に興味深いバンドですよね。

'97年のハリウッド映画「コン・エアー」で
“Sweet Home Alabama”が大変効果的に使われたのも今は昔の話で、
当時もほぼスルーされましたが
やっぱり日本でサザンロックは難しいのでしょうねぇ。



Widok z gory najwyzszej Live 1980 / EXODUS / 2024
exs live24.jpg

突如としてリリースされたEXODUSのライブ。
あ、ここのブログで話題になるのは専らポーランドのEXODUSですが
アメリカの突貫EXODUSも勿論好きですよ僕は。
書くことがあんまり思い浮かばないので書かないだけで。

'80年のライブということで
当時アルバムは1枚しか出ていなかったのに2枚組って
何をそんなにやる曲があるのか?と思いましたが
シングル曲だの未発表曲に加えて
各員がソロを結構長々やっていて正直ちょっとダレる部分もありつつ。
だって“Smoke on the Water”のイントロやっちゃうんだもん。
えぇ~、中学生かよってw
しかし各インストゥルメンタルの演奏は大変こなれていて
長尺曲も易々と破綻なくやり切る力量はさすがです。

そして(後加工は勿論あるのでしょうが)
客が大層盛り上がっている様子を捉えているのがいいんだよね。
反共民主化の波が大きなうねりとなっていく、
まさにそのタイミングで大衆音楽としてのロックが大受けするというのは
ちょっと象徴的な感じがするものですから。
そりゃあ“Smoke on the Water”弾きたくもなるわなw



いや、なんぼなんでもソロは貼りませんよ。

EASTの“Csepel Felett az eg...”の時ももそうでしたが、
東欧プログレの('80年代初頭の)ライブ盤には
なんとなく肩入れしたくなってしまう僕なのです。
コメント(0) 
共通テーマ:音楽

滲み出る捻くれ根性(買わない理由) [日々聴く音楽]

IMG_0491.jpg
先週末、近所の桜は見事に満開でした。
日曜の午前中ぶらぶら散歩した後
回転寿司をつまみに昼から生ビールを飲む初老の夫婦。
なんかお気楽な感じもしますが
期が新しくなったら妙に忙しくて些かストレスが溜まっております。

ここのネタも幾つか書こうとしたのだけれどなんだか物足りない作文ばかりで
一旦お蔵入りにして寝かせるよりしようがないものばかり。
だー!なんかモヤモヤするぅ。
今日のエントリーはもう、ホントにしょうもないアレなので
適当に読み飛ばしていただければ…。



僕の数少ない友人(少なくとも僕は彼のことをトモダチだと思っている)の
一人には物凄い数のファンがいる。
彼が自分の関わったプロダクトについてXに告知なんかすると
世界中からリプライが届く。
うむ、それはいいのだ。なんだかちょっと羨ましかったりもするし、
かつて彼と一緒に仕事をしていたことが誇らしかったりもする。

-しかし。
彼が何気ない日常についてふと呟いた
(ややネガティブなニュアンスを含む)ポストに
そういう時はね…っつって英語でアドバイスしてくる人のなんと多いことか。
中にはわざわざgoogle翻訳を使っているものまである。
いや、別に彼はそういうアドバイスとか全く欲していないと思うのだ。
コメントするならせめてもうちょっと気の利いたヤツを考えればいいのに。
例えば

あっ、JUDAS PRIESTの新譜買ったの?
僕は前作を2回しか聴かなかった時点でまさにどうでもよくなってしまいました。
で、遂に今回買うのを止めちゃったのです。
もう、僕はKKの方だけ聴いてりゃいいや。

とかさ。
なんか直接リプしたりDMじゃなくてこっちに書こうかなって思ったのです。



Is It Loud Enough ? Michael Schenker 1980-1983 /
THE MICHAEL SCHENKER GROUP
msgbox24.jpg

ちょっとよく分からないタイミングで出てきた
chrysalis在籍期のスタジオ作4枚+オマケ2枚の箱。

…だーかーらぁ、そうじゃなくてさぁ。
製作途中のラフミックスみたいな中途半端なものを大量投下する前に
Gary Barden版の“Dancer”(と“Desert Song”)を入れろっつーのよ。
そんなに難しい話じゃない筈なのになんでやらないかね?

