古いヤツ2枚 [日々聴く音楽]

Le Voyageur Immobile / BAHAMAS / 1976
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いやまぁ当然こんなの全然知らなかったし初めて聴いた訳ですよ。
どのジャンルの型にもいまいち奇麗にハマらない据わりの悪さが通底しつつ
ミュージシャンとしての技量(曲作り、演奏)の高さで全てを捻じ伏せる力技。
…なんだコレ凄く面白いじゃん。
普通にプログレとして聴いてもオーケーだし
超捻くれポップとしても興味深い内容だと思います。
ただやっぱりこれ1枚しかアルバムを残せなかったというのも宜なるかな、
って感じもいたします。実に好事家向けの1枚ということになりましょう。

フランスの4リズムは有名シャンソン歌手のバックバンドだったのだそうで、
いわゆる手練れの集まりなのは間違いありません。
そのうちキーボードのDominique Perrierは
Jean-Michel Jarreの中国公演('82)に帯同して以降
'90年代までのアルバムを手伝っていて、
本盤ボーナスの2曲はそのJean-Michel Jarreとの共作曲です。
そしてベースのDidier Batardは本作リリースと同じ'76年、
HELDONの“Un Reve Sans Consequence Speciale”の録音に参加しており
以降“Interface”('78)、“Stand By”('79)と
後期HELDONのボトムを支えることになります。

-で、この再発盤がbad reputationから出ているというのが
これまたちょっとしたびっくりポイントでありまして。
確かにフランスのレーベルではありますがbad reputationっつったら
基本欧米の(やや渋めの)メタル再発レーベルってイメージが強かったので。
いやー、本作はなかなかナイスな再発でありました故
今後はこっち方面ももっと積極的に発掘して欲しいと思います。



あ、そうそう、長らく聴いたことがなかったと言やぁ

Wet Dream -2023 Remix / RICHARD WRIGHT / 1978
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うん、コレはその、順番を間違えてしまったことによる不幸ですよね。
小僧だった僕はPINK FLOYDメンバーのソロ作を聴くに当たって
David GilmourからNick Massonの順に行っちゃったのです。
Dave Gilmourはまぁ、概ね予測の範疇ではあったものの
Nick Massonについてはなんだこりゃ!?って感じで
(当時はカンタベリーやジャズロックなんて全然好きじゃなかったんだもの)
両者共に(僕の好きな)プログレじゃねぇじゃん、と。
当時まだソロを出していなかったRoger Watersについては
Ron Geesinと一緒にやったサントラ“The Body”('70)しかなくて
アレもちょっと、どうせ小難しいんだろうという先入観が
素直に聴くことを阻害しちゃったのです。
…で、Rick Wrightには遂に手が延びなかった、という訳でございます。

僕これ最初に聴いたのっていつだろう?
多分国内盤CDが出て暫くしてから中古で買ったんだよ。
だから少なくとも'94年より数年後のことだと思います。
なんだよコレは聴かなきゃダメだったんじゃん、と
苦笑したのは言うまでもありません。
バンド崩壊後はRoger Watersにボロ糞言われ続けた
Rick WrightとNick Massonですが実際は全然そんなことはなくて、
特に本作を聴くにつけPINK FLOYD的な音楽要素に対する
Rick Wrightの貢献ってのは相当高かったんじゃないかと考える僕です。
そしてSnowy WhiteとMel Collinsを起用したのは
完全にRoger Watersに対する恨み節って感じで、
その怨念がそこここに垣間見えるのが
本作をある種特別な1作に仕立てているのだと思います。

今般再発は毎度お馴染みSteven Wilsonのリミックス。
毎度この人の仕事はオリジナルのバランスを大きく崩すことなく
明瞭でクリアなサウンドをパーン!と前面に押し出してきます。
さすがにBlu-rayまでは行きませんでしたけれども、
ドルビー・アトモスの再生環境があるならちょっと聴いてみたい気もします。


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アフターサービスもバッチリなのだ [シリーズ作文]

という訳(どういう訳?)で今日は

FISHのソロ その後

まぁいうてもガッツリ書くって感じでもなくて、
ちょっとした補遺みたいなものですが。

まずはお浚い。
FISHのソロ その1
FISHのソロ その2
FISHのソロ その3
FISHのソロ その4
FISHのソロ その5
FISHのソロ その6
FISHのソロ その7
FISHのソロ その8
FISHのソロ その9
FISHのソロ その10
FISHのソロ その11
FISHのソロ その12
FISHのソロ 番外(余談)と総括

