書きたいことを書く(原点回帰) [泡沫盤]

前回エントリーをアップした後、少しく我が身を省みたのです。
あれ?俺前にBRONZとか、なんならOUTFIELDとか書いてなかったっけ?
…と。

Virginia Wolf / VIRGINIA WOLF / 1986
Virginia Wolf

Virginia Wolf

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Rock Candy
  • 発売日: 2010/03/30
  • メディア: CD


勿論、今回の流れとしてはAIRRACEから順番に聴いたのですが
やっぱり僕個人としてはこっちの方が好きだなぁ、と。

AIRRACEのデビュー作“Shaft of Light”('84)で
鳴り物入りのプロキャリアをスタートさせたJason Bonhamでしたが、
「John Bonhamの息子」に世間が期待したアウトプットとは
遠くかけ離れた産業ロックがレコードから響き渡った瞬間
全世界で壮大なズッコケ(故・聖日出夫スタイル)が
起きたであろうことは想像に難くありません。
一方当時の僕はSLAYERやMETALLICAを聴くのに忙しかったので
ハナからスルーした訳ですが。
あー、これ僕初めて聴いたのはいつだったっけか?
BONHAMの1st('89)から遡ったのかなぁ…いまいち良く覚えていませんが。

なにしろ今聴くと物凄く良く出来たアルバムで、
マイナーチューンやブルース風味の織り交ぜ方などは
VRIGINIA WOLFよりAIRRACEの方が優れていると思います。
しかしこのアルバムが商業的な成功を収めることは出来ず、
AIRRACEは解散の憂き目に。
そこで諦めなかったのがJason Bonhamという人の胆力、
捲土重来とばかりに結成されたのが本件VIRGINIA WOLFであります。

本作についてはあからさまにAIRRACEを反面教師とした
サウンドプロダクションが顕著で、
僕がこちらを好む一因となっています。
やっぱりAIRRACEで起用したBeau Hillの仕事は
オーバープロデュースだと判断したのでしょう、
このアルバムではDavid RichardsとQUEENのRoger Taylorが
プロデュースを務め、
途端に落ち着いたブリティッシュ風味がドン!と前に出ております。
産業ロックとしては物凄く地味になっちゃいましたが
AORとしての完成度は俄然増しています。

加えてボーカル、AIRRACEのKeith Murrellに比して
ややハスキーなChris Ouseyの声もまたアダルトな趣で、
いや、両名とも良い歌い手だと思いますが
飽くまで個人の好みとして、ね。

-更に。
メインソングライターはバンドのギタリスト、
Nick Boldでありますがこの人ちょっと過小評価過ぎやしませんか?
物凄く良い曲をバンバン書いていたのに
その後のキャリアに乏しいのは、僕はちょっと納得いかないです。



で、やっぱり歳取るとこうなっちゃう、と(笑)。
まぁなんだ、コレはコレで大いにアリだわな。

今改めて考えれば
そもそもバンド名からして実にイギリス由来でありますし
(当然僕はVirginia Wolfの著作など全く読んだことがありません)、
諸々己の出自に対して自覚的意識が働いているのは
間違いのないところであると言えましょう。
これを要するに、アメリカに媚びることを良しとしなかった
英国産地味渋AOR決死の1枚が本作であると。
…なんかちょっと大袈裟かなぁ。

バンドは翌'87年に2ndアルバムをリリースするものの
いずれも売れることはなく、
失意のJason BonhamはJimmy Pageの“Outrider”('88)の録音に参加した後
例のAtlantic40周年ZEPを経てBONHAM名義での活動を開始、
よりベタなブリティッシュロックへと向かったのでありました。
自らの因果を受け入れたってことなんだろうなぁ。



などと書いてはみたものの…アレです、僕、
LED ZEPPELINにはなんの思い入れも無いのであった(笑)。

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分水嶺からの下り坂的アルバム [泡沫盤]

Animal Grace / APRIL WINE / 1984
野獣の叫び+1(紙ジャケット仕様)

野獣の叫び+1(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • 発売日: 2016/08/24
  • メディア: CD


SAMSONの“Don't Get Mad Get Even”と並んで
レンタルレコード屋メタルコーナーの肥やしとして思い浮かぶアルバム。
いやもう本当に、只の一人も借りていないんじゃないかってくらい
全く人気無かったよなぁ。
まぁなにしろジャケットからして全然メタルじゃないし、
売り文句としてやたらとプッシュされるトリプルギターも
別にそんなにピンと来なかったし。

