栄光への脱出…と言っても今の若い人達には分からんか [日々聴く音楽]

遅ればせながらNEURONSPOILERの2ndをやっと聴いたのだ。
Dissonance Productionsは自国の新しいバンドを
積極的に取り上げていて凄く偉いと思います。
一方再発のセンスは結構謎で
個人的には当たり外れの落差が大きいのですが、
若手の新譜はなるべく拾っていきたい所存。

で、NEURONSPOILERですが、はい、良かったですよ。
本作では“Heart of a Lion”などという珍曲のカバーもやっています。
この曲、元々はJUDAS PRIESTが“Turbo”('86)用に書いたものの
アルバム収録からは漏れ、どういう伝手かは不明ながら
RACER Xに提供されて彼らの2ndアルバム“Second Heat”('87)で
初披露されました。
その後'01年にHALFORDが“Live Insurrection”のボーナストラックとして
スタジオで再録音、Rob Halfordの歌う同曲が世に出ました。
更に'04年にはJUDAS PRIESTのキャリア総括4枚組“Metalogy”に
本家版(デモ)が初収録され、やっとオリジナルが聴けたのです。
取り立てて大騒ぎするような曲って訳でもないのですが、
まぁこれ面白い曲を選んだものだとちょっと感心ちゃったのです。



-そして話は突如として東欧方面へ飛んでいきます。

前回このバンドをMetal Mind Productionsが再発したのは
'06年のことだそうで、あぁそう、もうそんなに経ちますか。
今般の再発はPolskie Nagrania Muza
(由緒正しきポーランド国営レーベル)からということで、
ボーナストラックは収録されていないものの
新規リマスターに期待しての購入です。

で、意外なことに今更2ndにハマりました。

Supernova / EXODUS / 1982
exsupn.jpg



圧倒的高評価の1stアルバムに比して
やれ散漫だのニューウェイブ未満だのと言われる本作ですが、
うん、確かに曲毎のベクトルは散らかっているし
ニューウェイブの出来損ないみたいな部分もあるわねぇ(苦笑)。
しかし今回、世評に惑わされず虚心坦懐に改めて聴いてみたところ
これは大変僕好みの1枚であると。
これはねぇ、立ち位置としてはATOLLの“Rock Puzzle”('79)的な
アルバムなんじゃないかと思うのです。
要するにオールドウェイブの権化たるプログレッシヴロックの限界と
その先の暗中模索ですな。
こうした試行錯誤が共産圏においてなされた結果が本作であると考えると、
なかなかに愛おしいアルバムじゃありませんか。
見方を変えれば本作についてポンプロックのプロトタイプを示した1枚とも
捉えることが出来ましょう。
当時のポーランドは戒厳令下にあって
西側の情報を得ることは非常に難しかった筈ですが、
ほぼ同時代の音楽的変遷を概ね似たようなスタイルで
なぞっているというのが大変に興味深いのです。

もっと細かいところではアルバム6曲目に収録されている
“Wielki wyscig”のニューウェイブ成分が
余りにもSPLIT ENZ(後のCROWDED HOUSE)っぽいということに思い当ったり、
そういう再発見がちょいちょいあってかなり楽しかったのよ。
今まであんまり真面目に聴いていなかったことを後悔しつつ、
今後は1stだけじゃなくてこっちにも積極的に触れていこうと思った
冬の週末でした。



ついでに個人的備忘録。
SACROSANCTの1st、2ndが再発されているらしいので確認する。
なんと新譜も出ているみたいなのでそっちも忘れずに。



あれ?普通にメロディを歌っちゃうのか。
こりゃ昔とはかなり違うみたいだなぁ。
コメント(0) 
共通テーマ:音楽

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。