なるほどiTunes

唐突ですが、僕、iPodもiPhoneも持っていません。
携帯電話はずっとFOMAのまんまだし。
えーと、つまりですね……外を移動中に音楽を聴かないのですよ。
随分と前にそういう行動習慣をやめちゃった。
別に、何かの思想信条があってそうした訳ではないんですが、
音楽は家で聴きゃいいや
って思うようになりました。

唯一あるとすれば、
繁華街に流れている音楽とイヤレシーバーから聞こえる音が混じった時の、
あのガチャガチャした不協音で気が狂いそうになるのがとてもイヤでした。
まぁ、仕事中にヘッドフォンを装着しても誰も怒らない（むしろ当たり前）し、
環境に恵まれているというのも大きいかも知れません。

加えて、前時代的パッケージソフト原理主義者（ってほど頑なでもないけど）の僕は
iTunesとかの有り難味が最近まで良く理解できなかったのです。

－ところが。
ここ1年ばかり、数は少ないもののitunesを利用する機会が出てきました。
CD化再発なんぞとても期待できそうにない、'80年代ヨーロッパものの泡沫タイトルが
実は結構ラインナップされているという事実に気づいたからです。

レコ社の中間搾取やプロダクト生産コストを省いて送り手側が少額を得る…
これは何も現役ミュージシャンに限った話ではないという、
当たり前っちゃ当たり前の事実に触れて、なんというか、目から鱗でありました。

今日はそんな中から3つほど。


Runestaff / RUNESTAFF / 1985

遅れてきたNWOBHMか、それとも産業ロックに傾いたポンプロックか？
非常に中途半端な立ち位置で聴き手を困惑させたバンドの唯一作です。
オリジナルレコードはHEAVY METAL RECORDSからのリリースだったので
当時はメタルの棚に差さっていることが多かったんですが、
ヌル～いサウンドに立腹した人も多かったんではないでしょうか。

しかし、TOBRUKやSNOWBLIND辺りと較べても遜色のないアルバムで、
そういう路線だと理解して聴けば全然イケるバンドだと思います。
女性ボーカリストはちょっとばかし音痴ですが…。


Through Your Eyes / MULTI-STORY / 1987

これを見つけた時は余りの驚きに思わず声がでちゃったなぁ。

超泡沫ポンプロックバンドの2ndアルバムです。
僕はこのバンドに2枚目があることを知らなかったので、
なんだか凄い発見をしたような気分になったものです。

1stアルバムは'85年、
FM RECORDS（あ、これもHEAVY METAL RECORDSの傘下ですね）から
オリジナルのレコ盤がリリースされています。
特筆するべき点は皆無の地味～なポンプロックなんですが
各種アナログキーボードの音色が存分に楽しめる1枚で、
僕は結構好きなんですよね。

因みにこの1stについては
'99年に米Kinesis RecordsがCD化しています（現在廃盤）。

しかしこの2ndアルバム、僕は今まで一度も見たことがなかった。
なんでだろう？
と思って調べてみると－

http://freespace.virgin.net/multistory.uk/ms.htm

なんでも再結成すりゃいいってもんじゃないよなぁ…。

ともあれバンドプロフィールを見ると、
どうやら録音はされたもののリリースされずにお蔵入りしていたみたいで、
そりゃあ見たことない筈だわな。

しかし、地味ながら滋味深いポンプロックを聴かせた1stに較べると
かなりアレな内容で、これは誰に薦められるものでもありません。
どうしても聴くなら、同じくラインナップされている
1stを落とした方がなんぼかマシってもんです。

新譜を鋭意録音中、か…あんまり期待できんなぁ…。


Spirit World / SEVENTH SON / 2009

'10年6月7日エントリーで書いたNWOBHMバンドの、なんと新作です。
URCHIN（8月22日エントリー参照）をリリースした
HIGH ROLLER RECORDSが500コピーでLP化したようですが、
未だCD化はされていません。

こういうのは捨てておけんわな。

演奏がほんの少し落ち着いちゃった感はありますが、
相変わらずブリティッシュまみれのいい曲書くんですよ、Briさんてば。
これは凄くいいです。埋もれてしまうのは惜しい。


結局、この手のマイナータイトルは偶然のピンポイントで発見しない限り
その存在にすら辿り着けませんから、他にもまだまだお宝があると思われます。
もうちょっと検索機能をマニア向けにしてくれたら僕ももっと利用するんですが…。
オリジナル盤のレーベルで検索とか、そういうのが欲しいところだなぁ。