思ったより早く出た [新譜]

前回作文についたshinmei_tくんのコメントに返信する中で
「他ジャンルからの流入」と書きましたが
コレはちょっと違うかも知れんと思い直したりして。

Nick BeggsもMartin Beedleも、
Nathan KingやJakko Jakszykだって
きっと元々プログレが好きだったのだと思うんです。
ただ、'80年代にそれをやってもレコードなんて出せないし
メシが食えないという厳しい現実があって、
それでもミュージシャンを生業とするためにそれぞれ選択をして
それがヌルいポップミュージックやフュージョンだった。
で、時を経てやっと自分の好きなことが出来るようになったと、
そういうことだったりするんじゃないかなぁ、なんて。

まぁ、どうでもいいっちゃどうでもいい話。



Without Notice / BEND THE FUTURE / 2021
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なんとも言えないジャケですが(苦笑)。
フランス産、割と硬派なジャズロックバンドの2ndアルバム。
前作については'20年2月16日に作文。
丁度その頃から散発的に新曲を発表していて
そのどれもが非常に良かったので
本作に対する期待度はかなり高かった訳ですが、
これはその期待に違わぬ1枚だと言えましょう。

去年の秋口にはソプラノサックス奏者が加わったようで
アルトサックスと合わせて2人サックス体制に。
このバンドの特徴としてかなり大胆にフィーチャーされる
スラブ系のメロディというのがありまして
(メンバーにそっち方面の人が居るっぽい)、
管が増えたことでこの特徴はより際立ったと思います。
そして本作を支配する演奏の圧倒的なスピード感
(≠曲のテンポ)は個々人、及びバンドの急速な成長を
顕わしているものだと感じました。
音楽的にはデビュー作のベクトルを真っ直ぐに延ばした
アウトプットということで間違いないのですが、
バンドの成長度合いが物凄く飛躍的なので
その到達点にはかなりの差があるように聴こえます。
これを要するに「大化け」ですな。

いやー、コレはとてもエエど!



アルバム冒頭曲。
去年の9月にこれが先行で配信された時点で
僕は既にぶるぶると震えていたのです。

アルバムを聴き進めるにつれて
後半はややメロウなスタイルの曲が固まっていますが
それはそれで実に良いのだな。
全く甘さのないメロディにコンテンポラリーな音響。
えも言われぬ不穏さと諦観。
んー、まぁあんまり明るい気分になれないのは確かですが。

トータル40分ちょいというボリュームはやや控えめながら
(僕としてはこれくらいが却って丁度いいんだけれど)、
上記単発曲の中には幾つかアルバム未収録のものがあるので
それ等を合わせればなかなかの聴き応えです。

物理盤は…GWには間に合わなさそうですかね。
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