てっきりイギリス人だとばかり [シリーズ作文]

何か枕を、と思って書き始めると
概ね愚痴っぽくなるので良くないと反省し
だったらいきなり本題に入ればいいじゃん、
と、前回エントリーではそうしてみましたが
なんだか物足りない気がして我ながらどうにも我が儘なものです(苦笑)。



-Jeff Berlinと言えばやはりBRUFORDの“One of A Kind”('76)に
収録された“Five G”ってことになりましょうかねぇ。
あのイントロの、訳の分からないゴーストノートの乱れ撃ちったらもう
ちょっと正気の沙汰とは思えないカッコ良さですもの。
…フェードアウトで終わるのは気に食わないのですが。

しかしBRUFORDについて僕が今更ナニか書いても仕方がないので、

再発しないかな シリーズその17

Champion / JEFF BERLIN & VOX HUMANA / 1986
jbchmp.jpg



BRUFORDでの活動を終え、
Allan Holdsworthのソロ“Road Games”('83)に参加した後
満を持してリリースされた初のリーダーアルバムです。
ギターにScott Henderson、
ドラムはSteve Smith(バークリーの同期だそうで)、
そして鍵盤にT.Lavitzというフォーリズムを基本としつつ
曲によって客演を加えるスタイル。
Neal SchonにRonnie Montrose、
そしてNeil Peartといった顔ぶれは実に豪華でありましたが
些かマッチョなロックに寄った名前が並んでしまったため
本作の内容について要らぬ誤解を与えてしまったのもまた事実でありました。

※因みに2枚目の“Pump It !”('86)にはRACER Xでデビューした直後の
 Paul Gilbertが客演していたりします。
 Buddy Milesをボーカルに迎えた“Crossroads”のカバーで
 控えめのオブリガードを披露していますが、
 なんかJeff Berlinは剛毅なロックに対するシンパシーみたいなアレが
 あるのかしら。

アルバムトータルとしては肩の凝らない(しかし大変技巧に富んだ)
フュージョンアルバムという印象であり、
まぁロック寄りの楽曲(なんなら歌入り)も散りばめられてますよ、的な。
そして楽曲を単体毎に見渡せば本作の目玉は
やはりベース独奏による“Dixie”にトドメを刺すってことで
ほぼ間違いないと思われます。



音が悪いなぁ…拾った動画に文句言うのも筋違いですが。
そしてこういう技巧的な演奏を映像で見ると
ちょっと曲芸めいてしまってあんまり良くない気もしつつ。

えーと、他で言及されている様子が無いので
蛇足ながらここに記しておきますが
映像2:05~のパート、裏メロで「アルプス一万尺」を同時に弾くという
常軌を逸した発想は一体どこから湧いて出たのか。
ホント、達人の考えることってのは凡人には理解し難いものです。

当時の僕は
なんでこの人アメリカのトラディショナルなんかやってんの?
と疑問に思ったのですが
Jeff Berlinが実は米国人だったと知って凄く驚いたんだよね。
しかし言われてみればこの人の着ている服のセンスとか
確かにアメリカ人っぽいよな、
なんて妙に納得したりして(笑)。

本作、及び次作についてはレコ社(Passport)が潰れてしまい
現在版権がどこにもないようで長らく廃盤状態です。
'98年には“Champion”の楽曲を数曲カットして
“Pump It !”と合体させた編集盤、“Crossroads”ってのが
出たんですがそれも今は昔の話。
僕はリリース当時Victorから出た国内盤LPと、後にはCDも手に入れたので
幸いなことにアルバム全編を聴くことは出来るのですが
やっぱり今時のリマスターが欲しいじゃないですかこういうのは。

Passport Recordsのカタログは
ロック系のタイトルについて散発的に再発されているので
単発契約のハードルはそんなに高くないような気もするのですが
実際のところどうなんでしょうね。なんとかなりませんかね。
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