モンスターズ オブ ロックの初回('80)に出演したことで
我が国でも知名度を上げ
翌'81年のアルバム“The Nature of the Beast”が
キャリアのハイライトとなりました、
…ってことで大体間違いはないと思います。
バンド自体は'69年にカナダで結成されており、
'70年代中後半には単発の中ヒットが幾つかあったようですが
日本での注目度はほぼ皆無であったと思います。

そんな感じでありましたから
僕もこのバンドをリアルタイムでは殆ど聴いていません。
'16年にUMJがCapitol Records期の5タイトルを紙ジャケで再発した時に
初めて買ったものの、最近まで部屋の隅に積んであったという(苦笑)。

-で、ちゃんと聴いてみたらこれが全然良かったですよ、という話です。
ロッケンロールベースのハードロックを基本としつつ
時代に即したサウンドを取り入れてコマーシャルにも耐えうる高品質。
キャッチーな歌メロやコーラスワークも良く練られていて、
いやコレいいバンドじゃん。
しかし我が国のハードロックファンが好んだ様式からは
やはりやや距離があり、当時はなかなか評価が難しかったであろうことも
容易に想像できます。

これを要するにR&R由来、トリプルギター、産業ロックフレーバー
ということで、僕の脳味噌は瞬時にAPRIL WINEをBLUE OYSTER CULTと
紐付けたのであります。特に本作については'80年代のBOCに近く、
うん、そりゃ日本じゃ人気出ないよなぁ。
逆にあの頃のBOCが好物だという方々には
このバンドも堪らなく良い筈です。


※映像、何故か音盤よりピッチが低いです。

ふむ、時代的には同郷Aldo Novaを彷彿とさせる部分もありますね。
プロデューサーは…なんとMike Stoneですか。超売れ線狙いじゃん。
うーむ、こりゃ満を持しての1枚だったんだなぁ。
結果は残念なことになっちゃいましたが。

まぁしかし、僕はこのCD買って良かったです。
実際、この先もちょいちょい聴くと思います。

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珍にして妙 [泡沫盤]

Ella USA / Ella / 1994
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マレーシアのロックの女王だそうです。現在も現役のようです。
恐らく当地での人気は相当高いと推測されます。
どういうアレかは良く分かりませんが
本作は先日Universal Music Sdn. Bhd.(マレーシア)によって
リマスター、ボーナストラックを2曲追加して再発されました。

うん、で、お前なんでこんなん聴いてんの?と問われれば、
本作のプロデューサーが山本恭司だと知ったからであります。
'94年と言えばWILD FLAGでの活動が煮詰まっていた頃ですが、
へぇ、こんなこともやっていたんですねぇ、と。

今回このCDを購入するに当たってクレジットを読み解くのに
ジャウィ文字で表記されていたら完全にアウトだなぁ…と
思っていましたがラテン文字だったので助かりました。
今はこれが当たり前なのかも知れませんが
なにしろマレーシア盤のCDなんて初めて手にするもので。
楽曲毎の演奏者についても詳細に記されていたのは嬉しかったです。

-結論、このアルバム面白いよ。
山本はアルバム全12曲中10曲の作/編曲に絡み
(うち単独での作曲は6曲)、勿論ギター演奏も。
全般にはしっとり系バラードからVOW WOWっぽいハードロックまで
バラエティに富みつつ、ロックアルバムとして
ちゃんと成立していると思います。

そしてこのアルバムには
山本恭司の他にもギタリストが演奏に参加しています。
クレジットによればMichael Thompsonですと…



わー、実に懐かしいじゃありませんか。
最近はあんまり名前を聞かなくなったけれど…と思って
ちょっと調べてみたらとんでもない、
今やジャズ、フュージョン界隈でバリバリご活躍中でした。

更に、今般再発のボーナストラックが実に興味深いのです。
アルバム収録曲のインストゥルメンタル版なのですが、
カラオケというほど安っぽいアレではなくて
ボーカルトラックをギターに置き換えたもの、というのが正確かと。
山本恭司とMichael Thompsonがそれぞれ1曲づつ
リードを取っていますが、コレが相当良いのです。
どうやら本作リリースと同年に企画盤としてリリースされた
インスト盤があるようで、この2曲はそこからの抜粋みたいです。
…そっちも出してくれませんかね…。



ベタなマイナーハードロックは↑1曲だけなので
ご興味を持たれた方はこれを一つの判断材料にしては如何かと。
勿論他の楽曲でも山本恭司らしいギター(音色、フレーズ共に)は
たくさん聴けますがね。

