新シリーズ 盤無き好作 その1 [シリーズ作文]

bandcampってのは本当の底なし沼なので
深みにはまるとかなりヤバいのですが、
まぁ僕のような者にとっては大変居心地の良い処でございます。
で、日々アレやコレやと探っていますと
時々おっ!と声を上げるようなアルバムにぶつかることがあります。
今までもそういうヤツについて書いてきましたが、
そうした中でもフィジカルの無いものについて
シリーズ化してみたらどうだろう、と思いついちゃったのです。

物理盤が無いということは
当然ながらレコ屋というチャンネルが使えないということなので、
これは(特に我が国では)広く知ってもらうことに対しての
大きなディスアドバンテージに他なりません。
まぁ広く知らせるということについて
このブログが果たす役割は完全なる「無」でありますが、
捻くれ者の好事家がこのネットの最果てにおいて
こんなイイのがあるのにどうせ皆聴いたことないんだろwとほくそ笑む、
そんな底意地の悪いシリーズになればいいな…なんて思っています。

-では、いってみよう。

Sense Reversed / MASTER KEY / 2013
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ギリシャの2人プロジェクト。
ドラマーのNikos Tavalionとそれ以外全部担当のTakis Tavalionは
名字が同じなのでやっぱり親族の類なのだろうと推測します。
こちら現状での唯一作となりますが、これCDがあったら
国内の各専門店は絶対放っておかなかったと思います。

ド頭から滂沱の如く流れ出すメロトロン、
そしてこれでもか!とガンガンに泣き叫ぶギター(ちょっと喧しい)。
歪んだオルガンが間を繋いだ後は次々と表情を変えつつ展開する
王道ド真ん中のクラシックなシンフォニックプログレ。

こころして聴くべし ↓



フェードアウトは個人的にちょっと気に入らないけれど
今どきこれを正面から思いっきりぶつけてくるのが凄いよな。
完成度はすこぶる高く9分半がアッという間。
他の3曲もそれぞれ長尺(一番短くて7分ちょい)で、
トータル全4曲33分のオールインストゥルメンタルが
グイグイと聴き手の耳を惹き付けます。

マルチ奏者のメインがギターであることは間違いないと思われ、
一部にメタル由来の歪みサウンドが散見(聴)されますが
それとてがっつりオールドスクール(せいぜい'80年代)なので
あまり気になりません。
キーボードの音色についてもアナログ時代に拘っているのが
一目(聴)瞭然で、実に徹底しています。
逆に申せば、
これを(シンフォ)プログレと言わずしてなんとする?
という固い信念がアウトプットを明瞭化しているんだな。

いやこれ10年前の一作ですが大変見事なアルバムですよ。
正味の話、好作どころか間違いのない傑作でしょう。
これが見逃されていたというのは実に勿体ない話。
願わくばこのMASTER KEYが新たな創作に向かってくれれば…
と、そんな風に思う僕です。

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