少し後悔しています [日々聴く音楽]

BLACK ROSEの“Walk It How You Talk It”('87)は
やっぱり良いアルバムだよなぁ。
改めてよくよく聴いてみるとSteve Bardsleyの節の回し方が
ちょっと梅原達也っぽかったりして。
Blood and Iron Recordsは少数ながらかなり渋いチョイスの再発をするので
僕的注目度は高いのであります。





先日、普段あまり覗かない棚をふと見やり引っ張り出してきたのが

Split / カルメン・マキ / 1998
cmspl.jpg



まずは、げっ!コレ出てから20年も経ってんのか、という驚きから。
本作の制作に関わった面子では忌野清志郎と朝本浩文が
既に鬼籍に入っており、なんというか、んー、そうかぁ…と。

前作“Unison”('96)がタイアップ絡みで小さな話題を呼んだこともあり
(筑紫哲也のニュース番組のテーマ曲に採用されたのです。
当該番組で紹介映像も流れたと記憶しています。)、
また、久々に春日博文との作業によって作られたアルバムでありましたので
どれどれ、そりゃちょっと聴いてみましょうか、ってなったのですよ。
果たしてその中身は全然ロックではなかったのでちょっとアレでしたが、
大変心地よい音楽ではありました。
レイドバックしたカルメン・マキというのは非常に新鮮でしたねぇ。

で、それに続く本作は複数の制作陣による楽曲+演奏を寄せ集めた
タイトル通りのアルバムですが
歌い手がちゃんと一本筋を通しましたよ、的な
これみよがしな感じはちょっとイヤだったなぁ。
結論から言えば大変優れたロックアルバムでることに相違ありませんが、
個人的にこの人はもういいや、と思った1枚でもあります。

全曲の詳細を書くのはメンドいのでいつものごとく端折りますが、
プログレ方面からはやはり笹路正徳の曲に注目が集まるところでしょう。
ギターは土方隆行だし、コーラスは意外(?)にも大木理紗だし。
実際笹路絡みの2曲はかなり良いと思います。
特に土方の千変万化なギターサウンドが素晴らしい。

トータルにはやや時代がかった音が支配的ながら、
笹路と朝本浩文は編曲に於いてきちんと当時の先端を意識した
アウトプットになっている点に感心しきりの僕。
朝本チームはリズム隊が池畑潤二に井上富雄ってのもポイント高いです。

逆に、オールドスクールを徹底的に貫いた木暮武彦も
それはそれで良いのです。フルートサンプリングの疑似メロトロン
(キーボードは小滝みつる)とか、ちょっとニヤついちゃうよね。

それから前作に引き続き忌野清志郎の曲を春日博文とやっています。
この人の曲は誰が歌ってもその裏で何故か
忌野清志郎本人の声が聞こえてくるという、
実に恐ろしい(褒めているつもりです)歌い手であります。

アルバムの最後を飾ったのは辻仁成の詞曲を木暮チームが演奏したもの。
辻によって同タイトルの小説(「ワイルドフラワー」)が上梓されたのも
同年のことらしいので、なんらかの関連はあるのではないでしょうかね。
読んでないしこれからも読む気はないので全く知らんけども。

-はい。実際凄くいいアルバムなので、
じゃぁ僕はなにがイヤなのか?って話です。
本作中カルメン・マキが独りで詞を書いた「1999」って曲
(作曲と演奏は小暮チーム)がありまして、
この詞がどうにもこうにも受け入れ難いのです。
あー、懐古の情をこういう風に表現するんだこの人は、
へぇえ、ふーんっていう嫌悪感。
僕は基本的に世代間闘争なるものとは
なるべく距離を置いて生きたいと願う者ですが、
こういう歌を歌われちゃうと
さすがにちょっとイラっときちゃう訳ですよ。

何年か前にキノコホテルと揉めた時に
僕はこの曲のことを思い浮かべてしまって些か不快になりました。
どっちかって言えば圧倒的にカルメン・マキ側に寄りたい
(マリアンヌ東雲?辻仁成と同じくらい興味無いです)のに、
その主張には一分の理もないという悲しさ。

うん、悲しくなった、ってのがかなり近いです。

…えーと。
この作文書かなきゃ良かったかなぁ(苦笑)。
コメント(0) 
共通テーマ:音楽

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。