年末小ネタひねり出し [日々聴く音楽]

↓ 某店がいつまで経っても入荷しねぇから聴くのが遅くなっちゃった。



えっ、国内仕様盤が出てるの!?
そういやMARQUEE / BELLE ANTIQUEはTRAPEZEも紙ジャケで再発してたっけ。
まぁしかし大概訳分かんねぇチョイスだよな。

僕はGlenn Hughesという人に微塵も思い入れが無いのでアレなのですが、
Robin Georgeとのセッションについては
'08年に“Sweet Revenge”というタイトルで
KRESCENDO RECORDSがリリースしており
今般のHNE盤ってのは実は2度目のお目見えなんだよね。
KRESCENDO RECORDSだからカウントしないってのは…
それはさすがにちょっと無理あるよな。

KRESCENDO盤の10曲は
HNE盤に全曲引き継がれていますが(HNE盤は全13曲収録)
幾つかの曲についてはバージョンが違っていて、
これは単なるテイク違いか後編集なのか定かではありませんが
やっぱりマニアは両方聴かないとアカンと思うのです。

このセッションは'89年に行われたもので、
元々はRobin Georgeが自身のアルバムとして出そうとしていたみたい。
そこに当時薬物禍にあって行く宛てのなかったGlenn Hughesを参加させて
上手いことレコード契約を…という目論見が加わったって感じでしょうか。
結局本作はお蔵入りし、Robin GeorgeはSean Harris
NOTORIOUSで勝負に出ることになる訳です。

本作収録曲については如何にもGlenn Hughesに似合う
跳ねたリズムのハードロックが聴き処ということになるのでしょうが
僕のようなRobin Georgeファンからすると上掲のような、
完全にRobin Georgeのボーカルを想定して書かれた曲が染みるのです。
実際何曲かは後にRobin Georgeが再録音しており、それを聴いて
そうそう、これこれー!
と大いに盛り上がったのは言うまでもありません。



誰がなんと言おうと僕ぁこっちのが好きなの!



-話変わって。

The Birthday Party / MOTORHEAD / 1990
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'85年、バンドの10周年を記念する
ロンドンはハマースミスオデオンでの実況録音盤。
全般に物凄い勢いで突っ走るライブですがなんか急に聴きたくなったので。
'85年なのでカルテット期の演奏ですな。
ギター2本の“Ace of Spades”とか、結構カッコイイんだよね。

で、最後の“Motorhead”にはPhilthy Animalを始め
元メンバー他たくさんのゲストが登場するのですが、
ここでもLemmyがPhil Lynottのことをやっぱり「ふぃる りのっと」
紹介していることに気づいたのです。

なぁ、ホントに「らいのっと」の方が正しいのけ?
と、相変わらず小さな抵抗を続けるおっさんが独り。



ーついでに。

んー、なんだか全然勘違いしてましたが(老化)、
正月の干支シリーズ(一発出オチネタ)は別に毎年やってた訳じゃなかったのか。
調べてみたら'20年の子今年(卯)の2つしかありませんでした。
全然覚えていないという、なんというか、この。
で、やっぱり辰は難しいよね…だって実在しないし。
メタル関連ならDragon絡みなんて幾らでもあるけれどどれもあんまり面白くないし。
なので来年はナシの方向でひとつ(無責任)。
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漸く朝晩は冬って感じ [日々聴く音楽]

The Messenger / PALLAS / 2023
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フィジカルは未発送ながら(クリスマス~正月の混雑で
行方不明になるのは嫌だから年明けてからゆっくり発送でいいのよ)
デジタル版をみっちり聴き込んでおります。
僕が思うに本作は“The Cross & The Crucible”('01)以降の
「21世紀PALLAS」を(Paul Mackie期を含めて)
総括したアルバムではないかと。
ズバリ、重厚で落ち着いた「大人のポンプロック」ですなこりゃ。
しかし同時に、各曲のディテールを注視(聴)すると
いかにも'80年代のPALLASが得意としたフレーズやトーンが
そこここに配置されていることに気づきます。
要するに根っ子はなーんも変わっちゃいねぇのだ。

Alan Reedの復帰作ではありますが
当然のようにGraeme Murrayがリードを取る場面も多く
まぁきっとこれくらいの割合が喧嘩をしないで済む塩梅なのだろう、
などと考える僕です。
実際このダブルボーカル+コーラスこそPALLASの真骨頂であり
僕はこれが聴きたかったんだよね。

