ピエロの指さし確認 [泡沫盤]

岩塚製菓のえだまめあられが美味くて困る。いや、別に困りはしない。
最初 ↑ タイトルにしようと思ったんですけど中身と関係なさ過ぎだと反省。

ここのところBON JOVIとかそんなんばっかり聴いていたのでここに書くことが…
'80年代当時、思いっきり馬鹿にしていた
人気ミュージシャンの音楽をちゃんと聴き直してみると
こりゃ人気になるのも当然だわなって(今さらながら)感心します。
どれもこれも、ホントに良くできてるんだコレが。

そんな中、無理繰りで

Guerrers de Mitjanit / DOCTOR NO / 2009
docno.jpg


ジャケットを見ただけで中身がなんとなく聴こえてきますでしょ。
因みに1stアルバムのジャケットにも道化師は登場しております。
スペインはカタロニアの5人組、これは2枚目のアルバムです。
'09年に自主制作されたものを'11年に仏MUSEAが再発していますが
やっぱりなかなかに流通は弱い感じです。



意外性ゼロ。しかもジャケ絵から想像される通り色々ちょっと安い(笑)。
オランダのSI MUSICが元気だった頃ってこういうバンド一杯居たよなぁ…
なんて、懐かしく思い出したりして。

本作については一部の楽曲(具体的には4曲目)に露骨な引用があって
そういうのはちょっといただけないのですが
それでもふと何気なく、ついつい聴いてしまう不思議な1枚です。
自分でも謎なのですが、多分僕はこのアルバムが凄く好きなんでしょう。
カタロニア語のやたらと据わりの悪い譜割りとか実はそこそこ達者な演奏技術とか、
そういうのがなんかこう、妙に引っ掛かるんだよね。

1stアルバムも全くの同路線ですが、本作の方がまだ手に入り易いと思われます。
まぁコレ欲しいって人はそうそう居ないか。
バンドは本作のリリース後ほぼ活動停止状態のようで、うん、そりゃ残念ですな。


どうしよう…コレだけで終わりじゃちょっとアレかな…
ここ数日届いた中ではJack Lancasterの“Carnival Of The Animals”も
(“Peter And The Wolf”とは結構趣が違うので最初戸惑いますが)良かったけれど
何か書けるかっていうとそうでもないしなぁ。
うん、こりゃしょうがない、今日は終わろう(笑)。
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強烈にツ~ンとくる [泡沫盤]

突如頭に浮かんでしまったものの、
年末このタイミングで書くネタじゃないだろうと一旦は思ったのです。
しかしすぐに作文しないと忘れてしまうような気がしたので、やっぱり書きます。
久々にかなーり泡沫な1枚です。

-まずはちょっと枕で引っ張りますよ。

「ソイレント・グリーン」と言えば
僕らの世代がまず思い浮かべるのは'73年のB級SF映画でしょう。
東京12チャンネルの、平日昼間の映画放映枠で見たという人も多い筈です。
もう少し上の世代の方はHarry Harrisonの原作(の邦題)、
「人間がいっぱい」というタイトルを覚えているかも知れません。
逆に時代を下ればビデオRPG「ゼノギアス」の、
お話のネタとして初めて触れた人達も居ると思います。

はい。で、音楽の方に話題を移しますと
ソイレント・グリーンの名前で大概に認知されているのは
米国New OrleansのSOILENT GREENということでまず間違いありますまい。
しかしこれ意図的なのかどうなのか、
字面が“SOILENT”ってのはちょっと違うんです。元の綴りは“SOYLENT”なの。
そんな、SOYLENT GREENなんて名前のバンドあるのかよ?
と問われれば、あるんですねコレが。オランダの5人組、'99年の唯一作が…

