12月ですって [日々聴く音楽]

結局今年もコロナに振り回された1年でした。



最近日本の('80年代の)プログレについてぼんやりと考えています。
NOVELAがその音楽性を大きく転換して物議を醸し出した頃に
インディーズのプログレバンドがわっと出てきて盛り上がるという、
アレって結構スムーズな入れ替わりだったよなぁ、なんて。
そうしたバンド群も'80年代初頭から活動をしていたものの
浮上の切っ掛けになったのは

Progressives' Battle From East West / 1985
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やっぱりこれだったような気がします。
Monolith Communicationsが企画しリリースしたこのソノシート3枚組には
前年1stアルバムを自主制作でリリースしたNEGASPHEREを筆頭に
その後急速に人気を博すことになるOUTER LIMITSとPAGEANTが楽曲を提供しており、
またNOVELA影響下にある剣の舞やシンフォニックなフュージョン風味のAQUAPOLIS、
そしてゴリゴリに古典的なクラシカル路線の夢幻と、
音楽的なバリエーションがかなり広角で相当面白いコンピレーションだったのです。

1-A Epilogue / PAGEANT
1-B Second Self Loser / NEGASPHERE
2-A フェノメナル・ワールド / 剣の舞
2-B ノルウェーの印象 (夜明け・オスロの午後・白夜) / AQUAPOLIS
3-A 死都ブリュージュ / 夢幻
3-B Marionette's Lament / OUTER LIMITS

音源について今聴けるものとしては…

1-Aは'06年にAltavozが紙ジャケで再発した「仮面の笑顔」、
1-Bは'16年Arcàngeloから紙ジャケ化された“Castle in the Air”に
それぞれボーナストラックとして収録されています。
3-Aは'86年キングレコードからリリースの2nd「レダと白鳥」で再録音されますが
こちらの(素朴で朴訥とした)バージョンの味わいも捨て難いものがあります。
3-Bは'06年Altavozの紙ジャケ“Marionette's Lament”に
“1984 Version”としてボーナス追加されました。

-で、だ。
この“Progressives' Battle”って冠は
その後Made in Japan Recordsに引き継がれ(強奪され?)
幾つかのメディアが残ることになります。
今日はそれについてざっくり書いておこうと、そういう趣旨なのです。



Progressives' Battle '86

4曲入りソノシート。
これ、なんで俺持っているんだろう?ってくらい記憶がなくて、
そもそも売り物だったのか何かの特典だったのかも判然とせず。
新橋ヤクルトホールのおみやげ('19年6月26日作文にチケット半券の写真アリ)が
これ?いや、なんか別のヤツだったような気もするな。
VAPの内袋に入っているというのも大概謎で、なんなんでしょうかこれは。
…ま、いいか。

A-1 Per Un Amico L'amore Italia / 夢幻
A-2 The End of Party / PALE ACUTE MOON
B-1 Son to Father / NEGASPHERE
B-2 アルジャーノンに花束を / OUTER LIMITS

OUTER LIMITSのB-2が上記“Marionette's Lament”の紙ジャケ再発CDに
“1982 Demo Version”として収録された以外はこれでしか聴けないものばかり。
A-2(前半部抜粋)とB-1はライブ演奏を録音したものですが、
B-1が“Negasphere 1985-1986”に収録されたのとは
別のライブであるのが特筆すべき点かと。
“Negasphere 1985-1986”の方はミックスバランスもいまいちで
あろうことか途中でハウリングしちゃうので、こちらの方が全然イイんだよね。



翌'87年には(僕の情報収集が間違っていなければ)同タイトルのリリースは無し。
この頃Made in Japan Recordsはクラウンレコードの配給を得るものの
ムーブメントとしては既に下火になりかけていて、
PAGEANTとOUTER LIMITSが煮詰まってきたのも苦しかったんだろうな。



Progressive's Battle 1988
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LPフォーマットはこれが唯一。
非常に細かい話としてはタイトルのアポストロフィの位置が変わっています。
再び自主流通に戻ったMade in Japan Recordsが
次の人気バンドを発掘すべく躍起になっている印象です。