いずれにせよネタ盤と呼ぶにはレベルの高すぎる1枚で、
少なくとも僕は相当楽しく聴きました。
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不意にこういうのがどうしても書きたくなるの [泡沫盤]

先日の作文をした後、僕は少しく反省したのです。
ネットで調べたらすぐ情報が出てくるようなヤツじゃ
ここのブログ的にはいまいち駄目なんじゃないかと。
もっとこう、なんか無いのかぇ?っつって
我がCD棚を漁ってみたらこんなん↓ が出てきましたが、
今日はコレいってみましょうか。

Keeper of the Sacred Fire / MEDICINE MEN / 1992
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さあ、どうだ!?まずそもそも、
僕はなんでこれを買おうと思ったのかがちっとも思い出せません。
どこで買ったのかも全く定かでない。
そして中身について…は意外なことに覚えていて
3曲目の“Shine”という曲がコンパクトなポップチューンとして
良く出来ていたのでそこそこ頻繁に聴いていたのです。
続く4曲目の“Take Me Back”というアコースティックバラードも
割と好きだったなぁ。

全体的にはやや古臭いハードロックを
時代に沿ったサウンドプロダクションで
リバイバルさせたかったんでしょうねぇ。
バンド名からするともっと土着的なアレを想像しがちですが
そういう要素はほぼ感じられず、なんか拍子抜けした記憶があります。
PAUL REVERE & THE RAIDERSの“Indian Reservation”なんて曲を
やっておりますが、これとてネイティブアメリカン「風」なだけで
もしかしてこれは失笑もののカバーなんじゃないの?と。

加えてクレジット周りから分かることはバンドがトリオであること、
ミキシングにPaul Northfieldを起用していること、
そして録音がニューヨークで行われていることくらいです。

で、検索を始めてみたのですが…

本作のリリースはBMG傘下のSAVAGE RECORDSからということで
一応メジャー流通に乗った1枚なのですが
このバンドとアルバムのことは調べてみても殆ど引っ掛かりません。
本当に、どうにもならんくらい出てこない。
メンバーの個人名やらなんやら、色々試みてみたのですがほぼ外れでした。

唯一参考になりそうだったのが何故かChicago Tribuneの紹介記事。
アーカイブには'93年4月22日の日付が入っています。
で、この評が物凄く辛口で厳しいのです。
満点星4つに対して本作が獲得したのは星1つ半。
レコ社はなんでこんなのリリースしちゃったのか?
(意訳)とまで書かれいます。

この評を書いた人も“Shine”だけはイイと言っていますね。
そして“Freeway Runner”という曲は
THE CULTの“Sun King”にそっくりだ、と。
上記“Indian Reservation”については
「馬鹿げたヒット曲の不必要なカバー」と
バッサリ切って捨てられています…ホント、容赦ねぇな(苦笑)。
しかしTHE CULTとの比較はこのバンドの音楽を表すに当たって
かなりいい線を突いていて、
この評者只者ではないぞ、と妙に感心してしまった僕であります。

この記事から判明したのはバンドがモントリオール出身であること。
あぁ、カナダのバンドだったのか。
なるほどPaul Northfieldのクレジットも腑に落ちるなぁ。

-と、そんなところで、以上、お終い。
思ったよりは書けた気もしつつ、
データ面ではあまり役に立ちませんねこりゃ。

僕はこのCD、正体不明のまま今後もたまーに聴くと思います。
だって、そこまで酷くはないと思うのですよ(笑)。
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こっちはなんともなってない [泡沫盤]

Akustik / PENTAGRAM / 2017
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7月5日に書いて以降も各所をこまめにチェックしていますが
どうにもCDが見当たりません。
あんまりにも悔しいからDL版で全曲の感想を書いてしてやろうかしら!?
途中でイヤになったらご免なさい…あー、どうせ誰も気にしてねぇわw
簡単な前段としては、トルコの超ベテランメタルバンドが
結成30周年を記念してリリースしたアルバムです。
過去作の楽曲をアレンジして新たに録音した
いわゆるアコースティックアルバムですね。
バンドについてのもうすこし詳しいところは
'11年5月4日のエントリーをご参照いただければ。



Apokalips
目下の最新スタジオ作“MMXII”('12)より。
のっけから重たいピアノのイントロが実に良いのです。
オリジナルもイントロはアコースティックに滑り出すのだけれど、
そちらはギターとベースをメインに据えたアレンジなのが大きく異なります。