Nutrient / SOYLENT GREEN / 1999
soygr.jpg


この、物凄い出オチ感が漂うジャケット。
僕はこれ最初に見た時思わず吹き出しちゃったもの。
緑色の食品の缶詰め→ヤマコ印の粉わさびという発想がもう圧倒的に凄いのですが、
デザイナーのSarah Melcionさんは一体どこでこの缶を手に入れたのか?
という疑問がふつふつと沸いてくるじゃありませんか。
ヱスビー食品とか金印とか、他に有名なヤツは一杯ある筈なのに何故このブランド?
ヤマコ印を改めてネットで調べてみてもちっとも引っ掛からないのです。
恐らく物凄くローカルな商品なのだと思われ、
そうなるとますますその入手元が気になっちゃうという…
うん、実にどうでもいい話ではあるな(笑)。

とにかくこのジャケットだけでご飯1杯半はイケる(?)本作、
実はVAPから国内盤CDが出ていたという驚愕の事実がございます。
僕が実際に持っているのもこのVAP盤(中古の見本盤)です。
今はもうなくなってしまった月光堂 自由が丘店で買ったの。
昨日のエントリーに書いた通り、ロケーションで覚えていることが多いのだ僕は。

いやしかしまぁ、なんでこんなの出したんでしょうねぇ。
確かにドラマーのJos Zoomerは元VANDENBERGなので
無理からハードロック枠で売ろうとしたってことなんでしょう
(帯にもそんなようなことが書いてある)が、
実際に演っているのは



コレだもんで…っておい!これMASSIVE ATTACKの曲じゃねぇか!!

なんてぇ突っ込みも、メタル界隈からは出来よう筈もなく。
更にアルバムにもう1曲入っているカバーは
STEVE MILLER BANDの“Fly Like an Eagle”と、
もう全く訳の分からないバンドなのです(苦笑)。

そしてYouTubeってばほんとに、探せば大抵のものは見つかるよねぇ。

えーと、いずれにせよオーソドックスなハードロック成分は薄く、
当然ながら全く売れませんでした。
まぁ多分別ジャンル方面からアプローチしても結果は同じだったと思います。
時代的にオルタナだポストロックだってのも
(Steve Millerをカバーしておいてポストロックもなんもあったもんじゃないけどw)
段々通用しなくなってきた頃のリリースで、タイミング的に些か遅かったよね。

しかしこの正体不明で胡散臭い感じは実に、実に僕好みじゃござんせんか!
…いや、だからって普段は殆ど聴きませんけどね。
中古盤店に弾があればほぼ間違いなく3桁円で手に入ると思いますが、
さすがに最近は余り見掛けなくなっちゃいました。
まぁ、普通はこんなの要らないわな。



と、いうことで
年末の挨拶をした後にこのエントリーはどうなんでしょう。
折角書いたのでアップはするけど。
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ドゥームすみません [泡沫盤]

僕の目論みとしては、前回エントリーに続いて今回はフランスものを…
という流れにしたかったのですが思っていたより全然書けませんでした。
そろそろこれ、またプログレのターンに突入か?
なんて思っていたのですが、んー、困ったねぇどうも。
いや、別に困りゃしないか。

てな訳で、今日もイタリアものを1枚。

To Below and Beyond / BLACK OATH / 2015
To Below & Beyond

To Below & Beyond

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Domen
  • 発売日: 2016/04/29
  • メディア: CD


最初のリリースは去年の暮れだったようですが
配給元を変えて'16年春に出し直したということみたいです。
どっちにしろ今になるまで出ているのに気付かなかった僕であります。
駄目じゃん。

'11年9月28日のエントリーで1st、
'13年7月8日のエントリーで2ndについて書いています。
3枚目となる本作では過去作における積極的な試行錯誤を踏まえて
いよいよバンドサウンドをガッチリ固めてきました。
うん、これは堂々たる勝負作であると言えましょう。
根本はヨーロピアンドゥームの王道を邁進しつつ
今回はより広義のヘヴィメタルへと振れ幅を拡げてきた感があって
これが実に、実に良いのです。

主因は間違いなくメンバーの交替によるものと思われます。
ベースが抜けてギタリストが加入、
ボーカル+ギターがボーカル+ベースにスイッチしました。
-で、この新加入のギターがですね…



