メタルの変なカバー [日々聴く音楽]

同じジャンルの先達をカバーするってのも勿論面白いのですが
全然畑違いの曲を唐突に突っ込んでくる方が僕は好きです。

んー、古いのから順番に並べていこうかな。



OSMONDSなんて今の若い人は知らないのだろうけれど…
いや、正直僕だって殆ど知らないってのよ。
ただ、幼少期にテレビで見ていたカルピスのコマーシャルで
「カルピスのうた」を歌っていたのがオズモンド ブラザーズであり、
それが改名してOSMONDSになったのは知っていたので
このカバーは相当面食らいましたよね。
えっ!オズモンズなんかやってるの!?ってなもんで。

TANKはこの後もモータウン(“Chain of Fools”)をやったりして、
これはきっとAlgy Wardの趣味なのでしょうねぇ。

TANKの系列(?)ではこんなのもありました ↓



完全にリアルタイム('84年)のヒット曲を
即座にやるという厚かましさが大変清々しい。しかしこの焼け糞感w



今も現役バリバリのSAXONは近年カバーアルバムを2枚も出していますが
それ以外にもちょこちょこ人の曲をやっていますな。
その中でもひと際風変りだったのが'88年リリースの



よりにもよってChristopher Crossですよ。
これを聴いて当時盛大にひっくり返った僕でしたが、今聴くと案外イイよね。
アレンジでなんとかメタルに寄せようとしている辺り実に真面目だよな。
まぁバンドとしてはとんでもない迷走期でしたが。

この頃のカバーではGary Mooreが'87年にやった “Friday On My Mind”もありますね。



'91年にDAN REED NETWORKがやった
PINK FLOYDの“Money”も思いついたのですが、
Dan Reedをメタルに括っていいのかどうか悩んだ末貼るのはやめました。

'93年の3rdアルバム“The Spectral Sorrows”において
MANOWARをやっていた時点で僕の注目度は既に高かったのですが
翌'94年にリリースされたEP“Until Eternity Ends”に収録された



これが決定打となって僕はDan Swanoという人に入れ込んでいったのです。
我が国では専らメロディック デス メタルの嚆矢(の一つ)として
認識されているEDGE OF SANITYですが、
Dan Swanoの嗜好する音楽は狭小なジャンルの壁など
いとも簡単に飛び越えて行くのです。

同じTHE POLICEをやるにしても



こういうのならまだ幾らか分かり易いじゃないですか。
然るにDan Swanoは“Ghost in the Machine”('81)から選曲するのだ。
マジ最高だよな。



'96年にSACRED REICHがやったのは
OINGO BOINGOが'83年にリリースしたアルバム“Good for Your Soul”の冒頭曲。



いやー、渋過ぎだろ。
元曲については'83年USフェスティバル出演時の演奏を
TVK(テレビ神奈川ね)が流していたのを見た記憶が有るような無いような。
なんにせよ僕はこのカバーきっかけでDanny Elfmanの名前を意識し、
うわー、映画「ミッドナイト・ラン」の劇伴はこの人なのか!
と大いに興奮したのです。



まだ2000年に至る前なのに
6曲も貼ってしまったのでここらでいっぺん終わります。
この作文がそれなりに読まれるようなら続きを書くかも知れません。
…ねぇだろうなぁw

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小ネタ小ネタ小ネタ [日々聴く音楽]



カナダのTRAVELERがギリシャのno remorse Recordsに移籍、
2月の終わりに3枚目のアルバムをリリースとのこと。
好事家向け再発盤屋だったno remorseも今や立派な新譜配給レコ社よな。
TRAVELERは'20年の2ndアルバム以降殆ど音沙汰がなく、
'22年に



↑ これを発表したのみだったので
新譜のニュースに触れて大いに安心したワタクシであります。



SEAORMの3枚目がCD生産ラインの不備によって短期間ながら延期の憂き目。
手持無沙汰になったAngel Ontalvaは
'23年12月26日から年明け1月7日までの間
毎日1曲録音すると決めたらしく、
しかし段々曲に凝り始めてしまい結果8曲が完成したのですと。

Twelve Days of Winter / ANGEL ONTALVA / 2024
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bandcampの公開が1月8日なので完全なる録って出し。
しかしこれがかなり不思議な質感のアウトプットでとても面白いのだ。
本職であるギターとアンサンブルのためのベース、
そしてメロディのメインはキーボードなのですが
これを全てメロトロンの音色で賄っています。

