行き着いた [日々聴く音楽]

どうしてもデジタル化しておきたいカセットテープが実家で発掘されまして、
先日遂に安いCDラジカセを買ってしまいました。

Official Bootleg Lives Volume I
Official Bootleg Lives Volume II / VARIOUS ARTISTS
IMG_0430.jpg

我が国のプログレバンドが各所で行ったライブを編纂したオムニバステープ2本。
ネットで調べてみましたがこれはさすがに殆ど出てきませんでしたねぇ。
レーベル名等の記載が皆無な上にTDKの市販品(AD60)を
そのままメディアとして使用しており、出処はかなり怪しい感じであります。
僕のおぼろげな記憶では確か新宿のEdisonで買ったのだ。
しかしそれがいつだったのかと言われると…
音源の録音年月日が全て'86年と'87年であることからすると
恐らく'87年の末頃だったのではないかと思われます。

で、これの中身が大変に面白いのだな。
収録された音源は全てラインソースの2ミックス。
経年によるテープの劣化もありますが音質に不満は無く、
当時の各バンドの演奏力がいかほどのものであったのかが
相当にクリアなサウンドで確認できます。

ついでにジャケットの点描画ですがVolume Iの方に“Aya Sudoh”と署名がありました。
これは

pgntkmnego.jpg

これを描いた人と同一人物と思われ、してみるとこのテープ、
それなりに筋の通ったプロダクトなのかしらとも推測できます。
-と、更に調べてみると未記載ながらMIJTP-2007(Volume I)という
品番が付いているようで、うん、
これMade In Japan Recordsがリリースしたってことで間違いなさそうです。



Progressives' Battleの時と同様収録曲をリストにしましょうかね。

Volume I
A-1 Beyond Good and Evil / OUTER LIMITS
A-2 Sail and the Shadow / OUTER LIMITS
A-3 Labylinth / BELLAPHON
A-4 Eternal Jealousy / Mr. SIRIUS
B-1 Seven Beauty / AFFLATUS
B-2 タイトル未定 / VIENNA
B-3 Lagrima / MAGDALENA
B-4 Out of March / SOCIAL TENSION

OUTER LIMITSが2曲。
“Sail and the Shadow”は客演で永井博子が歌っています。

しかしこのVolume Iの目玉はなんといってもVIENNAでしょう。
録音はレコードデビューよりも前、吉祥寺シルバーエレファントでの演奏。
なのでベースはまだ荒巻隆の頃なんじゃないかと思われます。
やや散漫な印象もあっていまひとつまとまりきっていない感じの曲ですが、
VIENNAというバンドがUKの強い影響下にあることを
改めて確認できるインストゥルメンタルです。これは物凄く興味深い。

…あー、MAGDALENAもアルバムが出る前にこれを先に聴いたような気がします。
火曜サスペンス劇場のエンディングにかかる曲みたい、って言ったのは誰だったっけ…。

そして問題がひとつ。
A-4の演奏者名とB-4(曲名、奏者共)のクレジットが記載されていないのです。
SOCIAL TENSIONは特に酷い扱いでちょっと可哀そうです。
当時はまだアルバムリリース前でしたから暫くの期間
謎のシークレットトラックだったんだよね。
おまけにテープ残量の関係からか演奏のお尻をフェードアウトされちゃってるし。

Volume II

A-1 実験 I / ASTURIAS
A-2 Daydream / DEJA-VU
A-3 舞踏ロマンティックからレダと白鳥 / 夢幻
A-4 Against the Wind / ATARAXIA
B-1 木霊 / PAGEANT
B-2 セルロイドの空 / PAGEANT
B-3 螺鈿幻想 / PAGEANT
B-4 時の灰 / VERMILION SANDS

初期ASTURIASのライブが聴けるのは凄く嬉しい。
VIENNAと同様、演奏しながら諸々固めていこうとする試行錯誤が伺えます。

PAGEANTは3曲。人気のほどが伺えます。
「木霊」は'86年10月26日に新橋ヤクルトホール('19年6月26日作文)で
録音されたもので菅沼孝三と小川文明
(当日一緒に出演していたBLACK PAGEから…あぁ、両者とも故人じゃないか)、
そして永井睦人(AZOTH)が客演しています。今聴くと些か荒れた演奏ですが
菅沼孝三の爆音ドラム(即興パート有り)は非常に印象的です。

VERMILION SANDS、この曲は本ライブがベストな気がします。
勿論スタジオ版の方が端正でカッチリしているのだけれど
曲本来の魅力であろう素朴さと
ライブでありながら実に精緻なアンサンブルが素晴らしい。



まぁこれ、なにしろ無事デジタル化できて良かったです。
やっと好きな時に聴けるようになったもんね。
実家にあるカセットテープ(数は多くない)をもう少し漁ってみよう。
なんか面白いのが出てきたらいいな。
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