我ながら無謀な試み [シリーズ作文]

Fishのスタジオ盤について
順番に書いてみようかなぁと思い立ちました。
毎度僕のやることなので途中で飽きる可能性が非常に高く
最後までいけるかどうかは怪しいのですけれど
まぁやるだけやってみます。
やっぱりね、僕にとって大切なミュージシャンですから
その引き際に当たっては
こういうことをしたくなっちゃうのです。

合間に別の話題のエントリーが挟まることも
当たり前にあると思われ、
このシリーズ作文は飛び飛びのアップになるでしょうが
…まぁ気にする人はそんなにたくさん居ないか。



FISHのソロ その1

FishがMARILLIONを脱けたのは1988年。
理由については諸説ありましたがバンドの商業的成功と、
それに係るマネージメントの搾取に対して
Fishがキレたというのが真実のところみたいです。
ツアーの過密化につれてアルコールへの依存度が増すなど、
相当追い詰められていたようですね。

MARILLIONは後任にSteve Hogarthをリクルートし
'89年にアルバム〝Seasons End”をリリースしました。
Fishの1stソロアルバムも同年にリリースするべく
準備を整えていましたが、
MARILLIONとのバッティングを嫌ったEMIは
あろうことか翌'90年まで発売をペンディングしちゃったのです。

-はい、法廷闘争。

Fishの言う「マネジメント側」にはどうやらEMIも含まれていたようで、
この人のソロキャリアというのは
自らの音楽を追求する旅路であるとともに
長きに渡るビジネスとの格闘でもあったのだ。

Vigil in A Wilderness of Mirrors / 1990
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本作参加のミュージシャンで名前で憶えておきたいのは
まずMickey Simmonds(キーボード)、
そしてギターのFrank Usher。
このふたりはその後長きに渡ってFishの音楽を支え、
アウトプットの水準をを規定した
重要なファクターであると言えましょう。

楽曲については、
(〝Big Wedge”に顕著な)ブラスセクションの導入や
出自であるスコティッシュトラディショナルの
フレーズを散りばめるなど新機軸を盛り込みつつ、
一方ではやはりMARILLIONの面影が散見(聴)されます。
Gavin Wrightによるオーケストレーションと
Mickey Simmondsのピアノをバックに歌われる
〝A Gentleman's Excuse Me”が
僕にとっての本作のベストでありまして、
…これはアレだよね、バンドとの決別を
少しくおセンチめかして喩えた曲だよね、どう聞いても。



本作はオリジナルがメジャーからの発表だったこともあり
フィジカルは各国盤が存在しますがバリエーションは大きく2つ。
オリジナル版と、1997年にDick Bros.Record Co.
(次回以降に記述予定)から出たリマスター再発版
(追加ボーナス5曲)です。現状の最新版は2006年の
Chocolate Frog Records/Snapper Music盤
(曲数はDick Bros.盤と同じ)となります。

このボーナストラックで注目したいのは
次作のタイトルトラック〝Internal Exile”の元バージョン。
1995年のコンピレーション盤、〝Yang”で初披露されました。
元バージョンとは言え既にアレンジはほぼ完成されています。
この録音でバイオリンを弾いているのはAly Bain、
アコーディオンとティンホイッスルがPhil Cunninghamということで、
これは分かる人にはギョっとするような豪華な名前らしいです。
僕は門外なので詳しくは割愛しますが
スコッティッシュトラッド界隈の大御所なんですって。



結果として本作はFishのソロにおける最大のヒットとなりましたが、
創作面とは別のところに大きなフラストレーションを
抱えていたというのは当時の聴き手には思いもよらないことでした。

次回に続く。
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