思いつきの垂れ流し [日々聴く音楽]

先日GRAND SLAMの小箱について書きました。
なんか久々にCLEOPATRA Recordsのカタログを手に入れた訳ですが
最近は他にオモロイのはないのかな?なんて思いましてですね。
元々権利関係の曖昧な隙間音源について、手を変え品を変えて
度々リリースするという手法で長らく生き延びるレコ社なのですが
まぁ相変わらずって感じでありとあらゆるタイトルを頻発している様子。

The Boys Of Ladbroke Grove / MOTORHEAD, LEMMY & LARRY WALLIS
mtrhad lmy.jpg

以下蛇足的トラックリスト。

1.Paradise (The Brains Mix) / LEMMY & THE UPSETTERS
2.Keep Us On The Road (The Brains Mix) / MOTORHEAD
3.Police Car / LARRY WALLIS
4.Lone Wolf / PINK FAIRIES
5.Should It Out Load / LEMMY
6.Crying All Night / LARRY WALLIS
7.Good Rockin’ Tonight (Alt Take) / THE HEAD CAT
8.On Parole (The Brains Mix) / MOTORHEAD
9.Twist & Shout / LEMMY
10.Leather Forever (The Brains Mix) / LARRY WALLIS
11.Blue Suede Shoes / LEMMY & THE UPSETTERS
12.I Think It’s Coming Back Again / LARRY WALLIS
13.Old Enough to Know Better / LARRY WALLIS
14.Stuck On You / THE HEAD CAT
15.Seeing Double / LARRY WALLIS
16.I Can't See What It's Got To Do With Me / LARRY WALLIS
17.Are We Having Fun Yet? / LARRY WALLIS



CLEOPATRAはLemmyやLarry Wallisについても
一部音源の権利を持っているので
本作はそれらのサンプラー的役割も果たしているって感じでしょうか。
比重としてはややLarry Wallisに寄りつつ
初期MOTORHEADファンにとってはかなり面白い内容で、
まぁこれ実に興味深いアルバムです。

-かと思えばこの先、8月には



こんなのも出すそうで、なんだろう、俄然目が離せねぇ(笑)。



一方、'80年代のB級ヨーロピアンメタルを聴き漁ったりもしております。
ここのところの僕的流行は各国のDEEP PURPLEもどき。
まぁなんだ、メンバーにキーボードが居てオルガンサウンドが鳴り響けば
大体DEEP PURPLE影響下の…って呼ばれちゃうのは
ちょっと可哀そうな気もするけど、
実際概ねDEEP PURPLEっぽいのも事実だしな。

Game Over / VANADIUM / 1984
vanadium2.jpg

こちらはイタリアのDEEP PURPLEことVANADIUMの3rdアルバム。
'84年と言えば本家DEEP PURPLEが“Perfect Strangers”で
復活しちゃった年であり、この人達も戸惑ったんじゃないでしょうかね。
まぁ言うても本作についてはオルガンが轟々と唸りつつも
シンセサイザーが目立つパートも増え、
幾らか時代に沿ったメタルっぽさを意識している感じで
今聴くとなかなか面白いバランス感覚です。



やや産業ロック寄りのロッカバラードを巧く混ぜ込む辺りも良い感じです。
この曲とかは全然DEEP PURPLEじゃなくて、まぁ言うたらSCORPIONSだなぁ。

VANADIUMについては
そのディスコグラフィが正式にCD化されたことは一度もなく、
まぁ需要も多くなさそうではあるのですが。
何故かデジタル化はされているから聴くだけなら全然普通に聴けちゃうので
再発しないかな?って感じでもないし。
コメント(0) 
共通テーマ:音楽

空梅雨なんですかね… [新譜]

五十歩百歩に大差は無いが五十符百符は一翻違う、という
名言を吐いたのは僕の尊敬する先輩だったような気がしますが、
よくよく考えると五十歩百歩も一歩1mとして50mの差ってのは
そんなに小さくないよなぁ。
…なんて、いつも通り訳の分からない導入。
正直作文ネタがあまりないのです。
ジャズロック方面でBEND THE FUTUREHOMUNCULUS RES
ここではお馴染みの人達が立て続けに新譜を出したのですが
改めて書くことがあんまりなくてですね。
いや、勿論両者とも楽しく聴いたのですが、
前作からの地続き感が強くて新たな言葉が見つからないのです。
まぁ暫くしたら突然なんか作文するかもしれませんが。