まぁこれ遠慮会釈なしにピロピロと迸っています(笑)。
しかしこれが全く違和感なくバンドの個性として溶け込んでいて
物凄くカッコイイんですよ。
控え目に言ってもこのギターによってバンドの格は
一段上にシフトしたと思います。

そしてこのアルバムは全体を通してどの曲も大変出来が良い。
全8曲中、5分を下回るのはイントロダクションと
間奏曲的位置づけのインストゥルメンタル2曲のみ。
残りは全て7分越えの長尺曲が並びます。
然るに僕のような衰えた耳の集中力を切らさず
最後までキッチリ聴き込ませるんだから、こりゃ大したもんですよ。

これねぇ、ちゃんと紹介されたら日本のメタルファンにも
ばっちり訴求するタイプだと思うのですが
まぁそんなんココに書いても全く意味ないもんねぇ(苦笑)。
しかし、本作を好事家の慰みに留めておくのは余りにもったいないと思います。
凄いアルバムなんだよ、ホントに。

加えて、つい先日新しいEPが出たとの情報を得ましたがまだ国内は
どこにも扱いがないようです。
なんかPAGAN ALTARのカバーを演ってるみたいで
これは是非聴いておかなければいけません。

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あー、10日は結婚記念日だなぁ。 [泡沫盤]

しかし夫婦そろって何年目なのかハッキリ覚えていないという(笑)。



ちょっとばかり間が空きましたがDEMON3連発ということで、今日はコレだっ!

Welcome to the Real World / DAVE HILL / 1993
Welcome To The Real World

Welcome To The Real World

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Spaced Out Music
  • 発売日: 2014/10/14
  • メディア: CD


前回“Taking the World by Storm”をamazon.とリンクさせる時に
よもや他も再発されてるってことはないよねぇ?
と思って調べてみたら…
SPACED OUT MUSICが'14年に出しておりましたよ。
勿論すぐさまポチりましたがな。

こちらもがっつりリミックスされております。
その方向性は“Taking the World by Storm”と同様、
エコーを減じて真ん中をファットに盛り上げるというもの。
ボーカリストのソロ作でありますから歌が前面に出る感じは至極真っ当ですが、
オリジナルミックスの冷たい耳触りと微妙にアレなジャケット ↓

dave hill.jpg

が醸し出す、一種独特な寂寞感が感じられなくなったのは
果たして良かったのか悪かったのか?まぁ、好みの問題だとは思います。

'92年にアルバム“Blow-out”をリリースした後バンドは一度解散します。
Dave Hill曰く、疲れちゃったんだそうです。
本作がソロ名義なのはそういう事情があってのことです。
しかし、Mal Spooner亡きあとずっと活動を共にした
John Waterhouseはこのアルバムでもちゃんとギターを弾いており
(本作を最後に袂を別かちますが)、
“Blow-out”でオミットされた鍵盤類もしっかり復活している辺り
Dave Hillの創作意欲はさほどダメージを負っていなかったように感じられます。

バンドのディスコグラフィにおける優先順位は低いものの、
関連作として外せない1枚であります故この再発の意義は大きいと思います。
今般追加された3曲のボーナスも佳曲揃いで、
いやぁ、気が付いて良かったですよ、ホント。



今日はこんなもんですかね。
盤は毎日のようにちょいちょい届いておりますが、
ここに書き記すようなタイトルがないのです…
例えばOPETHの新譜とか、僕なんかがとやかく言うのもおこがましいでしょ。
プログレ方面もコレだっ!て僕的にピンとくるのが最近なくてねぇ。

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早く涼しくなんないかなぁ [泡沫盤]

ここ数日、'80年代半ば頃までの英国製産業ロックを
取っ替え引っ替え聴いておりました。
大西洋を挟んでも、やっぱりBON JOVIの登場前後でなんらかの線引きが
できるのは間違いなさそうです。
しかしこの辺のヤツは僕なんかより
よっぽどマニアックに聴いている人がいらっしゃるでしょうから
どなたか詳らかに記述してくれないかという他力本願。