貼れるのが無いのでアレなのですが、
メロトロンで環境音楽(的なもの)をやるという発想はかなり特異で、
実に怪異な音楽が出来上がったものだと感心します。

起伏はやや乏しいものの不穏なメロディにはちゃんと表情があって
途中から楽曲に凝り始めたというのが
この辺りに現れているのだろうと推測します。
後半の曲では堪えきれずにギターでインプロヴァイズしちゃうしw

多作な人なのでSEAORM以外は全てを追いかけている訳ではありませんが、
たまたま聴いたこれは相当面白かったです。



前々回作文時、まだMAGNUMの新譜は我が家に届いていなかったのですが
先行して公開されていた曲がMAGNUMの曲としては
なかなか評価しにくい感じだったので正直不安はあったのです。



もう、全然ちゃんとしたMAGNUMでした。
SPVというレコ社の(先行公開)曲を選ぶセンスが絶望的ってことなのか?
それともバンドが決めたのか?よく分かりませんけれども
聴き手の望む曲を出し惜しみしちゃ駄目だよな。
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今日もイタリア2タイトル [新譜]

Stranger Skies / ELLESMERE / 2024
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こりゃ年初から物凄ぇのが出たな。
4枚目にして飛躍的ブレイクスルーを果たした傑作だと思います。

Roberto Vitelli(ベースとキーボード)が書いた曲を
多数の客演によって具現化するスタイルは'15年のデビューから変わらないものの、
1stアルバムはやや茫洋とした雰囲気モノの域にあって僕の耳の反応は鈍かったのだ。
なんか、超薄味のASTURIASみたいだなぁって思った記憶が…。

まぁでも2枚目、3枚目も買って聴いてはいたのです。
作を重ねる毎に楽曲の輪郭はクッキリと際立つようになり
ロックのダイナミズムも感じられるようになりました。
特に3枚目からMattias Olssonをドラムに迎えたのは大きかったと思います。
リズムのバリエーションが格段に増え、
剛直な質感がアウトプットされるようになったのは前向きな変化でした。
インストゥルメンタルメインから、徐々にボーカル曲が増えていったのも
「ロックバンド感」の創出に一役買ったところでしょう。
ただ、何度も繰り返して聴くようなアレでもなかったんだよね。
常に平均点はクリアしつつ、ちょっと典型的過ぎてあんまり面白くないイメージが…。

-で、本作です。
イントロダクション、オケ(疑似)の高揚感でいきなりん゛っ!と力が入ります。
間髪を入れずの7拍子は、なるほどRoberto VitelliがRUSHの名前を挙げるのも頷けます。
そしてなにより驚いたのはいきなりのボーカル曲だということ。
その歌声は実にPhil Collinsっぽくて、あ、やっぱりGENESISにも言及してるのねw
てかこれ歌ってるのJohn Wilkinsonじゃねぇの?
…調べてみたらやっぱりその通りでした。
なんとアルバム全6曲中、インストゥルメンタルは1曲のみで
残りは全てJohn Wilkinsonのボーカルが響き渡ります。
SWAN CHORUSに続いてここでも大活躍だ。

僕が気に入ったのは2曲目 ↓



ちょっと往年のポンプロック風味が薫るのが嬉しい。
アルバム終盤(共に10分超え)の2曲も素晴らしく、
いやこの2連発はうるさ型のプログレファンも舌を巻く完成度だと思います。

実際、やっていることは前作とそんなに変わらなかったりするんだよな。
なのになんなんだろう、この一皮剥けた感じ。
先達の模倣を突き詰めて突き詰めて、その果てに獲得した清々しさ、かなぁ。
多分本作を聴いてアレとコレの真似、っていう人はもはや居ないと思います。
ただただ良く出来たアルバムですよコレは。



前々回Andrea Orlandoの作文でちょっと悪く書きましたが
ams1月のリリースはELLESMEREと並んでこちらもなかなか。

Guardate Com'e Rossa La Sua Bocca / FABIO CINTI & ALESSANDRO RUSSO / 2024
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ピアノをバックに訥々と歌われるのは
イタリアの大御所カンタウトーレAngelo Branduardiの楽曲群。
プログレ的にはどうしてもFranco Battiatoの陰に隠れがちで
正直僕も殆ど聴いてこなかったのですが、
良いメロディを書く人なんですねぇ。