“MMXII”からバンドに加わったGokalp Ergenの歌は
前任のMurat Ilkanよりも更に落ち着いたミドルトーンなので
この手のスタイルにはとても良くマッチします。
因みに本作では基本的にオリジナルアルバムで歌ったボーカリストが
それぞれを歌い直しており、それもバンドのファンには嬉しいところです。


Gecmisin Yuku
こちらも“MMXII”から。
うーん、この歌メロは完全にアコースティックアレンジの方が映えますね。
逆にギターソロはエレクトリック(オリジナル)が強烈に泣いています。
いやーしかし、そこを差し引いたとしても
このアコースティック版はかなりの名曲ですぞ。


Uzakta
同じく“MMXII”より。オリジナルは捻くれたメロディが
やや煮え切らない印象で(それがダメだって訳ではないのです)、
ちょっとLOUDNESSの“Mr.Yes Man”みたいな…分かりにくくて申し訳ないのですが。
アコースティックにしたことでエキゾチックな印象はやや薄れ、
ちょっとプログレっぽい雰囲気が表出しています。
これは双方を聴き較べるととても面白い曲ですね。


No One Wins the Fight
2ndアルバム“Trail Blazer”('92)の収録曲。
当時のPENTAGRAMはTESTAMENTやMORTAL SIN辺りを彷彿とさせる
スラッシュメタルバンドでした。
そんなのアコースティックにアレンジできるんかいな?
と思いましたが概ね上手くまとめているのはさすがです。

ボーカルはOgun Sanlisoy。もはや完全に別ジャンルの曲と化しているので
歌い直しの難度は一番高かった筈ですが、いやぁ、この人巧いじゃん。


Fly Forever
同上“Trail Blazer”('92)より。
これはオリジナルも陰鬱なメタルバラードといった感じの曲でしたから
割とすんなり耳に馴染みました。
こちらもOgun Sanlisoyの歌がかなり良くてびっくりします。
そしてこの曲の肝は、これも客演によるチェロの響きでありましょう。
実に、実に叙情的な編曲です。


Gunduz Gece
'97年リリースの傑作“Anatolia”に収録されていますが
これは元々トルコの吟遊詩人Asik Veysel Satirogluの曲でありまして、
そもそもメタルにアレンジするという発想が既に常軌を逸していたのです。

だって



これですよ?
まぁ、結果'70年代のヨーロピアンハードロックっぽい
かっこいいカバーに仕上がっているのですけどね。

でも本作はアコースティックだしもっとオリジナルに近づいたんじゃないか?
と思えばこれがそうでもなくて、飽くまで“Anatolia”収録の
エレクトリック版をアレンジした体なのが面白いです。

いずれにせよそういう出自の曲だからでしょうか、ボーカルは
Ogun Sanlisoy、Murat Ilkan、Gokalp Ergenの3人が分け合っています。


Anatolia
3rdアルバム“Anatolia”より。
これはバンドが今に繋がる方向性を決定づけた代表曲中の代表曲だと思います。
ボーカルは特別ゲストのSebnem Ferah。
僕は寡聞にして存じ上げませんでしたが
トルコで人気の女性ロッカー(ゴシック方面)だそうです。
調べてみたら凄い美人でした。

しかしこれ、Murat Ilkanは歌いたかっただろうなぁ。


In Esir Like An Eagle
4thアルバム“Unspoken”('01)より。
“Anatolia”を更に一歩推し進めた作風のアルバムで、
押し引きのコントラストをより意識した印象です。
この曲はアコースティックアレンジに全く違和感なし。
ボーカルはMurat Ilkan。

…お察しの通り、段々書くのが億劫になってきています(笑)。


For the One Unchanging
同じく“Unspoken”に収録されていた曲。
んー、この曲についてはオリジナルの方が僕は好きです。
エレクトリックの方がヘヴィメタルらしい勇壮さが感じられるので
聴いていて力が入るとでも申しましょうか。


Give Me Something to Kill The Pain
ここまで曲順はアルバム毎にまとまっていましたが
何故かこの曲でぽつんと“Anatolia”に遡ります。
僕は“Anatolia”を歌えなかったMurat Ilkanがゴネて
急遽1曲足したのではないかと邪推しています。

-話変わって。
このバンドはエレクトリックであれアコースティックであれ
リズム隊がアンサンブルに果たす役割がとても大きい。
Tarkan Gozubuyukのベースはややもすると饒舌過ぎるきらいがありますが、
よく歌うベースラインは正直とてもカッコイイんだな。


Sonsuz
未発表新曲。ボーカルは歴代の3人。
7月5日のエントリーに映像を貼った曲です。
曲名を訳してみたところ「エンドレス」ですと。
この人達はまだまだヤル気まんまんですな。


