今日は感謝の気持ちで(長文です) [泡沫盤]

いきなりですが、僕の馬鹿っ!
と自分を叱り飛ばすところから。
ろくにニュースにならなかったとは言え(Burrn!とかどうだったんだろ?)、
僕みたいな泡沫者がこういうのを見落としちゃ駄目ですよね。
遅まきながら、キッチリ書かせていただきます。

Love Power and Peace / ROBIN GEORGE'S LOVE POWER / 2011
Lovepower & Peace

Lovepower & Peace

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Angel Air
  • 発売日: 2011/10/11
  • メディア: CD


あぁ、しかしそもそもRobin Georgeについて
ここではちゃんと書いたことがないのか…。
いや、挫けずに書きましょう。
ええ、書きましょうとも。

-Robin Georgeは英国のミュージシャン。
器用貧乏を絵に描いたようなギタリストでありボーカリスト、
そしてソングライターにしてプロデューサーでもあります。

'80年にROBIN GEORGE & LIFE名義でシングルデビュー。
翌'81年にはDIAMOND HEADの自主盤“Sweet and Innocent”をプロデュースし、
その名前がメタルマニアの目に触れるようになります。
その後もWITCHFINDER GENERALの2nd“Friends of Hell”('83)や
QUARTZの同名アルバム('83)など、低予算ながら良いアルバムを制作しています。
WRATHCHILDの“Stakk Atatkk”('84)もこの人で、
どうやらHEAVY METAL RECORDSと
レーベルプロデューサーの契約を結んでいた臭いですね。

演奏家としての最初のチャンスは'83年、大手ARISTA RECORDSとの契約でした。
“History”というタイトルの12"をソロ名義でリリースしましたが、
これが思ったより当たらず結局アルバムリリースには至りませんでした。
MAGNUMの“Eleventh Hour”('83)に伴うツアーを手伝ったり、
Ted Nugentの“Penetrator”('84-ジャケットが凄くカッコイイんだよね)に
“History”収録の“Go Down Fighting”を提供したりして食い繋いでいたようです。

2度目の好機は'85年に訪れます。
これも大手のBRONZE RECORDSからリリースした初のソロアルバム、
“Dangerous Music”はプロモーションにも力が入っていて
当時のKERRANG!やなんかで先行シングル“Spy”の広告を良く見たものです。
このアルバム、ベースが物凄い豪華メンツで録音されているのです。
メインはPino Paladino(!)、それにPhil LynottとPhil Soussanが1曲づつ。
ドラムは打ち込み(シンバルだけ何故かMAGNUMのKex Gorin)だけど
ベースはナマという、なんだか妙な拘りではありましたが。

この頃は米国(正確にはカナダ)にAldo Nova、
日本では鈴木賢司(この人は歌が無いなのでちょっと違うか)なんていう
器用貧乏ギタリストが同時多発的に出て来た時期で、
勿論僕は一番地味だったRobin Georgeに入れ込んでいた訳です。

しかし、Aldo Novaもそうでしたが
線の細いハイトーンボーカルで歌われる産業ロックは既に時代遅れで、
このアルバムも話題の割にはちっとも売れませんでしたねぇ。
国内盤LPも出たけれど、惨憺たる有様だったと記憶しています。
同じ'85年にPhil Lynott生前最後のシングル、“Nineteen”を
共作・録音して以降は暫く名前を聞かなくなっちゃいました。

3度目の正直、そして最大のチャンスは'90年。
元DIAMOND HEADのSean Harrisと組んだNOTORIOUSは
当時絶頂(実際は崩壊寸前でしたが)のGeffen Recordsからのリリースでした。
華々しいアメリカデビューです。

NOTORIOUSについては'10年12月14日のエントリーに少し書いていますが、
これまた打ち込みメインのダンサブルなハードロック(どんなんだ?)で
2度あることは3度あるという、実にありがちな結末を招いています。
MTVは衰退傾向、シアトル産鬱々ロックがカレッジチャートを席巻し始めた頃ですから、
まぁ宣べなるかな、って感じではありました。
この辺の話はmixiに書いた作文がある筈なので、
そのうち気が向いたら転記でもしましょう。

