おまけにしてはちょと長い? [シリーズ作文]

FISHのソロ 番外(余談)と総括

まずは余談から。

役者としてのDerek William Dickは
概ね悪役ばかり演じているようで、
やっぱりあの大きな体躯が醸し出す迫力のせいでしょうか。
僕が実際にちゃんと見たのは



これだけですが、ユルめのコメディ映画にあって
ただ独り無慈悲な(だいぶ間抜けてもいるのですが)
バイオレンスを披露しています。
映画の感想については

※関連エントリー '13年7月3日
 「ぼちぼち暑いのかしら…」

をご参照いただければ(上掲と違うトレイラーも貼っています)。

この関連作文については訂正と補遺がありまして、
まず僕が購入したDVDについてはNTSCではなくPALです。
うちのDVDプレイヤーは
PAL方式も普通に再生出来るヤツだってのを
完全に失念して作文しちゃってますね(←アホ)。
それからamazonのリンクについて。
'20年末の現在もまだ流通在庫はあるようですが
僕が買った頃に較べるとかなり値段が上昇しています。
注文履歴を見たら、僕これ¥2,000弱で手に入れてました。

続いて補遺。
〝Electric Man”の監督、David Barrasは
〝A Feast of Consequences”(その11)DX版に付属する
DVDに収録されたドキュメンタリー映像の
プロデュースと監督も務めており、
それぞれの発表時期からしても
両者が一連の流れで制作されたのは間違いないでしょう。

その他、Fishの役者業については
「ハイランダー 悪魔の戦士」('86)への出演
(MARILLIONのサントラ参加も含む)や
「ブレイブハート」('95)のオファーもあったとのことで、
両方とも結果的には流れてしまいましたが
もしも実現していたら…妄想すると結構楽しいよね。
特に前者、現実ではQUEENがサントラに楽曲を提供した訳で
あれの替わりにMARILLIONてのはとても興味深い。



余談をもうひとつ。

※関連エントリー '20年7月28日
 「久し振りにサブウェイ食ったら美味かったのでまた行こうっと」

にも貼りましたが



この曲について。
耳で聴くだけではなく歌詞を読めるようになって
Fishの意図するところを勘違いする恐れがほぼ無くなったので、
これ、PV映像も含めてロマンチックななラブソングのように
捉えられてしまいそうですが実は全然そうじゃないんだよ
ということを書いておきたかったのです。

'16年にFishの父親が亡くなり、
独り残った母の世話をするうちにこの曲を着想したそうで、
テーマはズバリ、認知症(の早期発症)。
これを踏まえて歌詞を読むとかなり分かり易くて、
男(夫)はもはや彼女(妻)のことを
思い出すことが出来ないままそこに佇み、
彼女もまた記憶の幽霊とともにそこから動けずにいる。

〝Garden of Remembrance”って曲名は、
つまりそういうことなのです。

PVに映るガラスの壁がコロナ禍にあって
図らずも別の意味を持ってしまったことはFishも認めていますが、
これは元々記憶と認知を阻むものを表していたのです。
映像の後半、壁の切れ目で男女は抱擁しますが
よく見るとそこはただの切れ目でしかなく、
すぐそこにまたもやガラスの壁が続いているんだよね。
壁の切れ目は本当の救いなんかじゃないのだ。
結局ふたりはずっと、そこに居るまま。

この曲は確かにある種のラブソングではあるのだけれど、
同時に物凄くペシミスティックでリアルなトーンを含んでいるのです。



-という、
ややしたり顔(ヤダねぇw)の余談から続けて総括します。

だらだら長々と書いてみて改めて感じたのは
Derek William Dickという人の胆力の強さです。
シリーズをざっくり読み返してみると
基本的に「別離」の歌ばかり歌ってるんですよね、この人。
ほんと、お前は井伏鱒二か!?と突っ込みたくなるくらい。
そしてその別れがプライベートであれビジネスであれ、
Fishは全く挫けずに次を目指して突き進んで行く。

そんな徹底的なリアリストでありながら
作詞表現に(異常に)長けているもんだから
アウトプットは示唆に富んでいて聴き手を唸らせてしまう。
これまさに芸を為す術を備えているってことですわ。
だからこそ上掲PVで見せた涙と
肩に乗った妻の手に触れる姿は(勿論演出を含みつつ)
Fishの「老い」を確実に感じさせるもので
なんともやるせない気持ちになりますことよ。

まぁ、いずれにしてもFishの音楽活動はこれで終わりです。
'70年代のプログレ全盛期に乗り遅れた僕ら世代に
リアルタイムでプログレを経験させたMARILLIONから始まって、
今日までずっと変わることなき僕のフェイバリットであり
もう新作が出ないとしてもこれから先ずっと旧譜を聴き続けるのだ。



…うーん、これちゃんとまとまってるかしら?
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