1stアルバムの“Pentagram”('90)と
5枚目“Bir”('02)からの選曲がないのは残念ですが
前者はあまりに音楽スタイルが違い過ぎること、
後者は“Unspoken”と微妙に収録曲が被っていたりして
(バンド名を一時的にMEZARKABULと変えてみたり)
バンドのキャリアに於けるちょっとした混乱期であったことに鑑みれば
まぁまぁ納得のいくところでしょう。



と、アルバム全曲について書くのは
このブログ初めての試みだったのですが
やっぱり面倒臭ぇなこりゃ(苦笑)。
実際これ書いたところでCDが手に入る訳でもないですしねぇ。
なんていうの、徒労感?
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くしゃみが止まらん [泡沫盤]

あ、いつものように色々説明を飛ばし飛ばし書いているので
今日のエントリーも分かり辛いと思います。ホント、僕は作文が下手糞だ。
悪しからず。



-意外なことに今般の再発が初めてCD化となります。
CASTLE / SanctuaryがNEATのカタログを再発した時に
このタイトルは何故か漏れていたんですね。
うーん、しかしよくこんなの出そうと思ったよね。

Change of Heart / SARACEN / 1984
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Great Barrierって…あ、MAC ARTHURの“II”とかARTCANEを出したトコか。
こりゃ相当インチキ臭いアレだなぁ。
でもやっぱり、僕としてはかなり嬉しいリリースです。
だって、SARACENのディスコグラフィがCDで完成しましたよ。



まぁ、なんてお下品な(笑)。
映像、ちょっと栄養の足りていないFreddy Mercuryみたいな見てくれのボーカルは
'03年に本作から19年振りとなる3rdアルバム“Red Sky”をリリースした後
'14年までに3枚のアルバムを発表しており、要するに未だ現役であります。

このバンドの場合1stと2ndで音楽性がガラリと変わってしまったことで
相当数の聴き手が離れてしまった訳ですが
(ご多分に漏れずポップ化することで
下火になったNWOBHMを生き抜こうとしましたが案の定失敗)、
3枚目以降は(やや1st寄りに)両者の間を往来する折衷スタイルを貫いていて
これが実に悪くないのです。
4、5枚目で大作指向を顕わにコンセプトアルバムを続けて出したのは
ちょっとナニでしたが目下の最新作となる“Redemption”('14)は
色々な意味で「丁度いい」具合に落ち着いていて、
これはNWOBHM残党復活組の隠れた名作だと思うのですよ。

本CDについては一応リマスターを謳っていますが残念ながら音量が足りていません。
良くも悪くもオリジナルに無加工な感じは個人的に評価したいところですが。
加えて8曲目収録の“A Face in the Crowd”は次曲の“Hot Love”を含んで
8分弱となっており、それだけならトラックデータのミスということで済みますが
9曲目として改めて“Hot Love”が収録されているという
間抜けっぷりは如何なものでしょう。
詰まりはこのCD、黙って聴いていると“Hot Love”が2連発で流れてしまうのです。
これはちょっと、製品としての怪しさに拍車をかけるエラーですわな。

いやまぁ、それでも本作が気軽に聴けるようになったのは大変に喜ばしいことです。
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家族の帰省のおみやげはご当地ラーメン [泡沫盤]

喜多方ラーメンとはちょっとだけ違うらしい(正直僕には良く分かりません)。
土日のお昼に作ってもらって(過保護か!)食べましたよ。美味かったです。
しかしこういうの食べるとやっぱり現地の「いさみ」に行きたくなります。
去年のGWは一人でぶらぶらする時間がなかったからなー。



-などという実にデブな導入から前回の続き。
まぁ、実際普段と書いていることは全然変わらないんですけどね(苦笑)。

中古では他にSAMSONの“Refugee”も思いがけなく手に入ってしまい、
なんと後期のディスコグラフィがCDで完成してしましました。
なんだかあまりにジャストタイミングでちょっと気持ち悪かったですが。

しかし本作に収録されているバージョンの“Room 109”も
(エコー処理が深すぎて終わりがちょっと尻切れっぽいけど)良いですねぇ。
この、やや起伏に乏しく展開も平板なインストゥルメンタルは
枯れた哀愁の漂う隠れた名曲であると極めて小さい声で囁いておきます。



7 / SAVAGE / 2015
Live N Lethal/Seven

Live N Lethal/Seven

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Imports
  • 発売日: 2015/10/16
  • メディア: CD