で、そんな中頭抜けて印象的だったのは

Grand Prix (The First Album) / GRAND PRIX / 1980
Grand Prix

Grand Prix

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Rock Candy
  • 発売日: 2009/10/26
  • メディア: CD


我が家にあったCDは'00年にZoom Clubが再発した盤でしたが、
今回聴いてあまりに良かったので'09年のROCK CANDY盤をすぐさまポチったという。
そして3枚目の“Samurai”('83)ではなくこれを選ぶ辺りの偏屈さ(笑)。

バンドのデビュー作でありながら演奏や出音の安定感、各楽曲の完成度は異常に高く
実にプロフェッショナルで玄人好みのアルバムだと思います。
逆に弾けるようなフレッシュさみたいなものはあんまり感じません。
これをして「地味」と一言で切って捨てることもできますが
僕はこういう、AOR的な中庸さも産業ロックの重要な一側面であると考えます。
で、そういうアウトプットを当然のようにやってのける
バンドのミュージシャンシップは相当高いレベルにあって、
なんというか、色々と「巧い」んですよね、この人達。

加えて本作にはストリングスアレンジにRay Russellという
些か意外な名前がクレジットがされておりまして、
これがまた凄くいい仕事をしているのです。



ズバリ、名曲ですよ。
これ、無理やりメタルの範疇で括らずに
もうちょっと違う軸で評価したらいいと思うんですよ。
まぁ、その後のメンバーの活動歴も含めてなかなか難しいとは思いつつ。

主な動向をざっくり記すと
本作のみで脱退した歌い手、Bernie Shawは
PRAYING MANTIS絡みでごにょごにょした後URIAH HEEPへ。
後任のRobin McAuleyは後年、Michael Schenkerと組んで有名になりました。
この人の気張った時のダミ声が、僕はちょっと苦手です。

残る演奏陣は全3枚のディスコグラフィにおいて不動でした。
メインソングライターの一人、鍵盤弾きのPhil Lanzonはバンド解散後も
Robin McAuleyを含むメンツでの活動継続を模索したようですが…
夢破れて(?)URIAH HEEPへ加入後、Bernie Shawをリクルートしたのは
間違いなくこの人でしょうね。
因みに両名とも現在に至るまで現役で活動中です。
僕は'80年代以降のHEEPを殆ど聴いていないのでここでは何も書けませんが。

我が国でGRAND PRIXといえばどうしても“Samurai”の話題に終始しがちなところ、
捻くれ者が無理繰り別のアルバムを推してみたかったという話です。
更に白状しておきますと、
僕はRay Russellのジャズはほぼ全く聴いたことありません。
そこそこちゃんと聴いたのはせいぜいRMSくらいで、
ROCK WORKSHOPも一回聴いて
良く分からん、っつって放り投げた記憶が(苦笑)。
結局、Gary MooreがRay RussellとMo Fosterの共作曲である“So Far Away”を
ライブでとりあげたのでその頃('84年辺り)上っ面をちょっと齧っただけなのです。
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なんにしてもB級が好き、と [泡沫盤]

'15年9月14日のエントリーに記した…っと、
今見直したらYouTubeのリンク切れてるじゃん(直しておきました)。
あ、えーと、コレ↓のことです。

Crimson Stone / MULTI STORY / 2016
Crimson Stone

Crimson Stone

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Imports
  • 発売日: 2016/07/29
  • メディア: CD


無事にリリースされたということで、早速買うてきましたよ。
バンドアンサンブルは大変良くこなれているし
録音も思ったより全然ちゃんとしているし、
なにより往時を彷彿とさせる懐かしいアナログシンセの音色が
バンバン飛び出してくるのが嬉しくて、
ぼかぁアルバムを聴きながら終始ニヤニヤしっ放しでした。
いま一つ煮え切らないメロディも実にこのバンドらしく、
これぞB級ポンプの鑑のような1枚(いや、褒めてるんだってば)。
ポンプロックという言葉に思い入れがある聴き手にとっては
辛抱堪らん1枚とうことで間違いないですよコレは。

