えー、もうお盆!? [新譜]

今年の夏季休暇はなんとも名状しがたい感じになりそうよの。



AKTOR(5月27日エントリー)に続いてChris Black絡みの1枚。

Hard to Stop / HIGH SPIRITS / 2020
Hard To Stop

Hard To Stop

  • アーティスト: High Spirits
  • 出版社/メーカー: High Roller Import
  • 発売日: 2020/08/14
  • メディア: CD

こちらは暫く前からリリース情報を得ていたので
特に慌てることもなく、
しかしもしかしてHIGH SPIRITSについて
ここに書くのは初めてですか?



スタジオ盤フルアルバム…これもう4枚目なのか。
このバンド(Chris Black一人しか居ませんが)は
作を重ねる毎にどんどん普遍化していて、
今やB級メタル成分はほんのり薫る程度。
この堂々たる王道ハードロック感ってのは、
実はTHE NIGHT FLIGHT ORCHESTRAとほぼ同じ方向を向いているのだと
僕らしい珍説を唱えておきます。
まぁ当然TNFOみたいな跳ね方はしないでしょうけれども。



話変わって前回貼ったFISH新曲のビデオ、
今度は新たにメイキングが公開されています。



僕の糞ほどインチキな英語力で適当なことを書くと
嘘ばかりになってしまうので
曲そのものの解釈はやめておきます。
ここでは映像そのものの外郭等を少しだけ。

解説をしているプロデューサー兼助監督の
Hannah ThompsonはMark Wilkinsonの娘だそうで、
えーと、Mark WilkinsonってのはFISHやMARILLIONの
ジャケットアートワークを数多く手掛けた人ね。
勿論先日貼付したMARILLIONのシングル〝Lavender”の絵も。

映像の目指す意図を汲んだ監督David Lamの
ヴィジュアライゼーションは非常に素晴らしく、
しかし上掲映像10:50で明かされる仕掛けは
あまりにも奥ゆかし過ぎて(笑)。
自分の息子を紛れ込ませることに遠慮があったのでしょうが、
これもっとあからさまにやっても
誰も文句は言わなかったと思うのだ。
このメイキングが無ければ誰も気づかなかったでしょw

そして僕の知っていた限りでは
FISHという人はなかなか伴侶に恵まれない
(だからこそ〝13th Star”という傑作も生まれた)って
印象でしたからビデオの最後に女性の手を取るのが
ちょっと意外というか、あれ、結婚したの?
って感じだったのです。
実際'17年に結婚していたのですね。うん、素直に良かったよね。

…やっぱりさぁ、思い入れ深いミュージシャンだから
詰まらないこと含めて色々書きたくなっちゃうのですよ。
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久し振りにサブウェイ食ったら美味かったのでまた行こうっと [日々聴く音楽]

ここのところセールの中古盤ばかり届くので
作文の種にやや困っております。
なので無理から斜め45°の切り口で小ネタを3つばかり。



JUNKYARDについて前に書いたのは…'17年7月5日か。
久方振りの新譜〝High Water”が突然出た、って話でしたな。
バンドは結構活発に演奏活動をしているようで、
なんだか嬉しい気分になります。



んー、相変わらず実にワルそうなおじさん達だなぁ。

音源についても'18年に
〝Shut Up -We're Tryin' to Practice”
('00年にリリースされたライブ盤。演奏は'89年のもの)、
続けて去年〝Old Habits Die Hard”
('88年に録音された自家盤CD-R2作からの抜粋)を再発。
更に先日(デジタルのみですが)〝High Water”の
限定盤ボーナストラックに2曲足した全7曲を
〝Rome Is Burning”と題して頒布。
まぁお蔵出しばかりではありますが
ちゃんとやってる感があって大変好ましい。

こういうバンドにはホント、頑張って欲しいものです。



続いては。



すったもんだの末、9月25日で確定したようです。
プリオーダーも始まっていますから
今回はまず間違いないでしょう。

-しかしまぁ、それにしても。

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映像、↑にマジでよく似た女性(絶妙に育った感があるよねぇ)を
見つけてきたものだなぁ。
歌詞、曲調と相俟って実に感傷的な気分になりますわぇ。
いやぁ、泣いても笑ってもこれが最後のスタジオ作。
ぎっちりぎちぎちに聴き込む所存でございますよ、ええ
(勿論翻意して次を作ってもらっても構いませんがw)。



