ユーロロック三昧 [日々聴く音楽]

I Want / PLUS 33 / 2023
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'20年のデビュー作(未聴です)に続く2枚目のアルバム。
フランス東部、ストラスブール出身のバンドは
鍵盤奏者のDidier Grillotを中心として結成されました。
インストゥルメンタル主体の4リズムをベースに
各種管楽器や声(語りやスキャット)が加わります。

ジャケットからなんとなく想像されるところは瀟洒なアヴァンスタイルですが
その実かなり王道のシンフォニックロックで、僕は結構驚いちゃったのだ。
Didier Grillotは各種シンセサイザーサウンドを駆使しつつ
根本的にはピアニストであることの自己同一性を強く主張しています。
管楽器が主旋律をとるパートでエレクトリックピアノ
(あんまりRhodesっぽい音ではないけど)やオルガンの音色を合わせて
ちょっとジャジーな雰囲気を醸し出したりして、
細やかなアレンジのセンスが非常に良いですな。

アルバムは長尺3曲の合間を小曲で繋ぐ全5曲。
2曲目の“To Know”はアコースティックギターのソロ、
4曲目“ Ouvrir la Fenetre”は語りをメインに
鍵盤がバックグラウンドにふんわりと流れます。
そして長尺3曲についてはいずれも(一部些か強引な展開も含みつつ)
練り込まれた構成の起承転結がプログレ耳に大変心地よく、
最長ほぼ20分の3曲目“To Have”は
几帳面にメロトロンで締め括るお約束も素晴らしい。

なんかふいに現れた本格派って感じで聴き応え充分、
これはかなり楽しいアルバムだと思います。
フィジカル(CD)あり。自主盤手売りと思われます。



Bokeh / LOGOS
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'20年4作目に続いての本作は純然たる新作ではなく
バンドの初期2作をまとめてリミックス、リマスターしたもの。
今までフィジカルリリースの無かった両作ですが
今般めでたく初CD化となりました。

で、ちょっと気になることがありまして、
勿論ジャケットのカメラとアルバムタイトルについてです。
前作“Sadako E Le Mille Gru Di Carta”が日本の史実をテーマとしていたので
まさか、と思ってバンドのステートメントを読みましたところ…
うん、やっぱりこの“Bokeh”ってのは「ピンボケ」の「ボケ」で間違いないようです。
曰く“Bokeh” means out of focus.だそうで。
初期作についてはまだバンドとしての焦点が定まっていなかったこと、
そしてそれを古い写真のように感じてこの題としたのですと。
ふむ、なかなか面白い発想で納得性も高いですな。



しかしBokeにhが付いてしまうと
我々日本人には「このボケェ!」ってニュアンスに読めちゃうのですが、
これは黙っていた方がいいんだろうなぁ…。

※以下'23年11月22日追記
もの知らずって恥ずかしいですね。
Bokehってのは写真用語として全世界の共通語になっているんですって。
へぇえ、そうなんだ。
だけどさぁ、やっぱりhは要らない気がするよねぇ(負け惜しみ)。
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