根が地味 [泡沫盤]

突然ですが、昨夜は'90年代のDIAMOND HEADを振り返っていました。
いつも通りの思いつきなので意味なんか全くありません。
CD棚の“Death and Progress”('93)がふと目に付いた、と、
ただそれだけのことです。

しかし、'90年代にDIAMOND HEADがリリースした音源と言っても
そんなに数がある訳でもないのです。

Wild on the Streets (Single) / 1991
The Friday Rock Show Sessions / 1992
Death and Progress / 1993
Evil Live / 1994

こんだけ。

そのうち“The Friday Rock Show”は
'80年と'82年の放送用ライブを蔵出しした編集盤なので、
純粋に'90年代に録音されたものとなるとシングル1枚にアルバム2枚。
“Evil Live”はライブとスタジオアウトテイクのカバー集(2枚組)
ということで、既に出涸らし状態だったし。
結局、当時物凄く期待された、Sean HarrisとBrian Tatlerによる
バンド再結成は上手く行かなかったということなんでしょう。

そもそも先行シングルの“Wild on the Streets”から
アルバム“Death and Progress”迄に2年も掛かっているという時点で
難産は明らかだったんだよな。

当時、既に僕の買う音楽メディアは100%CDに切り替わっていましたが
“Wild on the Streets”はCDが出なかったので
仕方なくレコードを買った記憶があります。
片面に2曲を収録、裏面には音溝がなくてバンドロゴが
エッチングされているという、凝った作りが印象的な12インチでした。

-で。
散々待たされた末に漸くリリースされた“Death and Progress”も
ちょっと難しいアルバムでしたわね。

METALLICAが矢鱈とカバーしたことでこのバンドに対する認知度が
飛躍的に高まったのは、果たして良かったのか悪かったのか?
勿論、METALLICAがそういうことをしなければ
再結成なんてあり得なかったでしょう。
しかし、METALLICA由来で“Death and Progress”に触れた聴き手の大半が
さぞガッカリしたであろうことも想像に難くないところです。

'80年代のオリジナルDIAMOND HEADはその短い活動期間の間に
音楽性を大きく変化させたバンドでした。
METALLICAが好んで取り上げたのは活動初期の曲がメインでしたが、
DIAMOND HEADがメタルらしいメタルを演っていたのって
その時期だけなんですよね。

メジャーデビューアルバム、“Borrowed Time”('82)の時点で既に
古典的なブルースハードロックへ回帰する傾向は顕著でしたし、
続く“Canterbury”('83)はより広角な振れ幅を持ったアルバムでした。
因みに僕は(前にも書いたけど)“Canterbury”こそが
DIAMOND HEADの白眉であると思っています。

そういう経緯を知っていれば
“Death and Progress”というアルバムが
“Borrowed Time”と“Canterbury”の間
(プラス解散後の2人のキャリアで培われた音楽的エッセンス)に
位置するものだということが理解できるのですが、
それを分かった上でもいささか地味な印象は拭えなかったよな…。

本作、今改めて聴くとリリース当時よりもすんなり耳に馴染みます。
バンドが当時目指していたベクトルは決して間違っていないと思いますし、
曲の出来だって悪くない。

う~ん…なんか周りの盛り上げ方(というか崇め奉り方というか)が
間違っていたんじゃないかなぁ、と
そんなことを考えてしまいましたね、僕は。
俺ってマニアだからさ~(笑)
みたいな当時のLars Ulrichの姿勢について批判する気はありませんが、
やはり通好みのバンドは通好みのまま
そっとしておいた方が良かったんじゃないか?
その結果再結成が実現しなかったとしても
それはそれで良かったんじゃないか?
…なんていう気持ちが沸々としてしまった僕でありました。

Death and Progress / DIAMOND HEAD / 1993
Death & Progress

Death & Progress

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Castle Music UK
  • 発売日: 1994/10/18
  • メディア: CD


上掲、'08年版の再発CDも段々見掛けなくなってきましたね。



しかし、今更こんなネタで長い作文するのも大概どうかしてるよなー(苦笑)。
コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0