THIRD QUADRANTとか、ここのところこっち方面のリリースが充実しているので
とても嬉しい僕です。



話変わって、長閑な再発の話。

Stand Up and Be Counted / NIGHTWING / 1983
Stand Up & Be Counted

Stand Up & Be Counted

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Prog Temple
  • 発売日: 2016/08/05
  • メディア: CD


これまた英国産B級ハードロックバンドの3枚目。
NIGHTWINGについてはNUTZ絡みで以前名前を挙げています('14年1月31日)。
'02年の再発盤はZoom Clubのかなり怪しいヤツだったので
今回Prog Templeからのリリースは大変嬉しいことであります。
ズバリ、垢抜けないMAGNUMって感じで悪くないのだ。

で、これの何がのんびりなのか言えば-
Prog Templeは本作に先駆けて2nd“Black Summer”('82)も再発していますが、
そのリリースは2014年…と、うん、これ、ちょっと間が空き過ぎじゃね?
このバンドについて、Gull Label時代のアルバムは
全部再発して欲しい訳ですが(本当は1stも欲しいの)
このペースだと“My Kingdom Come”('84)が'18年、
更に次のライブ“A Night of Mystery - Alive ! Alive !”('85)は
'20年まで出ないってことになっちゃうのかぇ、と。
それはさすがに遅すぎるわー。

本作と次作はボーカルがMax Baconなので
セールス的にもちょっとだけ華がありますから
なるべく間を空けずに出して欲しいのよ。
特に4枚目“My Kingdom Come”ではSteve Hackettの“Cell 151”をカバー、
加えて同作よりシングルカットされた“Night of Mystery”は
そのHackettのプロデュースによるということで、これを要するに
GTR結成に至るひとつの伏線(Max Baconは間にBRONZを挟みましたが)
となった1枚ですから聴きたい人だってそれなりにいる筈でしょう。

取り敢えず“Stand Up and Be Counted”の到着が8月頭ということなので
楽しみに待ちますが、ほんと、その先も是非お願いしたいです。

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以前も似たようなことを書いた気がしますが [泡沫盤]

DIAMOND HEADの新譜はちゃんと国内盤も出るんですね。めでたい。
しかし各方面、Sean Harrisを未だ「シーン ハリス」って表記するのは
いい加減止めなさいよ。
Sean Conneryは決して「シーン コネリー」とは言わんでしょ?



なぁんてどうでもいい嫌味を書いていたら…んっ!こっここ、これは!?

Metal Massacre XIV / VARIOUS / 2016
Xiv

Xiv

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Metal Blade
  • 発売日: 2016/04/08
  • メディア: CD


じゅじゅじゅ、じゅうよんですって?
このシリーズはてっきりX('89)で終わったものと思っていました。
しかも今我が家にあるCDを並べてみたら
IX(正確にはVIIIとIXのカップリング盤)までは見つかったけれど
Xがどこにもないじゃありませんか(泣)。

-情報の少なかった時代、
貧乏学生が未知のバンドのレコードを買うに当たって
「いかにハズレを回避するか?」というのは最重要課題でありました。
そこで重宝したのがレーベルサンプラーのオムニバス盤です。
予めこれに投資することで概ねの目星を付け、然る後バンド単独のアルバムに
手を出すというのが非常に有効な方法だったのです。

で、このレーベルサンプラーには2種類ありまして
ひとつはバンドのデモを寄せ集めて作る「青田刈りスタイル」。
もう一方は既発アルバムからの曲をまとめた「カタログスタイル」。
前者の場合、各バンドの評判を見てからイケそうなバンドだけを
単独デビューさせれば良いので
諸々の費用を抑えられるというのがレコ社側の利点です。
後者は文字通りカタログとしての役割を果たしますから、
聴き手が気に入ったバンドのアルバムを
すぐに購入できるという時間的なメリットがあります。