これに加えて幾つかの関連作文があるので、我ながらなかなかの大作。



Fishのフェアウェルツアーがコロナで中止の憂き目にあったことは
「その12」でも軽く触れていますが、
やはりやり残した仕事という気持ちは本人の中に燻っていたようです。
そうした背景からコロナが一応の落ち着きを見せた'21年の終わりに
7日間の英国ショートツアーを行い、
これをもって真の区切りを付けることになったのです。
そのうち11月24日のロイヤルレミントンスパ公演はメディア化されており、
しかしこれについては今日は省きます。
というのもFishの実況録音盤については別途書いた方がいいかもと思い、
現在別文をまとめ始めたところです
(結構面倒臭いのでちょと時間掛かると思います)。

現在はYouTubeでだらだらと日常を喋る
“Fish on Friday”(概ね月イチ更新)で
その元気な姿を確認することが出来ますが
当然英語なのでやっぱり何言ってるか全然分かんないし(苦笑)。

んー、じゃ結局なんの話?と問われれば「その10」に追加です。
昨年来Fishは“13th Star”と“A Feast of Consequences”の
2タイトルをアナログ化して再発することを計画し、
これに際して“13th Star”については新規リミックスを施しました。
そしてレコードのリリースに先行してDigital Deluxe 2023 Remix版を
各音楽ストリーミング/DLサービスで頒布したのです。

本編リミックスについては僕のような者が聴く分には
そこここに違いを見つけることが出来ますが
全編の印象が一変するようなものではないので
どちらか一方だけを聴いても全然問題ないと思います。

そしてボーナスは全部で10曲。
'07年に録音されたものを中心にデモが9曲と
Fish Head Clubツアー('10)から1曲(幾つかの重複曲アリ)。
これがどれもなかなか興味深くて、
デモとは言えミキシングまでそれなりにちゃんとやっているので
単純に別バージョンとして楽しめるのがイイんだな。



-で、ですね。
レコードについてつい先日Fishからアナウンスがありまして、
なにやら製造業者から送られて来たサンプル盤に擦れやら傷があるのだと。
しかも一部ではなく全てのサンプルに同様の問題があったのだそうで、
更に追加で取り寄せたサンプルでも改善されておらず
こんなもん売れるかぁ!と久し振りに怒髪天を突いたらしいです。
結果レコード2タイトルについては一旦リリースを中止し
予約者には返金処理をするとのこと。
完全手売りだから結構大変みたいでなんとも気の毒です。

結局“13th Star”のフィジカルについて
今もなかなか手に入れにくい状況は元の作文時から変わっていないのですが、
デジタル版であれ新しいリミックスが出ているという情報は
是非書き足しておきたかったのです。



※以下2023年7月28日に加筆しました。

13th Star 2023 Remix / FISH
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CDが出ました。まぁそりゃそうだよな。
本編10曲の単体Standard Editionと
CD×3+Blu-rayの限定Deluxe Editionの2フォーマットです。

デラックス版のCD2枚目は“Demos and Acoustics”と
題されている通りの中身で13曲、
3枚目は'08年6月Nearfest出演時の演奏を中心に3公演のライブを編集した12曲。
そしてBlu-rayには本編5.1chミックスと'08年Nearfest公演の全編
(勿論映像アリ)が収録されています。
更にデラックス版のみオプションでFishのサイン付き
(+£20.00をどう思うかはそれぞれでしょうねぇ)を選べるそうです。

いつもの通り完全手売りのみなので国内各店に並ぶことはほぼないでしょう。
僕はDX版(サイン無しw)をポチっと行きました…改めて円安が厳しいねぇ。

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QR、と言っても2次元バーコードの話ではない [日々聴く音楽]

