国は破綻してもメタルあり [泡沫盤]

南欧のメタルというと、ラテンの熱血-ブギーなスペインや
意外と演奏技巧に拘るイタリア産のバンドが思い浮かびます。
しかし今日の1枚は、同じ南欧ながらちょっと珍しい
ギリシャのバンドでいってみましょう。

First Attack / SPITFIRE / 1987
spitfire.jpg
EMIギリシャからリリースされたバンドのアルバムです。
ジャケ絵のショボさはB、C級ですが、
これが思いの外メジャーなメタルサウンドを聴かせます。

ズバリ、'86年の“Final Countdown”で大当たりした
EUROPEを強く意識したと見て間違いないでしょう。

ボーカルがやや不安定な点を除いて安定感のある演奏、
適度な叙情味を醸し出すギターや
キーボードを含んだバンド編成で繰り出される楽曲からは
ラテンの情熱よりも、北欧っぽい透明感を強く感じるのです。

全曲英語詞で歌われている辺りも
ワールドワイドを意識したものだと思われ、
これ、EMIギリシャは結構本気で
売るつもりだったんではないでしょうかね?

起承転結の詰めがやや甘い(唐突に終わる曲が多い)などの
楽曲のアレンジ面と、おっさん声のボーカルが難点ではありますが、
時代的にはこれが売れたとしても全く違和感のないクオリティです。
逆に、それらの弱点がマニアのツボを刺激し、
結局売れなかったことで決定的な支持を得たとも言えるのですが。

その後バンドは権利関係の問題でSPEEDFIREと改名し
ライブ盤を1枚出して消滅しますが、2000年代に入って
ギタリストのElias Logginidesによって再編されたようです。

http://www.spitfire.gr/

僕は未聴ですが、'09年には新譜も出しているんですね。
…こりゃいずれ聴かないといかんわね…。

本作については'01年の再発CDがありますが、
最近は殆ど見かけなくなってきました。
'80年代の欧州メタルを好物とする方々には
必聴の1枚であると申し上げておきましょう。
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