その後はまたもや暫く音信不通でありましたが、
'97年にLIFEの名前を復活させ“Cocoon”というアルバムをリリース(僕は未聴です)、
Sean Harrisの後任として現在DIAMOND HEADで歌っている
Nick Tartが参加していたようですね。

僕が久し振りにRobin Georgeを聴いたのは'01年。
Record Heavenが企画したPhil Lynottへのトリビュート盤、
“The Spirit of the Black Rose”でした。
Philomena Lynott(Philのお母さん)のスポークンワード、“Dublin”で
幕を開けるこの2枚組にRobin Georgeは2曲提供しています。
1曲はアコースティックにアレンジされた“King's Call”、
そしてPhil Lynottとの共作未発表曲“Crying Diamonds”でした。

この“Crying Diamonds”がとんでもなく良い曲なのです。
実際に聴こえるのはRobin Georgeの情けない歌声なんですが、
その歌詞とメロディの節回しは紛れもなくPhil Lynottのものです。
頭の中でPhilの歌うこの曲が容易に想像出来るんですよ。
僕はねぇ、恥ずかしながらちょっと涙ぐんじゃったよね、
この曲を初めて聴いた時。

畜生、Robin George、やるじゃん!
ってんで、僕は慌てて前年('00年)にリリースされていた
久々のソロアルバム、“Rock of Ageists”を買いに走ったのです。
…まぁ、ねぇ(苦笑)って感じの中身ではありましたが
それでもこの人に対する好感が揺らぐことはなかったですね。

この頃からはマイペースながらコンスタントな活動が続き、
リーダーアルバムやバンドものなど
幅広い人脈を活かした音源を発表し続けています。

ふへー、駆け足の概説ながら取り敢えず書きました。
僕的観点から書いたものなので飛ばした名前も多いです。
ハードロック的にはURIAH HEEPのDavid Byronとの活動や
Robert Plantへの楽曲提供はトピックでありましょうし、
もっと枠を拡げればRoy WoodのHELICOPTERSで演奏していたこともあるようです。
更に意外なところでは
Daniel Boone(「ビューティフルサンデー」のオリジナルシンガー)の後ろで
ギターを弾いていた時期もあるんですって。
まあ、とにかく色々と多才なんですよ、この人。
売れた試しはありませんがね…。

で、そんなRobin Georgeが去年出したアルバムが上にリンクを貼ったヤツです。
元々癌治療の支援団体に対するチャリティの為に制作していたらしいのですが、
そこへ東日本大震災の報が飛び込んだようで…



なんだよもう…泣かせるじゃんかRobin George。
ついでだろうがなんだろうが、有難い話です。
当然、微力ながらこのCDを買ってご恩返しの僕。
気付くのが遅くなって申し訳なかったです。

このカバーではSean Harrisの歌が
Jacqui Williams(英国の女性ソウルシンガー)辺りに
全然負けていないのが実にに嬉しいですね。
後半、順繰りのギターソロは
Steve Hunter→Dave Martin→Conny Bloom→Dom Brown→Brian Tatler
→Eddie Clarke→Darrell Bath→Pete Haycock→Robin Georgeとのことで、
おっさんメタル的にはBrian TatlerとEddie Clarkeの名前ににんまりです。
プログレ方面ではMel Collinsのサックスと
Morgan Fisherのオーバーハイムが聴きどころでしょう。

本作にはこの他にも過去作の再録音などが多数収録されており、
B級ブリティッシュロックマニアには堪らん名前が
客演にばんばんクレジットされています。

なにせB級ですから、買って聴けとは言いません。
ただ、こういう人が居て我が国の事を心配してくれていたというのを
書かずにはおれなかったのです。

そしてエレキギターは基本B.C.Ritch(メインはBitchモデル)を
貫き通してきたこの人が、上掲映像の冒頭でMoserを持っているのを見て
やっぱり僕、Robin George好きだわー(笑)
と再確認したのです。
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