いやー、これもさすがにスルーだなぁ。
どんなに屁理屈を考えてみても買い足す理由が見つからないんだもの。



いい加減NEKTARはちゃんと聞き直した方がいいんじゃないかと、
割と長い間ずーっと考えていたりするのです。
なので“Recycled”('75)のデラックス版にはちょっと食指が動いたのですが
やっぱり僕のNEKTAR原体験が邪魔をします。



なんでコレを一番最初に聴いちゃったかなぁ(苦笑)。
今聴く分には全然、まぁこれはこれで、って感じなのですが
小僧の時分にはやっぱり憤慨しましたよね。
なんだよこれプログレじゃねぇじゃん!っつってw
一応これ切っ掛けで遡ってみたりもしたのだけれど、
先入観に負けちゃったんだよね。

で、物凄く間を空けて久し振りに聴いたのがまた



こんなんだったので、おいこんなもんどうすりゃいいんだ、と。

多分誰でも思い当たると思いますが、長く音楽に触れる中で
不思議と縁の無いバンドってのが存在します。
僕にとってはNEKTARがそれに当たるのでしょう。
コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ヘヴィメタルいまむかし [日々聴く音楽]

メタルのインディレーベルで今一番熱いのは
BAD OMEN RECORDSということでまず間違いないと思います。
先日もスプリットの7"レコードを2タイトル同時にリリース、これが

Ride On / WYTCH HAZEL
Palantiri / PHANTOM SPELL
whph7.jpg

A Waxing Moon Over Babylon / SPELL
Fall To Ruin / POLTERGEIST
sppg7.jpg

という最高にいかしたラインナップによる新録音で、
もうね、こんなの絶対好きに決まってるじゃん。
バンドのマッチングも物凄く絶妙で、
BAD OMENってばホントに良いバンドを抱えてるよな。

WYTCH HAZELの、ゆったり目のシャッフルはもはや堂々たる貫禄すら感じさせ
PHANTOM SPELLはこれまたどえらい名曲を叩きつけてきました。
轟々たる風琴(オルガンって書くよりも風琴って感じなのよ)も素晴らしく
いやー、新しいのを出す度にどんどん良くなるもんな。



SPELLについては他と些か趣向が変わっていて、
オランダのカルトなオカルト ロックバンドTHE DEVIL'S BLOODのカバーです。
物凄いマニアックなところを突いてきたものですな。
そしてPOLTERGEISTは…これは実は僕、初めて聴きました。
カナダのトリオで
自称ポストパンク+トラディショナルメタル+シューゲイザーだそうですが
本作収録曲を聴く限りシューゲイザー要素はほぼ無いかなぁ。
ほんのりと現代型(北欧)暗黒スタイル
Per WibergとかHenrik Palmとか)も薫りつつ、
まぁでもこれはほぼポストパンクそのものです。
同郷SPELLとスプリットするのに申し分のない相性で、
んー、これは遡らないと駄目かも知れん。

後者はともかくWYTCH HAZELとPHANTOM SPELLについては
(毎度作文する度に書いているけれど)
我が国における注目度の低さに呆れるばかりでございますよ。



-話変わって。

いつもの如く実家自室をガサゴソしていたら

IMG_0487.jpg

こんなのが出て来ました。

…時は遡って1990年。
Marqueeの向こうを張ろうとしたのかどうかは定かでありませんが
(UK)EdisonがGermという雑誌を発行したのです。
Marqueeとは違う切り口を模索している様子が微笑ましく、
一部にメタル頁を設けてある日和見感もまぁ、ねぇw
上掲写真はGermの別冊として刊行されたNWOBHMのディスクガイドです。
奥付を見ると'92年4月15日の日付が確認できます。

表紙にある通りシングル240タイトル、
アルバム180タイトル(一部重複アリ)が掲載されており
今さらなメジャータイトルから結構マニアックなものまで
NWOBHMの全体像を俯瞰できる作りになっています。
G-FORCE(Gary Moore)やGILLAN、RAGE辺りが含まれちゃう辺りは
いかにも当時の大らかな解釈ということで全然許せちゃいます。
それよりも今になってこれを見返してみて驚くのは
掲載されているアルバムの九分九厘がCD化再発されていることで、
未だに再発が叶わないのはやはり権利関係のややこしいオムニバス盤か
需要が殆ど無いと思われるタイトル(Jess Coxの“Third Step”とかw)くらいで、
いやー、こんな未来が来るなんて当時は全く予想出来ませんでしたな。
巻末には伊藤政則が寄稿していますが
やっぱり恨み節の側面が強くてちょっと悲しくなります。

