たまには、ね。 [たまには映画]
唐突にTVドラマの話を始めてみたりして。
テレビ朝日はホントに松本清張好きだよねぇ、
しかしよりにもよってまた「疑惑」ですかぇ
(実にテレ朝3度目の疑惑だそうです)?と驚嘆しつつ
キャストを見ると球磨子を演じるのが黒木華だという。
そりゃちょっと(かなり)興味深いことで、結局見ちゃいました。
米倉涼子は概ね想定内でありました。
この人の演技にはどうしても荒唐無稽なマンガ感(ex.大門未知子)が
漂うのでやや迫力に欠け、しかし今どきの(必要以上に重くならない)
テンポで物語を進められる技量があるので結果オーライだったかと。
-で、黒木華です。昭和版、桃井かおりの強烈な印象を
未だ引き摺る視聴者(ex.僕)にとってはかなり新鮮でありました。
米倉に引っ張られてマンガ調になってしまった場面も多く、
サスペンス?いやこれスラップスティックじゃねぇか!と
思わず口をついたのも事実ですが(笑)、
中村梅雀(ベース蒐集家として鼻持ちならないのであんまり好きじゃないです)
演じる白河福太郎が腹から絞り出すように放つ
…でもさぁ、可愛いんだよぉ。
という台詞の真実味に共感した視聴者は多いと思われます。
それ程に魅力的な演技でありましたし、
あぁ、確かに桃井の球磨子に可愛さはあんまりなかったもんな、と
思い返すにつれ、黒木を充てた制作陣の意図は強ち間違っていないと
得心したのです。
ここまで好印象風の作文ですが、実際は総体として駄目だったよね。
冒頭、米倉演じる弁護士佐原がスマホを取り出したところで
僕は大原笑介張りにズッコケました。いやー平成化は無理があるって。
昭和だから通じたやや杜撰なトリックとエモーショナルな法廷劇は
今どき通用しないだろう、と。
-しかし。しかぁし!そこで僕の頭をよぎったのは
あ、これ今なら裁判員制度に絡めて情緒に寄った判決を正当化できるのか。
それなら秋谷茂一(板尾創路)との世論戦も面白くなるかも、という先読み。
…ところが裁判員なんか一切出て来やしねぇ(苦笑)。
法廷シーンは昭和のまんま、実に唐突で嘘臭ぇ無罪判決を
遠藤憲一のナレーションに負わせるという逃げの演出は清々しいほどの残念さ。
結局このドラマはただひたすらキャスティングの正当性を証明しようと
躍起になっているだけでストーリーテリングには一切頓着していないのです。
だったら野村芳太郎の昭和劇場版と併せて見れるようにしないと意味がないのよ。
比較対象があって初めて成立するのにその一方が見れないなんて
片手落ちもいいところでしょ。
これだけを見た若い世代の視聴者が本作をつまんないと言うのは当たり前で、
残念ながら君たちはハナから相手にされていなかったのだのだ。
こういう前提条件ありきの作り、僕は嫌いです。
ついでに。
これがTV遺作となった津川雅彦の痛々しさ、
そして図らずも一番の悪女っ振りを熱演した女検事役の余貴美子
(以前のテレビ版では球磨子も演じているそうです)が大変印象深かったです。
'16年にNHK BSでやった横溝の「獄門島」が凄く良かった
(長谷川博己の金田一は白眉でした。新解釈の金田一像が見事に完成していて、
これほかのタイトルも作ればいいのに。奥田瑛二の了然も素晴らしかったです)
のに結局何も感想を書かず後悔したので、
今回はなんか書いておこうと思ったのです。
褒める作文ではないので枕のつもりで書き始めたのですが
思いのほか長くなっちゃったので単独で上げちゃいますね。
テレビ朝日はホントに松本清張好きだよねぇ、
しかしよりにもよってまた「疑惑」ですかぇ
(実にテレ朝3度目の疑惑だそうです)?と驚嘆しつつ
キャストを見ると球磨子を演じるのが黒木華だという。
そりゃちょっと(かなり)興味深いことで、結局見ちゃいました。
米倉涼子は概ね想定内でありました。
この人の演技にはどうしても荒唐無稽なマンガ感(ex.大門未知子)が
漂うのでやや迫力に欠け、しかし今どきの(必要以上に重くならない)
テンポで物語を進められる技量があるので結果オーライだったかと。
-で、黒木華です。昭和版、桃井かおりの強烈な印象を
未だ引き摺る視聴者(ex.僕)にとってはかなり新鮮でありました。
米倉に引っ張られてマンガ調になってしまった場面も多く、
サスペンス?いやこれスラップスティックじゃねぇか!と
思わず口をついたのも事実ですが(笑)、
中村梅雀(ベース蒐集家として鼻持ちならないのであんまり好きじゃないです)
演じる白河福太郎が腹から絞り出すように放つ
…でもさぁ、可愛いんだよぉ。
という台詞の真実味に共感した視聴者は多いと思われます。
それ程に魅力的な演技でありましたし、
あぁ、確かに桃井の球磨子に可愛さはあんまりなかったもんな、と
思い返すにつれ、黒木を充てた制作陣の意図は強ち間違っていないと
得心したのです。
ここまで好印象風の作文ですが、実際は総体として駄目だったよね。
冒頭、米倉演じる弁護士佐原がスマホを取り出したところで
僕は大原笑介張りにズッコケました。いやー平成化は無理があるって。
昭和だから通じたやや杜撰なトリックとエモーショナルな法廷劇は
今どき通用しないだろう、と。
-しかし。しかぁし!そこで僕の頭をよぎったのは
あ、これ今なら裁判員制度に絡めて情緒に寄った判決を正当化できるのか。
それなら秋谷茂一(板尾創路)との世論戦も面白くなるかも、という先読み。
…ところが裁判員なんか一切出て来やしねぇ(苦笑)。
法廷シーンは昭和のまんま、実に唐突で嘘臭ぇ無罪判決を
遠藤憲一のナレーションに負わせるという逃げの演出は清々しいほどの残念さ。
結局このドラマはただひたすらキャスティングの正当性を証明しようと
躍起になっているだけでストーリーテリングには一切頓着していないのです。
だったら野村芳太郎の昭和劇場版と併せて見れるようにしないと意味がないのよ。
比較対象があって初めて成立するのにその一方が見れないなんて
片手落ちもいいところでしょ。
これだけを見た若い世代の視聴者が本作をつまんないと言うのは当たり前で、
残念ながら君たちはハナから相手にされていなかったのだのだ。
こういう前提条件ありきの作り、僕は嫌いです。
ついでに。
これがTV遺作となった津川雅彦の痛々しさ、
そして図らずも一番の悪女っ振りを熱演した女検事役の余貴美子
(以前のテレビ版では球磨子も演じているそうです)が大変印象深かったです。
'16年にNHK BSでやった横溝の「獄門島」が凄く良かった
(長谷川博己の金田一は白眉でした。新解釈の金田一像が見事に完成していて、
これほかのタイトルも作ればいいのに。奥田瑛二の了然も素晴らしかったです)
のに結局何も感想を書かず後悔したので、
今回はなんか書いておこうと思ったのです。
褒める作文ではないので枕のつもりで書き始めたのですが
思いのほか長くなっちゃったので単独で上げちゃいますね。
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