ボーカルのFabio Cintiは
どうやらFranco Battiatoの人脈から出て来た人のようで、
それがなんでAngelo Branduardiなのかはちょっとよく分かりませんが。

良く晴れた冬の午後、暖房の効いた部屋でぼんやり聴くのにとてもイイ1枚。
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さて、Bob Catleyはどうするのだろう [故人を悼む]

Tony Clarkinが亡くなったそうで…
と書いている今日(2024年1月12日)こそが
MAGNUM2年振りの新譜リリース日だったりするのです。
なんというか、なんとも言えないですな。

-まぁ、なんだ。
恐らくTony Clarkinの訃報に際して我が国で語られるMAGNUMは
3~5枚目の頃のことが殆どで、'07年以降がそれに続く感じでしょうか。
後はAOR方面が6~8枚目辺りをお浚いするのかしないのか。
なので僕はMAGNUM最初の解散('95年)から
HARD RAINを名乗った時期、
そして再結成後の2枚迄を集中的に聴いてみました(相変わらずの天邪鬼)。

で、思った訳ですよ。非常に特殊な立ち位置にあるものの

When The Good Times Come / HARD RAIN / 1999
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これは聴きどころの多い良いアルバムだなぁ、と。

HARD RAINの、セルフタイトルの1枚目('97)は
あれはあれで良いアルバムだった訳ですが
特段MAGNUMの名前を捨てる意味はなかったんじゃないのか?
という気持ちを聴き手に抱かせたのも事実でした。
それに比してこの2ndアルバムは楽曲のバリエーションをかなり広角化、
冒頭いきなりヘヴィなソウルで幕を開けるのでちょっとギョっとします。

続く2曲目が僕のお気に入り。



Tony Clarkinのギターは結構クラシカルなハードロックなのだけれど
Paul HodsonのキーボードがぐっとAOR側に寄せているのね。
このバランスが実に絶妙で良いのだな。

そしてこのアルバムにおいては
前作でコーラスを務めたSue McCloskeyを
第2のボーカルとして正式メンバー化、
あろうことかBob Catleyから1曲リードボーカルを奪うという
ちょっとした事件もありました。



Bob Catleyはこれで良かったんか?という疑問は当然ですが
この時期Bob CatleyはTEN(Gary HughesとVinny Burns)の後ろ盾を得て
丸っきり(古き良き頃の)MAGNUM風味のソロ活動が大成功していたので、
うん、特に文句は無かったんだろうな。
こっちは色々楽しく歌えればいいや、と。



ホント、器用になんでも歌いこなすもんだよな。

結果ちょっと拡散し過ぎて焦点はボケましたよね、このアルバム。
散々MAGNUMは時代遅れだなんだって言われて辞めたのに
Bob Catleyのソロは好評だし、一体何なんだ!?と。
そりゃまぁ、諸々不信は募るでしょうねぇ。

結局Tony ClarkinはMAGNUMの再結成を決断、
“Breath of Life”('02)と“Brand New Morning”('04)の2枚を
ある種リハビリテーション的なアルバムとして制作した後
“Princess Alice and the Broken Arrow”('07)で
バンドのキャリアを再び確立したという訳です。

てなことで毎度低迷期、過渡期の1枚を選んで作文しましたが
ソングライターとしてのTony Clarkinの多才さを知るには
このアルバムが一番適しているんじゃないかと思うんだよね。
まぁ国内盤のリリースも無かったし、
全然注目(耳)されないのも当然っちゃ当然なのですが。

-故人の冥福を祈って、合掌。

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新春プログレ(去年出てたヤツ) [日々聴く音楽]

前回作文の通り
正月休みの間は落ち着いて音楽を聴く気分になれず、
この3連休もいまいち落ち着かない感じだったのですが…



La Scienza delle Stagioni / ANDREA ORLANDO / 2023
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LA COSCIENZA DI ZENO他、
多数のイタリアンプログレバンドでバッテリーを務める
Andrea Orlandoの、2枚目のソロアルバム。
'23年10月に出ていたようです。ふむ、これは気付かんかったな。
まぁ前作はamsからのリリースでしたが本作は自家盤なんだよね。
しかし中身は前作よりこっちの方がかなり良くて、
いやぁamsなんでこれ配給しないの?
そもそも前作はジャケット(夕刻の工場写真)と内容が
あまりにミスマッチですんなり耳に入ってこなかったのよ。
それに比して本作はもう、紛うかたなき抒情派イタリアンプログレが
ジャケットからして芬々と匂い立つじゃありませんかw

