脈絡なきチョイス [日々聴く音楽]

赤城乳業の「あんこチョコレート」ってアイスにやられました。
この組み合わせを実現しちゃう狂気がまず凄い。しかも美味いんだよこれが。
一体どうなってんだ!?と年の瀬に興奮するデブ1人。



あかねさす / AQANESUSS / 2022
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ざっくりここ10年、僕が凄く良いと思った新しい日本のプログレバンドは
(勿論その間リリースされたヤツを全部聴いている訳ではないのだけれど)
MASHEEN MESSIAHくらいしかなかったのですが
コレはがっつり食い込んできそうな気配です。
いやお前そんなこと言ったってMASHEEN MESSIAHについて作文してないじゃん、と
責められればそれは全くもって、返す言葉もございませんが。

さておき僕んちにある吉田達也のアルバムってぇとYBO2が何枚かと
石橋英子と一緒にやった“Slip Beneath the Distant Tree”('07)くらいなので
吉田達也が王道プログレ路線のアルバムを作った!という喧伝に対して
そこまで大きな驚きは無かったりしつつ、それでも
そりゃ是非聴いてみないといけませんわねぇ、とは思ったのです。

本作は桐田仁(ギター)の着想を元に場面を切り取って曲を製作したのだそうで、
しかし特にコンセプトアルバムだとは謳っていませんね。
ここで一点気になるのはバンド名。
桐田の書いたストーリーの印象的な一節から、ということですが
僕のような聴き手は「あかねさす」って言われちゃうと
どうしても新月(北山真)がパッっと頭に浮かんでしまい
ある種の先入観が出来上がっちゃったのはあんまり良くなかったかも知れません。

で、肝腎の中身ですが…僕は
言うてもそんなベタな感じにはならないでしょ、と思っていたのですが
概ね当たりってところでしょうか。
幾つかの楽曲にはアヴァンやミニマル(と昭和歌謡w)の片鱗が
散見(聴)され全然一筋縄ではありません。
まぁそれがこのバンドの素晴らしいところなのだけれど。
このストレンジなバラエティは実にプログレで、聴いていてワクワクと心が躍ります。
この年末年始にちょっと聴き込める1枚ということで、これはとてもいい。



そして話は'80年代初頭のアメリカへとぶっ飛びます。

Whitford St. Holmes / WHITFORD ST.HOLMES / 1981
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う~ん、世の中にはまだまだ僕の知らないアルバムが一杯あるもんですねぇ。
AEROSMITHの「じゃない方」のギタリスト(失礼)Brad Whitfordと
Ted Nugentにいいように使われた男、Derek St. Holmesの共作。
これがかなり爽快なアメリカンハードロックで、
例えばJOE PERRY PROJECTの同年作“I've Got the Rock'n'Rolls Again”にも
全くひけをとらないじゃないですか。

アルバム収録曲の殆どはDerek St. Holmesによって書かれており、
メインストリーム寄りのコマーシャルさがあって
なにかの拍子にドカンと売れても全く不思議じゃないものばかりです。
まぁ結局売れなかったっていうのがこの人達らしいところなのでしょうが。



そしてちょっと意外なことに
このアルバムの制作時Brad WhitfordはまだAEROSMITHを脱けておらず、
逆にこのアルバムの出来に自信を得てバンドを出奔したのですと。
それほどに優れた1枚ということで、気持ちは分かるけどね。
しかし本作がチャートを賑わすことはなくツアーも鳴かず飛ばずだったようです。
その後Brad WhitfordはJoe Perryと合流し結局2人でAEROSMITHに出戻り、
Derek St. Holmesは同じマネジメントオフィスに所属してアメリカ進出を目論んでいた
MICHAEL SCHENKER GROUPに加入させられます。
MSGのアルバム“Built to Destroy”('83)は米国市場向けにリミックスされ、その際



この曲のみDerek St. Holmesのボーカルに差し替えられていますが
バンド側はツアーのサイドギター要員としか見ておらず、
マネジメント側の意向(ボーカル交替)と折り合いませんでした
(その後ゴタゴタあってRay Kennedyをフロントに据えて来日する訳です)。

で、物凄く間が空いて'15年にBrad WhitfordとDerek St. Holmesの2人は
同窓会ツアーを行い翌'16年に2作目“Reunion”をリリース。
おまけディスクに1stがそのまま付いてくるというお特盤です。

数多ある、時代の隙間に飲み込まれた1枚ではありますが
なかなかに味わい深いアルバムで充分聴くに値するものだと思います。

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