帝国興亡史 [日々聴く音楽]

前回IQを題紀しましたがそこから当然のようにPALLASへと流れまして、
“The Sentinel”('84)絡みの音源を整理しながら聴いていたのです。
で、これはいっぺんここにまとめておいてもいいかも、なんて思ったものですから。
以前にも何度か書いていますので一部重複がありますがその点はまぁ、
大目に見てもらって。

じゃ、アルバム制作の時系列に沿っていきますよっと。

The Journey to Atlantis
plstjunytalts.jpg

'20年にbandcampで公開、頒布されたアーカイヴ。
トータル53トラックという膨大な物量で“The Sentinel”というアルバムが
出来上がるまでの過程を詳らかにします。

01.Eyes in the Night Rough Mix
02.Shock Treatment Rough Mix
03.Cut and Run Rough Mix
04.Ark of Infinity Rough Mix
05.Atlantis Rough Mix
06.Rise and Fall Rough Mix

は'13年に“The Sentinel Rough Mixes”として発表されたもの(CDリリース有)、

11.Scrolls Demo
12.Flashpoint 2 Demo
13.The Cell Demo
14.Cut and Run Demo
16.A New Age Dawns V2 Demo
17.Ark of Infinity Demo
18.Calm Before the Storm Demo
19.East West Demo
20.March on Atlantis Demo
21.Atlantis Demo
22.Rise and Fall Demo
23.Christmas in Atlantis
24.Reprise
25.Shock Treatment Writing Phase(後半部)

は'02年に“The Sentinel Demos”としてCD-R化され、
'13年に“The Sentinel Rough Mixes”と同様デジタルDLが開始されたものと
同一トラック(再デジタル化の際幾らか音質改善はされているように感じます)。

他のトラックも単なるアイディアフラッシュからは一歩進んだセッションが殆どで、
ブツ切れコマ切れのパターンも多いのですが
聴いていてそこまで退屈はしないと思います。



で、“The Sentinel Rough Mixes”をベースに'84年にリリースされたのが

The Sentinel
pallas2.jpg

便宜上これを(リリースレーベルより取って)Harvest盤と呼ぶことにします。

A1.Eyes in the Night (Arrive Alive)
A2.Cut and Run
A3.Rise and Fall
B1.Shock Treatment
B2.Ark of Infinity
B3.Atlantis

米国アトランタで録音された本作はラフミックスと同様
大御所Eddy Offordによってプロデュースとミキシングが行われています。
しかしどうやらEddy Offordは同時進行で製作されていた
BLACKFOOTの“Vertical Smiles”にばかり力を入れていたようで、
バンドはその状況が大層不満だったとのこと。

このHarvest盤については'15年にワーナーミュージックジャパンが
初めてSHM-CD化(しかも廉価版だった)しましたが、
オリジナルと同様6曲のみの収録、
しかもリマスター無しということでやや物足りない。
せっかくなら'09年にParlophoneがデジタル販売したヤツを聴くのが吉かと。
なんでかってぇと

07.Crown of Thorns (シングル“Eyes in the Night”カップリング)
08.East West (シングル“Eyes in the Night”カップリング)
09.March on Atlantis (シングル“Shock Treatment”カップリング)
10.Heart Attack (シングル“Shock Treatment”カップリング)
11.Cut and Run (BBCセッション)
12.Shock Treatment (BBCセッション)
13.Rise and Fall/Heart Attack (BBCセッション)

と、7曲もオマケが付いているのです。
08~10の3曲は後述の完全盤にも収録されていますがミックス違い、
そして07が聴けるのは今のところオリジナルの12"レコードとこれだけなので
マニアは凄く嬉しいのだ。
勿論'81年“Arrive Alive”に収録されたのとは別録音です。
07についてはアルバム“Arrive Alive”のCD
('98年以降に再発された黒基調のジャケット)の
ボーナス(6曲目)として聴くことができます。
リマスターによる聴感上の違いは勿論ありますが
トラックとしては同じものです。
11~13については全くの初お目見え(耳聴こえ)ということで
こちら大変興味深い。
このParlophoneバージョンは
今もiTunes等普通にリストされているので難なく聴けます。
なんならワーナーのフィジカルの方が今や入手困難かも。



-さて。
Harvest盤に不満のあったバンドは'92年に本作をCD化するに当たって
上記3曲を追加し“Rise and Fall”を2パートに分割、
曲順を入れ替えミックスをやり直して全10曲のアルバムとしてリリースします。

01.Shock Treatment
02.Cut and Run
03.Arrive Alive
04.Rise and Fall (Part 1)
05.East West
06.March on Atlantis
07.Rise and Fall (Part 2)
08.Heart Attack
09.Atlantis
10.Ark of Infinity

これをここでは完全盤とします。
アトランティス帝国をテーマに据えたコンセプトアルバムとして
本来バンドが目指したアルバム像はこちらだったのですと。
以降'00年、'04年の再発についてもこの完全盤スタイルが踏襲されました。
…まぁバンドの言い分は分かるんだけれども
最初にHarvest盤を聴いちゃった身からするとこの完全盤、
正直なかなか馴染めなかったとをここに告白しておきます。



と、またも大概需要の無さそうな(しかも読みにくい)作文をしちゃった訳ですが、
僕は全然反省とかしていないので悪しからずご了解くださいw

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