古いヤツ2枚 [日々聴く音楽]

Le Voyageur Immobile / BAHAMAS / 1976
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いやまぁ当然こんなの全然知らなかったし初めて聴いた訳ですよ。
どのジャンルの型にもいまいち奇麗にハマらない据わりの悪さが通底しつつ
ミュージシャンとしての技量(曲作り、演奏)の高さで全てを捻じ伏せる力技。
…なんだコレ凄く面白いじゃん。
普通にプログレとして聴いてもオーケーだし
超捻くれポップとしても興味深い内容だと思います。
ただやっぱりこれ1枚しかアルバムを残せなかったというのも宜なるかな、
って感じもいたします。実に好事家向けの1枚ということになりましょう。

フランスの4リズムは有名シャンソン歌手のバックバンドだったのだそうで、
いわゆる手練れの集まりなのは間違いありません。
そのうちキーボードのDominique Perrierは
Jean-Michel Jarreの中国公演('82)に帯同して以降
'90年代までのアルバムを手伝っていて、
本盤ボーナスの2曲はそのJean-Michel Jarreとの共作曲です。
そしてベースのDidier Batardは本作リリースと同じ'76年、
HELDONの“Un Reve Sans Consequence Speciale”の録音に参加しており
以降“Interface”('78)、“Stand By”('79)と
後期HELDONのボトムを支えることになります。

-で、この再発盤がbad reputationから出ているというのが
これまたちょっとしたびっくりポイントでありまして。
確かにフランスのレーベルではありますがbad reputationっつったら
基本欧米の(やや渋めの)メタル再発レーベルってイメージが強かったので。
いやー、本作はなかなかナイスな再発でありました故
今後はこっち方面ももっと積極的に発掘して欲しいと思います。



あ、そうそう、長らく聴いたことがなかったと言やぁ

Wet Dream -2023 Remix / RICHARD WRIGHT / 1978
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うん、コレはその、順番を間違えてしまったことによる不幸ですよね。
小僧だった僕はPINK FLOYDメンバーのソロ作を聴くに当たって
David GilmourからNick Massonの順に行っちゃったのです。
Dave Gilmourはまぁ、概ね予測の範疇ではあったものの
Nick Massonについてはなんだこりゃ!?って感じで
(当時はカンタベリーやジャズロックなんて全然好きじゃなかったんだもの)
両者共に(僕の好きな)プログレじゃねぇじゃん、と。
当時まだソロを出していなかったRoger Watersについては
Ron Geesinと一緒にやったサントラ“The Body”('70)しかなくて
アレもちょっと、どうせ小難しいんだろうという先入観が
素直に聴くことを阻害しちゃったのです。
…で、Rick Wrightには遂に手が延びなかった、という訳でございます。

僕これ最初に聴いたのっていつだろう?
多分国内盤CDが出て暫くしてから中古で買ったんだよ。
だから少なくとも'94年より数年後のことだと思います。
なんだよコレは聴かなきゃダメだったんじゃん、と
苦笑したのは言うまでもありません。
バンド崩壊後はRoger Watersにボロ糞言われ続けた
Rick WrightとNick Massonですが実際は全然そんなことはなくて、
特に本作を聴くにつけPINK FLOYD的な音楽要素に対する
Rick Wrightの貢献ってのは相当高かったんじゃないかと考える僕です。
そしてSnowy WhiteとMel Collinsを起用したのは
完全にRoger Watersに対する恨み節って感じで、
その怨念がそこここに垣間見えるのが
本作をある種特別な1作に仕立てているのだと思います。

今般再発は毎度お馴染みSteven Wilsonのリミックス。
毎度この人の仕事はオリジナルのバランスを大きく崩すことなく
明瞭でクリアなサウンドをパーン!と前面に押し出してきます。
さすがにBlu-rayまでは行きませんでしたけれども、
ドルビー・アトモスの再生環境があるならちょっと聴いてみたい気もします。


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