Impermanence / DOMINIC SANDERSON / 2023
dmncsndrsn.jpg

若きイギリス人ギタリスト(兼ボーカル兼メロトロン)の初アルバム。
ソロ名義ではあるものの8人もの客演を迎えて概ねバンド仕立てとなっており、
これが実に秀逸な内容なのです。

オールドスクールなプログレの影響を隠すことなく、
加えてもっとモダンな要素を巧くミックスしている感じ。
本人はSteven WilsonやMARILLIONの名前を挙げていますが
(いや、MARILLIONはもはや新しいとは言えないのか?)、
僕としてはもうちょっと違う趣を感じます。
ズバリ、北欧のどんよりサイケスタイル
Per WibergのソロとかHenrik Palm)に通ずる
なんとも言えないドス黒さがあると思うんだよね。



もっと静謐で穏やかな曲もあるのですが ↑この路線が実に僕好みなもので。
イタリアンヘヴィシンフォとも少しノリが違うし、かなり独特ではあるよな。
本作以前にリリースしている2つのEP(うち一つはアコギのライブ)も
基本同じ路線で、音楽的スタイルは既に確立されているものと思われます。
うん、これはこの先かなり楽しみな人が出て来たなぁ。

因みに手売りのフィジカル100枚はかなり早い段階で売り切れたようですが
追加するからちょっと待っててねとアナウンスされています。



やっぱり短かったのでちょっと無理筋ながら ↓貼っておきます。



僕はNeal Morseの熱心なリスナーという訳ではなく(むしろほぼ聴かない)、
じゃなんで?って感じではありますが。
いやぁだってこれFRONTIERS MUSICが出すの?という。
INSIDE OUTじゃないんだなぁって思ってなんとなくPV見てみたら
あれコレ結構面白そうかも…って思っちゃったのです。
8月リリース予定。アルバム買うかどうかはまだ決めかねますが。

コメント(0) 
共通テーマ:音楽

全音源ではないのだけれど [日々聴く音楽]

-あ、今日の作文は長いです。
いつも通り興味のある人はあんまり多くないのでしょうが。

Slam Anthems / PHIL LYNOTT'S GRAND SLAM
grandslambox23.jpg

米CLEOPATRA RecordsがGRAND SLAMの小箱(6枚セット)を出すということで
なんかまたこれ蛇足的なリリースなんだろうなぁ、と。
僕はこのバンドの(出処の怪しい)盤を散々買い漁ってきたので
各CDの収録曲を見れば大体内容が分かっちゃうのだ。
だもんで概ね予想の範疇ではありつつそれでも幾つか気になる点があり、
まぁ今更ケチってスルーする理由もないのでポチっといきました。

こ れ は す ば ら し い。

Phil LynottがTHIN LIZZY解散後、人生の末期に向かって行くさなか
僅か1年に満たない短期間に眩い輝きを放ったGRAND SLAMというバンドの、
その概観を俯瞰する優秀なセットと言うことで間違いありません。
当面GRAND SLAMはこれだけ持ってりゃ事足りる決定版です。
実際これ以上の音源が今後出てくるとは思えないしね。

以下各盤について。

Disc 1:2022 REMIXES
スタジオ録音されたデモをリミックスした音源集。13曲収録。
マニアにとっては聴きなれたものも多いのですが
“Dedication”のスタジオデモはこれ、僕は初めて聴くバージョンです。
リフのコードアレンジがライブ演奏のそれとは異なり、
恐らくかなり早期に録られたものではないかと推測しますが
Laurence Archerのギターソロは既に大体固まっています。
更に4曲もの初出(だと思います)曲。
いやーこれ、好事家の皆さんはこの1枚の為に
本セットを買わざるを得ないのではないかと。

リミックス効果は控え目で聴感上物凄く変わった感じはしませんが
割と丁寧なノイズ除去が施してあり、
アウトプットレベルも中低域がふくよかになっているので
デモ特有の安っぽさがあまり感じられないのがイイですね。



