久々のプログレ方面はやはりこれ [買い直し盤]

世間はGUNS N' ROSES“Appetite for Destruction”の再発で
盛り上がってんの?え、そうでもないの?
いやぁ一応僕も買いましたよ、ボックスじゃなくて2枚組の方ですが。
うん、そうだねやっぱりいいアルバムだよねって納得して、
はい、まぁ、そんなところです(笑)。



-そんなことより

Fact and Fiction The Definitive Edition / TWELFTH NIGHT
Fact And Fiction - The Definitive Edition

Fact And Fiction - The Definitive Edition

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: F2 / Festival Music
  • 発売日: 2018/05/25
  • メディア: CD


僕としては断然こっちですよ、こっち!
これがもう、まさに決定盤を名乗るに相応しい3枚組です。

本編('82)については過去に何度か(短く)触れていますが
僕の音楽嗜好に大変重要な影響を与えた1枚ですから
あんまり冷静な作文が出来ません。
ひとつ間違いないのは、いつ何時であっても一度聴き始めたら
最後まで全編通して聴いてしまうアルバム、ということです。
レコードの時分は“World Without End”でA面を終えて
一息つくという儀式があったものの、それでも僕の感覚としては
“Creepshow”迄の7曲は切れ目のない一続きで、
それにプラスして余韻の“Love Song”という構成なので
やっぱり途中で止められないのだ。
で、概ね50分の尺を聴き手の集中力を切らさずに聴かせるアルバムって
かなり凄いと思うのですよ僕は。

'02年再発のCyclops盤ボーナストラックは7曲でしたがこちらは4曲。
“Being Human”(本編“Human Being”のオリジナル版)、
“Paradise Locked”という30秒に満たないインストゥルメンタル曲
(今般初収録)、そして7"シングルの
“Eleanor Rigby / East of Eden”('82)です。
“Eleanor Rigby”は言うまでもないアレね。

Revolution studiosにおけるアルバムレコーディングの際に
録られた全てを1枚にまとめた、とのことで
Cyclops盤に収録された残り4曲もDisc2にちゃんと収録されています。



で、そのDisc2ですが、これがまた白眉の出来でございまして。
本編の曲順に合わせて編集されたライブですが、
各曲の録音時期が広範に渡るものの
(音質を含めた)統一感たるや非常に見事なもので
これはちょっと感動的ですらあります。

'83年、Geoff Mannのフェアウェルショウから
最多4曲がチョイスされていますが
“Live and Let Live”に収録されたのとは明らかに別日の演奏もあり、
加えてKarl Groomによるリミックスが途轍もなく素晴らしいのです。
いやこれ、“Live and Let Live”のThe Difinitive Editionは
全編Karl Groomに頼って出し直した方がいいんじゃないの?ってくらい。

“Love Song”の後に再度“Fact and Fiction”が出てきますが
これはアンコール扱いってことでしょうかね。
この'12年録音版はギターメインのアレンジが異常にカッコ良くて
Mark Spencerのやや不安定なボーカルも全然許せちゃうのです。

更にボーナストラックは上記Cyclops盤に収録された4曲(曲名省略)と
“Creepshow”(終盤)のデモ(初収録)です。
“Fact and Fiction”というアルバムがGeoff Mannとバンドによる
途方もない試行錯誤の上に成り立っていることの一端が垣間見えます。



…ちょっと書き疲れてきました(苦笑)。
Disc3のカバー集についてはざっと駆け抜ける感じで。

1.Electro Sane
現GALAHADの鍵盤奏者、Dean Bakerによる短いイントロダクション。
元々は'10年リリースのライブDVD“MMX”のメニュー画面用BGM。

2.We Are Sane
元La Host(渋い!)のMark Spencerについては
その名前を今年はやたらと目にします。
Alan Reedの“Live: from the Razor's Edge”、
そしてTHE C:LIVE COLLECTIVEの“The Age of Insanity”。
んー、中庸且つ小器用な感じの人なので声が掛かりやすいのかしら。

3.Human Being
Geoff Mannの追悼盤、
“Mannerisms -A Celebration of the Music of Geoff Mann”('94)
にも収録された若かりし頃のPENDRAGONによる演奏。

4.This City
演奏はかつてSteven WilsonとNO-MANで活動したTim Bowness。
ピアノ、ナチュラルトーンのエレキギター、そして物憂いボーカル。

5.This City
何故か“This City”2連発。
'17年にアルバムデビューした新鋭、COBURGによるカバー。
寡聞にして存じ上げなかったのですが、調べてみると…
なんだよ、Mark SpencerとDean Bakerがメンバーじゃん(笑)。
まぁこれ、バンドのオリジナル曲はメタル成分が強めっぽいから
追いかけませんが。

6.World Without End
Clive Nolanが期待に違わぬ大仰なオーケストレーションで聴かせます。

7.Fact and Fiction
“Mannerisms”('94)でやや拙い“The Ceiling Speaks”を
やっていた頃とは訳が違うぞ!とばかりに
見事なアレンジを披露したGALAHAD。うん、これは相当いいですね。

8.The Poet Sniffs A Flower
三度Mark Spencerと、
こちらは元GALAHADのLee Abrahamの2人による録音。
前半はほぼノーアレンジながら、
後半ブラスサウンドを導入したのはちょっと面白かったです。

9.Creepshow
本家TWELFTH NIGHTによるセルフカバー。
歌を排したことで(声は入っていますが)
活動初期のインストプログレバンドとしての
姿が蘇ったのは実に興味深いところです。
12分を難無くやり切る実力は全く衰え知らずですよ。
これも“Electro Sane”と同様、元々は“MMX”DVDの
おまけスライドショー用に録られたものです。

10.Love Song
このトラックは
'14年に癌研究の援助のためリリースされていたようです。
うん、やっぱりね、Alan Reedは絶対に外さないよねw。
Kim Seviourは…どうなんでしょうね。
歌は上手い人なんでしょうけれど、
僕はこれAlan Reed一人で良かったんじゃないかと思います。

11.Don't Make Me Laugh
Geoff Mannの脱退表明を受け、Nigel Axe Atkinsを迎えて
'83年に録音されたもの。
何故ここでの名義がAXEなのかは良く分かりませんが
これは紛れもなくTWELFTH NIGHTの演奏です。
コンピ盤“Voices in the Night”('07)は
現在バンドが手売りするCD-Rでしか手に入らないので
このトラックを聴き慣れない人も多いかも知れません。

12.Fact And Fiction
13.Love Song
EH! GEOFF MANN BANDによるライブテイク。
結局この2曲がいいところを全て持っていった感じです。



斯様、実にディフィニティブな再発盤であります。
暫くは3枚を取っ換え引っ替えして
これだけ聴いてりゃいいんじゃないかってくらい。

TWELFTH NIGHTのアルバムは
もう1枚、通称“Virgin Album”('86)が残っていますが
権利関係上Definitive Editionとしての再発は
恐らく相当難しいでしょう。
Virgin / Charismaによる'05年のCD化が
そもそも奇跡みたいなものだったのでアレなんですが、
どこか奇特なレコ社が変形ジャケを再現した紙ジャケで
出してくれたりしたら僕はいかに高価でも絶対買うね。
もう、奇声を上げながら飛び付くようにして手に入れます。
…叶わぬ夢ではありましょうけれど。

それから、関連するエントリーは数が多いので記しませんでした。
悪しからずご了承ください。
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