今年の頭に書きかけて上手くまとまらずそのまま埋もれていた作文をば。



ここのブログでちょこちょこ名前の挙がるQUIET RIOT。
僕はこのバンドがかなり好きみたいで(いまいち自覚ナシ)
なんだかんだ聴いてしまうのです。

-QUIET RIOTは'78年に日本でのみアルバムデビュー。
若かりし頃のRandy Rhoadsがその才能の片鱗を覗かせていましたが
売り手側の洋楽アイドル的な押し出し方は
なかなか厳しいものがありました(正直僕はよく知らないのですが)。
Randy RhoadsがOzzy Osbourneにリクルートされた後の雌伏期を経て
'83年5月に行われた大規模コンサート
USフェスティバル(のヘヴィメタル デイ)でオープニングを務め、
それが契機となってシングル“Cum On Feel the Noize”が
全米5位の大当たり。そこから翻ってアルバム“Metal Health”
(同年3月にリリースされていました)にも火が点き
最終的には全米トップを獲得しました。
ヘヴィメタルアルバムがチャート1位というのは当時大変な快挙であり、
やはり同年リリースのDEF LEPPARD“Pyromania”(こちらは最高2位)
とともにメタルが商売になるという事実をマーケットに突き付け、
空前のブームを巻き起こすことになったのです。
実に、QUIET RIOTがひとつの大きな着火点だったというのは
アメリカ本国でも忘れられがちな事実なんだよね。

しかし他人の曲で一発当てただけのバンドという評価もあながち否定できず、
その後はメンバー同士のケンカやらなんやらで
まともな活動状況をろくろく取り戻すことのないまま
ボーカルのKevin DuBrowが死に、ドラムのFrankie Banaliも死に…
今現在もバンドは存続しているようですが
僕は以前に書いた通りKevin DuBrowの歌声こそが
QUIET RIOTのアイデンティティだと思っているので
なかなか好意的に見る(聴く)ことが出来ずにいます。

そんなQUIET RIOT、
昨年の暮れに突然YouTubeで未発表曲を公開しました。
'03年にKevin DuBrowとAlex Grossiによって書かれた曲で、
ずっと所在知れずだったものが古いiPodに残っていたのを
発見したのだそうです。
リズムセクションはFrankie BanaliとRudy Sarzoによるものです。

※以下映像を貼りますがFrankie Banaliの癌闘病の様子が映ります。
 なかなか重たい絵面なので先に注記しておきます。



なんともセンチメンタルな気分になりますな。
色々と意見はあるかもしれませんが
僕はこれ、世に出て良かったと思います。だって良い曲じゃないか。
リリースに当たって部分的な録り足しが行われたようで、
映像でタンバリンを振っているのはRegina Banali
(Frankie Banaliの奥さん)だってさ。

しかしこれ本当にKevin DuBrowの声?
と疑ってしまうほど張り艶の無いボーカルですが
やはり薬物の影響なんでしょうかねぇ。
この後の遺作“Rehab”('06)で聴かせた、
往年の力を取り戻したが如き歌声は
(録音技術で補正した部分を含めて)結構奇跡的だったんだなぁ。



このバンドのディスコグラフィは一度整理しておくべきかも知れません。
売れなかったアルバムに結構イイのが混じっているので。
誰かやらないかな?自分でやるの面倒臭いしなw
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今どき中南米のレーベルが全く侮れない [日々聴く音楽]

メキシコの超怪しいレーベル、NOIZU! RECORDINGSの初弾は

Live Toulon 1978 / WEIDORJE
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むむぅ、なんともド偉いヤツを出してきたものです。
そしてこれ1発でレーベルの目指す方向性が
なんとなく理解出来るってのがまた。
しかし遥か中米の地から
仏ズール ミュージックの生演奏(当時モノ)が出てくるとは。

'92年、お膝元のMUSEAがバンドの唯一作をCD再発した時に
ボーナスで収録された2曲は'78年10月、
フランス北東部ロンバで録音されたものなのに対して
こちらの7曲はタイトルから分かる通り
同年ツーロン(仏南端)で録られたもの。
録音状態はロンバ公演に比べて劣るものの
演奏自体の出来は素晴らしく、
なにより完全未発表曲が2曲(“Urantia”と“Weidorje”)も
発掘されたというのがもう、ねぇ。
前者は14分越えの長尺を重量級のリズムが支えつつ
ミュートをかましたトランペットが跳梁する曲。
このライブでは全般にMichel Ettori(ギター)が
(裏で)頑張っている場面が散見(聴)され、
そこも聴きどころだと思います。
後者はフェードイン、フェードアウトで
たったの1分強しか聴けないのでちょっと不満です。
結構メロディアスな曲っぽいので、これは全部聴いてみたい。

まぁしかしこのソース、どこから出て来たのやら。
突然こういうの出されるとびっくりしちゃうよね。
僕はMAGMA関連についてはほんの一通りって感じですが、
やっぱりZAOとかWEIDORJEって聞くとそわそわしちゃうもんな。

