毒っ気たっぷり [新譜]

今日のはある種コキ下ろしかも。

Tubular Bells - 50th Anniversary Celebration /
ROYAL PHILHARMONIC ORCHESTRA / 2022
tblbls50.jpg

これはさぁ、これはどうなのぉ?と
大きな疑問符を頭に浮かべながらも一応買って聴く訳ですよ。
だって“Tubular Bells”ってそういうもんじゃん(?)。
…あ、いやブラスバンド版とかはさすがにスルーしましたけれども。

オケ版の“Tubular Bells”と言えば
'75年にDavid Bedfordがプロデュースと指揮を務め
同じくロイヤルフィルが演奏した“The Orchestral Tubular Bells”という
アルバムが既に存在するのでなんか蛇足感は拭えないよなぁ。
'75年盤はMike Oldfield本人もギターを演奏してるしね。

本作の「オリジナルリリース50周年記念('23年)」というのは
なんか無理繰りこじつけた企画の臭いが芬々と漂っていて
(コンサートもやったんだってさ)僕の印象はあんまり良くないです。
Mike Oldfieldがどう関わっているのかも分からないし。
Simon Dobsonという人が指揮していますがそもそもこの人が何者なのか。
なんか吹奏楽の方面ではそこそこ有名なの?ふーん、てなもんで。
David Bedfordのように本家と所縁がある訳でもなければ
ロイヤルフィルの人でもないとなると、ちょっとどう理解したらいいのか…。

と、なんだかんだ文句を垂れつつ聴いてみたところ
まぁこれがまた。
ベースとギターはエレキが堂々と混じってくるし、
アレンジもそんなに工夫された感じがしないし。
オーケストラの演奏を楽しみたいなら圧倒的に'75年版の方がいいです。
ただクラシックの様式に則っている分演奏のテンポがもっさりしているので
聴いていてちょっと焦れったいかも知れません。
その点本作はオリジナルのテンポ感を損なっておらず
違和感なく聴けるのはとても良いと思いました。

それから“Part 1”終盤の重奏部分で楽器名をアナウンスするアレですが、
なんでBrian Blessedを起用したんだろ?
大仰でうるせぇことこの上なく、そりゃそうだよね、Brian Blessedだもん。
本人にしてみりゃ期待された自分のスタイルを示したに過ぎず、
これはキャスティング側の大いなるミスだと思います。

-と。なんか凄く悪し様ですがそんなに嫌いじゃないんですよ、いやマジで。
“Part 2”と“Sailor's Hornpipe”を切り分ける拘りとか
“Hergest Ridge”や“Ommadawn”も(一部)やっちゃうサービス精神とか。



で、終いにゃコレだものw
このアレンジも大概無芸なのだけれど終わり方以外は全然好き。
やや感情過多の歌い上げ系ボーカルは断然いけ好かないけど。
しかしやっぱり取り上げるのは“Shadow on the Wall”じゃなくて
“Moonlight Shadow”なのね。

と、まぁ結局この手のヤツは
どんなに頑張ってもオリジナルを超えるものにはなり得ない訳で、
そこを割り引いて楽しめるかどうかに尽きるのです。
で、僕はあーだこーだ文句を言う事も含めてそこそこ楽しめましたよ、
って話。

コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。