挟まっていたコピー紙のチラシには
                                                                                                 
IMG_0488.jpg

(UK)Edisonが主体となってCD再発をしていく旨が告知されていますが
これは結局実現されていません。
ただ、この企画自体を引き継いだという訳でもないのでしょうが
CANYON INTERNATIONAL(ポニキャンの洋楽部門)が
同じ'92年からDEMONやGASKIN等NWOBHMモノの再発をスタートさせています。

そもそもGermという雑誌自体どれくらい続いたのかが分かりません。
'92年から地方のEdison各店が続々閉店し
翌'93年には本丸の新宿Edisonも無くなっちゃったので、
恐らく本巻の後すぐに休刊しちゃったのだと思われます。
逆に断末魔の苦しみの中よくこんなものを発行したよなぁ。

というお馴染みの昔話で、ほんとすんません(悪いと思っていない)。
コメント(0) 
共通テーマ:音楽

かなり無理矢理書いている [日々聴く音楽]

雑誌、MARQUEE MOON付録のソノシートについては
以前ほんの一言触れましたが、それ以降もこつこつと蒐集を続け
国内ミュージシャンを収録した盤は一通り揃えることが出来ました。
しかし結局のところ元々持っていたVol.5~Vol.7の3枚が圧倒的に面白く、
中でも特にカッコ良いのはやはりプログレ時代のPHAIDIAで
これの鍵盤奏者が今やアヴァン系評論家の坂本理だというのはかなりの驚きです。
PHAIDIAはその後メンバーを入れ替えてゴシックロック
(…ポジティブパンクってのはもはや死語でしょ?)化する訳ですが、
吉田達也が加わる前の方がプログレだったというのもまた
なんとも言えない不思議な話ですな。

同等に印象深いのはPNEUMA。
だいぶ後になってリリースされたCD

Psychabuse / PNEUMA / 1995
pmum95.jpg

に収録されているのは'79年~'85年に録音されたものですから
ソノシート('82年)と同じ時期の楽曲ということになります。
しかしそれらを並べて聴いてみても
ソノシート収録曲「滅びの塔」は飛び抜けて面白い。
これには多分幾つかの理由があって、
ひとつは7"レコードというメディアの制約によって曲(の尺)が
比較的コンパクト(それでも約7分ありますが)であること。
CD収録曲は一番短くても10分弱なので結構違います。
そして客演で参加しているボーカルの存在。
特段のクレジットはありませんが、いかにも前衛演劇的かつ修辞学的な詠唱は
この曲を古き善き昭和アングラの逸品に押し上げていると思います。
完全インストゥルメンタルだとあまりにもKlaus Schulzeそのままなので
ちょっと差別化が苦しいのです。

…枕のつもりが中途半端に長くなるいつもの良くないパターンw



なんでぇ?ってくらい唐突にWOLFSBANE('94まで)を聴き直しています。
僕はIRON MAIDENの“The X Factor”('95)や
“Virtual XI”('98)だって割と好きなのですけれど
Bruce Dickinsonが歌う“Sign of The Cross”を聴いちゃうと
やっぱり断然そっちの方がイイ訳で、
ホントにBlaze Bayleyってのは不憫な歌い手だよな。

WOLFSBANEってのは英国のバンドとしてはちょっと特殊で、
なんせデビューアルバムはDef Americanからのリリースですから。
まぁこれRick Rubinの慧眼によるのですが、
アメリカ受けするタイプとはやはりどこかが違ったようで。
“Down Fall The Good Guys”('91)辺りは
だいぶ寄せに行っている感じですが
同じ年にNIRVANAの“Nevermind”が出ちゃってるので、
うん、そりゃ厳しかったでしょうね。

なんというか、出てくるのがちょっと遅かったのかなぁ。
いいバンドなのですけどねぇ。

再結成以降は全く聴いていませんが
初期のカタログは全てリマスターして再発してもいいと思うのだよ僕は。
SONYはまずやらないでしょうけどね(溜息)。
コメント(0) 
共通テーマ:音楽

もう彼岸かいな [日々聴く音楽]

今年もあっと言う間に月日が流れます。

盤無き…がもうひとネタあるのですが3連続はさすがにどうかと思い。
ちょっと間を空けたく別の話で作文したかったのですけれども
それはそれでなかなか書けずと、もぅ、なんだかねぇ。