Disc 2:OREBRO 1983
'02年にzoom CLUB RECORDSがリリースした
Phil Lynott名義の“Live in Sweden 1983”、そのDisc 1と同じ内容です。
まだGRAND SLAMを名乗る前の'83年8月5日、
スウェーデン中部の都市エーレブルーでのライブ録音。
ギターはJohn Sykes、ドラムはBrian Downeyということで
THIN LIZZY解散からの流れを引き摺るタイミングの演奏です。
Phil Lynottのソロ収録曲をメインにしたセットで
THIN LIZZYの曲は古めのものばかり、
John Sykesは自分の書いた曲を1曲もやらせて貰えず不満だったろうなぁ。
全11曲。

Disc 3:LIFFORD 1984
同じくzoom CLUB RECORDSが'03年にリリースした
“Live 1984 / Galway / Castlebar / Lifford”(GRAND SLAM名義)と同内容。
GRAND SLAMとしての初ライブはPhil Lynottの地元アイルランドで、
'84年3月30日のゴールウェー、31日のカスルバー、そして4月1日のリフォードの
3公演を編集した全10曲。バンドの新曲が3曲、
そしてLaurence Archerには“Cold Sweat”を弾かせちゃうのだ。

Disc 4:LONDON 1984
全5曲は全てバンドのオリジナル、BBCの放送用音源。
これについては前にちょっと書いていますね。
ブートにあった冒頭のMCはカットされており即“Nineteen”が始まります。
そして最後の“Dedication”はフェードアウトせず最後まで収録されています。
つまりこれ、エアチェックしたテープではなく大元のライブソースなのだ。
これは相当な快挙なんじゃないかと思います。
“Nineteen”のイントロでテープが少しよれる感じが残念ですが
従来のブートに較べて音質も確実に良く、いやーこれはイイぞ!

Disc 5:GREAT YARMOUTH 1984
Kerrang! Wooargh Weekender 1984(10月12日)出演時の9曲を収録。
これもDisc 4と同様散々ブート化されている放送用音源。
どうやらこちらはライブソースではなく
他のブートと同じ音源を使っている模様。
まぁ、GRAND SLAMのライブと言えばこれが定番ってことになりましょうか。

Disc 6:DEMOS 1983/1984
Disc 1の元となったデモやスタジオセッション集。全15曲。
zoom CLUB RECORDSの“The Studio Sessions”('02)から
Phil Lynottのラジオインタビューを省いて
その分何曲か足したもの、と考えれば良いかと思います。

-と、まぁ、なんだ。
これまで幾度となく散発的にリリースされてきた代表的音源が
スッキリと整理された形でまとめられているのは大変にありがたい。
そしてDisc 1とDisc 4は好事家を唸らせるに充分な内容で、
こいつはマジで凄ぇ箱が出たもんだ。
まさかCLEOPATRA Recordsが
突然こんなものを出してくるとは思わなかったので、
これは嬉しい驚きでしたねぇ。
コメント(0) 
共通テーマ:音楽

やっとのことで [日々聴く音楽]

先日の作文、結局DIAMOND HEADの“Canterbury”については
なーんも触れていないのでしたwなので今日書きます。

Canterbury / DIAMOND HEAD / 1983
dmdhd ctbry.jpg

メタルのアルバムとしてはなかなか評価しにくい1枚だと思います。

でもまぁアレです、以前にも書きました
このバンドって実はアルバム毎にベクトルがかなり違っていて
典型的なメタルって1stだけなんだよね(あ、再結成前の話ね)。
2nd“Borrowed Time”('82)の時点で既に音楽的な拡散傾向は顕在化していて、
古典的なブリティッシュロックを意識した“Borrowed Time”は
やや長めの楽曲で入り組んだ展開を構築しつつ、
同時にブルースの薫りを漂わせる楽曲がズラリと並びます。
METALLICAが“Am I Evil?”をカバーしちゃったことで
誤解された部分が実は結構大きいんじゃないかと思うのですよ。