メタル界隈においてはどうしても“Metal for Muthas”('80)の
商業的成功というのが大きくて、同じ「青田刈りスタイル」で
2匹目のドジョウを夢見るマイナーレーベルが後を絶ちませんでした。
かたや「カタログスタイル」では英MUSIC FOR NATIONSの“Hell”シリーズや
同じ系列、UNDER ONE FLAGの“Speed Kills”シリーズという
優れたサンプラーも存在しましたが、やはり主流にはなりませんでしたねぇ。

で、この“Metal Massacre”シリーズは
米Metal Blade Recordsによる「青田刈りスタイル」のサンプラーです。
競合Shrapnel Recordsから“U.S. Metal”シリーズってのも出ていましたが
僕は専ら「メタルマサカー」ばかり聴いていました。
当時単独で何枚か買った後に、IからVをピクチャーディスクに仕立てた
限定ボックスセット('84)が出たんで大枚はたいて買い直したんだよね。
初期レーベルマークのアイロンプリントと缶バッジがオマケで付いてるの。
metalblade.jpg
↑このデザインね。今見てもこれは超カッコイイと思うんです。
このボックス、まだ実家のレコード棚にある筈です。

その後も上記の通りCDで揃え直したり、
相当しつこく追いかけていたつもりでしたが…だって、
best of mm.jpg
↑こんなのもいちいちちゃんと買ったんですよ、僕。
左は本家アメリカのチョイスによるベスト盤('89)、
そして右が日本独自編集のベスト盤です('98)。
特に右のやつ、ビクターはどういうつもりでコレ出したんでしょうね?
全くもって意味不明の珍盤です。

然るに。
ふと気付けばXIVってのは一体どういうことですか!?
もうねぇ、悔しいからすぐ調べましたけどね。
XI→'91
XII→'95
XIII→'06
ときて、今年漸くXIVが出たんですね。実に10年振りです。
いやー、こりゃ散発過ぎてどうにもならんわい。
慌てて探したところXIIIの新品在庫を見つけたのでXIVと一緒に
即注文しましたが、行方不明のXと見たこともないXI、XIIを
揃えるのはなかなか難易度が高そうです。
程度の良さそうな中古をぼちぼち捜索するしかないんだろうなぁ。

それと、XIIIの収録ラインナップを見て気になったことが。
CELLADORだのTHE BLACK DAHLIA MURDER、
果てはSIX FEET UNDERにBOLT THROWERとくれば
'06年当時既に何枚もアルバムを出しているバンドです。
これはアレ、いつの間にか「カタログスタイル」に
宗旨変えをしたってことなのかしらね?
ちょっとねぇ、気になりますよこれは。

と、まぁ、些か熱くなって勢いでわーっと作文した僕です。
恥ずかしながら、久し振りに“Metal Massacre”という名前に触れて
フガフガと鼻息荒く興奮しちゃったのです。
今現在、この手のレーベルサンプラーが果たす役割ってのは
大して重要ではないのだろうと思いますが、
XIII、XIVが到着したらまぁ、じっくりと聴いてみます。

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サクッと短い [泡沫盤]

去る1月27日に書いたヤツが予定よりひと月ほど遅れて先週末に届きますた。

Nightmare Theatre / EXORCIST / 1986
Nightmare Theatre

Nightmare Theatre

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Hi Ro
  • 発売日: 2016/05/13
  • メディア: CD


1枚目のCDは「父ちゃん」版と「息子」版なる名称を戴いたミックス違いで
アルバム全編が2回繰り返されます。正直、両者の違いは良く分かりません。
多分「父ちゃん」がオリジナルミックスなのだと思われます。

そして2枚目のCDにもアルバムの別ミックスである「不浄な魂」版と
多数の未発表曲が収められています。
うーん、都合3回も連続で聴くほど良いもんではないけどね(苦笑)。