僕は基本、Steve Walshの居ないKANSASに興味が無いのです。
しかし先日出た新譜〝The Absence Of Presence”は
ちょっとだけ気になっています。何故かと問われれば
鍵盤にTom Brislinの名前がクレジットされており、
'00年代以降YESやらCAMELやらRENAISSANCEで便利に使われた
いわゆる器用貧乏(失敬)タイプのアレでありまして、
更に申せば僕の人生における大切な1枚である↓



で演奏した人なので是非成功して欲しいと。
しかし今回はアメリカのバンドかぁ、
って思ったらTom Brislinはアメリカ人なのか。



いい感じではありますけれど、
んー、しかしコレ、買って聴くか?
…暫く悩むことにします。



まぁ、いつもの感じに収まりましたかね。
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今年の梅雨はちょと長い? [新譜]

Sadako E Le Mille Gru Di Carta / LOGOS / 2020
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前作〝L'enigma Della Vita”('14)が
初めてフィジカルリリースされたことで
(アルバムとしては3枚目でした)
一躍注目を浴びたイタリアの4人組。
所謂典型的なイタリアンシンフォニックプログレですが
しっかりしたプロダクションでアウトプットされる
溌溂としたサウンドに古臭さはなく、
良く練られた楽曲の完成度も高かった。
うん、確かに良く出来たアルバムだったのだけれど
丁度その頃に父が亡くなってしまい
バタバタしていたのでちゃんと聴いていなかったのだ。
しかし買うだけは買っていたというのが我ながらなんというかw。

と、そんなバンドの新譜タイトルは「サダコと千羽の折り鶴」。
僕は日本人でありながら、恥ずかしいことに
佐々木禎子についてその表層を舐める程度にしか知りませんでした。
この少女の人生が海外で様々に語られているというのも、
なんだかちょっとピンと来ないんだよね。
まぁそれはともかく、今般LOGOSが題材に採り上げたのは
カナダの児童文学作家、Eleanor Coerrが書いた
〝Sadako and the Thousand Paper Cranes”('77)。
各国の小学校で平和教育に使われているのだそうで、
勿論今回の作文に当たって慌てて調べた訳ですが(苦笑)。
で、この子供向け小説には作者の脚色があって
事実とは異なる部分を含むのだと。
同朋の心情としてそういうところを嫌ったのか、
この本の日本語訳は存在しないとのこと。
まぁ映画で良くある〝based on true story”と思えば
そこまで気にしなくてもいいのかな、
なんて僕個人としては考えておりますです、ハイ。



的外れな5音階が無理から鳴り出すこともなく
徹底的にイタリアンプログレな佇まいは
前作の延長線上にあってより完成度を高めたものという印象。
ふむ、有体に言ってこれはとても良いぞ。
ORMEとBANCOが主な影響元だとありますが、
端正なリズムセクションやクラシカルな上物のアレンジは
確かにLATTE E MIELEを彷彿とさせますね。
ギターレスでツインキーボードの4リズムという編成は
凶暴なロックとはやや距離があって、
このバンドの目指す方向を良く顕していると思います。

あ、あとジャケットのアートワークが折り鶴の展開図であると
パッと見て認識できるのは日本人を除けば
恐らくその数は非常に少ないと思われ、
ブックレットを読んで漸く種明かしされるというのは
(良い発想だけに)ちょっと勿体ない気がしますねぇ。

なにしろ非常に質の高いコンセプトアルバムであることは
間違いないということで。



この夏はイタリアもので良いヤツがポンポンと立て続けだなぁ。
他のは書くかどうか分からんけど。
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適当に書いてる訳じゃないんです…けど… [日々聴く音楽]

なんか巷間ツーブロックが話題になっているらしいので
おっさんの昔話をひとくさり。

中2の時、半年以上髪を切りませんでした。
担任(人の好い、中庸な教師でした)に
お前は級長なんだし頼むから切ってくれ、と請われましたが
でも、ロックだから…と答えた僕。
その暫く後、父に
お前それ自分で思ってるほどカッコ良くねぇぞ
と言われ涙目で床屋へ向かったのであった。
父ちゃん!それは自分でも薄々感じてはいたんだよ。
だけどそんなにハッキリ言わなくたっていいじゃんか。

