書きたいことを書く(原点回帰) [泡沫盤]

前回エントリーをアップした後、少しく我が身を省みたのです。
あれ?俺前にBRONZとか、なんならOUTFIELDとか書いてなかったっけ?
…と。

Virginia Wolf / VIRGINIA WOLF / 1986
Virginia Wolf

Virginia Wolf

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Rock Candy
  • 発売日: 2010/03/30
  • メディア: CD


勿論、今回の流れとしてはAIRRACEから順番に聴いたのですが
やっぱり僕個人としてはこっちの方が好きだなぁ、と。

AIRRACEのデビュー作“Shaft of Light”('84)で
鳴り物入りのプロキャリアをスタートさせたJason Bonhamでしたが、
「John Bonhamの息子」に世間が期待したアウトプットとは
遠くかけ離れた産業ロックがレコードから響き渡った瞬間
全世界で壮大なズッコケ(故・聖日出夫スタイル)が
起きたであろうことは想像に難くありません。
一方当時の僕はSLAYERやMETALLICAを聴くのに忙しかったので
ハナからスルーした訳ですが。
あー、これ僕初めて聴いたのはいつだったっけか?
BONHAMの1st('89)から遡ったのかなぁ…いまいち良く覚えていませんが。

なにしろ今聴くと物凄く良く出来たアルバムで、
マイナーチューンやブルース風味の織り交ぜ方などは
VRIGINIA WOLFよりAIRRACEの方が優れていると思います。
しかしこのアルバムが商業的な成功を収めることは出来ず、
AIRRACEは解散の憂き目に。
そこで諦めなかったのがJason Bonhamという人の胆力、
捲土重来とばかりに結成されたのが本件VIRGINIA WOLFであります。

本作についてはあからさまにAIRRACEを反面教師とした
サウンドプロダクションが顕著で、
僕がこちらを好む一因となっています。
やっぱりAIRRACEで起用したBeau Hillの仕事は
オーバープロデュースだと判断したのでしょう、
このアルバムではDavid RichardsとQUEENのRoger Taylorが
プロデュースを務め、
途端に落ち着いたブリティッシュ風味がドン!と前に出ております。
産業ロックとしては物凄く地味になっちゃいましたが
AORとしての完成度は俄然増しています。

加えてボーカル、AIRRACEのKeith Murrellに比して
ややハスキーなChris Ouseyの声もまたアダルトな趣で、
いや、両名とも良い歌い手だと思いますが
飽くまで個人の好みとして、ね。

-更に。
メインソングライターはバンドのギタリスト、
Nick Boldでありますがこの人ちょっと過小評価過ぎやしませんか?
物凄く良い曲をバンバン書いていたのに
その後のキャリアに乏しいのは、僕はちょっと納得いかないです。



で、やっぱり歳取るとこうなっちゃう、と(笑)。
まぁなんだ、コレはコレで大いにアリだわな。

今改めて考えれば
そもそもバンド名からして実にイギリス由来でありますし
(当然僕はVirginia Wolfの著作など全く読んだことがありません)、
諸々己の出自に対して自覚的意識が働いているのは
間違いのないところであると言えましょう。
これを要するに、アメリカに媚びることを良しとしなかった
英国産地味渋AOR決死の1枚が本作であると。
…なんかちょっと大袈裟かなぁ。

バンドは翌'87年に2ndアルバムをリリースするものの
いずれも売れることはなく、
失意のJason BonhamはJimmy Pageの“Outrider”('88)の録音に参加した後
例のAtlantic40周年ZEPを経てBONHAM名義での活動を開始、
よりベタなブリティッシュロックへと向かったのでありました。
自らの因果を受け入れたってことなんだろうなぁ。



などと書いてはみたものの…アレです、僕、
LED ZEPPELINにはなんの思い入れも無いのであった(笑)。

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