やっとのことで [日々聴く音楽]

先日の作文、結局DIAMOND HEADの“Canterbury”については
なーんも触れていないのでしたwなので今日書きます。

Canterbury / DIAMOND HEAD / 1983
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メタルのアルバムとしてはなかなか評価しにくい1枚だと思います。

でもまぁアレです、以前にも書きました
このバンドって実はアルバム毎にベクトルがかなり違っていて
典型的なメタルって1stだけなんだよね(あ、再結成前の話ね)。
2nd“Borrowed Time”('82)の時点で既に音楽的な拡散傾向は顕在化していて、
古典的なブリティッシュロックを意識した“Borrowed Time”は
やや長めの楽曲で入り組んだ展開を構築しつつ、
同時にブルースの薫りを漂わせる楽曲がズラリと並びます。
METALLICAが“Am I Evil?”をカバーしちゃったことで
誤解された部分が実は結構大きいんじゃないかと思うのですよ。

-で、“Canterbury”です。
本作の楽曲は相対的にコンパクト化され、
ブルース風味は薄れてポップ方向に振れています。
しかし良く聴くとやたらに凝ったアレンジが施されていて全然一筋縄ではない。
僕の解釈として、これは前作でしっかり根付いたブリティッシュロックを
リアルタイム('80年代)にスライドさせようと試みたアウトプットであると。
当然第2次ブリティッシュ・インベイジョン(面倒なので解説しませんが)も
意識の範疇にはあったでしょうがバンドの性格上そこまで割り切れず、
そこで指標となったのはやはり硬派のTHE POLICEやMARILLION辺り
だったんじゃないかと思うのです。
しかし結果どのバンドにもあまり似なかったのは
DIAMOND HEAD(Sean HarrisとBrian Tatler)の個性が
それほどに強かったことの証左であると考えます。

いわゆるNWOBHMの(若い)バンドが
メジャーディールを持っている状況でマーケットのリクエストに応えつつ
自らの音楽的アイデンティティをキープするってのは相当難しかった筈です。
然るにDIAMOND HEADはその捻くれた個性故に
時代の隙間に飲み込まれていったんじゃないかと、そんな風に考えるのです。



恐ろしくカッコイイ曲で当時小僧だった僕はただただ興奮して震えていた訳ですが
この歌詞の示唆するところってのは改めて見てみると相当に根深い気がするのです。

DIAMOND HEADについて“Canterbury”を筆頭に挙げることがいかに偏屈かってのは
誰に言われんでも重々承知していますが、
それでも僕は死ぬまで“Canterbury”最高!と言い続けるんだもんね。



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