MIDNIGHTの新譜は予想の遥か上を行くカッコ良さでしたが
きっと他で話題にするところもあろうかと思われるので…

Whitespade / WHITESPADE / 2022
wtspd.jpg

ちょっと古いけれどこっちについて。
Midnightの別プロジェクトですね。
ロゴを見れば一目瞭然、MOTORHEADなりきりスタイルの1枚。
曰く本作は“Bomber”('79)と“Ace of Spades”('80)の間に
Bronze Recordsがリリースを拒否したレコードの可能性があるんだってw
うーん、“Overkill”('79)じゃなくて“Bomber”なのねw

おひとり様でMOTORHEADになりきるパターンとしては
PROFESSOR BLACKの“I am the Rock”('18)なんてのもありましたが
あちらは黄金トリオ崩壊以降のサウンドを意識したと思われる、
整合性の高いカッチリしたアンサンブルが特徴的でした。

然るにこちらWHITESPADEは上記の通り黄金トリオの黄金期を
徹底的に追及しているのでパッと聴いただけでも全然違います。



他、もっと腰の据わったミドルテンポのブギーもかなりの再現度で、
いやこれレベル高いわー。
黄金トリオらしさってのは詰まるところ、
如何にPhilthy Animalっぽくドラムを叩くかで決まるのだな。

実に楽しく聴ける1枚で、
MIDNIGHTと同じくmetal blade Recordsから出ていたら
もっと話題になっていたと思います。
まぁでも自主盤で出すことに拘りがあったのでしょう、きっと。



前回Robert John Godfreyの名前を書いちゃった後
勿論THE ENIDをお浚いしました。ENIDについては基本、
頭2枚を聴けばいい的な評価が支配的かと思われますが
僕のような捻くれ者は“Something Wicked This Way Comes”('83)以降の
'80年代ENID(と、その関連作)が好きだったりして、
結局その辺を突き詰めていくと

The Seed and The Sower / Godfrey* & Stewart / 1988
enid gas sdsr.jpg

これが終着点ってことになっちゃうのかなぁ、と。
Stephen Stewartと共に製作した最後のアルバムは
ある種ニューエイジミュージック(死語?)的な響きを内包しつつ、
その実割とゴリゴリのシンフォニックロックだったりするのです。



ギタリストとしては勿論、サウンドエンジニアリングという点においても
Stephen Stewartの果たした役割は相当に大きいと思うのですよ僕は。
いかにもクラシック的な、グルグルと廻るような残響を
ロックの世界に違和感なく持ち込んだのは画期的だよな。
お陰でRobert John Godfreyの歌も
それなりに聴こえるし(あ、ちょっとイヤミっぽいかもw)。

-まぁ、なんだ。
デジタルシンセやサンプラーといったデバイスの進歩が
ENIDのような指向を持つミュージシャン達から
個性を奪ってしまったというのはなかなかに皮肉と言うか、
ちょっとした悲劇ではありましたよね。

コメント(0) 
共通テーマ:音楽

今月は徹頭徹尾小ネタのみ [日々聴く音楽]

さて、前回のBernie Tormeの話から繋げていきましょうか。
何気なく、ふとbandcampを見やれば

A's and B's 1977-81 / Bernie Torme
brnetrm sngls.jpg

なんだこれ!?ってなことで即注文。
程なくペラのスリーブに直で突っ込まれたCD-Rが届きました。
どうやらこれ、元々はアルバム“Shadowland”('18)の特典盤
(クラウドファンディングで製作費を募ったとかそんな感じっぽい)
だったみたいです。
元盤がCDだったのかCD-Rだったのかは分かりませんが、
どうせすぐリッピングしちゃうので僕としてはRで充分ですが。

タイトルの通り'77年から'82年までの録音をまとめたもので、
一部楽曲は'98年リリースのアーカイブ“Punk or What”と重複するものの
これがあればこつこつと7"盤を探す手間が省けるので大変助かります。



パンク…と言うにはちょっと巧すぎますかね、やっぱり。
因みにこれ、ベース弾いているのはPhil Spaldingなんだよね。
Mike OldfieldだGTRだっつって、割とプログレ畑の人と思われていたり
数々の大物に呼ばれて録音を残したりしていますが、
キャリアの極初期はBernie Tormeとロッケンロールをやっていたのだ。
残念ながら去年亡くなりました-合掌。



