さて、Bob Catleyはどうするのだろう [故人を悼む]

Tony Clarkinが亡くなったそうで…
と書いている今日(2024年1月12日)こそが
MAGNUM2年振りの新譜リリース日だったりするのです。
なんというか、なんとも言えないですな。

-まぁ、なんだ。
恐らくTony Clarkinの訃報に際して我が国で語られるMAGNUMは
3~5枚目の頃のことが殆どで、'07年以降がそれに続く感じでしょうか。
後はAOR方面が6~8枚目辺りをお浚いするのかしないのか。
なので僕はMAGNUM最初の解散('95年)から
HARD RAINを名乗った時期、
そして再結成後の2枚迄を集中的に聴いてみました(相変わらずの天邪鬼)。

で、思った訳ですよ。非常に特殊な立ち位置にあるものの

When The Good Times Come / HARD RAIN / 1999
hrdrin2.jpg

これは聴きどころの多い良いアルバムだなぁ、と。

HARD RAINの、セルフタイトルの1枚目('97)は
あれはあれで良いアルバムだった訳ですが
特段MAGNUMの名前を捨てる意味はなかったんじゃないのか?
という気持ちを聴き手に抱かせたのも事実でした。
それに比してこの2ndアルバムは楽曲のバリエーションをかなり広角化、
冒頭いきなりヘヴィなソウルで幕を開けるのでちょっとギョっとします。

続く2曲目が僕のお気に入り。



Tony Clarkinのギターは結構クラシカルなハードロックなのだけれど
Paul HodsonのキーボードがぐっとAOR側に寄せているのね。
このバランスが実に絶妙で良いのだな。

そしてこのアルバムにおいては
前作でコーラスを務めたSue McCloskeyを
第2のボーカルとして正式メンバー化、
あろうことかBob Catleyから1曲リードボーカルを奪うという
ちょっとした事件もありました。



Bob Catleyはこれで良かったんか?という疑問は当然ですが
この時期Bob CatleyはTEN(Gary HughesとVinny Burns)の後ろ盾を得て
丸っきり(古き良き頃の)MAGNUM風味のソロ活動が大成功していたので、
うん、特に文句は無かったんだろうな。
こっちは色々楽しく歌えればいいや、と。



ホント、器用になんでも歌いこなすもんだよな。

結果ちょっと拡散し過ぎて焦点はボケましたよね、このアルバム。
散々MAGNUMは時代遅れだなんだって言われて辞めたのに
Bob Catleyのソロは好評だし、一体何なんだ!?と。
そりゃまぁ、諸々不信は募るでしょうねぇ。

結局Tony ClarkinはMAGNUMの再結成を決断、
“Breath of Life”('02)と“Brand New Morning”('04)の2枚を
ある種リハビリテーション的なアルバムとして制作した後
“Princess Alice and the Broken Arrow”('07)で
バンドのキャリアを再び確立したという訳です。

てなことで毎度低迷期、過渡期の1枚を選んで作文しましたが
ソングライターとしてのTony Clarkinの多才さを知るには
このアルバムが一番適しているんじゃないかと思うんだよね。
まぁ国内盤のリリースも無かったし、
全然注目(耳)されないのも当然っちゃ当然なのですが。

-故人の冥福を祈って、合掌。

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