前回作文の続きっぽい話 [過去エントリーの訂正・補遺]

いや自分でも意外な程にPaul Menelの名前を書く回数が多くて
俺そんなに好きだったっけ?と自問したりして。
んーまぁ、きっと好きなんでしょうねw
じゃあPaul Menel期のIQについてざっくりまとめてみるってのはどうだ、
と、そんなことを思いついたのです。



1985年、2ndアルバム“The Wake”リリース後の過酷なツアーと
それに伴うバンド内の緊張状態を嫌ってPeter Nichollsが脱退、
IQは新たなボーカリストを探します。
そこでリクルートされたのがPaul Menelという訳ですね。

バンドはMenelとのリハーサルをツアーのマーチャンダイズとして頒布します。
僕がちょいちょい話題にあげる“Nine in A Pond Is Here”('85)です。
この2枚組LPは8曲のリハーサル音源と
7曲のフラッシュアイディア(主にMike Holmesのペンによる)を収録していて、
後に('89年)フランスのMSIが前者8曲をCD化したようですが
(バンドの許可は得ていないとのこと)、僕としては丸ごと全部聴きたいのですよ。
実家にはこのレコードが多分まだ残っている筈で(売っちゃった可能性もありますが)、
いっぺんちゃんと捜してみる必要があるなぁ。
これねぇ、確か西新宿キニーで買ったんだと思います。
いや、エジソンだったかな?いまいち記憶がハッキリしませんが。
いかにも海賊盤な装丁で、今の様に情報が充実していませんでしたから
それがオフィシャル盤だとは露ほども思わなかったな。

1987年、IQはPaul Menelをフロントに据えた新作“Nomzamo”をリリースします。
英国ではVertigo、その他欧州ではMercuryの配給ということで
堂々のメジャーリリースでありました。
一部楽曲に商業的成功への色気が見え隠れするのは確かですが
実は基本路線に大きな変更はなかったりします。
本作を嫌う人達ってのは恐らく、アレンジがシンプルに整理されたことで
聴感上やたらとスッキリしていることに違和感を覚えるのだと思います。
そしてプロデューサーにKen Thomasを起用したことで
また別の違和感を生んだような気もします。
Ken Thomasはどちらかと言えばエンジニアとして有名な人ですが、
PSYCHIC TVみたいなサウンドメイクを持ち込んでみるという意図が
バンド側にあったような気がするのです。結果あんまり上手く行ってないけどさ。



続いて'89年には“Are You Sitting Comfortably ?”を発表。
このアルバムについては'18年1月17日の作文に周辺情報を中心に記しました。



こちらは憧れ(?)のTerry Brownをプロデューサーに迎えて
前作よりもややプログレ側に揺り戻したスタイルで聴かせます。
楽曲については歌詞に限らず
メロディにもPaul Menelのインプットが大きいように感じます。
因みにこのアルバムでIQは国内盤デビューを飾っていますな。
今更なんで?って感じでしたが
これもメジャーリリースのお蔭ってことだったのでしょう。

しかしこのメジャー在籍時、レコ社からは十分なサポートを得られなかったようで
Paul Menelはそうした状況に幻滅したみたいです。
結局'90年にPaul Menelはバンドを脱け、
そしてIQ出奔後にNIADEM'S GHOSTで思うような結果を残せなかった
Peter Nichollsが復帰するというなんとも言えない結末を迎えました。
翌'91年にはPaul Menelのステージを記録したライブ盤“J'ai Pollette D'arnu”が
バンド自前のレーベルであるGiant Electric Peaからリリースされ、
以降IQはGEPをベースにリリースを重ねることになります。

IQ在籍5年、2枚のスタジオアルバムはいずれもメジャーリリースでありながら
今に至るまで評価が定まらないという微妙な立ち位置で、
脱退以降の活動もぽつりぽつりといった感じなので
どうにもその存在が曖昧になりがちなPaul Menel。
しかし歌い手として物凄く魅力的な声と歌唱技術を持っていることは間違いなく、
またメロディメイカーとしてもとても優秀だと思うんだよね。



 ※曲は'12年のソロアルバム“Into Insignificance I Will Pale”より。
  '20年、コロナ渦にあって医療従事者に対する感謝を示すために
  アップされた映像だと思われます。

うん、やっぱりそろそろ新しい曲を聴きたいかな。
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