A Moment of Peace / LOST WORLD BAND / 2024
lwb amop.jpg

間に蔵出しやライブのリリースはあったものの
新規スタジオ作としては'19年以来5年ぶりの新作。
LOST WORLD BAND名義ではありますが
Andy Didorenko以外は全て客演ということで、これはどうなんだ?と。
よくよく見てみると拠点がニューヨークとなっていて、
要するに少なくともAndy Didorenkoは今ロシアに居ないってことなのでしょう。
収録曲の内2曲(“A Moment of Peace”と“Still Love Now”)は
初期('93年)に書かれた曲を元にしているとのことですが
それ以外はAndy Didorenkoが独りで書いたもののようで、
結構背景の複雑なアルバムだよな。
因みに“A Moment of Peace”は反戦歌であると言い切っていますね。

サウンドのアウトプットはギターオリエンテッドであることを意識しているようで、
Andy Didorenko曰く「クロマチック ギター ロック」とのこと。
確かにクロマチックスケールが多用されています。
3分弱の曲が多く、しかしワンフレーズを即興でふくらませた感じは皆無で
楽曲構成が凝っているので各曲そんなに短いという印象はありません。

KING CRIMSONっぽさを楽しむ、或いは現代音楽風味を感じたり
ジャズロック的に嗜むことも可能で、
この切り口の多様さが本作の面白さなのだろうと思います。
不思議と取っ散らかってる感じがしないのも良い点かと。



Ronnie James Dioの威光が大きいとはいえ
“Dehumanizer”('92)はサクッと再発出来たんだから
他のI.R.S. Records在籍時のアルバムもリマスターして出し直して欲しい訳よ。
…と、唐突に書いてみたりして。



“Headless Cross”('89)や“Tyr”('90)に比して
話題になりにくいアルバムですが
Geezer Butlerがやたらといい演奏をしているのだ。
これなぁ、このアルバム、CozyPowellがドラムを叩いていたら
どうなっていたんだろう?とつい妄想してしまいます。
いや、Bobby Rondinelliだって全然悪くないのです。
しかし、Cozy+Geezerのリズムセクションってなったらこれ、
やっぱり夢の共演じゃないですか。

CozyPowellもなぁ、
プロデューサーのせいで糞ほど詰まらん次作“Forbidden”('95)よりも
断然こっちやった方が良かったと思うのですよ僕は。

いや、“Dehumanizer”のリハーサル音源で一緒にやってるじゃん、
というのはまぁ、確かにそうなのですけれど
正式なアルバムとして残らなかったのはやっぱり残念です。
コメント(0) 
共通テーマ:音楽

退院日は温暖で助かった [日々聴く音楽]

大晦日にバッタバタで入院してから五十と余日、
先日母が退院し施設に戻りました。
だいぶ体力が落ちてしまっている様子で、まぁこれ仕方ないのですが。
取り敢えずこちらの気持ち的にはひと段落ついた感じです。
しかしなんでしょうねぇ、我が意識下に不安があったのかなんなのか、
食事量が増えてしまってデブに磨きがかかっちゃったので
今日から量を減らそうと思います。



そしてここのところやる気のない小ネタ積みが続いております。
いや、色々聴いてはいるんだけどさぁ…
'97年以降のBernie Tormeを集中的に、とかね。
ただ、あんまり書くことが思い浮かばなかったりして。



とりあえずこのアルバムは相当な傑作だよな、なんて思いつつ。
(当時)50歳に手が届こうかというおっさんが
俺ぁもっぺん虹を追っ掛けンぜっ!
て言い切る(ダサ)かっこ良さに痺れたんだよね。





わー!CASTLEが帰って来たよ!!
今年の9月から欧州ツアーをするのだそうで、
それに先駆けて'17年ニューヨーク公演をライブアルバムとしてリリースです。
'17年と言えば4枚目の“Welcome to the Graveyard”が出た年ですな。
フィジカルはレコードのみっぽいので我が国では余計に厳しいと思われますが。
4月頭予定。聴かないという選択は勿論ねぇのです。



昨日はTHE DAMNEDの〝Anything”('86)を聴いていました。
前作〝Phantasmagoria”('85)からの流れを汲む
ゴシックロック路線という認識でしたが、
いやこれはもっと古いサイケ、R&Rの影響が大きいアルバムでもあったんだなぁ。
冒頭Dave Vanianのボーカルはまんまプレスリーだし、
続く2曲目はLOVEのカバーだもんな。

