幾つかフォローアップをば [過去エントリーの訂正・補遺]

ここのところ短文書きっ放しのエントリーが多かったので
(書きっぱなのはいつものことですが…)少しでも補っておこうかと。


■名は音を現わす

7月26日に書いたKATATONIAの“Dead End Kings”が届きました。
これが期待以上の出来で、基本いつものKATATONIAではありますが
今までよりもメロディの表情が豊かで、コーラスワークの小技も効果的です。
そして常にメタルであることを決して諦めない歪みギターと重たいドラム。
僕はこういうのこそゴシックメタルって言うんだと思います。
過度に豪奢なオケかましてソプラノボーカル入れりゃゴシックだろ?
ってのは、全然違うと思うんだよなー。

スウェーデン出身のこの手のバンドの例に漏れず、
KATATONIAもその活動初期('96年くらい迄)においては
Dan Swanoの手を借りていました。
そして、これまた何故かDan Swanoの手を離れると
音楽的に大きく飛躍するんだよね(苦笑)。
このバンドで言えば'99年の4枚目、“Tonight's Decision”で
Jonas Renkseがギャアギャア喚くのを止め、
ふわふわとたゆたうようなメロディを歌い始めます。
ここでちょっと意外だったのは、
Dan Swanoの後を受けてエンジニアリングにクレジットされたのが
Tomas Skogsbergだということでした。
もっと凶暴なデスメタルのアルバムでよく目にする名前でしたから、
こういう、音の隙間をエコーで埋めるような音作りも出来るというのに
とても感心したものです。

さて、僕が本格的にこのバンドに注目したのは'01年の5th、
“Last Fair Deal Gone Down”です。
これはちょっと新鮮なんでねぇの?
と思ったのはそのアトモスフェリックな上モノの味わいと
やたらに重たい低音部とのバランス加減が実に絶妙だったからです。
いわゆるシューゲイザーと呼ばれる音楽とも趣を異にするサウンドで、
とにかく底抜けに鬱々とした感じが非常に印象に残ったんですね。

その後にリリースされたアルバムを聴き続けているうちに
大分耳が慣れてしまった感があって、
前作の“Night is the New Day”('09)辺りはろくに聴いていなかったりしますが
今作については前述の通りちょっとしたブレイクスルーもあって、
僕は相当気に入っているのです。

DVDオーディオの方、
メインメニューを表示する迄の画面演出がやたらトロいこと、
そしてオーディオセットアップの項でMLPロスレス5.1とステレオの表示が
逆になっていたのにはかなりムッとしましたが、
ハイレゾで聴くKATATONIAは、これまたかなりいいですぞよ。

こんなにいいバンドなのに、今まで国内盤で出たことが無いなんて…。
Peacevilleはかつてポニーキャニオンが持っていましたが、
今はどことも契約がないんですね。勿体ないですね。
…まぁ、国内盤出しても大して売れないだろうけど。


■来年の夏、日比谷で演奏してたりして…

8月5日のTHE ALAN PARSONS PROJECTについては、
かなり僕っぽくないチョイスでありました。
…あ、勿論Alan Parsonsが来日するなんて思ってやしませんよ。

つい先日、“Sirius”をヘンなCDで耳にする機会があったものですから。

A Spoonful of Time / NEKTAR / 2012
Spoonful of Time

Spoonful of Time

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Cleopatra
  • 発売日: 2012/09/11
  • メディア: CD


酷く購買意欲を削ぐジャケットですこと。

えーっと…2003年に再結成していたみたいです。
需要があってのことなんでしょうか?
良く分かりません。
大体、イギリス人のバンドなのに
主な活動拠点がドイツだったというのが既に良く分からない。
まぁ、'70年代から英国バンドの出稼ぎ地としての市場が
ドイツにはありましたから、居心地良くて定着しちゃったんですかね?
そして出音もハードロックなのかプログレなのか今いち判然としないという、
誠に中途半端(失礼)なバンドですわね。

そんなNEKTARが
これまたどういうつもりか全く意味不明のカバーアルバムを出しました。
そのド頭が“Sirius”なんですけど、これが微妙に悲しい出来でありまして。
アレンジに大した捻りがある訳でもなく、
かと言ってオリジナルを堂々と演り切ってる感も薄い。
一体どこまで中途半端なんでしょう、このバンドは。

妙に豪華な客演陣が各曲に華を添えてはいますが、
どうにも演ってる曲がミスマッチなんだよね。
Edgar Froeseの“Wish You were Here”とか
Billy Sheehanの“Riders on the Storm”とか…
Bobby Kimballが“Africa”を歌うのはまんまなんですが、
なんで鍵盤がPatrick Morazなのよ?
とかね。

余りに支離滅裂なんで逆に興味の湧く方もいらっしゃるとは思いますが、
老婆心ながら書いておくと
大して面白くないよ、このアルバム。

唯一、BLIND FAITHの“Can't Find My Way Home”ぐらいですかね、
僕がちょっといいなと思ったのは。
Steve HoweのギターとMel Collinsのフルートがかなりいい具合で、
しかしSteve HoweがClaptonを弾くってのも結構意外です。

ともかく、アゴアシ面倒見るったらホイホイと来日しそうな感じじゃありませんか。
夕暮れの野音で延々“Recycled”とかを演奏している姿が
ちょっと思い浮かんでしまいましたよ(笑)。
-まぁ、それもアリっちゃアリだな。
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