やっと冬が来た感じ? [故人を悼む]

んー、僕はDavid Bowieに特段の思い入れはないのですが
しかしそれでも、フリッパートロニクスなんていう胡散臭いサウンドデバイスを
きちんとポピュラーミュージックに組み込んで成立させたのはこの人だけでしたからねぇ。
勿論Brian Enoの貢献も大きかったのでしょうが、
いわゆるジャーマンエクスペリメンタルに傾倒していた時期にあって
“Heroes”という曲の持つ大衆性は、ちょっと他には真似できない凄さがありますよね。

…なんて、それらしいこと書いてますがほぼ適当です。



Overnight Sensation / MOTORHEAD / 1996

motorhead.jpg

配給元を転々としつつChiswick、Bronze RecordsとGWR、
そしてEpic Records在籍時のカタログはまぁまぁ手に入る現在ですが、それ以降がねぇ。
具体的には“Bastards”('93)から後ということになります。
ですから本作も今は廃盤状態のようで、んー、なんだかなぁ。
しかし、バンド活動を総体的に俯瞰して
これ程レコード会社に恵まれなかったバンドというのも
ちょっと珍しいのではないでしょうか。
Bronzeの倒産、自ら興したGWRの不振、Epicにかこわれた不遇…
結構キツかっただろうと思うのですけどね。

本作は'96年リリースの、スタジオ作としては13枚目ですか。
Wurzelが脱けて、久々トリオ編成に戻ってのアルバムということで
相当に気合いの入った1枚という印象です。
ジャケットにお馴染みのSnaggletoothを配さず
メンバーの写真を使うのは実に“Ace of Spades”('80)以来のことであり、
うん、アピアランスとしては正直ちょっと地味ですけどね。
なにしろこのアルバムは楽曲の充実度が非常に高いのですよ。



これはアルバム最後の曲。タイトル曲の“Overnight Sensation”もそうなんですが
まさかMOTORHEADのCDからアコギがジャカジャカ聞こえてくるとは思わなかったので
相当びっくりしましたけれど、これも含めて本当に良い曲ばかり入っています。

-えーと、それから。
Bill Laswellを“Orgasmatron”('86)のプロデュースに起用したり、
実はLemmyってサウンドのアウトプットについては常に試行錯誤を
繰り返していた節があるのですが、僕はこのアルバムで初めて
Lemmy自身が納得するMOTORHEADサウンドが鳴ったのではないかと考えます。
“Bastards”からプロデュースを務めるHoward Bensonが
3枚目にして漕ぎ着けたのはそれまでのMOTORHEADのレコードから聞こえた全てを
集大成したようなサウンドで、これが実に気持ちいいんだなぁ。

以降のMOTORHEADのスタジオアルバムから聞こえてくる音の基準というのは
全て本作で確立された気がするのですよ、僕は。

MOTORHEADのディスコグラフィについては
The Motorhead Collector's Guide

The Motorhead Collector's Guide

  • 作者: Mick Stevenson
  • 出版社/メーカー: Cherry Red Books
  • 発売日: 2011/07/15
  • メディア: ペーパーバック


これ1冊あれば'10年以前の盤についてはほぼ完璧に網羅されていると思います
(モノクロながら図版も多いので、見ているだけでもとても楽しい本です)。
まぁこれインチキ臭いタイトルがもの凄い数ありますから
それらも含めて全部というつもりはありませんが、
せめて巷間正規リリースだと見做されているものについては
普通に手に入る状態であって欲しいです。



…今日の作文はやけに「てにおは」が難しかったです。
割と頻繁に感じることではあるのですが今日はなんか、特にね。
読む方も読み辛いんじゃないかと…すみません。
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