秋の夜長にドゥームメタル [泡沫盤]

おいおいおい、「ゴールデン・ピクニックス」('76)が
紙ジャケで新規リマスター再発って、
ちょっとー!危うく見逃すところだったじゃないですかー。
Sony Music Shop専売ってのがとってもイヤらしいわー。
…ぬ、ぬわんとボックスを買い逃して地団太を踏んだ
一風堂もバラ売りするとな!?
僕はバンドの音さえ聴ければいい(映像は要らない)ので
こりゃ丁度いいや。

後はアレだ、
NAZCAと野田幹子をリマスターして貰えばもう何も言うことナシです。



と、極めてドメスティックな枕から
凍てつく北欧モノへ話題はすっ飛んでいく訳ですが。

Avatarium / AVATARIUM / 2013
アヴァタリアム

アヴァタリアム

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: 日本コロムビア
  • 発売日: 2013/10/30
  • メディア: CD


Leif Edlingの新しいバンドがデビューアルバムをリリースしました。

CANDLEMASS由来の本格ドゥームロックと
レトロな女声ブリティッシュフォークを無理矢理くっ付けたような…
凄ぇよコレ!やたらとカッコイイじゃないですか。



んー…これは素晴らしい。
ここ最近はドゥームロックに女性ボーカルを乗せるのが
ひとつのスタイルとして当たり前のように定着した感がありますが、
本家がやるとなんかもう、根本的にモノが違いますねぇ。

本作には未収録ですが
アコギとピアノのみをバックに据えた“War Pigs”のカバーなんて、
TYPE O NEGATIVEの“Paranoid”以来の衝撃ですよ。
BLACK SABBATHの歌メロが如何に美しいかを分かっていないと
ああいうアレンジは発想出来ないですもの。

さて、バンドの面子に目を移しましょう。

Jennie-Ann SmithはHYSTERICAの2ndアルバム(未聴です)で
アディショナルボーカルを録音したという情報以外は得られず。
本格的なキャリアとしては本作がその第一歩と言って良いようです。
しかし、いい歌い手を見つけて来たもんだなぁ。

JUPITER SOCIETYのCarl Westholm(鍵盤)は
Leif Edlingの人脈的に当然の選択でしょう。これは全く意外性無し。
そしてTIAMATのLars Skoldも
かつてLeif Edlingのソロ“Songs of Torment, Songs of Joy”('08)で
ドラムを叩いていましたから、こちらも特段驚くようなことはありません。

-で、問題はギターです。
Marcus Jidellというのは(僕が良く知らないこともあって)かなり意外な人選かと。
EVERGREYはともかく 、ROYAL HUNTでもギターを弾いてたってのが、ね。
この手の伝統的な技巧を求めるなら
Mike Weadを引っ張って来るのが毎度の常套手段でしたから
クレジットに見慣れない名前があって、僕は少し戸惑ってしまいました。

どうやら昨年CANDLEMASSのフェアウェルツアー
(今も散発的に継続中…ホントに解散するんかいな?)を手伝ったことで
Leif Edlingの知己を得たようです。
一方でHYSTERICAの2ndをプロデュースしているのもこの人で、
つまりJennie-Ann Smithをバンドに引き入れたのは
Marcus Jidellということなのでしょう。

それでまぁ、この人のギターがまた文句の付けようもなく。
各種Gibsonを駆使して恐ろしくも素晴らしいサウンドを繰り出しています。
んむー、返す返すも、こりゃー参った。
とんでもない傑作ですよ、このアルバム。

上掲リンクを貼ったヤツ(アルバム冒頭曲)も大変良いのですが、
僕は続く2曲目“Pandra's Egg”や6曲目“Tides of Telepathy”の、
いかにもCANDLEMASSっぽい展開や7曲目の“Lady in the Lamp”に
聴かれる鄙びた抒情にビリビリと痺れてしまいました。
基本的にはアルバム収録の7曲全部、捨て曲一切無しではありますが。

こんなアルバムを他国に先駆けて先行リリースする
日本コロムビアは一体どうしちゃったんでしょう?
そもそもNUCLEAR BLASTの配給権を持ってることからして
ちょっと意味不明ですもの。
でも、よくよく考えてみればLOUDNESSもコロムビアだったっけ。
そういう意味じゃ(邦洋の違いはあれど)メタルを扱う事について
全くの門外って訳でもないのか。
いやはや、本作を国内配給したのは見事な英断と言えましょう。
…売れるかどうかは別問題ですけどね…。
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