全6曲50分、終曲“The Messenger”に向けて
じわじわと山を作るアルバム構成は相当に見事で、
それぞれ単曲での魅力もさることながら
アルバムトータルとしての出来がかなり良いと思うのだな僕は。

今どき本作がどの程度の影響力を持って
聴き手の耳に届くのかは定かでありませんが
僕のような者にとってはコレ、大変な1枚なんだよね。
今年を代表する、とまでは言わないものの
この先大事に聴いていきたいアルバムであることに間違いありません。



Turned To Stone Chapter 2: Masamune & Muramasa /
HOWLING GIANT , SERGEANT THUNDERHOOF / 2020
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3年前のアルバムですがつい先日初めて聴いたのです。
ドゥーム、ストーナー方面に特化したレーベル、
RIPPLE MUSICのオムニバスシリーズ第2弾(現在は7まで出ているようです)。
このシリーズはLPの片面づつを2バンドでスプリットするのが基本フォーマットで、
本作はHOWLING GIANTとSERGEANT THUNDERHOOFが
それぞれ長尺の1曲で勝負しています。
HOWLING GIANTが「正宗」、SERGEANT THUNDERHOOFは「村正」をテーマとし
中2感溢れる色即是空をめくるめく音空間に展開していきます。
かかか、カッコイイじゃんコレ!

勿論HOWLING GIANTの流れで本作に辿り着いた訳ですが、
SERGEANT THUNDERHOOFも全然アリですな。
オーソドックスなサイケ、ストーナー感がやや強いものの
豪放磊落な印象は余りなく曲構成は結構細やかに組み立てられていて
…あ、イギリスのバンドなのか。なるほどね。

これもまた今年のお気に入りに決定です。



来年元日の干支シリーズ(一発出オチネタ)、
なかなかいいのが思い浮かばねぇ…。

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桔梗信玄餅アイスバー激ウマ [日々聴く音楽]

冷凍庫にストックしないとダメな奴に決定(デブ)。



ちょっとだけ注目すべき再発。

Yesterday and Today Live / Y&T / 1991
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従前は13曲収録だった1枚(CD)モノに
“Earthshaker”と“Rescue Me”の2曲を足して2枚組化。
特に表記はありませんがリマスターはされているものと思われます。
GEFFEN RECORDSからドロップアウトして
失意のまま'90年に行われた
(最初の)解散ツアーの模様を捉えた本作は
metal blade recordsからのリリースでした(今般再発も同様)。



いやいやいや、俺らまだ全然やれるよ!?
というやるせなさが鬼気迫る演奏に昇華した物凄いライブだと思います。
半分オリジナルメンバーじゃねぇし、というのはまぁ確かにその通りで
本当は“Open Fire”('85)がフルサイズのライブアルバムだったら
一番良かったのですが。
ただアレはアレで後からスタジオでかなり録り直しているんだよな。

結成50周年で来年早々に来日するってニュースをふと目にして
あぁ、Dave Menikettiは元気でやっているんだな、なんて思って
つらつら眺めていたら半年前に出ていたこの再発盤を見つけた次第。



-そして話はあらぬ方向へ飛んでいきます。

Echoes – Ancient & Modern / TREVOR HORN / 2023
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前作の評判が良かったのですかね?
またもや自分絡みの曲、全然無関係な他人の曲を取り混ぜて
いかにもTorevor Hornなアレンジで聴かせる1枚。
今回は生オケを前面に謳わず、その点正直ではありますが
全般にややビートに乏しいゆったりアレンジなので
ロック、ポップス的楽しみからは少し遠い感じもします。

果たしてTrevor Horn流“Smells Like Teen Spirit”なんて
誰か聴きたいヤツおるんか!?
などと憤りつつ、



↑ これはやっぱり、ちょっと聴いておきたかったのよ。
Robert Frippがギターを弾くFGTHってのは、これは相当な珍品よな。
この際Toyah Willcoxが歌うってのには目を瞑ってやるよ(何故上から?)。

しかし僕が一番気に入ったのはTHE CORRSのAndrea Corrが歌う
Billy Idolの“White Wedding”でした。
元曲に漂うウェスタン風味を
アイリッシュトラッドに置き換えるというのは
理に適った面白いアイデアだと思います。
あ、仕上がりはそこまであからさまに民族音楽ではないです。

他にもSteve HogarthにTHE CARSを歌わせてみたり、
独特の人選が結構面白いアウトプットに繋がっていると思います。

いやぁ、それにしたってNIRVANAはどう考えても無いわな。
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振り返ったところで大したことはなにもない [音楽の周辺]

