悪魔主義 [泡沫盤]

なんとまぁ、2013年も半分終わっちゃいマスね。
ここのところ、超泡沫!って感じのエントリーも書けませんで
(そもそもエントリー自体減ってるもんな)、
どうなんでしょうね、我ながら…。


ところで、DEMONの頭2枚が紙ジャケで国内再発されました。
Rubiconの紙ジャケはちょっと作りが甘いのでアレなんですが、
無類のDEMON好きとしては買わずにおれませんでした。

しかしブツが届いてみてちょっとびっくりしたのは
CD盤面にCARRERE Recordsのレーベル面を再現してあったり、
2nd「招かれざる客」にはマーチャンダイズの申込書
(勿論レコードリリース当時のレプリカ)まで入っていて、
Rubiconもだいぶ分かってきたじゃないですかー。

でもでも、今日書くのはそのどっちでもなくて…

The Plague / DEMON / 1983
The Plague

The Plague

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Spaced Out
  • 発売日: 2011/11/21
  • メディア: CD


3枚目。邦題が今日のエントリーのタイトル。
疫病による世界の終わりを題にとったストーリーアルバムです。

しかしこの手のヤツをなんでもかんでも
プログレ化した
と言ってしまう風潮はなんとかならんですかね?
本作で聴かれる音楽にプログレ要素が殆ど無いのは火を見るより明らかです。
確かに以前の2枚より音楽的な幅は格段に拡がりましたし
全編に渡って鍵盤が朗々と鳴り響きますが、
キーボードが入っていれば即ちプログレってもんでもないでしょう。

僕としては本作をTHE WHOやDavid Bowie
(敢えてPINK FLOYDを混ぜても良いです)の流れに置きたいのです。
即ちブリティッシュロックがものした数々の傑作「ロックオペラ」。
それらが居並ぶ隅の隅ではありますが、末席には加えても良い1枚だろう、と。


また、このアルバムはスタッフクレジットに記された名前から
その制作経緯や周辺を推測するのも楽しいんだよね。


-DISCHARGEのレコードをリリースする為に
Mike Stoneが立ち上げたインディレーベル、CLAY Records。
DEMONはそんなレーベルにあってかなり異質な存在だった筈ですが
Mike Stoneはバンドを相当気に入っていたらしく
随分熱心に面倒を見ていたようです。
初期2作が仏CARREREのディストリビュートを得たことなど、
ビジネス面で優秀だったから、というのも勿論あるのでしょう。

本作についてはオリジナルのレコーディング後、
なんとAtlanticによる米国配給が決まっています。

そのアメリカ進出に当たってアルバムはリミックスされているのですが
恐らくここで色々と動いたのは客演のキーボーディスト、
Andy Richardsだったのだと思われます。

メタル関連ではRUSHやGary Mooreのタイトルに
その名前を見つけることができるAndy Richardsですが、
他にもFRANKIE GOES TO HOLLYWOODやら
THE PET SHOP BOYS、George Michaelなど
英国の'80年代ヒットにやたら絡んでいる人です。
いわゆる名うてのスタジオミュージシャンですね。

このAndy Richardsはそのレコーディングキャリアを
ロンドンのSarm Studioでスタートさせていました。
本作のリミックスが同スタジオで行われていることへの関与は
相当に明白でしょう。

ただ、この人がどういう伝手でDEMONのレコーディングに呼ばれたのかは不明です。
プロキャリアの初期にあってたまたま声が掛かったんでしょうかね?

-もとい。
そのSarm Studioのハウスエンジニアが
本作のリミックスを担当したのですが、その人がJulian Mendelsohn。
LOUDNESSの“Disillusion”('84)にクレジットされているのと同じ人物です。
まぁ、“Disillusion”が録音されたのもSarm Studioなので
これは別に意外でもなんでもないのですが。

更に更に。
そのJulian Mendelsohnの名前は
“The Plague”がリリースされたのと同じ'83年、
YESの“90125”にもエンジニアの1人としてクレジットされますが、
ご存知の通り“90125”のプロデューサーはTrever Hornです。
ん?てことはZTT→FGTH→Andy Richardsまで綺麗に繋がっちゃうじゃん!
まてまて、じゃあFGTHの“Warriors of the Wasteland”Attack Mixで
Gary Mooreがギターを弾いた(参考:'11年3月29日エントリー)のも
実はAndy Richards絡みかぁ?
…なんて、相当色々な邪推ができてしまうのですよ。

いずれにせよキーパーソンはAndy Richardsという部外者ではありますが、
様々な枝葉を辿って辿って、辿り着く根っ子が
DEMONの“The Plague”であるというのはなんとも感慨深いではないですか。
僕がMike StoneやDave Hillならもっと自慢していると思います(笑)。


本作については幾度か再発されています。
最も新しいのはSpaced OutからリリースされたCDですね。
リミックス版全曲にオリジナル版をボーナスとして追加したものですが、
収録時間の関係からかオリジナル版のタイトル曲がオミットされています。
Spaced Outによる再発の前、'01年にRecord Heaven Musicが2枚組で出したものが
両バージョンの全曲を聴ける決定版ということになりますが、
なにしろもうとっくに廃盤となっていますので…。

この際だから英国盤レコードのダブルジャケットを再現して、
それにCDを2枚入れて出すというのはどうでしょうかねぇ?
Rubiconさんには是非検討していただきたく…
まー、無理だろうなぁ…全く売れそうにないもんなぁ。
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ターこう

※元の作文アップ後、細かい部分を修正しました。

明らかな事実誤認でない点については本文を直接改めましたが、
Andy RichardsとDEMONの関係については
DEMONの2ndアルバム“Unexpected Guest”にも
Andy Richardsは既に客演しており、
“The Plague”で初めて関わったのではないということを
こちらのコメント欄に補遺しておきます。

いずれにせよ、どういう伝手での合流だったのかは不明、
またAndy Richardsのキャリアにおいて“Unexpected Guest”への
参加は極初期の仕事だったと言えますので、
この点についても改めて付記しておきます。
by ターこう (2013-06-28 23:44) 

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