因みに僕がこの曲を初めて聴いたのは…



DAMNEDのカバーは案外このUFO版のリズムを
参考にしているんじゃないかという気もしたりして。
しかしこれ、当然ながらMichael Schenkerがギターを弾いている訳で
なんか、凄いよねw
コメント(0) 
共通テーマ:音楽

ちょっと先の話と凄く昔の話 [日々聴く音楽]



やけにいいペースで新譜出してくるじゃん
…と思ったらコレ、蔵出し音源の総浚え盤なのね。
概ね'78年から'83年の間に録音された
未発表デモやリハをデジタイズ(AIによるトラック分離も)して
一部を再録音の上ミックスし直したものらしいです。
1曲だけ新しめの(言うても'16年の録音でBEATLESのカバー)がありますが
それ以外は当然Bouchard兄弟や故Allen Lanier在籍時の演奏で、
今般の蔵出しに当たってはBouchard兄弟もオーバーダブに参加しているのですと。
一方Richie Castellanoはプロダクション面で大いに貢献しているようで、
新旧メンバーが一様に関わっているというのはとてもイイ感じですな。

スタジオ盤で言えば“Mirrors”('79)から
“The Revölution by Night”('83)の時期と言うことで、
これは僕にとってのBOC黄金期なので当然愉しみだよね。

4月中旬リリース予定。
国内配給レコ社の宣伝を読むと
なんか純然たる新譜と思っているのかな?
BEATLESのカバーを特記していますが、いやそこはMC5
(“Kick Out the Jams”のスタジオ録音)を挙げておくべきじゃないのかぇ?
-と、まぁ、きっとBOCのこと良く知らないんだろうな…
というのがバレバレの商売でちょっと悲しいですよ僕は。



なんて言う話から一足飛びに

Killing Time / MASSACRE / 1981
mscr kltm.jpg

昨夜無性に聴きたくなりましたが、
あれ?俺これ持ってたっけ??
とCD棚を漁ること暫し。
'05年の紙ジャケ再発盤が端っこの方にひっそりと鎮座しておりました。

これはねぇ、リアルタイムではもう、全く興味の湧かなかったアルバムですよね。
大体においてHENRY COWを聴いた時点で
こんなの訳わかんねぇよ…
って言ってた中学生にRiOの敷居はやっぱり、相当高かったのだ。

当時出来たばかりのdisk union国立店、
「反対派ロック」のエサ箱に新譜として堂々と刺さっていた1枚は
Fred Flithが米国の気鋭ミュージシャンと組んだ新バンドということで
かなり話題のアルバムだったのですが、僕は勿論スルーしました。

で、そんな僕がこのアルバムを聴いた切っ掛けは



4人編成当初の迷走期、本作をプロデュースしたのがBill Laswellなんですね。
Bill Laswellと言えばTHE STALINの“Fish Inn”('84)だろ!?
ってなもんで、そこから更に遡ってみたら
あっ!MASSACREのベースってBill Laswellだったのね、という事実。
これ、中古盤LPがそこそこ高かった記憶があります。

結果、丸っきり普通に聴けちゃいましたよね。
更にはHENRY COWもMASSACREに較べたら全然聴き易いじゃん、とw
まぁ好き嫌いで言えばそこまで好んで聴く類のものではなかったですが。
実際カンタベリーミュージックを好んで聴き込むようになるのは
更に後のことなので何かを偉そうに語れるものではございませんです、はい。

なんで急にこれ聴きたくなったのかなぁ。
レコードで言うところのB面は俺、実はあんまり聴いていなかったのかも…
という再発見はありましたが。
コメント(0) 
共通テーマ:音楽

トースト専用ブラックサンダーをそのまま… [日々聴く音楽]

食ってみた。口溶けが良くて、これはこれでアリ。



前回作文はちょっと暗い感じだったので今回は弾けるようなヤツから。

もはやmetal blade Recordsの看板(のひとつ)
と言っても過言ではない(?)Midnight。
3月予定の新譜から先行で公開されたのは…


※年齢制限の警告は初めて見ましたな。まぁこれYouTubeで見てください。

なにしろ最初のドーン!で両手中指をガッツリおっ立てますからw
しかしこの曲に込められているメッセージは
世間からハミ出した者の祈りにも似た叫びに相違なく、
しかもF.O.A.D.を更に突き詰めた先に出てくる言葉が
F.O.A.L.という発想はちょっと凄いよな。