演奏陣はAndrea Orlandoの豊富な人脈を最大限活用した豪華な顔ぶれで、
現代イタリアンプログレの主だったところは
概ね網羅されちゃっている感じです。
一方前作ではAlessandro CorvagliaとSimona Angioloniの2人に歌わせましたが
本作ではMeghi Moschinoという無名の女性ボーカルが全編で歌っており、
これがまたなかなか良いんだな。

個人的には2曲目、7曲目に配されたイングリッシュホルンが
大変効果的で素敵だと思いました。
特に7曲目(アルバム終曲)は15分の長尺で
チェロ、ヴィオラ、バイオリンも加えてゴリゴリのシンフォプログレを
これでもかと叩きつけてきます。勿論メロトロンだってだだ漏れです。
Andrea Orlandoって凄くいい曲書くんだな、と、改めて感心したりして。



これはさぁ、手売りとは言え盤があるのだから
各専門店は仕入れないと駄目なんじゃないかと思う1枚であります。



後は…

Messages A Christmas Selection Box From Pallas
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3年振りのクリスマスコンピレーション(デジタルDLのみ)。
ほぼ既発曲が占めるギブアウェイ(DLしたければ幾らか入れてね式)ですが
新譜のデモ(歌ナシ)が幾つか含まれているので、そりゃもう、ねぇ。

集中して、というよりはダラっと聴き流すのに丁度いい感じだったので
結構繰り返し再生していました。



短文ですが今回はこれで失礼しちゃおうかな。

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疲れ正月 [徒然な話]

母の調子が悪い、と施設から連絡あったのが大晦日の14時過ぎ。
実家のすぐ近所、病院併設の施設なのだけれど
正月だもんでちゃんとした検査が出来ず、
車で15分ほど離れた別の病院へ救急搬送するとのこと。

…うへぇ。

搬送先の病院が交通の便悪く、向かうのが結構しんどい。
しかしそんなことも言ってられんので取り急ぎ準備して出かける。
病院着が16時ちょっと前。
搬送に付き添ってくれた施設の看護師さんから引き継いで
処置室前で1時間半くらい待ちましたかねぇ。
他にも患者さん引っ切り無しで、
なんかホント、大変な仕事だよなぁ、医療って。

その後医者から状態の説明を受けるも
やたらとテクニカルタームを使う人でちょっとイラついてしまった。
素人にゃ全然分からんつーの。
まぁ要するに肺炎であると。
年齢が年齢なので油断は出来ない、ということで即入院です。
そうした説明を受けている横で酸素マスクを着けた本人は
あんた今日休みかい?とかトイレ行きたいなんて話しかけてきて、
まぁ呑気なもんです。

さて。お薬手帳やらなんやら…
あぁ、さっき看護師さんが持って帰っちゃったのか。
ということで施設まで取りに行ってついでに年末のご挨拶をして、
待たせていたタクシーでトンボ帰り。
しかし病院も正月営業なので受付にほぼ人が居らず、
入院手続きが全て終わったのが19時30分。

-結局帰宅は21時。
もう、なんもやる気しねぇ。
元日、2日はただただボーっとしてたら終わった感じ。
あ、おせちは美味かったです。
ここ数年お取り寄せしたうちでも一番だったと思います。

3日病院に電話。抗生物質が効いて熱は下がったそうで一安心。
本人暇らしく車いすでちょこちょこ動いているらしいw
4日の通常診療再開に伴ってようやく正式な担当医師が決まるらしく、
方針説明はそれ以降になります、と。
僕は退院後、施設へ戻す算段を考え始めていたところで、
まぁ少しゆっくり入院してもらうのもアリかなぁ、なんて。
インフルエンザの流行で面会制限が厳しいのをいいことに
こちらも適当にサボりつつ、ってことで。

車が無いとこういう時不便だなぁ、と実感するも
もう15年くらい運転していないのでレンタカーやサブスクも…ねぇ。

世間では大きな地震(勿論うちも揺れたけど)や航空機事故もあって、
なんというか、落ち着かない正月ですこと。



新年はこれ ↑の再発について書こうかな、なんて思っていたけれど
それどころじゃなかったです。
しかしRik Emmettは勿論、やっぱりDave Dunlopは只者じゃないよな。