A-1 Prelude~Next World / DEJA-VU
A-2 Handle With Care / 誘精
A-3 Macbethia / SOCIAL TENSION
B-1 夜光天女 / MIDAS
B-2 Seven Beauty / AFFLATUS

無理繰りの青田買い感は拭えず、どのバンドも小粒…って言っちゃうのは些か失礼で
みんなまだ若くて個性が確立されていない時期だったのでしょう。
一方でヌメロウエノはキングレコードにCRiMEレーベルを興してVIENNAを手掛けていた訳で、
なんかさぁ、いまひとつ釈然としないよねぇ。



Progressives' Battle 1989 - Prospective Faces
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VIENNAの夢が早々と雲散霧消し、概ねムーブメントの終焉が見えて来た時期ではありましたが
結構しぶとくやっていましたよね。これはCDでリリースされました。

1 La Luna / WHITE FANG
2 Nocturne / ISIS
3 Dress Up Murdeness Intent / ROSALIA
4 Autumn / AUGUST
5 Galatour / PROVIDENCE

林克彦がプロデュースした夢幻直系のISISとか、悪くないんですよ
(あー…正直ボーカルはちょと厳しいです)。
それと北海道勢の後半2曲。どちらも三橋徹のプロデュースで…
え!?EASTERN YOUTHのベースの人じゃん。い、意外だなぁ。
これを要するにヌメロウエノ絡みじゃない曲の方が断然面白いという。



Prospective Faces II - Progressives' Battle 1989
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1 8月の詩 / I
2 Montage / ASHULE
3 Missing / JETAIME
4 家路 / 舞踏
5 Apostrophe / AZOTH
6 Third Class Angel / SEOLANE

焼け糞のような2連発というのはちょっと表現が厳しいかもしれませんが。
こちらは全曲それなりのレベルにあって聴きどころも多く、いや実際良いんだよね。
V字回復は到底望めなかったとしても、
もう少し話題になっても良かったんじゃないかなぁ。
ヌメロウエノが完全にやる気をなくしていたんでしょうね。

そして'80年代は終わり、 “Progressives' Battle”というタイトルも以降使われることはなくなります。



※以下2022年12月19日に訂正・加筆しました※

-はい、間抜け。
普通にうちのCD棚に並んでおりましたよコレ ↓が

Progressives' Battle 1992
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うーん…記憶が無ぇw

1 Scheherazade / AFTER THE RAIN
2 Fata Morgana / ARS NOVA
3 The Grasshoppers Fly High / CINDERELLA SEARCH
4 Cruel Alternative / MARGE LITCH

あら、AFTER THE RAIN以外は
その後割と息の長い活動をしたバンドばかりじゃないですか。
ただ、如何せん僕はどれもあんまり好きじゃなかったので
ろくに聴いていなかったんだな。
なので改めて聴き直してみるとどれもちゃんとしていて、
いや、むしろちゃんとし過ぎていてちょっと驚きました。
特に前半2曲は本格プログレであることに対する拘泥が物凄いので
曲が必要以上にこねくり回されて結局詰まんなくなっちゃったという
典型的なアレだよね。

しかし
おいふざけんな、俺たちゃまだ死んでねぇぞ!という意地っ張り感は
今ならよぉく理解出来ます。
勝手に終わらせんなよ、という魂の叫びが込められた1枚ですねこれは。

'92年といえば…まずはPANTERAの「俗悪」にBLACK SABBATHの“Dehumanizer”
それからGODFLESHの“Pure”辺りですかね。
後はJAMESだのCURVEにRIDE、あぁXTCの“Nonsuch”もか。
イギリスものを良く聴いていたんだな。

プログレについては…
Mike Oldfieldがやや苦し紛れに“Tubular Bells II”を出し
Roger Watersが「死滅遊戯」で前作のラジオに続いて
今度はTVにいちゃもんを付けるという。
Magna CartaからSHADOW GALLERYとか、あーはいはいDREAM THEATERね。
“Images and Words”は確かに凄く良いアルバムだと思いますよ。
まぁKING'S Xの方が全然聴いたけど。

うん、確かに僕の耳はあんまりプログレの方を向いていませんでしたね。
なんか、スマンw

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