2023年はねぇ、ホントに淡々と過ぎた1年でございました。
コロナが5類に移行して云々、ってのはあったにせよ
僕個人としては、だからどしたの!?
くらいのもんでしたから。
まぁ確かに物価高と円安は現在進行形で相当厳しいです。
まさか(ものによってではありますが)国内盤CDの方が
輸入盤よりも安くなるなんて思わなんだもの。
しかし僕はあんまりフィジカルに頼らなくなっちゃったので
そこまで大きな影響があるって訳でもなく。

そんなことを言いつつも
レコ屋実店舗に再びちょこちょこと足が向くようになりました。
あー、これはひとつ大きな変化ですね。
ただ、一通りザっと眺めただけで
何も買わずに店を出ちゃうパターンが増えたのもまた事実で、
これは多分
ああっ、こんなん出てたのぉ!?
という驚きがあんまり無くなっちゃったからだと思います。
そういう意味では
うわっ、こんなんあるじゃーん!
という愉しみは専ら中古盤レコードに偏った感があります。

ネットで新しい発見をして
フィジカルが有ろうが無かろうがその場でデジタルDL
というのが当たり前になってしまった今、
僕の実店舗との向き合い方が
完全に新たな局面に移行したのは間違いありません。

ここのブログについては…今年の作文はこれを含めて70本。
ここ数年のうちではちょっとだけ多い方ではないかと。
つい先日エントリーがトータルで1,000を数えるという節目もありました。
加えて、ザっと見渡してみたところ
アレ俺これなに書いたんだっけ?
ってヤツがほぼ無かったので、
割と書きたいことは明確だったのだと思います。
新作旧作共に無理繰り作文したという記憶もあまりなく、
今年はおしなべて自分にとって良い音楽を聴いていたのだなぁ、と。



PALLASの話題が多かったのは認めます。
だってさぁ、Alan Reed復帰だもんそりゃ仕方ないよねぇ。

僕としては先日始めた新シリーズ 盤無き好作 を
来年以降一つの柱にしていきたいと考えていますが、
まぁ言うても所詮は僕のことなので全く信用なりませんw

もうすっかり恒例ながら
この振り返りの後も本年中普通に作文はアップします。
幾つか書きかけも有るし、それこそPALLASの新譜も間もなくだしね。



-てなことを書きながら
Bernie Marsdenの遺作を全編聴いたのでついでにちょっとだけ。

Working Man / BERNIE MARSDEN / 2023
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リレコーディングの10曲(フィジカルで言えばディスク2)に
注目(耳)していたのですが、いやーこれ新曲の素晴らしいこと!
勿論全然分かっていたことなのですが
やはりBernie Marsdenはメロディメイカーとして大変優れていますね。
パッと聴いて感じる、穏やかで耳触りの柔らかな旋律はしかし
聴き手の脳裡にハッキリとした印象を植え付けます。
先行して公開されたリードトラックはブルーステイストが芬々で、
勿論近年の故人に期待されるのはその線で間違いないのだけれど
本作はもう少しだけ幅の広い、
いかにもブリテシッシュロックの精髄がミチミチに詰まっているのです。
作文アップ日現在貼れるのがないのですが、
“Son I've Never Known”、“Working Man”辺りが僕的白眉です。
セルフカバーではWHITESNAKEの曲よりも
ソロ2枚目“Look at Me Now”('81)のタイトル曲が
ストレートな泣きの英国ハードロック度を増していて滅茶苦茶僕好みでした。

そして同じく分かっていたことなのだけれど
Bernie Marsdenのボーカルが物凄くイイ!
決して技巧に優れている訳ではありませんが、
非常に魅力的な声質で聴き手に響く歌を歌うのです。

僕の灰色の脳味噌内では剛のGary Moore、柔のBernie Marsdenという
位置付けをするこでスッキリと整理されているのですが
巷間そうは思っていないようで…。

うん、今年はこの人絡みの作文も多かったですね。

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新シリーズ 盤無き好作 その1 [シリーズ作文]

bandcampってのは本当の底なし沼なので
深みにはまるとかなりヤバいのですが、
まぁ僕のような者にとっては大変居心地の良い処でございます。
で、日々アレやコレやと探っていますと
時々おっ!と声を上げるようなアルバムにぶつかることがあります。
今までもそういうヤツについて書いてきましたが、
そうした中でもフィジカルの無いものについて
シリーズ化してみたらどうだろう、と思いついちゃったのです。