フィジカル(CD)は200コピー限定とのことで、
好事家は急いだ方がいいかも知れません。
…まず間違いなく売れたら追加すると思いますが。
果たしてメキシコから荷物は無事に届くのか?
僕の注文は8月上旬シッピング予定だそうで、
しかし音はDLしてすぐ聴けるので特に問題はないです。



さて、前回作文から我が灰色の脳味噌が連想したのは…



Graham Bonnetはソロ作“Line Up”('81)のリリース後
Cozy PowellにリクルートされTHE MICHAEL SCHENKER GROUPに加入、
アルバム“Assault Attack”('82)を録音したものの
アレ?俺を誘ったCozy Powellがどこにも居ませんけど!?と
電光石火でバンドを脱退。
MSGはGary Bardenを呼び戻し、
ボーカルを差し替えて制作したビデオクリップがこれ。
…苦しい。スタジオレコーディングなのに高音部があからさまに苦しいw
しかしGary Bardenはコレでいいのだ。

そしてこのバージョンは今に至るまで一度も音盤化されていないのです。
同じくボーカルを差し替えた“Desert Song”とともに
'09年のリマスター盤には当然ボーナスで
収録されるだろうと思っていたのに僕の願いは叶わず。
これは一体どういうことなのか、って感じですよ。
こういうのは日本のレコ社がパパッとやるべきなんだけど
Chrysalisの版元は今ワーナーなんだよな…
いやまぁそれがユニバーサルだったとしても期待は出来ませんがね。
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メタルど真ん中でもなければプログレど真ん中でもない話 [日々聴く音楽]

先日Mick Underwoodの名前を書いて
確かこの人なーんか変なアルバムでドラム叩いてたよな、
アレなんだったっけな?って思って
それがもう気になって気になって仕方が無くなっちゃったのです。

No Bad Habits / GRAHAM BONNET / 1978
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これ、国内盤LPが出たのってRAINBOWを脱けた後('81)だったんですね。
あぁ、次作“Line Up”('81)と併せてリリースしたのか。
しかも国内盤は一部収録曲を入れ替えたと言うことで
“Warm Ride”(BEE GEESのカバー)が外されて
替わりに“Line UP”からのシングルB面曲を足したのか。
…んー、実に恣意的なものを感じますねぇ。



こんなん確実に目玉トラックだと思うのだけれど
ハードロック的にあり得ないと断じた人が居たってことなんだろうなぁ。

当時の同級生は、このレコードは1曲しかカッコ良くないと言っていて
恐らくそれが国内で足されたB面曲だったのだと思われます。
僕はねぇ、このアルバムは完全にスルーしました。
だってジャケット見ればなんとなく中身分かるじゃんねw

実際のところ'78年はまだRAINBOW加入前、
ブルーアイドソウルからAOR/ポップス路線まで器用に歌いこなす
ボーカルアルバムが本作の正体です。
プロデューサー(Pip Williams)の絡みからSTATUS QUOの曲もやっていますが
それもゴリゴリにロックって感じではないですね。
他にもエレクトリックドラムがピョンピョンと鳴り響く
(Mick Underwoodがこれを演奏しているのかと思うとそれもまたいとおかし)
Bob Dylanの“I'll Be Your Baby Tonight”とか、
なかなか珍妙なアレンジがそこここに聴かれます。

しかし今聴く分には全然楽しいというのがまたなんとも面白いところで、
この人の歌い手としての本質は断然こっちにあるよなぁ、と思うのですよ僕は。
そして後のMSG+Ray Kennedyとかは実はこの人とRAINBOWをお手本とした
マッチングだったんじゃないかなぁ、なんて気もするのです。



-続いては訃報。
つい先日、安かったのでAFFINITYの中古CDを買って(これも何枚目なんだか…)、
やっぱりLinda Hoyleの声質は僕の好みとはちょと違うなぁなんて思っていたら
Mo Fosterが亡くなっちゃいました。
僕は「見張塔からずっと」という曲についてはこの人達の演奏が一番好きなのだ。
延々と続くオルガンのアドリブソロの裏でカウンターをあてているのは
間違いなくMo Fosterのベースで、これが滅茶苦茶カッコイイんだよね。
あぁ、図らずもまたもやBob Dylanの曲か。

故人の冥福を祈って、合掌。

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蒸し蒸し大行進 [日々聴く音楽]