んー、今年も宜しくお願いします。
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年末小ネタひねり出し [日々聴く音楽]

↓ 某店がいつまで経っても入荷しねぇから聴くのが遅くなっちゃった。



えっ、国内仕様盤が出てるの!?
そういやMARQUEE / BELLE ANTIQUEはTRAPEZEも紙ジャケで再発してたっけ。
まぁしかし大概訳分かんねぇチョイスだよな。

僕はGlenn Hughesという人に微塵も思い入れが無いのでアレなのですが、
Robin Georgeとのセッションについては
'08年に“Sweet Revenge”というタイトルで
KRESCENDO RECORDSがリリースしており
今般のHNE盤ってのは実は2度目のお目見えなんだよね。
KRESCENDO RECORDSだからカウントしないってのは…
それはさすがにちょっと無理あるよな。

KRESCENDO盤の10曲は
HNE盤に全曲引き継がれていますが(HNE盤は全13曲収録)
幾つかの曲についてはバージョンが違っていて、
これは単なるテイク違いか後編集なのか定かではありませんが
やっぱりマニアは両方聴かないとアカンと思うのです。

このセッションは'89年に行われたもので、
元々はRobin Georgeが自身のアルバムとして出そうとしていたみたい。
そこに当時薬物禍にあって行く宛てのなかったGlenn Hughesを参加させて
上手いことレコード契約を…という目論見が加わったって感じでしょうか。
結局本作はお蔵入りし、Robin GeorgeはSean Harris
NOTORIOUSで勝負に出ることになる訳です。

本作収録曲については如何にもGlenn Hughesに似合う
跳ねたリズムのハードロックが聴き処ということになるのでしょうが
僕のようなRobin Georgeファンからすると上掲のような、
完全にRobin Georgeのボーカルを想定して書かれた曲が染みるのです。
実際何曲かは後にRobin Georgeが再録音しており、それを聴いて
そうそう、これこれー!
と大いに盛り上がったのは言うまでもありません。



誰がなんと言おうと僕ぁこっちのが好きなの!



-話変わって。

The Birthday Party / MOTORHEAD / 1990
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'85年、バンドの10周年を記念する
ロンドンはハマースミスオデオンでの実況録音盤。
全般に物凄い勢いで突っ走るライブですがなんか急に聴きたくなったので。
'85年なのでカルテット期の演奏ですな。
ギター2本の“Ace of Spades”とか、結構カッコイイんだよね。

で、最後の“Motorhead”にはPhilthy Animalを始め
元メンバー他たくさんのゲストが登場するのですが、
ここでもLemmyがPhil Lynottのことをやっぱり「ふぃる りのっと」
紹介していることに気づいたのです。

なぁ、ホントに「らいのっと」の方が正しいのけ?
と、相変わらず小さな抵抗を続けるおっさんが独り。



ーついでに。

んー、なんだか全然勘違いしてましたが(老化)、
正月の干支シリーズ(一発出オチネタ)は別に毎年やってた訳じゃなかったのか。
調べてみたら'20年の子今年(卯)の2つしかありませんでした。
全然覚えていないという、なんというか、この。
で、やっぱり辰は難しいよね…だって実在しないし。
メタル関連ならDragon絡みなんて幾らでもあるけれどどれもあんまり面白くないし。
なので来年はナシの方向でひとつ(無責任)。
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漸く朝晩は冬って感じ [日々聴く音楽]

The Messenger / PALLAS / 2023
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フィジカルは未発送ながら(クリスマス~正月の混雑で
行方不明になるのは嫌だから年明けてからゆっくり発送でいいのよ)
デジタル版をみっちり聴き込んでおります。
僕が思うに本作は“The Cross & The Crucible”('01)以降の
「21世紀PALLAS」を(Paul Mackie期を含めて)
総括したアルバムではないかと。
ズバリ、重厚で落ち着いた「大人のポンプロック」ですなこりゃ。
しかし同時に、各曲のディテールを注視(聴)すると
いかにも'80年代のPALLASが得意としたフレーズやトーンが
そこここに配置されていることに気づきます。
要するに根っ子はなーんも変わっちゃいねぇのだ。

