今年はマジで豊作 [新譜]

寒いのは冬だから仕方がない。
しかし急に寒くなるのはやめて欲しいのよ。

…あ、QUEENのアレ、観て来ました。
バンドの4人のみならず、Bob Geldofも本人にちょっと似ていたので
僕はよっぽど感心してしまったのです。
なんならEMIの偉いさんやマネージャーもちょっと本人に似ているんだろうな。
この「ちょっと似ている」感じがまことに絶妙で、
フィクションとノンフィクションの狭間で
映像エンタテインメントを見事に成立させましたもの。

サングラスの奥、伏し目がちなRami Malekの長い睫毛が
絵面として非常に印象に残る映画でした。



Align Myself to the Universe / MOONGARDEN / 2018
ALIGN MYSELF TO THE UNIVERSE

ALIGN MYSELF TO THE UNIVERSE

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: AMS
  • 発売日: 2018/10/26
  • メディア: CD


Warrel Daneの遺作と一緒に注文したので到着が遅くなっちゃいました。
まぁでもそんなに慌てて聴かなくてもいいでしょ、
とタカを括っておりましたら
これがかなりの力作でちょっと焦りました。

Cristiano RoversiがMOONGARDENでやりたい音楽というのは
4枚目の“Roundmidnight”('04)でほぼ確定していて、
以降はメンバーチェンジによる演奏の高精度化と
各アルバムの題材となる世界観に合わせた微調整が
毎度概ねの課題である、というのはやや暴論かなぁ。
僕としてはそれ程違和感のない印象なのですが。

前作“Voyeur”('15)においてドラマーが交代したことで
バンドのリズムセクションはシーケンサーとの親和性を大きく増しました。
打ち込みと人力演奏のシームレス感は驚くほどスムーズで、
まったくプログレらしくないリズムパターンが
ちょいちょい繰り出される同作は些か異様な雰囲気を醸し出していました。
題材に近未来SF(やや死語ながら、「サイバーパンク」な)を
選んたことから余計メカニカルなイメージを
聴き手に与えてしまった部分もあるとは思いますが、
しかしメロディの本質的なおいしさは
実は従来と全く変わっていなかったんだよね。

さて、では本作はどうか?
基本的に前作の延長線上にあって大きな変化はないのですが
ジャケットから連想される夢想感がアルバム全体を支配しているため
聴き手の耳がリズムよりも先にメロディに向かうんですね。
結果、前作よりもメロウでファンタジックであるという印象が強く残る。
まっこと恐るべきCristiano Roversiのイメージ戦略。
なんたってアルバムタイトルからして「自身と宇宙の同列化」ですもの。
また、各パーツのプログレらしさ
(シンセの音色、12弦ギター、歌い手の奏でるバイオリンなど)を
それぞれ楽曲のハイライトとして前面に立てるアレンジも巧妙で、
バンド全体としても成熟した姿を聴き手に印象づけます。

じわじわと時間を掛けて丹念に微調整を重ね
目指したベクトルに寸分寸秒の狂い無くピタリと当てはめたが如き
気持ち良さが本作にはあって、
これはこのバンドを長く聴いている人ほど感じることだと思います。
いよいよ完成形にたどり着いたという感慨ですな。

有り体に申し上げますとこのアルバム、物凄く良いのだ。
ズバリ、去年出たCOMEDY OF ERRORSの
“House of the Mind”('17年6月19日エントリー)と並んで、
本作はポンプロックを好む者にとって近年の必聴作であると断言します。

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