こちらはリリースから2年もの間気付かず。
まぁ、そんな慌てるアレでもないしねぇ…と、
みっともなく言い訳しつつポチった1枚。
前作('12年3月20日エントリー)からのメンバー交替もなく、
地道に活動を続けているようです。

楽曲は全体にやや勢いを増していて、'80年代のSAVAGEを彷彿させる
粗暴なスタイルをチラリと垣間見せたのが嬉しい驚きでした。
ここまでメタルらしいメタルに接近したのはデビューアルバム以降
実は初めてなんじゃないかと。
'90年代以降、このバンドはChris Bradleyの歌心が増した分
逆に大人しくなってしまった印象が強く、
このアルバムの幾らか野卑た感じは聴いていて久し振りに力が入りました。

そして本作にはもう1枚オマケ(?)でライブ盤“Live 'n Lethal”が
付いているのですがこれまた素晴らしく、
ライブバンドとしての現役感は大方の想像の遥か上を行くものでしょう。

“Loose 'n Lethal”('83)をアルバムのケツから逆順に演奏して
ライブ本編の終わりを“Let It Loose”でキメるというのは
なかなか面白い発想だと思いました。
これは見てる方も盛り上がるでしょうな。
そして'90年代にリリースされた3枚目と4枚目からの選曲はなかったものの
2nd“Hyperactive”('85)と5枚目“Xtreme Machine”('00)から
それぞれ1曲を(恐らくアンコールで)採り上げたのは
Chris BradleyとAndy Dawsonの2人がSAVAGEというバンドで積み重ねた
キャリアの連続性を主張しているように感じられました。
'86年には一度解散したりしているので実際はちょっとアレですが
なんだかんだ来年(2018年)はバンド結成から40年です。

往時は短いムーブメントだと見做されたNWOBHMですが
今になってみると案外しぶとい人達が多くてびっくりしちゃうよね。



しぶとい繋がりでは他にCLOVEN HOOFの新譜も聴きましたが
こちらはすっかり今どきのメタルって感じでした
(あ、出来は良いです。TYTANの新譜なんかよりは全然面白いもの)。
しかしオリジナルメンバーのLee Payne以外は毎回メンツが安定せず
しかもみんな若そうで、今作のボーカルを務めたGeorge Callって人は
他にも色々兼務があるらしく結局スポット参加臭いのね。
そうなるとバンドを名乗るには些か苦しいんじゃないかという気も
したりしなかったりで、ちょっとモヤつく僕でありました。

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また肥えた気もしつつ [泡沫盤]

いやー、ダラダラしてたらアッという間に夏休みが終わってしまった。
ほぼなんにもしていないと言って過言ではありません。
DIVISIONの大型アップデートがあったのでつい遊んでしまい…
このゲームの総プレイ時間が100日になんなんとする今日この頃、
まぁなんと2,400時間ですよ。ほんと、オレどうかしてるわー。

しかしなにはなくとも新宿に行ったり御茶ノ水に行ったりまた新宿に行ったり、
ちょいちょい出掛けてはおりました。天気が悪くてナニでしたけれども。
で、この期間に届いた荷物と合わせてそれなりに積み上がったCDを聴きながら
ずーっとTVゲームをやっていた訳です。ここの更新なんか一切せずに(笑)。
ええ、勿論本人としては楽しい休みを過ごしたと思っておりますですハイ。



先のGWとは逆にこの休みは結構メタルに寄った感じでした。
中古でちょっと面白いのを手に入れたりして、なかなかの充実度です。
まずはお馴染みANGEL WITCH、
今回は“Resurrection”('98)のMausoleum再発盤をば。
オリジナル自主盤CD-R、Zoom Club再発盤と併せて3枚揃いました(←馬鹿)。
ジャケットが違うだけで中身は一緒なれど、
ブックレットの中身は今回買ったMausoleum盤が一番良かったです。
蛇足で書いておきますと最初の自主盤CD-Rは
当時新宿アルタにあったCISCOで買ったのです。
なんでCISCOがそんな盤を仕入れたのか?は全く意味不明であります。



Adio / RAIL
railadio.jpg



'84年にリリースされた4曲入りの“Rail”と
'85年のフルアルバム“III”をまとめて'01年にCD化したもの。
前者は大手EMIからのリリースで国内盤も出ておりました。
バンドはシアトル出身、
'80年にはアルバムデビューを果たしていたようですが
本EPはMTVのコンテストで優勝したご褒美だったとのこと。
その後EMIとは本契約に至らず再び自主盤で“III”を作ったという
ちょっと悲しい顛末もあり…。

