みかんやらりんごやら [日々聴く音楽]

冬の果物が旬を迎えています。正月にたくさん食べようと思います。
…あれ、果物はデブじゃないよね?



Zephyros / AKROASIS / 2022
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なんの気なしに聴いてみたらコレ凄くいいじゃないですか。
イタリアよりちょっと変わった6人編成の、これが2枚目になるのですかね。
調べてみたら'09年に1stが出ているようです(毎度、僕は聴いていませんが)。
バンドの中心人物であるPierpaolo Meloni(フルート)と
Pierpaolo Frailis(ドラム)、Andrea Locci(ベース)、
そしてAntonello Deriu(ギター)の4人は前作から変わらずなので
この4リズムがバンドの基幹なのだと思われます。
更に本作ではSalvatore Spano(ピアノ)とGian Marco Medda(ビブラフォン)が
メンバーに加わっており、正直この2人の貢献度が物凄いんだな。

更にバイオリンやコントラバス等をゲストに加えての本作は
タイトルの通り「風」をテーマとした1枚。
…あー、Zephyrosはギリシャの風の神様です。因みにバンド名のAkroasisってのも
「聞く」若しくは「示す」という意味のギリシャ語だそうで。

アルバムは冒頭から20分超えの“Zephyros Suite”で聴き手を圧倒します。
この堂々たる、組曲形式の大曲はクラシカルな導入部からテクニカルなリズム、
そしてロックなエレキギターへとめくるめく展開を見(聴か)せ
フルートとピアノ、ビブラフォンがその間を縫うようにメロディと裏メロを交錯させます。
いやこれ、シンセ無し(ピアニストはピアノしか弾かないのだ)で
ここまでど真ん中なプログレなのは凄いぞ。
各々の演奏技術は勿論、アレンジが非常に良く練られているんだな。

2曲目“Sunao's Wind”はややオリエンタルな趣で、
タイトルのスナオは坪井直氏の名前から取ったと言うことです。
坪井直は昨年亡くなった広島の被爆者で、戦後は中学教員を務め'86年の退職後は
日本原水爆被害者団体協議会や広島県原爆被害者団体協議会で活動しました。
'16年にオバマが広島を訪れた際に握手をしたってニュース映像を
覚えている人がいるかもね。



やはりイタリアのLOGOSが広島を題材としたのは'20年('20年7月21日作文)、
実は本作のリリースは元々'20年の予定だったのだそうで(例によってコロナで延びた)
まぁ単なる偶然なのでしょうが。

僕は4曲目の“Jchnos' Wind”がかなり好みで、
エキゾチックでジャズ/フュージョンテイストも薫る曲ですが
これのピアノとビブラフォンが滅茶苦茶カッコいいのだ。
5分弱でパッと終わる潔さ(即興部がだらだらしない)のもいいんだよね。

以降もラテンテイストな曲が出てきたりして(曲目で大体分かるのは親切かもw)
結構バラエティに富みつつ総体としては非常にレベルの高いインストプログレであります。
MaRaCash Recordsはこの12月頭に3タイトルをまとめてリリースしましたが僕は断然コレです。



-話は変わって
HIGH ROLLER RECORDSがTREDEGARのセットを出しまして、そんなの絶対要るわぃ。
デモ集と唯一作のオリジナルMix('86)、
そして'94年に出たオリジナルのRe-mix盤と'91年に録音されたというRe-Birth盤の4枚組。
僕はBUDGIEというバンドには全く思い入れがないのですが
TREDEGARの“Tredegar”はCarl Sentanceが(客演扱いながら)ボーカルだし、
NWOBHMに完全に乗り遅れた哀愁のハードロックということもあって結構好きなのです。
ウェールズ出身を主張するバンド名もちょっと風変わりで面白いよね。
Tredegarってのはそんなに有名な土地ではないようですけど。
年明け割と早めの到着予定になっていますが多分遅れるでしょうねぇ。
まぁ楽しみにしつつのんびり待ちます。

Anthology / TREDEGAR
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