-で、“Canterbury”です。
本作の楽曲は相対的にコンパクト化され、
ブルース風味は薄れてポップ方向に振れています。
しかし良く聴くとやたらに凝ったアレンジが施されていて全然一筋縄ではない。
僕の解釈として、これは前作でしっかり根付いたブリティッシュロックを
リアルタイム('80年代)にスライドさせようと試みたアウトプットであると。
当然第2次ブリティッシュ・インベイジョン(面倒なので解説しませんが)も
意識の範疇にはあったでしょうがバンドの性格上そこまで割り切れず、
そこで指標となったのはやはり硬派のTHE POLICEやMARILLION辺り
だったんじゃないかと思うのです。
しかし結果どのバンドにもあまり似なかったのは
DIAMOND HEAD(Sean HarrisとBrian Tatler)の個性が
それほどに強かったことの証左であると考えます。

いわゆるNWOBHMの(若い)バンドが
メジャーディールを持っている状況でマーケットのリクエストに応えつつ
自らの音楽的アイデンティティをキープするってのは相当難しかった筈です。
然るにDIAMOND HEADはその捻くれた個性故に
時代の隙間に飲み込まれていったんじゃないかと、そんな風に考えるのです。



恐ろしくカッコイイ曲で当時小僧だった僕はただただ興奮して震えていた訳ですが
この歌詞の示唆するところってのは改めて見てみると相当に根深い気がするのです。

DIAMOND HEADについて“Canterbury”を筆頭に挙げることがいかに偏屈かってのは
誰に言われんでも重々承知していますが、
それでも僕は死ぬまで“Canterbury”最高!と言い続けるんだもんね。



コメント(0) 
共通テーマ:音楽

カンロ「ラムネのビー玉」(飴)がうまい [新譜]

ユニバーサルの、
“Tublar Bells”50周年記念盤を売るに当たってのコピーが
「プログレッシヴ・ロック/ミニマル・ミュージックの金字塔」
って書いてあってちょっとばかり首を捻ったのです。
確かにオスティナート技法が採り入れられた曲でありますし、
近いところにDavid Bedfordも居ましたから
ミニマルと呼ぶのも間違いではないのかも知れませんが…
いやしかし、やはりあれだけ見事な起承転結をもって
聴き手の心を大きく揺さぶる音楽をミニマルミュージックと言うのは
やっぱりなにか違っている気がするし、僕としては小さくない抵抗があります。

-という些細な文句から。



Threnody for A Dead Queen / COMEDY OF ERRORS / 2023
cmdoerrs7.jpg

このバンドについては結構しつこく書いています
前作について書いた作文終わりに、次は難しいかも…と記しました。
元々楽曲のバリエーションがそれほど豊かとは言えないので
もしかしたら飽きちゃうかも知れないと思ったのです。
結果としてはまぁ、やっぱりなんとなく聞き覚えのあるメロディが
そこここから聴こえてきます。
然るに何故か僕の耳を捕らえて離さない不思議な魅力は健在で、
聴き飽きるって感じは全然ありませんでした。
これはなんだろうな?
朴訥でやや頑固、しかしどこかしら楽観的で
決して完全なネガティブ方面に向かわないのが性に合うのかしら。
一貫してスペーシーな音響空間の演出もドンピシャリ僕好みだしな。

前作から1年空けず(9カ月弱)のリリースは長尺2曲を頭に置いて
このバンドとしては珍しくやや重厚な滑り出し。
勿論意図があっての曲順でしょうが…
本格派を強く主張したかったのかなぁ。
その後小曲(言うても3分4分ありますが)を3つ挟んで
再び12分半の長尺はアルバムのタイトル曲。「亡き女王のための頌歌」
(「哀歌」って訳すと逆翻訳で「エレジー」が頭に浮かんでしまうので)
は緩やかに回る走馬灯のようなインストゥルメンタルを約10分聴かせた後に
情感を爆発させるなかなかの聴きモノ。
アルバムとしては間違いなくここがクライマックスで、
後に続く2曲のインストは概ね余韻と考えて間違いないと思います。

毎度この人達らしい、分かり易いテーマに沿ったアルバムですが
もはやその完成度は円熟の域に達していると言っていいんじゃないかと。



ん、ちょっと短いけれど今日はこれにて。

コメント(0) 
共通テーマ:音楽