Alan Reedの復帰作ではありますが
当然のようにGraeme Murrayがリードを取る場面も多く
まぁきっとこれくらいの割合が喧嘩をしないで済む塩梅なのだろう、
などと考える僕です。
実際このダブルボーカル+コーラスこそPALLASの真骨頂であり
僕はこれが聴きたかったんだよね。

全6曲50分、終曲“The Messenger”に向けて
じわじわと山を作るアルバム構成は相当に見事で、
それぞれ単曲での魅力もさることながら
アルバムトータルとしての出来がかなり良いと思うのだな僕は。

今どき本作がどの程度の影響力を持って
聴き手の耳に届くのかは定かでありませんが
僕のような者にとってはコレ、大変な1枚なんだよね。
今年を代表する、とまでは言わないものの
この先大事に聴いていきたいアルバムであることに間違いありません。



Turned To Stone Chapter 2: Masamune & Muramasa /
HOWLING GIANT , SERGEANT THUNDERHOOF / 2020
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3年前のアルバムですがつい先日初めて聴いたのです。
ドゥーム、ストーナー方面に特化したレーベル、
RIPPLE MUSICのオムニバスシリーズ第2弾(現在は7まで出ているようです)。
このシリーズはLPの片面づつを2バンドでスプリットするのが基本フォーマットで、
本作はHOWLING GIANTとSERGEANT THUNDERHOOFが
それぞれ長尺の1曲で勝負しています。
HOWLING GIANTが「正宗」、SERGEANT THUNDERHOOFは「村正」をテーマとし
中2感溢れる色即是空をめくるめく音空間に展開していきます。
かかか、カッコイイじゃんコレ!

勿論HOWLING GIANTの流れで本作に辿り着いた訳ですが、
SERGEANT THUNDERHOOFも全然アリですな。
オーソドックスなサイケ、ストーナー感がやや強いものの
豪放磊落な印象は余りなく曲構成は結構細やかに組み立てられていて
…あ、イギリスのバンドなのか。なるほどね。

これもまた今年のお気に入りに決定です。



来年元日の干支シリーズ(一発出オチネタ)、
なかなかいいのが思い浮かばねぇ…。

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桔梗信玄餅アイスバー激ウマ [日々聴く音楽]

冷凍庫にストックしないとダメな奴に決定(デブ)。



ちょっとだけ注目すべき再発。

Yesterday and Today Live / Y&T / 1991
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従前は13曲収録だった1枚(CD)モノに
“Earthshaker”と“Rescue Me”の2曲を足して2枚組化。
特に表記はありませんがリマスターはされているものと思われます。
GEFFEN RECORDSからドロップアウトして
失意のまま'90年に行われた
(最初の)解散ツアーの模様を捉えた本作は
metal blade recordsからのリリースでした(今般再発も同様)。



いやいやいや、俺らまだ全然やれるよ!?
というやるせなさが鬼気迫る演奏に昇華した物凄いライブだと思います。
半分オリジナルメンバーじゃねぇし、というのはまぁ確かにその通りで
本当は“Open Fire”('85)がフルサイズのライブアルバムだったら
一番良かったのですが。
ただアレはアレで後からスタジオでかなり録り直しているんだよな。

結成50周年で来年早々に来日するってニュースをふと目にして
あぁ、Dave Menikettiは元気でやっているんだな、なんて思って
つらつら眺めていたら半年前に出ていたこの再発盤を見つけた次第。



-そして話はあらぬ方向へ飛んでいきます。

Echoes – Ancient & Modern / TREVOR HORN / 2023
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前作の評判が良かったのですかね?
またもや自分絡みの曲、全然無関係な他人の曲を取り混ぜて
いかにもTorevor Hornなアレンジで聴かせる1枚。
今回は生オケを前面に謳わず、その点正直ではありますが
全般にややビートに乏しいゆったりアレンジなので
ロック、ポップス的楽しみからは少し遠い感じもします。

果たしてTrevor Horn流“Smells Like Teen Spirit”なんて
誰か聴きたいヤツおるんか!?
などと憤りつつ、



↑ これはやっぱり、ちょっと聴いておきたかったのよ。
Robert Frippがギターを弾くFGTHってのは、これは相当な珍品よな。
この際Toyah Willcoxが歌うってのには目を瞑ってやるよ(何故上から?)。

しかし僕が一番気に入ったのはTHE CORRSのAndrea Corrが歌う
Billy Idolの“White Wedding”でした。
元曲に漂うウェスタン風味を
アイリッシュトラッドに置き換えるというのは
理に適った面白いアイデアだと思います。
あ、仕上がりはそこまであからさまに民族音楽ではないです。

