引き籠り中年、DVDを見倒す [たまには映画]

映画感想文の巻。今回は7本です。
先日ちょっと書いた通り、
初見となるのは3本だけなのでだいぶ新鮮さには欠けますが。


1.「ボーダー」 / 2008
3度目の正直、遂に相まみえるRobert De NiroとAl Pacino!
って、2人とももはやお爺ちゃんじゃんか…。
「ヒート」にわくわくしたのも遠い昔、
あのガッカリ感が強過ぎて結局これは映画館に行きませんでした。

序盤のカット繋ぎが無駄にスピーディ、かつ乱暴なので結構イライラします。
中盤にドラマが落ち着いてくるまでディテールが良く分からくて、
あんまり面白くありません。

John Leguizamoが出てきてやっと、話が回り始めます。
この人、「カリートの道」でもPacinoと共演してますが
本当にムカつく役を演じるのが上手いなぁ。
「アサルト13 要塞警察」とかね。

両巨頭はまぁ、こんなもんでしょう。
2人とも役者としては晩期に入って、
自分のキャラクターがいい加減出来上がっちゃってるし、
シナリオもその辺を完全に意識してるし。

そして、こういう映画を撮るに当たって
小道具のピストルに凝らないってのは全く駄目だな。
警察勤め云十年のベテランに
ポリマーフレームの9mmピストルを持たせるなんて、
どうしてそんなセンスの無いマネを…。
「ヒート」のハナ刑事が持っていたCOLT M1991 A1のコンパクトサイズとか、
ホントにカッコよかったよなぁ。

ってな訳で、僕としてはちょっと不満の多い1本でした。


2.「ミッドナイトラン」 / 1988
Robert De Niroをもう1本。
映画館で見て、VHSを買って散々見て、今回DVDでまた見て…
どれだけこの映画が好きなんだ、僕は(笑)。

-旅は道連れ、世は情け。
僕が思い描く理想的なロードムービー。
物語の終着点に向かって登場人物達は延々と行程を踏んでいくのに、
結果として誰もどこにも辿り着いていないという徒労感。
その徒労感をいかに爽やかに締め括るか?
という点で、この映画はとても優れていると思うのです。

アメリカの保釈保証制度や賞金稼ぎの存在など、
扱っているパーツ自体は結構ハードボイルドなのに
それを必要以上に重たく見せないのは
良い脚本と役者の演技(De NiroもCharles Grodinも凄くいい)、
そしてなにしろDanny Elfmanの軽快な劇伴が凄く効いているんですねぇ。

このDanny Elfmanという人、
映画音楽家としてはTim BurtonやSam Raimiのタイトルでお馴染みですが
かつてOINGO BOINGOという(かなり変な)バンドのボーカルをやっていました。
僕は全然興味のないバンドでしたが、
なにしろ妙なバンド名だったので良く覚えています。

このDVDパッケージについて文句を付けるとすれば、
字幕の端折りが結構酷いこととその字体が安いことですね。
いかな廉価リリースとはいえ、もうちょっと気を遣って欲しかったなぁ。


3.「特攻野郎Aチーム」 / 2010
土曜の半ドン、学校から帰って昼飯食ったらテレビで「Aチーム」を見る…
当たり前の習慣でしたから、これも映画館へ行かない訳にはいきませんでした。

Liam Neeson始め、
チームを演じる役者達が思っていたより全然良くて
結構感激しちゃったんだよね、僕。
ちゃんとテレビシリーズに繋がる大元のお話になっている。

監督のJoe Carnahanも、得意のバイオレンス描写は抑え目にして
やたらと人を殺さなかった。んー、素晴らしい!
戦車の着水が余りにマンガだったというのは、…まぁ、
偉大なるご都合主義ということで片付けておきましょう。

これ、幾らでも続き作れるでしょ。
映画館に半ば無理矢理付き合わせた格好の
僕の家族もやたら面白がっていたし、
全然いけると思うんですよね。

映画館で見てから1年経って、
羽佐間道夫のオーディオコメンタリーも聴いてみたかったので
今回の見直しとなりました。
うん、これ面白いわ、やっぱり。


4.「蝶の舌」 / 1999
蝶の舌 [DVD]

蝶の舌 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 角川映画
  • メディア: DVD


今回のラインナップでは言うまでもなくこれが最も異色ですね。
なにしろ銃撃音がさっぱり聴こえてこない(笑)。

仕事でお付き合いのある映像ディレクターに
絶対見ておくべきだ
って言われて、これも最初劇場で見ました。

基本馬鹿みたいなハリウッド映画ばかり見ている僕ですが、
たま~に見るヨーロッパ映画には大抵やられちゃうんですよね。
この、淡々としたスペイン映画もその例外ではなく、
とても鮮烈な印象を残しました。

概ね絵面の映画だと思います。
華やかな色彩には全く欠けるのに、フィルム映像としてとても美しい。
そして題材に採られたスペイン内戦について、
ちょっとでも調べるとお話の方も俄然真実味を帯びて来ます。

うーん…これが廉価DVDで気軽に見れちゃうってのは、
なんか罪悪感にも似たものを感じてしまうなぁ。
これはねぇ、僕なんかが言うのもおこがましいくらいいい映画ですよ。


5.「RED」/ 2010
普通。驚くほどの凡作。
何も悪いところはないけれど、取り立てて良いところもありませんでした。
John Malkovichも随分歳をとったなぁ、
って感想くらいしか出てこないよ、マジで。

半年もしたらどんな中身だったか忘れちゃうような、そんな映画です。
駄目だこりゃ。


6.「レポゼッション・メン」/ 2010
悪趣味な映画。終始一貫、常に胸糞悪い感じ。
しかし、全篇を通して感じ悪いってのは逆に凄いですな。
ある意味「RED」よりは全然印象に残る1本と言えます。

これ、原作はEric Garciaなんですね。
Redley Scottが撮った「マッチスティック・メン」と同じ人。
なるほど、そう言われればなんとなく通じるものがあります。
追いつめられて、なんとか切り抜けて、どんでん返す…
お話作りの基本に忠実だから、取り敢えず最後まで見れちゃうんだな。

しかし、イヤなストーリーだなぁ。


7.「トレマーズ」/ 1989
最初は日曜洋画劇場で見たんだと記憶しています。
クソ安いB級映画だって高を括ってたら凄く面白いでやんの。
ただのバカ映画と言うには余りにもちゃんとした作りで、
伏線の張り方とか、かなり納得感があります。

続編やらテレビシリーズはさすがに見る気が起きませんが、
本作については100分弱の時間潰しとして優秀な1本だと思います。

-安かったから買っちゃった。
テレビ放送でカットされたシーンが序盤部分に集中していたので、
結構新鮮な気分で見れました。


いつもの如くガーっと集中して見ましたが、
一番面白いのはこないだまでテレビでやってた深夜アニメのDVDだったりします。
いい歳したおっさんがむかーしの少女マンガみたいな、
王道人死にエンタテインメントに胸を締め付けられるってのは
非常に情けないと思いますが、面白いんだからしょうがないや。
余りにベタで稚拙な演出にイラっとしたりもしますが、
11月の最終巻まで全部見ちゃうんだろうな、これ…。
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