-えーと、ツーブロックとか清潔感あっていいじゃないですか。
それに較べて長髪はホントにうっとおしいぞぉw

あ、因みにその更に後、
結局僕は長髪三昧を長きに渡って続けることになるのですがね。



昨年11月12日に書いたAnders Buaas氏の創作意欲が
どうやら盛大に爆発している模様です。
地元ラルヴィクに因んだ場所や風景から着想を得た
即興演奏10曲が〝Larvik Improvisation”と題されて
配信されているのですが、これがちょっとなかなか、
かなり…とても良い感じなのです。



シングルコイルPUの
ペキパキと角の立つトーンが実に気持ちいい。
これ完全に即興?いやヘッドアレンジではありましょうが
ある程度は練ってるでしょ、と思わざるを得ない
スムーズな演奏です。

で、これ次作の制作費に充てるために発表したのだそうで、



こちらは全22曲、
Verena Waddellという画家とのコラボレーションで
タロットをテーマに採ったんだと。
来年初めに出すって言ってます。
なんかもう、色々溢れ返っちゃってるんだろうなぁ。

加えて〝Larvik Improvisation”の
バックトラックをフリーで公開し、
ギタリスト諸君、キミ自身の故郷に因んだ
即興演奏と映像をポストしてくれ給へ!
というちょっとしたお遊びをやっていますが
それは些かハードルが高いんじゃないかなぁ。



先日の一報に続いてリリースは9月と発表されました。



Lee Altusは自分達のスピードメタルにおいて
メロディを絶対に諦めない。
David Whiteがそれをちゃんと分かって歌うのが美しいのだ。
Doug Piercyの不在は確かに寂しいけれど
Kragen Lumとのめくるめくツインリード
(今どきツインリードだぜ!?)は扇情力ばっちりです。
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やや寄る辺なし [日々聴く音楽]

TWELFTH NIGHTがbandcampでGeoff Mannの関連作を
続々頒布するという望外の喜び。
〝I May Sing Grace”('84)はところどころに
ノイズが出るという残念な事実もありつつ
THE BOND以外概ね聴けるようになったというのは、
僕にとっては全く夢のようなことです。
この人のソロ名義作はどれも結構癖が強いのでアレですが、
A GEOFF MANN BANDと
EH! GEOFF MANN BAND('18年1月19日に軽く触れています)は
Geoff Mann期のTWELFTH NIGHTを好む耳には
問題なくすんなり受け入れられるでしょう。

他、TWELFTH NIGHT及び周辺の諸作から
ピックアップされた8曲が
7月2日にフリーDLのサンプラーとして公開されています。
因みに8曲目〝 Requiem”(ボーカルはAndy Sears)の
スタジオ録音版は今般初お目見(耳聴)えという侮れなさで、
なんか本当にもう、楽しくて仕方ないわぇ。

Nice Enough to ... Join in ? / TWELFTH NIGHT - FRIENDS AND FAMILY
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昨夜RUSHの〝Power Windows”('85)を聴いたのは
2曲目、〝Grand Designs”のメロディが
僕の頭の中をぐるぐる回転し始めたから。
このアルバムについては'12年3月14日に書いていますが
当該曲はいかにもアルバムの2曲目に配されるタイプといった感じで
PPG Wave2の煌びやかなサウンドが時代を感じさせつつ
楽曲自体はどちらかと言えばやや地味な類。

しかし僕に言わせればこのバンドの凄さはこういう曲にこそ顕れていて、



この、異常に緻密なアレンジたるや。
フェードアウトするアウトロのリズムセクション、
リピートする毎に決めのパターンが全部違うとか正直どうかしてるわw
いやいやいや、だってフェードアウトしちゃうパートでそんな凝ったことする!?
と、もはやあんぐりと口を開けて呆れちゃうレベル。
RUSHというバンドはその音楽面において
個々の演奏技巧をもって語られることが多いのですが、
そこから更にバンドアンサンブルを練りに練って
楽曲を完成させているところが素晴らしいのですよ実のところ。
しかもサラっとさり気ない感じが良いでのす。
どうだぁ!みたいなひけらかしが無いのが、ね。