あまりに不快でもう。



いわゆるプログメタルってヤツがあんまり好きでない僕は
当然そちら方面を深堀りすることなく過ごしてきた訳ですが
今どきは界隈もだいぶ幅が拡がったみたいで
なかなか面白い人達の音がちらほら聴こえてきたりします。

The Fox and the Bird / OK GOODNIGHT / 2023
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マサチューセッツ州はボストン出身の5人組。
アルバムとしてはこれが2枚目みたいです。
…いや君達プログメタルを自称しているけれども
そんなティピカルな立ち位置には居ないじゃない。
だってこれ、もはや単純なハイブリッドとしては片づけられないもの。

実に、ジャンルの跨ぎ方がなんとも形容し難い異様さで
僕のような捻くれ者が聴いても相当興味深い。
実際何か1曲を選んでここに貼ることで
却ってバンド本来の姿を歪めてしまうのではないか?
と思っちゃうくらい曲毎のキャラクターは異なる方向性を内包しつつ、
じゃあ統一感の無いバラエティ路線かと言えばそんなことは微塵も無く
バンドの自己同一性は揺るぎないように思われます。

…まぁでも、うん、やっぱり貼っておきますか。



これ、僕のような老いた耳にはかなり衝撃的でしたね。
そして恐らく、プログメタルと聞いてDREAM THEATERみたいなのを
想像しちゃった人達も相当面食らうのではないかと思います。
いやー面白ぇ。これは糞ほど面白いよ。
アルバム総体のイメージとしてはマサチューセッツ産メタルコアに
前衛ポップ、そして今様のジャズテイストもブチ込んで
ぐるぐる掻き混ぜたような感じでしょうか。
とても不気味な美しさが印象的です。
ただ、ポップではあってもポピュラーとは言い難いので、
まぁこれ聴き手の多い音楽ではなさそうですね。

前作はPヴァイン・レコードがCD化したらしいので
わが国のみフィジカルが存在しましたが本作はどうなりますかね。
…えっ、Pヴァイン!?なんで??って感じですが。



話は変わってみんな大好き(?)SORTILEGEの話。
'21年に驚きの復活作をリリースし、
つい先日も復活第2弾を出して現役感を強く主張していますが
'80年代のアルバムも以前に作文して以降
'17年にno remorse recordsがEPと1stを再発したのを皮切りに
去年はドイツdying victims PRODUCTIONSが2ndを再発、
その合間には各タイトルのブラジル盤とかペルー盤とか、
もはや止め処もなくって感じでバラバラ出続けています。

そんな混乱状態に終止符を打つのは
やはりHIGH ROLLER RECORDSなのでありました。
デビューEPにデモ等を足して全10曲に拡大したバージョン、
そして1stと2ndはそれぞれ英語版と仏語版を単体で出すという念の入り様。
毎度お馴染みPatrick W. Engelによるリマスターも施されるということで、
これはまたもや買い直し決定です。
リリース日は未定なれどHIGH ROLLERの再発盤はノーアナウンスで
いつの間にか出ていたりするので油断がならんのだ。
お陰でTREDEGARの4枚セットはやたらと入手に手間取ったし
(結果何故か我が家には同じものが2個並んでいたりしますw)、
TANKの5thとか突然急に来たりしたもんな。



こちら新譜より。意気軒昂。
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再発しないかな シリーズその27 [シリーズ作文]

Brute Force / VARIOUS ARTISTS / 1980
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EMIが“Metal For Muthas”をリリースしたのに呼応して
MCAが出したNWOBHMのコンピレーション。
MCAは本作を切っ掛けにDIAMOND HEAD、FIST、WHITE SPIRIT、
そしてQUARTZのアルバムをリリースした訳ですから
青田買いとしてはかなり優秀だったと思うのです。
まぁそれらの音源については今現在全然普通に聴けちゃうので
僕が再発を望むのは別の曲が聴きたいからなのですけど。

以下トラックリストにメモを付記します。

A1.It's Electric / DIAMOND HEAD
自主盤1stアルバムからそのまま持って来たトラック。

A2.Brain Damage / FIST
アルバム“Turn The Hell On”('80)からカットされた
シングル“Forever Amber”のB面にも収録されていますが
初出は多分こっちでしょう。
'92年に“Turn The Hell On”がCD化された際にボーナス収録され、
以降の再発盤でも聴くことが可能です。
因みに'92年の初CD化は我が国MCAビクターが行いました。