そしてライブではヘルプを仰いでバンド編成なのに
スタジオ録音は相変わらず全部一人でやるというw

まぁなんだ、これは今から超楽しみな1枚ですよ。



あー…今日も小ネタでいいかなぁ…。



Petofi Felho Projekt / YESTERDAYS / 2024
ystdysep.jpg

昨年ライブ盤“A Moonlit Night in Budapest”を
リリースしたYESTERDAYSですが、
その後間髪入れずに3曲のライブ録音を公開しています(フィジカル無し)。
前者が'07年と、ちょっと古いライブであったのに較べて
こちらは“Saint-Exupery alma”('22)からの選曲もあり、
最新の実況録音だと思われます。

-で、年が明けてつい先日、今度は5曲のスタジオ録音をEPとして
(こちらもノーフィジカルで)公開しました。実に精力的ですな。



2023年は19世紀ハンガリー革命のキーパーソンであり
詩人でもあったPetofi Sandorの生誕200周年だったのだそうで、
その功績を若い世代に今一度認知させるために
Petofi Sandorの詩に基づいてポップソング化するという
コンテストが行われたのですと。

YESTERDAYSはそのコンテストのために4曲を録音して
そのうち3曲が入賞したんだってさ。
プログレバンドが書いたポップソングであるからして、という理由で
正規作とは一線を隔すためにEPでデジタルリリースしたってことみたいですが
いやこれは、我が国専門店のためにも盤出せばいいのに…
と思っちゃうくらいに出来は良いです。
コメント(0) 
共通テーマ:音楽

メタルの変なカバー 後編 [日々聴く音楽]

前回の作文には思いがけずも(懐かしい知己より)コメントがついたので
続きを書かざるを得ない感じになってしまいましたw
…しかぁし。
2000年以降、メタルの変なカバーって何があったっけ?
と我が灰色の脳味噌を回転させてみるものの全然思い出せねぇのです。
なんか俺、21世紀になってから
あんまりメタルを聴いていないってことなのかな?
いやそんな馬鹿な!なんて思い悩みつつ作文にはちょっと苦労しました。



まずは'01年、CLAWFINGER(スウェーデン)の



このアルバムについては随分前に作文していますね。
いやお前前編でDan Reedを外しておきながらこっちはOKなのか、
というご意見については
せめてYouTubeでCLAWFINGERのライブ見てから文句言ってくれ、
と軽くいなしておきましてw
アルバム本編の最後を飾るULTRAVOX。これ超カッコ良くね?

続きましては'08年、
元W.A.S.P.の発煙ギタリストRandy PiperがANIMALというバンドでやった



これはなんとも、実に見事にメタル化したもんだよな。
パッと聴いた感じ、元が鬱々とした反戦歌
(CRANBERRIESが'94年にリリースしたヒット曲)だとは思えませんもの。
あぁ、これも俺、以前に書いてるじゃん。すっかり忘れてたな。

-うむ、そうか。
新しめのヤツはこのブログを始めてからこっち、
既に書いちゃっているパターンも結構あるのだな。



で、これも前に書いているのですがその際は元曲を貼ったのに
肝腎のカバーを貼らないという意地悪をしていました(苦笑)。



トルコの重鎮PENTAGRAMが'17年に演奏したのは
同郷アナトリアの吟遊詩人Asik Veyselの“Gunduz Gece”(「昼と夜」)。
サズをつま弾きながら起伏に乏しいメロディを唸るオリジナルに対して
こちらはアコギをジャカつかせて今様の聴き易さがありますね。
うん、これも相当カッコイイよな。



-そして。
最後をこれで締めるのはちょっと…いやかなり悩んだのですが
変なカバーと言うお題では最新、最右翼だもんで仕方がないのだ。
本人達は至って真面目にやっている訳で
僕も別にオチを付けてやろうとか、そういう気持ちは全然無いのです。

VOI VOD、'22年リリースのEPは



Denis Belangerの日本語発音は全然違和感がなく、
まぁこれ本当に好きなんですねぇ。
2番の仏語詞は、カナダではこれで放映されていたのでしょうか?
上掲途中でブチ切れますが冬木透の劇伴BGM「勝利」の完コピを挟んで
3番は英語詞(アメリカのTV版に準じているっぽい)で
全編1曲と捉えたいところです。



…んー、やっぱり最後はちょっとアレだったかな…。
コメント(0) 
共通テーマ:音楽
前の10件 | - 日々聴く音楽 ブログトップ