物理盤が無いということは
当然ながらレコ屋というチャンネルが使えないということなので、
これは(特に我が国では)広く知ってもらうことに対しての
大きなディスアドバンテージに他なりません。
まぁ広く知らせるということについて
このブログが果たす役割は完全なる「無」でありますが、
捻くれ者の好事家がこのネットの最果てにおいて
こんなイイのがあるのにどうせ皆聴いたことないんだろwとほくそ笑む、
そんな底意地の悪いシリーズになればいいな…なんて思っています。

-では、いってみよう。

Sense Reversed / MASTER KEY / 2013
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ギリシャの2人プロジェクト。
ドラマーのNikos Tavalionとそれ以外全部担当のTakis Tavalionは
名字が同じなのでやっぱり親族の類なのだろうと推測します。
こちら現状での唯一作となりますが、これCDがあったら
国内の各専門店は絶対放っておかなかったと思います。

ド頭から滂沱の如く流れ出すメロトロン、
そしてこれでもか!とガンガンに泣き叫ぶギター(ちょっと喧しい)。
歪んだオルガンが間を繋いだ後は次々と表情を変えつつ展開する
王道ド真ん中のクラシックなシンフォニックプログレ。

こころして聴くべし ↓



フェードアウトは個人的にちょっと気に入らないけれど
今どきこれを正面から思いっきりぶつけてくるのが凄いよな。
完成度はすこぶる高く9分半がアッという間。
他の3曲もそれぞれ長尺(一番短くて7分ちょい)で、
トータル全4曲33分のオールインストゥルメンタルが
グイグイと聴き手の耳を惹き付けます。

マルチ奏者のメインがギターであることは間違いないと思われ、
一部にメタル由来の歪みサウンドが散見(聴)されますが
それとてがっつりオールドスクール(せいぜい'80年代)なので
あまり気になりません。
キーボードの音色についてもアナログ時代に拘っているのが
一目(聴)瞭然で、実に徹底しています。
逆に申せば、
これを(シンフォ)プログレと言わずしてなんとする?
という固い信念がアウトプットを明瞭化しているんだな。

いやこれ10年前の一作ですが大変見事なアルバムですよ。
正味の話、好作どころか間違いのない傑作でしょう。
これが見逃されていたというのは実に勿体ない話。
願わくばこのMASTER KEYが新たな創作に向かってくれれば…
と、そんな風に思う僕です。

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悪魔主義 パート2 [買い直し盤]

先日貼ったDEMONのクリスマスソング
iTunesから落としちゃおうと思って検索したところ、

The Plague Remix 2022 / DEMON
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おいおいおい、ナニよこれ。
'22年版最新リミックス、リリースは今年のど頭だったようです。
えー!?これどこもフィジカル仕入れていなかったよねぇ?
ぬぬぬ、ぬかった!今更ながらブツがどこにも見当たらねぇ…
ので、とりあえずデジタル版をば。

1st,2ndに続いて3枚目のこちらも新しく出し直しとなった訳ですね
(正確には7th、“Taking the World by Storm”-'89が
'15年にリミックスされたのが最初です)。

本作については以前にも作文していますが、まぁこれだいぶ前ですわね。
そしてこのバンドのリミックスは割と明確にアウトプットの質感が変わるので
ちょっとだけでも書いておきたく。
何故かアルバムの最終曲“A Step Too Far”はリマスターのみということですが
Dave Hillになにか拘りがあったのかも知れません。
で、他の曲についてですが…これ一部録り足しているんじゃないかなぁ。
当時の没トラックを復活させたということも有り得るので断定は出来ませんが、
キーボードの装飾音やリードギターの一部等かなりの違いが見(聴い)て取れます。



中間部に足されたギターソロは果たしてLes Huntの演奏や否や。
んー、やっぱり後半部のソロとはちょっと違う気がするんだよなぁ。
まぁしかし単曲としてクッキリ粒立ったのは間違いなく、
結果としては全然アリなんだよな。

現状本作についてはオリジナルミックス、Atlantic盤ミックス、
そしてこの2022リミックスの3種類が存在することになりますが、
これはねぇ、どれが一番とは単純に言えませんねぇ。
なにしろ僕個人の思い入れが大きいアルバムで、
そういう意味では最初に聴いたAtlantic盤ミックスってことになるのでしょうが
それぞれに面白いところがあって聴き較べるのが楽しいことこの上なし。

しかしなんだ、これマジで4~6thもやるのかな?などと淡い期待を寄せつつ。

今日も今日とて作文が短くてちょっと納得いかないのですが、
他のネタがまだ煮詰まってないので仕方がない。
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