僕、実はどのレコードも当時聴いていないのです。
MTVで流れていた ↓



があまりにも詰まらなくて、ちっとも食指が動かなかったのね。
因みにこの曲はカバーだということですが
調べてみても誰のカバーなのか良く分かりません。
作曲クレジットにはLesley GoreやJeanne Napoli
(いずれも米国のポップシンガー)の名前がありますが
いずれもこの曲を録音しているのかどうかが定かでないのです。

明確に分かっていいるのは'83年にGIRLSCHOOLがこの曲をタイトルトラックとした
シングルをリリースしていることで、これは現在アルバム“Play Dirty”('83)の
ボーナストラックとして聴くことができます('04年のCastle再発盤以降。
今年出たDISSONANCE盤は…あ、“Play Dirty”は出してないのか)。



この「ガサツ感」が如何に重要かって話よね。
RAILのは色々と整い過ぎなんですな。と、今さら聴き較べて納得している僕。

で、その整い過ぎのRAILですが今回初めて他の曲も聴いてみましたところ
これがことのほか良かったのです。
この人達は本来産業ロック寄りのアメリカンハードロックを得意とするバンドで、
そりゃあカッチリしているのはある意味当たり前なんですな。
アコースティックギターを駆使して聴かせる曲が幾つか収録されていますが
どれも出来が良くて、僕は特に“Kings and Queens”という曲は名曲だと思いました。
これはちょっと凄いよ。



生演奏なのでスタジオ録音の緻密なアレンジとは些か趣を異にしますが、
いやそれにしても結構巧いぞこの人達。つーかこれ'10年のライブだって!?

http://railonline.net/

驚いたことに現役です。
'97年には“Big World”というアルバムも出しているらしく、
うーん、是非探して聴いてみたいですねぇ。
-と、30年以上前のアルバムを今になって聴いて独り盛り上がるおっさんの図。



えーと、予想より作文が長くなってきたのでここで一旦切ります。
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久々にゲームで寝不足 [泡沫盤]

HIGH ROLLER盤のWARLORD、4タイトルが先日無事に揃いました。
しかしコレ

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なんか1枚足りない気がするのだけれど気のせいでしょうか。
“The Hunt for Damien”('15)も出すつもりがあるのかしら?
-あ、LORDIAN GUARDなら要らないですよ僕は。
大体おまけディスクにLORDIAN GUARDの曲(のデモ)一杯入ってるし。



というなんとも言えない微妙な導入から、

Litanies in the Dark / BLACK OATH / 2017
Litanies In The Dark

Litanies In The Dark

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Terror From Hell
  • 発売日: 2016/12/02
  • メディア: CD


モノは去年暮れに出ていたようなので
毎度の半年遅れということになりますが。

このEPはトータルランニングタイムで20分にやや届かず、
正直少し(だいぶ)物足りない感は否めません。
勿論入門用には向かない1枚だと思います。
やはりまずは3rdアルバムの“To Below and Beyond”
('15-'16年10月20日エントリー)からでしょう、このバンドは。

まぁそれはともかく。
'12年から'15年の間に録られた音源のお蔵出しということで
これ4曲しか入っていませんからまずは各曲ざっと書いてみましょうか。

初手は凝った構成の典型的ヨーロピアンドゥームスタイルで、うん、これは良い曲だ。
やはりしっかりとメロディを追って歌えるボーカルの存在は
このバンドの大きな魅力の一つですな。
控え目ながらもちゃんとダブルトラックになっているのが
いかにも様式に拘っている感じで実に素晴らしい。

続いてサンプリングのクワイアとチャーチオルガンを
仰々しくフィーチャーしたインストゥルメンタルは背教的オカルト風味丸出し。
同郷ABYSMAL GRIEFの(恐らくRegen Gravesによる)客演だそうです。

そしてPAGAN ALTERのカバーは
“Reincarnation”と“Highway Cavalier”のメドレー。うーん、渋い。
しかし音響的にはかなりアップグレードされている(特にエコー処理)ので
オリジナルに強く感じられた閉塞感、密閉感はあまりなく
その点で非常に興味深かったです。
だってPAGAN ALTERがちょっと爽やかですらあるというのは
いかにもあり得ない話じゃないですか。

アウトロ的な、こちらもインストゥルメンタルで本EPは幕を閉じますが
せっかく曲が盛り上がってきたところでのフェードアウトは
物凄く消化不良な感じで、これは些かいただけねぇなぁ。