A3.Let It Rip / RAVEN
この曲は結構長い間本作でしか聴けなかったのですが
'02年にcastle Musicが1stアルバム“Rock Until You Drop”を
再発するに当たってやっとボーナス収録されました。
このアルバムについては周辺音源を含めて
HNE Recordingsが昨年('22)CD4枚セットの小箱を出しているので
それがあればなーんも問題ありません。

A4.Gotta Get Back to You / PROWLER
これも結構なレア音源だったのですが…。
エセックスの4人組はこの曲含む4曲をChris Tsangaridesのプロデュースで
録音しますが結局MCAに残れず、他の曲は残念ながらお蔵入り。
他にもたくさん居た同名バンドのうちの一つとして
なんとなくその存在を知られている程度でした。
しかしこちらも昨'22年に突如HNEがアーカイブ音源集(“Reactivate”)を
リリースしまして、僕はそれで初めてこのバンドの音を聴いたんだよね。

A5.Fantasia / SLEDGEHAMMER
'80年に自主リリースしたシングル“Living in Dreams”のB面曲。
これはどっちのリリースが早かったのか僕には分かりません。
因みにこの曲はJohn McCoyのプロデュース。
一方でEMIの“Metal for Muthas”('80)にも“Sledgehammer”が収録されており、
両社天秤に掛けて上手くやろうとしたのがいけなかったのか
'83年にリリースされた唯一のアルバムは弱小ILLUMINATED Recordsからでした。
そちらも正規再発は叶っておらず、今このバンドを聴くのは
結構難しい事態に陥っています。
ただ、アルバムのドイツ製ブートCDがあってそれには本曲も収録されています。

A6.Breakdown / Colin Towns
僕的目玉。本当は同タイトルの7"シングル(MCAからのリリース)が
あればそれが一番欲しいのですが取り敢えずこの曲だけでも…。
アルバム“Making Faces”('82)に繋がっていく録音で
Bernie Tormeマニアとしても外せないところなのだ。
まぁ、NWOBHMじゃないんだけどw

B1.Earthquake at The Savoy / Mick Underwood
僕的目玉その2。Colin Townsと同じくGILLAN絡みの1曲。
プログレファンにはQUATERMASSの…って言った方が分かり易いですかね。
phonogram傘下のAutobahn Recordsから同曲の7"シングルが出ていますが、
ちょっとその辺の絡みは分かりません。
これもBernie Tormeマニアとしては聴いておきたいところなのです。
…まぁ、NWOBHMじゃないんだけどw

B2.Back to The Grind / WHITE SPIRIT
NEAT RECORDSの同名シングルより。RAVENは獲得に失敗(?)しましたが
こちらはMCAからデビューアルバムをリリース('80年)。
EMIの“Metal for Muthas Volume II”('80)にも
“High Upon High”が収録されていたことを考えると
なかなか激しい争奪戦だったのでしょうかねぇ。
'92年のアルバムCD化(FISTと同じくMCAビクターから)のボーナスとして
本曲も収録されています。



B3.Can't Say No to You / QUARTZ
'80年リリースのアルバム“Stand Up and Fight”に収録されているのと同じ。

B4.Hold On / XERO
こちらもEMI“Metal for Muthas Volume II”('80)に“Cutting Loose”が…。
そしてSLEDGEHAMMERと同じくメジャーディールを得ることなく消えていきました。
'15年にギリシャの好事家向けレーベルno remorse recordsが
500枚限定で音源集を出していますが
いまいち詰め切れていない内容なので僕はちょっと不満です。
-あ、この曲は聴けます。

B5.Day To Day / CRYER
後にFORCEと名前を変え、'84年にHEAVY METAL RECORDSから
リリースされるアルバム“Set Me Free...”に収録されているのと同一トラック。
ってことはこれ、MCAでお蔵になったものを
HEAVY METAL RECORDSが上手いことアレしたってことなんですかね。
こちらも'15年にno remorse recordsが500枚限定でCD化再発(CRYER名義)。
CRYER唯一の7"シングルとFORCEの“Set Me Free...”を収録した完全版です。

B6.Black Queen / MAY WEST
これ以外に音源が全く残っていない謎バンド。

と、まぁそういうことで、
割と簡単に聴ける曲とそうでないのが混じっているのです。
これなぁ、これなんとかして欲しいよなぁ。
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