こっちはなんともなってない [泡沫盤]

Akustik / PENTAGRAM / 2017
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7月5日に書いて以降も各所をこまめにチェックしていますが
どうにもCDが見当たりません。
あんまりにも悔しいからDL版で全曲の感想を書いてしてやろうかしら!?
途中でイヤになったらご免なさい…あー、どうせ誰も気にしてねぇわw
簡単な前段としては、トルコの超ベテランメタルバンドが
結成30周年を記念してリリースしたアルバムです。
過去作の楽曲をアレンジして新たに録音した
いわゆるアコースティックアルバムですね。
バンドについてのもうすこし詳しいところは
'11年5月4日のエントリーをご参照いただければ。



Apokalips
目下の最新スタジオ作“MMXII”('12)より。
のっけから重たいピアノのイントロが実に良いのです。
オリジナルもイントロはアコースティックに滑り出すのだけれど、
そちらはギターとベースをメインに据えたアレンジなのが大きく異なります。

“MMXII”からバンドに加わったGokalp Ergenの歌は
前任のMurat Ilkanよりも更に落ち着いたミドルトーンなので
この手のスタイルにはとても良くマッチします。
因みに本作では基本的にオリジナルアルバムで歌ったボーカリストが
それぞれを歌い直しており、それもバンドのファンには嬉しいところです。


Gecmisin Yuku
こちらも“MMXII”から。
うーん、この歌メロは完全にアコースティックアレンジの方が映えますね。
逆にギターソロはエレクトリック(オリジナル)が強烈に泣いています。
いやーしかし、そこを差し引いたとしても
このアコースティック版はかなりの名曲ですぞ。


Uzakta
同じく“MMXII”より。オリジナルは捻くれたメロディが
やや煮え切らない印象で(それがダメだって訳ではないのです)、
ちょっとLOUDNESSの“Mr.Yes Man”みたいな…分かりにくくて申し訳ないのですが。
アコースティックにしたことでエキゾチックな印象はやや薄れ、
ちょっとプログレっぽい雰囲気が表出しています。
これは双方を聴き較べるととても面白い曲ですね。


No One Wins the Fight
2ndアルバム“Trail Blazer”('92)の収録曲。
当時のPENTAGRAMはTESTAMENTやMORTAL SIN辺りを彷彿とさせる
スラッシュメタルバンドでした。
そんなのアコースティックにアレンジできるんかいな?
と思いましたが概ね上手くまとめているのはさすがです。

ボーカルはOgun Sanlisoy。もはや完全に別ジャンルの曲と化しているので
歌い直しの難度は一番高かった筈ですが、いやぁ、この人巧いじゃん。


Fly Forever
同上“Trail Blazer”('92)より。
これはオリジナルも陰鬱なメタルバラードといった感じの曲でしたから
割とすんなり耳に馴染みました。
こちらもOgun Sanlisoyの歌がかなり良くてびっくりします。
そしてこの曲の肝は、これも客演によるチェロの響きでありましょう。
実に、実に叙情的な編曲です。


Gunduz Gece
'97年リリースの傑作“Anatolia”に収録されていますが
これは元々トルコの吟遊詩人Asik Veysel Satirogluの曲でありまして、
そもそもメタルにアレンジするという発想が既に常軌を逸していたのです。

だって



これですよ?
まぁ、結果'70年代のヨーロピアンハードロックっぽい
かっこいいカバーに仕上がっているのですけどね。

でも本作はアコースティックだしもっとオリジナルに近づいたんじゃないか?
と思えばこれがそうでもなくて、飽くまで“Anatolia”収録の
エレクトリック版をアレンジした体なのが面白いです。

いずれにせよそういう出自の曲だからでしょうか、ボーカルは
Ogun Sanlisoy、Murat Ilkan、Gokalp Ergenの3人が分け合っています。


Anatolia
3rdアルバム“Anatolia”より。
これはバンドが今に繋がる方向性を決定づけた代表曲中の代表曲だと思います。
ボーカルは特別ゲストのSebnem Ferah。
僕は寡聞にして存じ上げませんでしたが
トルコで人気の女性ロッカー(ゴシック方面)だそうです。
調べてみたら凄い美人でした。

しかしこれ、Murat Ilkanは歌いたかっただろうなぁ。


In Esir Like An Eagle
4thアルバム“Unspoken”('01)より。
“Anatolia”を更に一歩推し進めた作風のアルバムで、
押し引きのコントラストをより意識した印象です。
この曲はアコースティックアレンジに全く違和感なし。
ボーカルはMurat Ilkan。

…お察しの通り、段々書くのが億劫になってきています(笑)。


For the One Unchanging
同じく“Unspoken”に収録されていた曲。
んー、この曲についてはオリジナルの方が僕は好きです。
エレクトリックの方がヘヴィメタルらしい勇壮さが感じられるので
聴いていて力が入るとでも申しましょうか。


Give Me Something to Kill The Pain
ここまで曲順はアルバム毎にまとまっていましたが
何故かこの曲でぽつんと“Anatolia”に遡ります。
僕は“Anatolia”を歌えなかったMurat Ilkanがゴネて
急遽1曲足したのではないかと邪推しています。

-話変わって。
このバンドはエレクトリックであれアコースティックであれ
リズム隊がアンサンブルに果たす役割がとても大きい。
Tarkan Gozubuyukのベースはややもすると饒舌過ぎるきらいがありますが、
よく歌うベースラインは正直とてもカッコイイんだな。


Sonsuz
未発表新曲。ボーカルは歴代の3人。
7月5日のエントリーに映像を貼った曲です。
曲名を訳してみたところ「エンドレス」ですと。
この人達はまだまだヤル気まんまんですな。


1stアルバムの“Pentagram”('90)と
5枚目“Bir”('02)からの選曲がないのは残念ですが
前者はあまりに音楽スタイルが違い過ぎること、
後者は“Unspoken”と微妙に収録曲が被っていたりして
(バンド名を一時的にMEZARKABULと変えてみたり)
バンドのキャリアに於けるちょっとした混乱期であったことに鑑みれば
まぁまぁ納得のいくところでしょう。



と、アルバム全曲について書くのは
このブログ初めての試みだったのですが
やっぱり面倒臭ぇなこりゃ(苦笑)。
実際これ書いたところでCDが手に入る訳でもないですしねぇ。
なんていうの、徒労感?
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