…しかぁし。
CD2の「不浄な魂」版はベーシックトラックに当時の録音を残しつつ
明らかに新しく録り直したのであろう上物が足してあって
これがなかなか面白い出来になっています。
曲によってはかなり別物に変身していてそれが結構カッコイイんだよね。
なにしろDavid DeFeisがノリノリで作業した感じが伝わってくるので
とても楽しく聴けますことよ。



えーと、ところでHIGH ROLLERさん、
このEXORCISTに続いてWARLORDも2枚組にするんですって?

http://www.hrrecords.de/high_roller/sites/release_detail.php?id=661

“And the Cannons of Destruction Have Begun”('84)と
“Holy Empire”('13)も2枚組にするみたいで、
ぼかぁ一体何枚WARLORDのCDを買えばいいのだ!?
大体今、俺んちに何枚の“Deliver Us”('83)があるというのか!!
なんかこの間も紙ジャケのボックスセット買ったばかりな気がするど??
…と感嘆符と疑問符が連発される事態となっております。

うん、まぁ、どうせ買うんですけどね。

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あれ?梅雨ってまだだっけ? [泡沫盤]

またもや放っぽらかしであいスミマセンねぇ。

チミチミとWALKMANに音源を取り込み続けて云ケ月。
都合1,200枚くらい入れてんのに、128GBのmicro SDにはまだ6GB強の余裕がありまする。
しかも本体内蔵の64GBはまだ全く手つかずという。
んー、分かっちゃいたけど完全に聴き切れない量ですねコレは(笑)。

で、先日ふと
そうだ、SAVATAGEを入れよう!
と思った訳です。ハイ、勿論Jon Olivaが歌っているアルバムだけね。
前にも書いたかも知れませんが、僕にとってSAVATAGEというバンドは
米国産のカルトなオカルトメタルという認識から始まっているので
(WARLORDとか初期のLIZZY BORDENなんかも同じ分類です)、
Zak Stevensの歌うアルバムは(勿論高品質だとは認めつつ)
ちょっと普通過ぎて詰まらないのですよ。
やっぱりさぁ、やっぱりCriss Olivaの邪悪なギターリフと
Jon Olivaの、あの癖の強いハイトーンボーカルが揃ってこそのSAVATAGEでしょう。

もっと言っちゃうと、僕はPaul O'Neillが長期に渡って
バンドと並走したことについても疑問を呈するものです。
確かに世紀の傑作、“Streets A Rock Opera”('91)が
Paul O'Neillのプロデュース無くして
産まれなかったであろうことについては全く異論ありません。
だけどさぁ、その後ほぼ全てのタイトルがコンセプトアルバム化しちゃったのは
(勿論Jon Olivaの意向も強かったのでしょうが)、
それはちょっとどうだったんだろうなぁ…と思うのですよ。

Paul O'Neillが関わる以前には“Fight for the Rock”('86)なんつう
なかなかの凡作もあるのであんまり偉そうには言えませんが、
まぁねぇ、アレはAtlantic Recordsとバンドが一緒になって
商業的な夢を見ちゃったんでしょうねぇ。

…と、ここまで書いてみて。
このバンドの特殊な人事事情について理解がないと良く分からない作文ですねこれ。
うん、もちろんそれについての説明は一切書きませんけれども。

Power of the Night / SAVATAGE / 1985
Power Of The Night

Power Of The Night

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Edelr
  • 発売日: 2011/03/25
  • メディア: CD


マニアックなオカルトメタルバンドが突如メジャーディールを手にした戸惑いが
楽曲そのものに滲み出ている感じで、非常に興味深い1枚。
もっと明け透けにアウトプットの結果を「中途半端」の
一言で片付けることもできます(苦笑)。
そういう点では明らかに売れ筋を探った“Fight for the Rock”に
中途半端さは微塵もないんだよね。凡作だけどね。
で、僕はその中途半端さも含めて本作が大好きなのです。