全般には上記の通り最新の録音ではなく
(いずれもメンバーチェンジ以前だと思われます)、
“To Below and Beyond”で爆発した迸るギターを期待すると
やや落胆するかも知れません。全体のイメージとしては1stアルバム
“The Third Aeon”('11-'11年09月28日エントリー)に近いと思います。

…えーと。
巷間はどうあれこのバンドはもはや僕にとっての定番ですから
いちいち書かずにはおれないのです。悪しからずご了承ください。
いいバンドですよ、ホントに。



ここのところ到着待ちのCDが多くてもどかしいです。
あ、なんとかプロバイダがどーしたとか、そういうのはないです。
僕の欲しい盤は発売日が平気で前後するものばかりなので(苦笑)
いつ出たのかすら判然とせず徒に待つパターンが起きやすいという話。
配送予定日なんてずっと昔から当てにしていなかったので
その点は別に、なんで世間は大騒ぎしてんの?って感じです。

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漸く春ってことでいいの?ホントに大丈夫? [泡沫盤]

NOVALISのボックスセットが出周り始めましたね。
我が家にはゴールデンウィーク頃に到着するっぽいので
まとめてじっくり聴きまくろうと思っております。



てな訳で(?)、去年出たメタルを2枚ほど。

Left to the Sharks / WARNING SIGN / 2016
Left to the Sharks

Left to the Sharks

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: CD Baby
  • 発売日: 2016/08/22
  • メディア: CD


オーストリアから漸く届きましたよ…折れ曲がった紙スリーブとCD-Rがね。
んー、商品仕様は正確に記載して欲しいものです&ちゃんと梱包しろや!
ぐぬぬぅ…まぁ仕方ないかー(本当はあんまり気にしていない)。

カナダの4人組、'13年のEPに続く1st.アルバム。
どうやら基本的に盤を作らない人達っぽいですな。
実にメイデニッシュなインストゥルメンタルで幕を開けますが
2曲目はいい塩梅にカッ飛ばすスピードメタル(イントロもきっちり1分やる)で
ちょっと絞り切れていない感もありつつ。
しかし全体としては衒いのない、至極真っ当なヘヴィメタルであります。



概ねどの曲もギターソロは長いのだ(笑)。
2人のギタリストがそれぞれ納得する小節数+ツインのハモりだから
まぁ仕方がないのですが、いやー、全然これで良いと思います。むしろこれがイイ。
ギターの片割れはボーカルも兼務しますが、ちゃんとメロディを追える人なので
その辺もオールドスクールな薫りに拍車をかける要因でありましょう。
ふとした瞬間にSteve Grimmettっぽく聴こえるんだよね。
あそこまでコッテリ風味ではないけれど
やっぱりちゃんと歌えるってのは好感度高し。

このまま埋もれてしまうには惜しいバンドで、これどうにかなりませんかね?
本人達はレコ社に縛られるよりフリーでやりたいのかなぁ。



Sacrifice / GRAVEBREAKER / 2016
SACRIFICE

SACRIFICE

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: CRDEL
  • 発売日: 2016/12/16
  • メディア: CD


こちらはスウェーデンの3人組。同じくデビュー盤です。
スカスカですよ。ほんとにもう、これでもかってくらいにスッカスカ。



ギターはなんとなく様式美(でもスウィープとかはしない)。
そしてちょいちょい(いや、結構な頻度で)鍵盤を挿し込む。
しかも今どきハープシコードやチャーチオルガンな音色を堂々と使う辺りの時代錯誤感。
…なんだこりゃあ。いや、なかなか面白いじゃないですか。
この、色々なものが全然消化し切れていない感じが実に微笑ましいですな。
正統派、様式派と呼ぶにはちょっとけれん味が強いのだけれど
MERCYFUL FATE直系のオカルトメタルと呼べるほど捻くれてもいない。
この、非常に微妙な立ち位置を狙ってやっているとしたら
相当凄いバンドだと思いますが、まぁこれ天然だよね(苦笑)。

失礼な話ですが、
この人達はこのままあんまり上手くならずに(演奏技巧の話ではない)
今後もこういうニッチな線を走り続けて欲しいです。
これはねぇ、非常に少ないながら確実に需要があると思うんだよね。
特に僕みたいなのがどひゃ~堪んねぇ!
とか言ってニヤニヤしながら必ず聴きますよ…多分。



なんか久々にこういうのをちゃんと聴いたらとても楽しかったなぁ。
今年はもう少しメタル側に振ってもいいかも知れないなぁ…。

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