他にもSteve HogarthにTHE CARSを歌わせてみたり、
独特の人選が結構面白いアウトプットに繋がっていると思います。

いやぁ、それにしたってNIRVANAはどう考えても無いわな。
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振り返ったところで大したことはなにもない [音楽の周辺]

2023年はねぇ、ホントに淡々と過ぎた1年でございました。
コロナが5類に移行して云々、ってのはあったにせよ
僕個人としては、だからどしたの!?
くらいのもんでしたから。
まぁ確かに物価高と円安は現在進行形で相当厳しいです。
まさか(ものによってではありますが)国内盤CDの方が
輸入盤よりも安くなるなんて思わなんだもの。
しかし僕はあんまりフィジカルに頼らなくなっちゃったので
そこまで大きな影響があるって訳でもなく。

そんなことを言いつつも
レコ屋実店舗に再びちょこちょこと足が向くようになりました。
あー、これはひとつ大きな変化ですね。
ただ、一通りザっと眺めただけで
何も買わずに店を出ちゃうパターンが増えたのもまた事実で、
これは多分
ああっ、こんなん出てたのぉ!?
という驚きがあんまり無くなっちゃったからだと思います。
そういう意味では
うわっ、こんなんあるじゃーん!
という愉しみは専ら中古盤レコードに偏った感があります。

ネットで新しい発見をして
フィジカルが有ろうが無かろうがその場でデジタルDL
というのが当たり前になってしまった今、
僕の実店舗との向き合い方が
完全に新たな局面に移行したのは間違いありません。

ここのブログについては…今年の作文はこれを含めて70本。
ここ数年のうちではちょっとだけ多い方ではないかと。
つい先日エントリーがトータルで1,000を数えるという節目もありました。
加えて、ザっと見渡してみたところ
アレ俺これなに書いたんだっけ?
ってヤツがほぼ無かったので、
割と書きたいことは明確だったのだと思います。
新作旧作共に無理繰り作文したという記憶もあまりなく、
今年はおしなべて自分にとって良い音楽を聴いていたのだなぁ、と。



PALLASの話題が多かったのは認めます。
だってさぁ、Alan Reed復帰だもんそりゃ仕方ないよねぇ。

僕としては先日始めた新シリーズ 盤無き好作 を
来年以降一つの柱にしていきたいと考えていますが、
まぁ言うても所詮は僕のことなので全く信用なりませんw

もうすっかり恒例ながら
この振り返りの後も本年中普通に作文はアップします。
幾つか書きかけも有るし、それこそPALLASの新譜も間もなくだしね。



-てなことを書きながら
Bernie Marsdenの遺作を全編聴いたのでついでにちょっとだけ。

Working Man / BERNIE MARSDEN / 2023
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リレコーディングの10曲(フィジカルで言えばディスク2)に
注目(耳)していたのですが、いやーこれ新曲の素晴らしいこと!
勿論全然分かっていたことなのですが
やはりBernie Marsdenはメロディメイカーとして大変優れていますね。
パッと聴いて感じる、穏やかで耳触りの柔らかな旋律はしかし
聴き手の脳裡にハッキリとした印象を植え付けます。
先行して公開されたリードトラックはブルーステイストが芬々で、
勿論近年の故人に期待されるのはその線で間違いないのだけれど
本作はもう少しだけ幅の広い、
いかにもブリテシッシュロックの精髄がミチミチに詰まっているのです。
作文アップ日現在貼れるのがないのですが、
“Son I've Never Known”、“Working Man”辺りが僕的白眉です。
セルフカバーではWHITESNAKEの曲よりも
ソロ2枚目“Look at Me Now”('81)のタイトル曲が
ストレートな泣きの英国ハードロック度を増していて滅茶苦茶僕好みでした。

そして同じく分かっていたことなのだけれど
Bernie Marsdenのボーカルが物凄くイイ!
決して技巧に優れている訳ではありませんが、
非常に魅力的な声質で聴き手に響く歌を歌うのです。

僕の灰色の脳味噌内では剛のGary Moore、柔のBernie Marsdenという
位置付けをするこでスッキリと整理されているのですが
巷間そうは思っていないようで…。

うん、今年はこの人絡みの作文も多かったですね。

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