当時は、Michael Schenkerの牙城に迫る
Criss Olivaのギタートーンに凄く興奮したものです。
アメリカ人なのにこの音は凄ぇ!
とか適当なことばっかり言ってましたなー。

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白夜の国からコンニチハ [泡沫盤]

30年前からずっと聴いている癖にメンバーの名前をちっとも覚えていない、
そんなバンドが少なからずあります。所謂'80年代北欧メタルってヤツの、
アルバムを1枚出して消えて行った人達なんかはその典型です。



Biscaya / BISCAYA / 1984
biscaya.jpg


我が国におけるこのバンドの愛され方というのは
これはちょっと異常なんじゃないかと思うほどです。
'84年にLPレコードが発売されて以降'96年には世界初のCD化、
そして'07年に再度のCD化(紙ジャケ)と
実に3度も国内盤がリリースされています。
このクラスのバンドとしては相当珍しいケースではないかと思います。

基本伊藤政則がラジオでかけたアルバム冒頭の“Howl in the Sky”と
“Summerlove”(こっちは僕、あんまり良いと思わないけどね)の2曲ばかりが
もてはやされた訳ですが、当時においても些か古臭いハードロックは
確かに日本人好みのするベタなメロディがだだ漏れる好盤であります。

しかし捻くれ者の僕はこのアルバムの「B面」こそがバンドの真骨頂だと思っています。
“Sunrise”から“Wall”を挟んでインストゥルメンタルの
“Divine Lady of Warmth”にもっていく流れが実に良いんだよね。



うん、やっぱり“Summerlove”よりも断然こっちじゃないかと。

えーと…RCAは今SMEが持ってるのか。
これ、このアルバムBlu-spec CDで紙ジャケ再発とかしたら僕、
性懲りなくまた買いますよ?



Fire Breaks the Dawn / PROUD / 1984
proud.jpg


これはね、原盤がEMIスウェーデンだったというのがラッキーでしたよね。
「情炎の白夜」というおよそ意味不明な邦題で国内盤LPが出ましたし、
'93年の、これまた世界初のCD化も日本のEMIによるものでした。
現在は'08年に米OLD METAL RECORDSから再発されたCDが
比較的入手し易そうですが、
プレスミスによって音飛びする盤があるらしいので注意が必要です。

正直、本作についてはあんまり印象に残っていないのです。
それこそアルバム冒頭の“Star Fighter”を伊藤政則がラジオで流して
ちょっと火が点いた的なアレで、
しかしアルバム全体としては非常に渋好みの1枚でありました。
例えばBISCAYAと比較してどっちがメタルか?って言ったら
そりゃもう圧倒的にPROUDなのですけれども。
鍵盤を導入せず徹頭徹尾ツインギターで押し通したのは潔かったけれど、
録音の安さと併せてどうにも地味~な印象が強いんだよね。



Universe / UNIVERSE / 1985
universe.jpg


一方こちらは原盤レコ社が北欧ローカルだったため国内発売が叶わなかった1枚。
Sonet Recordsは'56年に設立されたスウェーデンの老舗ですが、
元々ジャズをメインとした会社でロックにはあまり強くなかったようです。
実際'80年代はSPELLBOUNDとこのUNIVERSEくらいしか
ドメスティックなメタルバンドの扱いは無かったみたいですね。
このレコードは当時西新宿の専門店で買いましたが
割とあっという間に見かけなくなりましたよね。
やっぱり数が少なかったんでしょうね。

そして本作は同社によって'95年にCD化されましたが
それもあんまり日本には入っていないと思います。
故SOUNDHOLICが輸入盤に帯と解説を付けて国内流通させたりもましたが、
まぁせいぜい数百枚ってところでしょう。



実にオーセンティックなハードロックで、凄く良いアルバムなんですなこれが。
Sonetは現在UNIVERSALの傘下であるらしく、だったら
SPELLBOUNDと併せて「'80s北欧メタルコレクション」とかっつって出しゃいいのにね…。
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