あー、これも「だってふと思い出しちゃったんだもん」のコーナーか。
ふむ、分かっちゃいましたがシリーズ化は容易いな。



なんかもう一ネタ、と思って3日寝かせたけれど
なんにも無かったのでこれで上げます。
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良いのが2枚(新譜とコンピ) [新譜]

Colours Out of Space / PIXIE NINJA / 2020
Colours Out Of Space

Colours Out Of Space

  • アーティスト: Pixie Ninja
  • 出版社/メーカー: Apollon Records
  • 発売日: 2020/07/10
  • メディア: CD

ぐえぇ!これまた大変に素晴らしい1枚ががが。
北欧ノルウェーで2人のミュージシャン
(Jostein HaugenとMarius Leiranes)がスタートさせ、
最初のアルバム〝Ultrasound”('17)の録音時以降は
4人編成のバンド形態で活動しているようです。
で、本作は新しく出た2枚目ということですな。

全編インストゥルメンタル。
サウンドのテクスチャーは実にオールドスクールですが
あまり古臭い感じがしないのはちょっと不思議。
凶暴なリズムセクションは超重量級(あ、やっぱりMattias Olssonだw)、
加えて弦楽器もがっつり歪みますが
これまたメタルっぽい雰囲気は薄く、
何かって言われたらそりゃ紛うかたなきプログレでしょうこれは。

アルバムタイトル
(ちゃんと「カラー」の綴りに〝u”を付ける辺りの拘りよね)は
勿論H.P.Lovecraftの短編から採られたもので、
しかし今どきの若い人達はLovecraftなんて読むのかしらねぇ。



んー、これ↑じゃ短か過ぎて分かんねぇな。
GOBLINスタイル(サントラ風味)とも少しだけ趣の違う
我の強いアウトプットは一体何に例えれば良いものか…
すみません、ちょっと僕の引き出しからは出てきません。
ただなんというか、ベタな抒情味(無い訳ではないのです)を
意図的になるべく表出させまいとする楽曲群はなかなか禁欲的で、
それこそがある種の「色即是空」(Colours Out of Space)
なのではないかと、えーコレちょっとうまいこと言ってやったぞ的な?

※因みに上掲はアルバム2曲目
 〝Leng Plateau”(当然これもLovecraftです)の中間部から。

全5曲、約44分に渡って怒濤の如く繰り広げられるオカルト地獄絵(音)巻。
そんなのさぁ、僕は大好きに決まってるじゃん。

まぁしかしアレだよね。
ノルウェーと言えば今やブラックメタルの国って印象よりも
ユーロプログレのメッカというイメージの方が
圧倒的に強くなっちゃいましたよね。
…前回作文したSONS OF ANGELSはその両方に掠りもしませんが(笑)。

うん、そんなことより遡って1stアルバムを聴かなきゃだわぇ。
Roman Odojに続いて、これも今年の優れた収穫であります。



Rated PG / Peter Gabriel
Rated PG

Rated PG

  • アーティスト: Peter Gabriel
  • 出版社/メーカー: REAL WORLD
  • 発売日: 2020/06/12
  • メディア: CD

Phil Collinsに続いてこの人もキャリア総括を始めたのかなぁ、
という一抹の寂しさはありつつ
何故今までこういうのが出ていなかったのだ!?
と言わずにはおれない映画主題歌/挿入歌集。

僕の好きな類のタイトルはあんまり含まれていないのですが
「ベイブ/都会へ行く」('98)は(その前作と併せて)
家族が大好きなのでDVDで何度も見ました。
へぇ、こんなところで歌ってたのか、って感心したんだよね。
その〝That'll Do”はRandy Newmanの書いた曲で
アカデミーのベストオリジナルソング賞にノミネートされています。

一方「ナチュラル・ボーン・キラーズ」('94)については
バッチリ映画館で見ているにも拘わらず全然覚えてなくて
えー、ホントにピーガブ歌っていたっけ?
と、これ(〝Taboo”)はNusrat Fateh Ali Khanとの共演で
Peter Gabrielは歌っていませんでした。
いやー、僕の記憶違いじゃなくてホッとしましたよ。
なにしろあの映画で流れた曲と言えばNINとかLARDとか、
そんなのしか覚えてねぇもの。

と、まぁそんなこんな
聴き手がそれぞれの映画体験を思い出しつつ楽しんだり出来るので
とても良いんじゃないかと思います。



むー、なんだかちゃんと書けていない気がする。
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